○
山花委員 なかなか具体的には
お話しいただけませんので、私の方で少し
調査したところについて
お話しさせていただきたいと思います。
ちょっと地図を御参考までにということでありますけれ
ども、
東京湾横断道路に将来ずっとつながってまいります
圏央道がこの
高尾陣馬自然公園を横切りまして、コピーで黒く出ておるところが表に出るところ、そうでないところはトンネルということになります、高尾の国定
公園、
高尾山の中は中腹をぶち抜くという
格好になっているわけでありますが、黒いところで表に出てまいります。
圏央道が
高尾山の中腹を貫きまして、国道二十号、これは甲州街道でありますけれ
ども、交差いたします南浅川インターを
中心といたしまして、超大
規模といってよろしいと思いますけれ
ども、
高尾山開発計画が発表されました。
この予定地は、自然
公園の配置図をごらんになっていただいてもよくおわかりいただけると思いますけれ
ども、明治の
森高尾国定公園七百七十ヘクタールの南側、
高尾山のふもとであります、国定
公園を取り囲む形の都立
高尾陣馬自然公園、これは四千四十三ヘクタールでありますが、その南側三百六十八ヘクタールの市街化調整区域を
開発しようということであります。この
地域は緑の山林、まさに
高尾山の大変緑豊かな一帯でありまして、都が
都市計画法に基づいて五十六年に作成いたしました緑のマスタープランなどにおきましても、保全される場所、こういう
格好で、実は
保護されている場所であります。この場所につきまして三百六十八ヘクタールを
開発する。お手元にお配りいたしました
高尾陣馬自然公園の右の下のところに大体の配置図を高尾大雄ニュータウン基本
計画ということで、ちょっとわかりやすく書いてありますが、ちょうど南浅川インターを
中心といたしまして、この右、左に約二万戸の住宅、
ゴルフ場等を
建設しようというのがこの
計画であります。
思いがけないこの
計画が出てきたわけでありますけれ
ども、この
圏央道のインターの
計画が先にあったのか、二万戸のニュータウンの
計画が先にあったのかということについてはだれが考えたってわかるわけでありまして、何もない山の中にこんなものをつくるはずがないわけであります。後で御
説明いたしますけれ
ども、実は
圏央道の
計画の
ルート発表と並行して会社がいろいろ買い占めに走ったという
状況になっているわけであります。ここの
計画につきまして、そうした該当の会社が出している文書を見ますと、
高尾山一帯は全部住宅街になってしまう。
高尾山の山頂からの俯瞰図なんというのが写真で出ておりますけれ
ども、今ですとハイキングの緑の一帯ですね。明治の森自然
公園ですか、眺めるとそうなんですけれ
ども、そこが全部団地になってしまうという
計画でありまして、この資料によりますと
プロジェクト名は高尾大雄ニュータウン
計画、
高尾山南から神奈川県境にかけての三百六十八・五ヘクタール、南浅川町の約七割と高尾、初沢町の一部である。人口は二万人、
土地利用
計画は独立、集合の住宅が計五千五百戸百十一・三ヘクタール、
ゴルフ場が百十五・三ヘクタール、テニス、乗馬、フィールドアスレチックなどスポーツ施設十・八ヘクタール、さらに中学校一、小学校二、幼稚園から病院、汚水処理施設などの公共施設用地が百三十一・一ヘクタールという
格好。実は
東京都内に随分
開発がありますけれ
ども、従来の
東京における
開発といたしましては、西武不動産が行いました
八王子市内の西武
八王子北野台の二千二百戸というのが
民間の
開発では最高であります。過去最高が二千二百戸、今回二万戸
高尾山の山の中につくるということなわけですが、ぴたりとこの
圏央道の
開発計画のインターを真ん中にいたしましてその両側につくるという形になっているわけであります。
実は、この買収の仕方等が非常に荒っぽいということについては驚くべきところがあるわけでありまして、山林などの買収を高い値段でやっているわけであります。例えばこういう例もあります。
八王子市におきましては、今申し上げました高尾町とか南浅川町一帯の
高尾山南麓の山林が買収されて、このあたりでありますけれ
ども、かつては
八王子市が持っていた山林であったわけであります。
八王子市が持っていたんだけれ
ども、
地元の部落の
皆さんが入会権でまきを切ったり木をとったりしておったということから、
昭和四十六年三月二十二日にこのうちの二百六ヘクタールを当時は坪三円四十銭、これが今二万円から二万五千円ぐらいで売買されていますけれ
ども、三円四十銭で全部払い下げました。山林を払い下げるわけでありますから、もちろん山林として守って持っていけということが条件となっていることは当たり前のことでありまして、払い下げの条件といたしましては、市と協議して特別の事由があると認められる場合を除いて共有者以外に転売してはいかぬ、すなわちあくまでも緑の山として
高尾山の自然を守っていきなさいよということが大前提となっています。
また、森林経営
事業の用途に供するものとして、自然の風致を破壊し、または公害のおそれのあるような
事業の用途に供してはならないと用途指定についても厳格な制限がなされておるということであります。そういう形で入会地だったものですから、当然将来も転売などはしない、用途変更はしない、村として
地元の部落の
皆さんが守っていくということで三円四十七銭で払い下げた
土地でありますけれ
ども、これががばっと全部買い取られてしまっているわけであります。二百六ヘクタール払い下げましたけれ
ども、そのうちの百六十九ヘクタールが既にこの業者に買われてしまっているという
状態であります。
こういう非常に荒っぽい買い方をしているわけでありまして、例えばもう
一つ例を挙げますと、市行造林というのがあります。これは市が行政上緑地
保護という
関係でその山林の地主さんから
土地の地上権を借り上げまして植林をしていく、そうして緑を守っていく、こういう
格好なんですけれ
ども、これは大体五十年から五十三年にかけまして十二・二六ヘクタール、杉、ヒノキを植えまして四十年から五十年の地上権を設定いたしたわけでございます。したがって、当然分収規定によってそれぞれ山林などについては市と
土地所有者が分けておるという
状態でございますけれ
ども、市行造林についても、最近調べたところでは実は三件、二・七九ヘクタール転売されております。
要するに、市の
土地を三円ぐらいで払い下げて将来も緑を守りなさいよという条件があったのだけれ
ども、それが売り払われてしまった、あるいはこれは当然国の補助金が
東京都を通じて市に出ていると思うのですが、お金を出して緑を守っている
土地、森は今のところそのままですけれ
ども、
土地が売り払われてしまっているという
状態があるわけでありまして、市行造林その他については後でまたちょっと林野庁その他に伺いたいと思いますけれ
ども、こういう
状態で大
規模な
開発がずっと進んでいる。こういう問題に対して
建設省とか
国土庁は何らかの規制といいますか、その中でやっていくことはできないものだろうかという根本の問題でありますけれ
ども、この点、
建設省、
国土庁それぞれにお伺いしたいと思います。