○山花
委員 去る二月七日、新聞各紙が行革審の特殊法人問題等小
委員会の報告の素案の要旨というものを掲載いたしました。続いて二月十日になりますと、昨年十月から取り上げられました十九の法人のうち
住宅・
都市整備公団を初めとした六つの法人につきまして、
委員と担当者庁との
質疑をそのまま列記したとされております
審議経過の概要というものがこれまた新聞に掲載されたところであります。六つの法人につきまして、それぞれ関係者から非常に強い関心が寄せられているところであります。
例えば、ついせんだってでありますけれども、二月二十八日、都内の
公団自治協、
公団にお住まいの
皆さんの
全国的な組織でありますけれども、縮小・民営化反対ということで決起集会を開いております。来る三月十六日には、
全国的規模で
公団自治協及び
住宅・
都市整備公団の労働組合その他団地サービスの労働組合などが日比谷の野外音楽堂で「まもれ
公団住宅、ふやせ
公共住宅3・16中央大集会」というものを開催する予定になっております。
そこでの
皆さんの気持ちは、「安くて、広い、良質の
公共住宅が切実に求められているなかで、
公団住宅の「縮小・民営化」はこの願いに逆行し、国の
住宅政策の大後退を
意味するものです。「縮小・民営化」は、家賃の大幅値上げをひき起こすなど
全国で六十六万戸、」二百万人の
公団賃貸
住宅居住者の生活に重大な影響をもたらすことはもちろん、
公団住宅に入居を希望する多くの
国民の要求をとざすものです。そして
公団事業に関係する多方面の
企業、業者の営業と業務に大きな被害を与え
公団で働く職員の雇用や職場をおびやかすものでおります。」こうした内容になっているわけであります。
〔
委員長退席、東家
委員長代理着席〕
私は、本日は時間の制約もありますので、この
住宅・
都市整備公団の縮小・民営の問題に絞って、
建設省を初め
皆さんの御
意見を承りたい、こういうように存じます。
さて、いよいよ小
委員会報告などが漏れ伝わってくるようになりますと、いずれ、一月あるいは二月以内にはまとまった
意見として出てくるのではなかろうか。そういたしますと、当
建設委員会におきましても、これは継続的に引き続いて
議論をしなければならないテーマであると思うわけですが、我々が大変危機感、不安感を持っているよって来るゆえんも若干御説明をしておくことがこれからの
議論に必要ではなかろうかと思いますので、若干
意見を含めて経過についてまず述べさせていただき、その上でいろいろ御質問をさせていただきたいと思います。
実は、
住宅・
都市整備公団が、前身の
日本住宅公団以来三十年を超える歴史を持つ中で
日本の
住宅問題に果たした役割は限りなく評価されるところがある、私はこう
考えております。政府の
住宅政策の中核にもあったものだと確信もいたします。
この
公団が、周辺の環境の中で少しくあり方と目的を変えられつつあるのではなかろうかという心配はかねてからあったわけでありまして、一番古いところでは、一九七一年、これは参議院選挙のときでしたけれども、都会出身の議員の
皆さんから
住宅公団を払い下げるという運動が起こりました。引き続いて、その次の参議院選挙の前でありますけれども、七三年の五月、当時の田中首相が、インフレ対策ということで、
公団・公営
住宅を入居者に払い下げるようにと
建設省に指示をおろしました。
具体的には、当時二DKで三百万、四百万という値段まで算定されて、かなり急ピッチで話が進んだわけでありますけれども、これは世論、マスコミから、いわば場当たり的なインフレ対策である、本来の政府の土地政策、
住宅政策の中から出てきた問題提起ではないし、選挙目的ということでは邪心があり、また投機に利用されるのではないかと大変批判を呼びまして、最終的には、そのときの
国会で、当時の金丸
建設大臣が払い下げを行う場合は衆議院の
建設委員会の許可を受けると発言することによって一たんはおさまったわけであります。
以来、さまざまな動きがありましたけれども、八一年十月には
日本住宅公団と宅地開発
公団の統合ということの中で我共が心配いたしましたのは、その設置の目的から、
住宅に困窮する勤労者のために
住宅を
建設するというところが削除されたというところを中心として、今後の
公団のあり方が大変
議論されたことは我々の記憶に新しいところであります。
次いで、
住宅・
都市整備公団を中心としての動きを振り返ってみると、八二年七月には臨調の基本答申、第三次答申でありますけれども、「
住宅の量的充足と
民間部門の発達という現実を踏まえて、
民間の能力を最大限に生かすことを基本とし、
民間部門が十分機能する
分野については逐次公的部門の関与を見直していく必要がある。」との答申が出されまして、以来、行革審における
審議が今日まで進められたわけであります。
この間、おととしでありますけれども、田中元総理が、これは箱根での同派の研修会でありますけれども、
国家財政の赤字補てんとして、
公団住宅を売り払えば数十兆円になるとお話しになったことが報道をされました。これを受けて、ということではないかもしれませんけれども、昨年の
予算委員会におきましては、この
住宅公団を分譲、賃貸ともに売却するということにすれば百三十兆から百五十兆のお金が出るではないかというやりとりが出たりしたわけであります。
こうした経過の中で、過日の行革審小
委員会の素案を拝見いたしますと、中身としては、この問題となった法人のあり方、
活性化の問題を中心として
議論されてきたようでありますけれども、こうした私たちの経過を踏まえての不安という観点から、新聞報道された幾つかの問題について見てみると、いよいよ
公団の解体に向かって事が進められたのではなかろうか、こういう不安をぬぐい去れないのであります。こういう前提を置きまして、以下御質問させていただきたいと思います。
行革審における特殊法人小
委員会のこれまでの
審議経過と
審議内容について、御
承知のとおり、非公開でありますから、私も新聞に出たものを基礎としてお伺いせざるを得なかったわけですが、
建設省では担当の方がここに
出席されておると思いますし、これまでの
議論にも参加されてきたと思いますので、差し支えない
範囲におきましてこれまでの経過と
議論の中身についてお話しいただきたい、こういうように思います。