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薮仲委員 きょうは時間が限られておりますからこのぐらいにしておきますけれ
ども、マイナスシーリングというかゼロシーリングがこのように長い間続くということが、果たして社会資本の
充実あるいは国民のより快適な
生活を維持向上させるためにいいことか悪いことか、こういう点についても今後真剣に論議を重ね、公共
事業の果たす役割というものをさらに
充実していかなければならない、それについては
建設省も十分取り組んでいただきたい、このことを
お願いしてちょっと次の
質問に移りたいわけでございます。
前
大臣の木部
先生の地元で大変な痛ましい事故が発生して、木部
先生も心を痛めていらっしゃいます。我々静岡県民にとっても大変心の痛む問題であって、被災された方に対し心からお悔やみを申し上げながら、こういう事故が再び起きないために何点かお伺いしたいわけでございます。
こういう問題が起きますといつも言われますのは、
建築基準法上どうなっているかということでございます。この問題は我々もこの建設
委員会で何回も、思い起こすのも悲しいことでございますけれ
ども、あの五十五年の川治プリンス
ホテルあるいは蔵王観光
ホテル、
ホテル・ニュージャパンあるいは万座温泉
ホテル等、立て続けにそういう悲しい事故があるたびに我々は防災について論じてまいりました。しかしまたか、
災害は忘れたころにやってくると言いますけれ
ども、いつもあったときに言われることは、現在の防災がこれでいいのかということを問われるわけでございます。
思い起こしても、我々は
建設省がいろいろやっていらっしゃることは十分承知でございます。しかし、今度問題になったのは何かというとマスコミの報道でございますから、まだ原因の究明もなされておりませんし、ほとんどの方が熟睡中に亡くなられてしまったという悲しい事故でございますから、詳細はまだまだわからないことが多く出てくると思います。ただ、報道の中に気にかかることは、特殊避難階段、いわゆる避難階段でございますけれ
ども、避難階段が
建築基準法上は確かに設置の義務がございます。二方向に逃げられるようにしましょう、あの
建築基準法上には避難階に到達するとかあるいは地上に到達するということがうたわれてあります。でも、今回問題にされたのは、地上に到達してから
道路に非常に逃げにくい構造になっていないかということが一部報道されております。
私も
建築基準法の施行令をずっときのうから目を通してみたのですが、果たして表へ出ることについての安全の観点はうたわれているのかどうか。当然これは十分考慮されていると思いますけれ
ども、事故が起きるとあの建物はどうだと言われます。確かに
建築基準法上は年々変わってまいりまして、現行は四十八年ですかの改正以降変わってないと思いますが、やはり既存不適格ということがございます。
法律が変わっても古い建物はこうなんだという問題がございますけれ
ども、避難路というものは人命にかかわることでございますから、確かに
建築基準法上はできておる。しかしそれが本当に逃げやすいかどうかという視点の欠落はあってはならないことだと思いますので、この点、
建設省としては消防庁等とも協議なさって今後の
対策に取り組んでいただきたいが、どうお
考えになっているか、お伺いしたいわけでございます。
我々が当
委員会でいろいろ
建設省からお伺いすると、「
建築物防災対策要綱」により
防災改修は進捗しております上という報告も受けております。あるいはまた建物については定期の調査、検査の規模及び時期が決まっております。特定規模のものは一年あるいは二年でやります、最も安全に重要な場合には半年でもやりますよ、こういう報告は受けておるのですけれ
ども、果たしてどうなんだ。あの
ホテル・ニュージャパンの
火災があったときに当時の豊蔵
住宅局長は、いわゆる
旅館及び
ホテルの
防災対策を促進しなさいという通達を出された、これも我々は承った。このように通達とか指針等が出されておるし、また基準法八条の中を改正しまして、あそこで我々はいわゆる現在のマル通マークだけではなくて
建設省としても安全保証をつくりましょう、「維持保全」についての
指導要綱もおつくりになった、それで安全についてはこうでございますということはさんざん聞いておる。
しかしこういう事故が起きてまいりますと言われるのは、例えば大きさの基準がございます。木造三階建て三百平米というのが対象でございます。対象じゃないところもたくさんあります。今度の
大東館の場合はたまたまこれは
指導指針の中に入る建物でございますけれ
ども、そういう中からもこういう事故が起きてまいりますと、安全について
指導をいろいろなさっていらっしゃるけれ
ども、それが的確に各
地方自治体において
運用されているかどうか、総点検というと事が大きくなりますけれ
ども、もう一度注意を喚起することはこの際私は大事だと思うのです。
もう一点は、これは後で消防庁に聞きますけれ
ども、基準がマル適マークは木造三階あるいは三十人と決まっておるけれ
ども、しかしそれ以下の小さい建物は大きな被害が出ないか。今度の建物はマル道の基準の下でございます。そういうところで二十数名のとうとい人命が失われることを
考えて、基準とかあるいはこれが要件でございますということをさらに見直して、すべての人が集まる集会所、
ホテル等については安全の観点から十分な検討がなされなければならないと思うのでございますけれ
ども、まず最初に、
建築基準法を所掌していらっしゃる省庁として、
建設省どうお
考えになっていらっしゃいますか。消防庁にはまだいろいろ聞きたいことがありますから、最初、
建設省お答えください。