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1986-02-12 第104回国会 衆議院 建設委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和六十一年二月十二日(水曜日)     午前九時四十一分開議 出席委員   委員長 瓦   力君    理事 谷  洋一君 理事 東家 嘉幸君    理事 野中 広務君 理事 平沼 赳夫君    理事 木間  章君 理事 山中 末治君    理事 新井 彬之君 理事 西村 章三君       池田 行彦君    糸山英太郎君       榎本 和平君    加藤 卓二君       金子原二郎君    桜井  新君       東   力君    村岡 兼造君       森田  一君    保岡 興治君       山岡 謙蔵君    井上  泉君       上野 建一君    小澤 克介君       中村  茂君    山花 貞夫君       坂井 弘一君    伏木 和雄君       薮仲 義彦君    伊藤 英成君       瀬崎 博義君  出席国務大臣         建 設 大 臣 江藤 隆美君         国 務 大 臣         (国土庁長官) 山崎平八郎君  出席政府委員         国土政務次官  白川 勝彦君         国土庁土地局長 末吉 興一君         建設政務次官  中島  衛君         建設大臣官房長 高橋  進君         建設省都市局長 牧野  徹君         建設省河川局長 廣瀬 利雄君         建設省道路局長 萩原  浩君         建設省住宅局長 渡辺  尚君  委員外出席者         国土庁計画・調         整局計画課長  糠谷 真平君         中小企業庁計画         部金融課長   土居 征夫君         消防庁予防救急         課長      長谷川寿夫君         建設委員会調査         室長      佐藤 毅三君     ————————————— 委員の異動 二月十二日  辞任         補欠選任   國場 幸昌君     加藤 卓二君   山花 貞夫君     小澤 克介君   坂井 弘一君     薮仲 義彦君 同日  辞任         補欠選任   加藤 卓二君     國場 幸昌君   小澤 克介君     山花 貞夫君   薮仲 義彦君     坂井 弘一君     ————————————— 本日の会議に付した案件  昭和五十九年度における道路整備費財源の特  例等に関する法律の一部を改正する法律案(内  閣提出第二号)      ————◇—————
  2. 瓦力

    瓦委員長 これより会議を開きます。  この際、江藤建設大臣山崎国土庁長官中島建設政務次官及び白川国土政務次官から、それぞれ発言を求められておりますので、順次これを許します。江藤建設大臣
  3. 江藤隆美

    江藤国務大臣 おはようございます。  昨年末の内閣改造におきまして建設大臣を拝命することになりました江藤隆美でございます。よろしくお願いを申し上げたいと存じます。  申し上げるまでもありませんが、建設行政は、住宅道路あるいは河川、あるいはまた下水道、公園、万般にわたりまして国民生活に密接なかかわりのある事業をこれから所掌してまいるわけでございます。財政難だと言われておりますが、六十一年度予算においてはそれなりの工夫をしていただきまして、どうにか予算そのもの皆さんの御努力によってできましたわけであります。  これから予算審議お願いして、これが執行等については十分細心の注意を払って行っていく必要があると思いますし、同時に、民活元年と言われておるわけでありますから、各界各層の御意見を承りながら民間の力も活用して、公的資金においてやれない分も国民総がかり国土開発に取り組むというような体制をつくるべく努力をしてまいりたい、こう思いますので、よろしく御指導と御鞭撻を賜りますようにお願いを申し上げます。(拍手
  4. 瓦力

  5. 山崎平八郎

    山崎国務大臣 このたび国土庁長官を拝命いたしました山崎平八郎でございます。一言ごあいさつを申し上げます。  国土行政につきましては、皆様既に御存じと存じますけれども、二十一世紀への国土づくりを目指すとともに、第四次全国総合開発計画の策定を考えておるところでございます。総合的な土地対策推進総合的水資源対策推進大都市地域整備地方の振興、そして災害対策強化等重要課題が山積いたしておる次第でございます。私は、これらの課題に対しまして全力で取り組み、豊かで住みよい国づくり、また地域づくりを積極的に進めてまいる所存でございます。  委員長初め委員各位におかれまして、どうぞよろしく御指導、御協力のほどを心からお願い申し上げまして、私のごあいさつといたす次第でございます。まことにありがとうございます。(拍手
  6. 瓦力

  7. 中島衛

    中島(衛)政府委員 このたび建設政務次官を拝命いたしました中島衛でございます。  現下経済社会情勢には厳しいものがございますが、江藤大臣のもとで誠心誠意建設行政推進のために努力を重ねていくつもりでございますので、委員長を初め委員皆様方の御指導、御鞭撻お願い申し上げます。(拍手
  8. 瓦力

  9. 白川勝彦

    白川政府委員 このたび国土政務次官を拝命いたしました白川勝彦でございます。  微力ではございますが、山崎国土庁長官をお助けしながら国土行政推進全力を尽くしていく決意でございます。  委員長初め委員各位の特段の御協力、御指導お願いいたしまして、私のごあいさつといたします。よろしくお願いいたします。(拍手)      ————◇—————
  10. 瓦力

    瓦委員長 次に、内閣提出昭和五十九年度における道路整備費財源特例等に関する法律の一部を改正する法律案議題といたします。  趣旨説明を聴取いたします。江藤建設大臣。     —————————————  昭和五十九年度における道路整備費財源の特   例等に関する法律の一部を改正する法律案     〔本号末尾に掲載〕     —————————————
  11. 江藤隆美

    江藤国務大臣 ただいま議題となりました昭和五十九年度における道路整備費財源特例等に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、提案理由及びその要旨を御説明申し上げたいと存じます。  今国会に提出されました補正予算におきましては、内需拡大に関する対策の一環として、約二百九十九億円の道路整備事業費追加が計上されておりますが、この財源につきましては、現下の厳しい財政事情等にかんがみ、揮発油税等のいわゆる道路特定財源を充てることが必要であると考えられます。  ところで、道路整備費財源につきましては、道路整備緊急措置法規定により、揮発油税等収入額決算額がその予算額を上回ったときは、当該上回った額に相当する額を決算調整額として翌々年度道路整備費財源に充てることになっておりますが、昭和五十九年度におきましては、約二百九十九億円の決算調整額が生じております。  このため、昨年度補正予算におきましてとられました措置と同様に、本来昭和六十一年度財源に充てられることになるこの決算調整額昭和六十年度財源に充てることにより、今回追加される道路整備事業費財源を確保することとし、道路整備緊急措置法第三条の適用について特例措置を設けることとした次第であります。  したがいまして、法律案要旨といたしましては、昭和五十九年度揮発油税等決算調整額昭和六十年度道路整備費財源に充てることとし、これに伴い、この決算調整額昭和六十一年度道路整備費財源には充てないこととしております。  以上が、この法律案提案理由及びその要旨でありますが、何とぞ慎重御審議の上、速やかに御可決くださいますようにお願いを申し上げる次第でございます。  なお、本日、当初の委員会でございまして、私が直接の審議に参加さしていただくのがよろしいわけでありますが、ちょうど予算委員会の最中でございますので、委員長初め皆さん方のお取り計らいによりまして、中島政務次官をして御答弁をさせますことをひとつお許しをいただきまして、よろしく御審議賜るようにお願い申し上げる次第でございます。
  12. 瓦力

    瓦委員長 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。     —————————————
  13. 瓦力

    瓦委員長 これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。山中末治君。
  14. 山中末治

    山中(末)委員 私は、ただいま議題になりました昭和五十九年度における道路整備費財源特例等に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、若干御質問を申し上げたいと存じます。  まず質問に先立ちまして、ただいまごあいさつがありました江藤建設大臣山崎国土庁長官中島建設政務次官白川国土政務次官の就任をお祝いを申し上げます。どうぞひとつ後世に残るような立派な施策を遂行していただきたい、このように期待いたすものでございます。  なお、御質問に入ります前、冒頭に、伊豆の熱川におきまして旅館大東館火災、炎上いたしました。非常に痛ましい犠牲が出ておりまして、本日、朝のニュースではまだ犠牲者氏名等がわかりにくいということをテレビ放映で見てまいったわけでありますが、犠牲者に対しましては心から慰霊を申し上げたい、こういう気持ちであります。  この火災につきまして、建設省当局において建築基準法その他所管事項について所感等があればひとつ簡単にお聞きいたしまして、二度とこういう痛ましい災害火災が発生しないように御尽力を願いたいと思うのですが、説明お願い申し上げたいと思います。
  15. 中島衛

    中島(衛)政府委員 今回、大東館旅館火災が発生をいたしましたことはまことに残念なことでございます。心から犠牲者の御冥福をお祈りを申し上げる次第であります。  従来から、建築基準法防災関係規定整備による建築物防災対策の徹底に努めておるわけでございます。  旅館及びホテル防災対策につきましては、防災査察強化充実指導する等、総合的に推進、特に社会的影響の大きな大規模既存適格建築物については建築物防災対策要綱によりまして防災改修推進をいたしておるところでございます。  現在、ホテル大東館火災事故に関しましては、火災原因等の解明が行われておるところでございまして、その結果を見まして今後適切な対応を検討してまいりたいと思います。
  16. 山中末治

    山中(末)委員 それでは二度とこういう火災が発生しないように一段の御尽力お願い申し上げたいと思います。  さて、本日議題になりました法律案につきましては、昭和五十九年度揮発油税等収入額決算額予算額を超える額を昭和六十年度道路整備財源に充てることとする内容で、その額は先ほど提案趣旨説明がありましたように二百九十九億円、事業費としては四百七十五億円、こういう内容のものでありますが、時間の関係等もありますので簡単に質問申し上げますので、要点をひとつ御答弁賜りたいと思います。  事業費でも追加額でもいいのですが、配分方針というのはどのようにお考えなのか、ひとつお聞かせいただきたいと思います。
  17. 萩原浩

    萩原政府委員 先生指摘のとおり、今回の補正予算では国費で二百九十九億円、事業費に直しますと四百七十五億円くらいでございますが、その事業費とそのほかに約二千五十三億円の国庫債務負担行為を盛り込んでございます。  この補正予算配分方針につきましては、各地域の実情を的確に反映させることといたしまして、地域道路整備状況経済社会情勢等を勘案して適切な配分を行いたいというふうに考えております。  具体的には雪寒地域を含みます地方部道路整備に重点的な配分を行いたいというふうに考えている次第でございます。  また、歳出予算国費二百九十九億円につきましては、全額地方道を初めとする一般道路事業充当いたしまして地方道路整備促進を図りたい、このように考えておる次第でございます。
  18. 山中末治

    山中(末)委員 わかりました。  それでは、地方道を中心にして配分をしていきたいというお考えでありますが、今第九次道路整備五カ年計画が進んでいるわけでありますけれども、最新の道路別の五カ年計画進捗率あるいはまた達成率等がわかっていましたらこの機会にお聞きいたしておきたいと思います。
  19. 萩原浩

    萩原政府委員 昭和六十年度末の第九次道路整備五カ年計画進捗状況でございますけれども、今回の補正が行われなかった場合には五三・四%というふうに考えておりますけれども、今回この補正が行われることによりまして国費が二百九十九億円、事業費で四百七十五億、これは一般道路充当いたします。一方、有料道路事業につきましては、財政投融資資金等追加いたしまして事業費約百六十億円を新たに追加することにいたします。そういたしますと、全体で補正後に五三・六%の進捗率ということでございまして、〇・二%の進捗率になります。  この五三・六%の内訳を申し上げますと、一般道路事業が五二・五%、有料道路が五七・八%、地方単独事業が五一・八%、これを合計いたしますと五三・六%の進捗率が図れる、こういうふうに私ども期待をいたしておる次第でございます。
  20. 山中末治

    山中(末)委員 今のお話は二百九十九億の補正の分だけじゃなしに、国庫債務負担行為も含めての数字ですか。
  21. 萩原浩

    萩原政府委員 国庫債務負担行為は実は六十一年度の前倒しのような格好をとっております。したがいまして、国費は六十年度はゼロでございますので、今回の六十年度達成率には計算に算入させていただいておりません。
  22. 山中末治

    山中(末)委員 わかりました。  先ほどの大臣提案趣旨説明にもありましたように、何とか内需拡大への効果を高めねばならない、こういうことでございますが、道路内需拡大に及ぼす効果というのは計数的に出ておりますか。出ておりましたらひとつお教えいただきたいと思うのです。
  23. 萩原浩

    萩原政府委員 第九次道路整備五カ年計画昭和五十八年度から六十二年度までの五カ年間に一般道路事業で十六兆、有料道路事業で九兆二千億、それから地方単独事業で十一兆七千億、そのほかに調整費一兆三千億を含みまして、総計三十八兆二千億の投資規模というものを計上いたしておる次第でございます。  この第九次道路整備五カ年計画が完全に実施された場合の内需拡大効果といたしましては、国民総生産、GNPに与える影響を定量的に計算をしてみますと、交通条件改善等によりましてGNP増加が認められまして、五十八年度から六十七年度までの十年間で投資額の約三倍の約百十六兆円、これは五十七年度プライスでございますが、百十六兆円に上るものというふうに認められております。その結果同期間におきます税収増加額も約二十兆円増加するのではないか、こういうように私どもは推計いたしておる次第でございます。
  24. 山中末治

    山中(末)委員 そこで、この法案に対します内容についてお尋ね申し上げたいのですが、先ほど萩原局長お話で、地方道を重視していきたい、こういうことでございましたので一応了といたしますが、今度の補正の額の二百九十九億円につきましては、いわゆる揮発油税の十五分の一は本来なら緊急地方道路整備事業費に振り向けなければならない性格のものじゃないか、このように思うのです。  これが今度は緊急地方道路整備事業費に振り向けずに道路費の方へそのまま全部事業費四百七十五億が入っていく、こういうことになっていますが、そういうことになってきますと、私の計算では、二百九十九億の十五分の一、これがもしも緊急地方道路整備事業費に入れられるとしたら二十億ぐらいのものが出てくるのじゃないか、これを事業費にすれば約四十億近い事業費になってくるのじゃないかというふうに思います。こういう面から考えましても、当然これは緊急地方道路整備事業費に入れるべき内容要素も入ってくる、それが入れられないということなので、今局長がおっしゃったように、特に地方道路整備充実に今度の補正内容を振り向けなければならない、こういうことになるのですが、そのあたりをどうお考えなのですか。
  25. 萩原浩

    萩原政府委員 先生指摘のとおり、昨年法律お願いいたしまして揮発油税の十五分の一を交付金として緊急地方道路整備事業に充てるというふうに規定をしていただきました。今回もその点につきまして検討いたしたのでございますけれども、既に年度末に近くなっておりまして、もう一度交付金制度によります緊急地方道路整備事業を組み立てるということが非常に難しいというふうに考えまして、この際、この二百九十九億円の中から優先的に地方道整備に振り向けるということによりまして実質的な担保を図りたいというふうに考えておる次第でございますので、何とぞよろしく御了承のほどをお願い申し上げる次第でございます。
  26. 山中末治

    山中(末)委員 局長お話でよくわかりました。  そういう要素もありますのでこれからも地方道重視ということをお考え願って、特に五カ年計画の中で地方道だけが進捗率達成率がほかの道と比べて低い、こういう結果が出ないように一段の御尽力を望みたいわけでありますが、せっかく中島次官に御出席願っておりますので、次官のお考え方をこの機会にお聞かせいただきたい、このように思います。
  27. 中島衛

    中島(衛)政府委員 自動車交通交通の主体となる地方部においては生活基盤を確保するとともに、地域産業を振興し、地方定住を促進するために効率的な地方道路網を形成し、地域間交流円滑化を図ることが不可欠であると思います。  このため、第九次道路整備五カ年計画におきましては、まず第一に、都市間幹線道路整備及び地方都市等におけるバイパスを推進する。二番目に、バス路線整備交通不能区間解消及び狭隘区間解消推進する。三番目に、その他市街地における居住環境宅地供給を図るための区画整理事業等街路事業についても重点的に実施をすることとしております。  また、五カ年計画の中で特におくれの目立つ比較的小規模な地方生活に密着した道路事業都道府県道市町村道等でありますが、それらを対象に六十年度から緊急地方道路整備事業が創設されており、本事業効果的に活用することによりなお一層地方道路整備に努めてまいる所存でございます。
  28. 山中末治

    山中(末)委員 今政務次官の方から答弁いただきました中にもございましたが、道路整備予算財源内訳についてこの機会に確認をしておきたいと思います。  道路特定財源、これは揮発油税全額なんですね、石油ガス税については政府分として二分の一、もっともこれは道路特定財源として固定化している。次に、自動車重量税なんですけれども、この八〇%相当額については道路特定財源に入るのじゃないか、私はこのような認識で今日まで来たわけであります。そういう認識で来ましたところが、御存じのようにオーバーフロー分というものが出てまいりまして、昨年の場合は四千百八億だと記憶しております。その後、六十年度でこれが二百億円道路会計の方へ入れられた、六十一年度予算の中では約二百一億がそのオーバーフロー分から入れられている、こういうことを承知いたしておるわけですが、残額が約三千七百億ほどオーバーフロー分として残っている、こういうふうに私は思うわけですが、建設省とされてはこの揮発油税石油ガス税、それから自動車重量税については私が今申し上げた認識でいいのかどうか、お考え方をお聞かせいただきたいと思います。
  29. 萩原浩

    萩原政府委員 先生指摘のとおり、揮発油税並びに石油ガス税の二分の一は法定化されております道路特定財源というふうになっております。法律規定をされております。一方、自動車重量税国費分につきましては法律では規定されてございませんけれども、この税の制度が創設された経緯あるいはその後の運用経緯から、道路特定財源としての原則に従って運用を行うのが正しかろうというふうに私ども認識をいたしておる次第でございます。  それで、先ほど先生が御指摘のとおり、第九次道路整備五カ年計画達成のためには、この自動車重量税に係ります道路特定財源全額道路整備に充てるべきであるというふうに私どもは主張いたしておりますけれども、五十七年度から五十九年度に当たりましては、国の財政その他の事情によりましてこれが道路特定財源としては未充当充当されていないという状況になりまして、その総額は現在では、六十年度、六十一年度に二百億あるいは二百一億返していただいておりますので、三千七百億円余がまだ未充当であるというふうに私ども認識いたしております。これらはできるだけ早く道路整備費充当されるべきであろうというふうに考えておりまして、今後とも努力をいたしたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
  30. 山中末治

    山中(末)委員 局長お話で、私が考えていますことと大体同じことだというふうにお聞きしたのですが、今まで自動車重量税に関しましては、建設省以外ではこれは一般財源だというふうな言い方もあるし、今おっしゃったように道路特定財源だとみなすべきだという意見もありますね。自動車重量税暫定税率等を決める場合に、やはり大蔵当局にしても道路目的財源のような発言をされておるわけですよ。ですから、今の局長のお考え方としては私は正しいと思うのですが、正しければもう少し馬力を出して、あと三千七百億程度オーバーフロー分が残っているということでありますので、馬力を出してこれを道路財源に入れるということをしなければ、財政秩序というものが狂ってくる、こういう可能性が十分にあると私は思うのです。  というのは、地方公共団体等でいわゆる都市計画税というのがございますね。これは固定資産税の千分の三まで徴収することができるという規定があるわけです。ところが、これを常時千分の三を取って、都市計画事業が千分の三の充当以下のものが生じた場合、これは都市計画税目的税として取っておりながらほかに流用されたり、あるいはオーバーフローのような格好で何か流用されたりするような場合があるかもわからない。調べたところ現在ではそういうものはないのですけれども。国みずからがこういう財政秩序を守らないような状況になってしまったら、地方公共団体もそれにまねをしてもだれも怒る者がなくなってくるということになりますので、これは税の関係秩序を保つためにも、あるいはまたもう一つ地方道路整備するためにも、第九次の五カ年計画達成するためにもこの財源の確保というのが非常に大事なんだ。  そこにかてて加えて、委員長、今内需拡大の問題がございますね。道路をつくったり、いろいろな社会的な資本を蓄積していく。そのために内需拡大をせにゃいかぬというのも側面言われているわけですね。こういう状況の中で、私は、道路財源が突出して悪いという理由はない。防衛費が突出するよりはむしろこういう面が突出した方がまだいいのではないか、こういう感じさえするわけであります。ひとつ今後勇気を持ってこのオーバーフロー分道路財源に充てていくという御尽力お願いしたいのですが、次官どうですか。(桜井委員「いい意見だぞ」と呼ぶ)
  31. 中島衛

    中島(衛)政府委員 六十年度また六十一年度におきましては、オーバーフローをしないような措置をとらせていただいたわけでありますが、過去にオーバーフローをした分もあるわけであります。我々といたしましては、道路整備重要性認識をいたしておりますので、今後オーバーフローすることのないように努力をいたしてまいりたいと思いますし、過去の分につきましても、従来の約束がありますので大蔵等と折衝して取り戻すように努力をいたしてまいりたいと思っておるところでございます。
  32. 山中末治

    山中(末)委員 今、自民党さんの方から、桜井先生からああいう発言がありましたけれども、私が申し上げていますのは、地方道充実のためにやってもらいたい、こういうことですから、ひとつ御認識お願い申し上げたいと思います。  なお、今話がありましたけれども、そういう中で今度は建設省予算執行について、今いろいろ大きなプロジェクトが出てきているわけです。この大きなプロジェクトについては大企業に発注をされる場合が非常に多い、こういうふうに聞いております。細かい内容につきましてはまた機会を得てその経過等を聞かせてもらいたいと思っておりますが、建設省予算執行について、大企業と中小企業に発注をするパーセントといいますか、努力目標といいますか、これをどのように配慮されてきたか。  実は昨年度予算の分科会の中で、私は通産大臣に対して、官公需の大企業に対する発注のパーセントと中小企業に対する発注のパーセントと幾らに努力目標を置いておられるのか聞きましたら、本省関係は五〇%、五〇%だ、こういうことを実は聞いています。平均して四七、八%の中小零細企業への発注の実績はあるけれども、今後何とか努力をして五〇%ぐらいまで持っていきたいのだ、こういうことでございました。建設省においては、この点について中小零細企業への発注を特に考慮願っていると思うのです。あるいはまた過去に事務次官通達も出ておりまして、これを守っていっておられると思うのですが、この中小零細企業への発注についての配慮、これをひとつお聞かせいただきたいなと思います。
  33. 高橋進

    ○高橋(進)政府委員 先生お話ございましたように、国の工事なりあるいは物品購入等につきまして大企業と中小企業との割合を目標を決めております。そういった国全体の中で、建設省といたしましても工事発注についてもできるだけ中小企業にも発注のシェアが確保できるようにということで行っています。  五十九年度の数字で申し上げますと、実績でございますが、直轄事業では四六・九%、公団等の事業は若干低くなりますが二一・八%、合計三〇・五%という実績でございます。六十年度はまだ実績は出ておりませんけれども、それぞれ今申し上げたような数字を上回る中小企業に対する割合を目標に置きまして、できるだけ中小企業にもそれなりの事業の確保ができるようにということで努めておるところでございます。     〔委員長退席、東家委員長代理着席〕
  34. 山中末治

    山中(末)委員 五十九年度で三一・五でしたか——三〇・五%ということであります。これは公社公団の方がやはり足を引っ張っておるわけですな。それで、公社公団の仕事の内容については中小零細の方に発注する内容がちょっと少ない。これは事業内容にもよると思いますが、今私申し上げたように一%でも二%でもこれから努力をされて、せめて五〇%ぐらい達成するように一層の御尽力お願いしたい、このように思うわけです。  それと、中小零細企業の問題と関連をする問題については、私も最近地元の方から地域改善対策関係の政府予算に関する要望というのをもらっておるわけであります。それから同和対策事業について、これは中小零細企業の問題にもかかわりが強くあるわけですが、それらも含めて、地域改善対策特別措置法、昭和六十一年度いっぱいで期限切れになるわけですね。そして私どもの手元に来ておりますのは、これはまだ地元の京都府だけの話なんですが、残事業が千二百五十億円ほどある。これに対する内容も含めて要望が出てきているわけですが、現在までに建設省へ出ております地域改善対策特別措置法に関連する事業が六十一年度達成できるのかどうか。私の調査では、六十一年度では非常な努力をしておられるということでありますけれども、これはなかなか達成ができない、後年度に残っていくと思うのですが、その点はどうでございますか。
  35. 渡辺尚

    ○渡辺(尚)政府委員 地域環境の整備改善につきましては、従来から建設省所管の事業推進に努めてきておるところでございます。五十七年度以降六十一年度までに国費で約四千六百億円が執行される見込みでございます。しかしながら、今後実施すべき事業も相当の量が残されております。そこで、地域改善対策特別措置法の有効期限、昭和六十一年度末でございますけれども、期限内にできる限り事業を実施できるように、今後とも国及び地方公共団体努力を続けてまいりたいというふうに考えております。
  36. 山中末治

    山中(末)委員 非常に努力をされて五十七年から六十一年までの間に四千六百億ほどの事業をやってこられた、しかしまだ六十一年度、この特措法が期限切れになるまでに相当努力を加えぬとその達成が難しい、相当残されていく、こういうお話でございますが、特措法が六十一年で終わってしまったら、私は大変なことだと思うのです。引き続いてこの同和対策事業というものを本腰を入れてやっていかぬと中途半端で終わるのではないか、このように思っていますが、その点、くどいようですけれども、あわせてお考えのほどをお聞かせいただきたい。
  37. 渡辺尚

    ○渡辺(尚)政府委員 確かに残事業たくさんございます。で、期限内に着手したものにつきましては、これはもうその後もできる限り完全に実施していくという姿勢でございます。全体として、必要な事業につきましてはそのほとんどが特別措置法の期限内に着手されるというふうに考えておりますけれども、場合によってはその後も新規に着手が必要とされる事業が出てくるかもしれない、そういうものにつきましても事業ができるように最善を尽くしてまいりたいというふうに考えております。
  38. 山中末治

    山中(末)委員 残るものがあるかもわからない、その場合も最善を尽くして頑張りたい、こういうことでございます。  それでは、時間が余りなくなりましたので、最後に一つ、これは萩原局長の担当でございましたので、じかにひとつお尋ねしたいのですが、昨年の委員会で、京都第二外環状道路については、当時の道路局長から近畿地建の方で路線等の調査を進めている、こういう御答弁がありましたが、その後どのように進んでいますか、お尋ねいたします。
  39. 萩原浩

    萩原政府委員 京都第二外環道路につきましては、確かに道路局から御指示を、当時私、地方建設局長をしておりまして、いただきました。私もその路線につきまして詳しく調べさせていただきましたところ、まだ具体的には、なかなか路線を決定するに際しての障害がございました。最初の計画は、例の山崎のところに大きなインターをつくる、こういう計画になっておりましたけれども先生御承知のとおり、あそこら辺は新幹線あるいはいろいろな幹線道路がメジロ押しに入っておりまして、そこにさらに大きな連結施設をつくるということは、地域その他の影響考えても、あるいは交通の将来の状況考えても決して得策ではなかろうということで、私が自分で再検討を命じましたいきさつもございます。それからもう一つ、第三京阪といいます道路計画も浮上いたしてまいりましたので、それらの計画と整合性のとれた路線決定をすべく、現在鋭意計画中でございます。  そして、従来私ども考えておりました地域は、非常に地域の開発が進んでおりますし、また、文化財も数多く点在するということがわかってまいりましたので、そこら辺は無理ではないだろうかというふうに考えておりまして、新たな路線を現在鋭意検討中のところでございます。できるだけ早くこの路線を、地元の方々と御相談をした上で決めまして、都市計画決定に持っていきたいというふうに考えております。もう少し御猶予をいただきたいと存ずる次第でございます。
  40. 山中末治

    山中(末)委員 前回の前道路局長の答弁と今の局長の答弁と少し変わってきたような感じがするわけです。  私自身そこで質問をいたしましたのは、京都第二外環状の問題じゃなしに、御承知のように旧一号国道ですね。これが大阪方面から出てくる車が、いわゆる旧国道、バイパスですね、枚方バイパスを通ってくるのと、それから現在の府県道の京都守口線を通ってくるのとが非常に多い。それが、大阪から来て名神高速道路の南インターに至るアクセス道路として活用されている。台数は、建設省が発表されたもので言いましても、名神高速道路を通行する車両よりは多少少ない程度の車両がどんどん通っていく。私はその近くに住んでおるのですが、私の家から淀の競馬場付近、京都競馬場付近まで四十分もあれば歩いていけるのです。ところが、車で行ったら一時間かかってしまう。こういう状況を何とか緩和できないかということで、今淀のところに宮前橋がありますが、その下手付近ですね、大阪寄り付近に桂川に一本橋をかける必要があるのじゃないか、こういうことを実は質問したわけです。それに対して出てきたのが京都第二外環状道路ということで、その途中で桂川に架橋すれば大体目的を達成できる、こういうことでありましたので、今おっしゃったようにいろいろ第三京阪の問題も浮上してきたということでありますが、私が質問した力点は今申し上げたようなことでありますので、今後もひとつ鋭意桂川架橋についての促進方を念頭に置いていただいて推進を賜りたいと思いますが、いかがでしょう。
  41. 萩原浩

    萩原政府委員 先生指摘の桂川の橋の混雑については十分認識をいたしております。  それで、先ほど申し上げました京都第二外環状の計画を至急詰めると同時に、その一環といたしましてこの桂川架橋について検討いたしてまいりたいと思っておりまして、現在都市計画道路の石見淀線との調整、それから主要府道京都守口線、一般国道百七十一号線あるいは名神高速道路、ここら辺との交差部の道路構造の詳細設計を詰めておりまして、ここら辺を詰めまして、できるだけ早く路線計画を策定いたしまして都市計画決定に持っていきたい、こういうふうに考えております。また努力させていただきたいと存じます。
  42. 山中末治

    山中(末)委員 局長がかわってまた内容が変わってきている。調査中だから、そういうこともあろうかと思いますけれども、ひとつ委員会で公式に答弁をされたらその方向で進めてもらいたいし、この委員会にも私の地元の同僚議員が一人おりますので、いろいろそういうことがあれば、ひとつその都度連絡をいただきたい、このように要望しておきまして、質問を終わります。     〔東家委員長代理退席、委員長着席〕
  43. 瓦力

  44. 薮仲義彦

    薮仲委員 私は、ただいま提案されております昭和五十九年度における道路整備費財源特例等に関する法律の一部を改正する法律案に関連して何点か御質問させていただきます。  御承知のように、我が国の経済運営の中で内需拡大ということは非常に重要な課題でございます。このために建設省がいろいろと努力をなさって、今回の予算措置の中でも決算調整金を何とか有効に使おうということでこの法案を提案したことについては理解ができるものでございます。ただしこれだけで景気が浮揚するかどうかということについては、ただいまの御質問にありましたとおり、公共事業についてはもっともっとしっかり取り組んでいかなければならない、これは当委員会に課せられた課題でもあろうかと思いますが、さしあたってお伺いしたいのは、六十年度予算の中で、六十年度も公共事業は前倒ししております。そういうことによっていわゆる公共事業が息切れをしないように国庫債務負担行為等によりまして公共事業を継続しよう、このことは重要な政治の一つの方向でもあろうと思います。この内容についてどう建設省は取り組まれていらっしゃるか。  もう一点は、さらにこのようなことだけではなくて、六十一年の経済運営を見通したときに、やはり公共事業の本年同様前倒しということが非常に重要な事柄だと思うのでございますが、それについて建設省はどういう考えを持って行おうとしていらっしゃるか、要点を簡潔にお答えいただきたい。
  45. 高橋進

    ○高橋(進)政府委員 我が国の経済運営におきまして、内需拡大が緊急の課題になっているということは先生の御指摘のとおりでございます。  六十年度補正予算案におきましては、建設省関係の公共事業費につきまして申し上げますと、一般公共事業についての国庫債務負担行為追加といたしまして事業費三千九百五十九億円、六十年発生災害の早期復旧を図るための災害復旧事業費追加といたしまして国費二千七百七億円、事業費三千八百一億円、道路整備事業の一層の促進を図るため現在御審議いただいているわけでございますが、五十九年度揮発油税等に係る決算調整額を六十年度において道路整備特別会計へ繰り入れることとしまして、国費二百九十九億円、事業費四百七十五億円を講じておるわけでございます。これが建設省関係の六十年度補正予算の御審議お願いしている概要でございます。  六十一年度についてさらに前倒し等についてどういうふうに考えるかという御質問でございますが、これにつきましては、現段階ではまず六十一年度予算をできるだけ早期に国会で成立していただくということを願っている段階でございまして、その執行につきましては成立した直後に政府全体としての方針が出るわけでございます。国会の審議での御議論を踏まえながら、その隠そういうことも参考にさせていただいて決定していくものと思います。
  46. 薮仲義彦

    薮仲委員 きょうは時間が限られておりますからこのぐらいにしておきますけれども、マイナスシーリングというかゼロシーリングがこのように長い間続くということが、果たして社会資本の充実あるいは国民のより快適な生活を維持向上させるためにいいことか悪いことか、こういう点についても今後真剣に論議を重ね、公共事業の果たす役割というものをさらに充実していかなければならない、それについては建設省も十分取り組んでいただきたい、このことをお願いしてちょっと次の質問に移りたいわけでございます。  前大臣の木部先生の地元で大変な痛ましい事故が発生して、木部先生も心を痛めていらっしゃいます。我々静岡県民にとっても大変心の痛む問題であって、被災された方に対し心からお悔やみを申し上げながら、こういう事故が再び起きないために何点かお伺いしたいわけでございます。  こういう問題が起きますといつも言われますのは、建築基準法上どうなっているかということでございます。この問題は我々もこの建設委員会で何回も、思い起こすのも悲しいことでございますけれども、あの五十五年の川治プリンスホテルあるいは蔵王観光ホテルホテル・ニュージャパンあるいは万座温泉ホテル等、立て続けにそういう悲しい事故があるたびに我々は防災について論じてまいりました。しかしまたか、災害は忘れたころにやってくると言いますけれども、いつもあったときに言われることは、現在の防災がこれでいいのかということを問われるわけでございます。  思い起こしても、我々は建設省がいろいろやっていらっしゃることは十分承知でございます。しかし、今度問題になったのは何かというとマスコミの報道でございますから、まだ原因の究明もなされておりませんし、ほとんどの方が熟睡中に亡くなられてしまったという悲しい事故でございますから、詳細はまだまだわからないことが多く出てくると思います。ただ、報道の中に気にかかることは、特殊避難階段、いわゆる避難階段でございますけれども、避難階段が建築基準法上は確かに設置の義務がございます。二方向に逃げられるようにしましょう、あの建築基準法上には避難階に到達するとかあるいは地上に到達するということがうたわれてあります。でも、今回問題にされたのは、地上に到達してから道路に非常に逃げにくい構造になっていないかということが一部報道されております。  私も建築基準法の施行令をずっときのうから目を通してみたのですが、果たして表へ出ることについての安全の観点はうたわれているのかどうか。当然これは十分考慮されていると思いますけれども、事故が起きるとあの建物はどうだと言われます。確かに建築基準法上は年々変わってまいりまして、現行は四十八年ですかの改正以降変わってないと思いますが、やはり既存不適格ということがございます。法律が変わっても古い建物はこうなんだという問題がございますけれども、避難路というものは人命にかかわることでございますから、確かに建築基準法上はできておる。しかしそれが本当に逃げやすいかどうかという視点の欠落はあってはならないことだと思いますので、この点、建設省としては消防庁等とも協議なさって今後の対策に取り組んでいただきたいが、どうお考えになっているか、お伺いしたいわけでございます。  我々が当委員会でいろいろ建設省からお伺いすると、「建築物防災対策要綱」により防災改修は進捗しております上という報告も受けております。あるいはまた建物については定期の調査、検査の規模及び時期が決まっております。特定規模のものは一年あるいは二年でやります、最も安全に重要な場合には半年でもやりますよ、こういう報告は受けておるのですけれども、果たしてどうなんだ。あのホテル・ニュージャパンの火災があったときに当時の豊蔵住宅局長は、いわゆる旅館及びホテル防災対策を促進しなさいという通達を出された、これも我々は承った。このように通達とか指針等が出されておるし、また基準法八条の中を改正しまして、あそこで我々はいわゆる現在のマル通マークだけではなくて建設省としても安全保証をつくりましょう、「維持保全」についての指導要綱もおつくりになった、それで安全についてはこうでございますということはさんざん聞いておる。  しかしこういう事故が起きてまいりますと言われるのは、例えば大きさの基準がございます。木造三階建て三百平米というのが対象でございます。対象じゃないところもたくさんあります。今度の大東館の場合はたまたまこれは指導指針の中に入る建物でございますけれども、そういう中からもこういう事故が起きてまいりますと、安全について指導をいろいろなさっていらっしゃるけれども、それが的確に各地方自治体において運用されているかどうか、総点検というと事が大きくなりますけれども、もう一度注意を喚起することはこの際私は大事だと思うのです。  もう一点は、これは後で消防庁に聞きますけれども、基準がマル適マークは木造三階あるいは三十人と決まっておるけれども、しかしそれ以下の小さい建物は大きな被害が出ないか。今度の建物はマル道の基準の下でございます。そういうところで二十数名のとうとい人命が失われることを考えて、基準とかあるいはこれが要件でございますということをさらに見直して、すべての人が集まる集会所、ホテル等については安全の観点から十分な検討がなされなければならないと思うのでございますけれども、まず最初に、建築基準法を所掌していらっしゃる省庁として、建設省どうお考えになっていらっしゃいますか。消防庁にはまだいろいろ聞きたいことがありますから、最初、建設省お答えください。
  47. 渡辺尚

    ○渡辺(尚)政府委員 先ほども政務次官から申し上げましたが、今回このような火災が発生しましたことはまことに残念でございます。犠牲者の方々の御冥福を心からお祈り申し上げたいと思います。  今、薮仲先生の方からいろいろ御指摘がございました。まことにもっともな点が多いと思います。昨日直ちに担当官を現地に派遣しましていろいろ事実関係を調査しておるわけでございますが、現時点におきましては遺体収容でございますとか現場検証、そういったものの実施がございまして、まだ十分な調査をするに至っておりません。  まず、公式的な問題でございますが、基準法との関係につきましては詳細にいろいろ調べてみないとわからないという点が一つあると思います。先生の御指摘の大規模なものはやっていると思うけれども、小さなものはどうなのかという点がございます。確かに、仮に既存不適格といたしました場合につきまして、特に旅館ホテル、こういうものにつきましては、従来から大規模なものにつきましては建築物防災対策要綱、これは五十四年だと思いますが、によりまして防災改修推進してきたということでございます。しかし、今回のような事実があるわけでございますので、今後は小規模なものにつきましても、階段等の防災施設の整備等につきまして指導を徹底するなど、防災対策の一層の推進に努めてまいりたいというふうに考えております。
  48. 薮仲義彦

    薮仲委員 本来は、火事を起こさないということが大事だと思うのです。しかし、不幸にして起きたときに安全に逃げられるということは、宿泊施設をつくる場合、もちろんそれを建築基準法上から所掌していらっしゃる建設省としては、やはり安全に逃げられるという視点から、総点検に近い——物すごい数があるといえばそうかもしれません、でも、それをやることが国民にとって重要な行政の責任だと思いますので、この点は、安全についてもう一度見直すという点をやっていただきたいと思いますが、いかがですか。
  49. 渡辺尚

    ○渡辺(尚)政府委員 相当な数に上ると思います。したがって、実際にどういう形でやるかはいろいろ検討させていただきたいと思います。
  50. 薮仲義彦

    薮仲委員 消防庁に何点かお伺いしたいのですが、先ほど申し上げましたようにマル通マーク、大変結構だと思います。しかし、あの基準というものは三十名以上の宿泊施設あるいは木造三階建てという基準があります。そうすると、今度の大東館は入りませんということでマル通の対象になっておりません。しかし、対象になっておりませんけれども、数多くの方が人生のいろいろな思い出を込めてそういう宿泊施設に泊まるわけです。今度もあの泊まられた方の一人一人の人生を手繰っていくと、結婚して何年目の方がこうであったとかいろいろな物語が一瞬のあの火災によって終わってしまうわけです。どれほど心を痛めている多くの方がいらっしゃるか、それを思うと、単に基準だけではなくて、徹底的にこの安全については行政責任を負うべきだと思うのです。  特に、三十人、三階建てということを、ではその下の部分はほっといていいのか、今度の例が示すようにそれではだめなんだ。少なくとも人の集まるところについては、マル通とかなんとかじゃなくて、大丈夫なのかという消防防災上の安全は消防庁、責任を持ってやっていただきたい。きょうは消防庁長官来てほしかったのですが、地行委員会に出ていらっしゃるということでございますので、担当課長、消防庁長官になったようなつもりでしっかり答えていただきたい。  特にあそこで言われておりますのは、これはいろいろあわてているから問題があるかもしれないけれども、一一九番通報しても三十数分通じなかった。この原因は那辺に問題があったのか調べていただきたい。そして、何人もの人が何回も一一九番やっているわけですから、だれかは間違いなく通報しているわけです。しかし、通じなかったということで、あのテレビで報道されているのは消防自動車が遅かった。私は、消防庁の持っている機能からして、その衝に当たられた方はまことに残念至極だったと思うし、我々も心が痛んでおります。  これについてもはっきりしていただきたいし、また、最近のセンサーは感度がいい、ですから、一時センサーを切っておくというようなことがよく言われます。ホテル・ニュージャパンのときもそうでした。確かに、温度によって感知して、特に冬の間は暖房が強くなるとセンサーが作動するということがあります。でも、煙感知機もあるはずです。あれを簡単に切ってしまえば設置した意味がなくなると思うのです。どうすればこれをクリアできるか、消防庁として防災の見地からセンサーのあり方についてはしっかり結論を出していただきたい。また、今建設省にも申し上げましたけれども、いわゆる避難誘導等の見地からも力を合わせて対策を講じていただきたいと思うのでございますが、以上三点について的確な御答弁をいただきたい。
  51. 長谷川寿夫

    ○長谷川説明員 ただいま先生からいろいろ御指摘ございましたように、私ども旅館ホテルのように不特定多数の方がお泊まりになる、様子のわからないところで夜お過ごしになりますから、そういうところで万一火災が起きると非常に危険な状態になるということで、かねてから防災対策充実について努力を払ってきたところでありますが、今回、また残念ながらああいう多くの犠牲者を生む火災を起こしてしまった、まことに残念だと思っております。  早速ですが、「適」マークのことについての御質問でございますけれども、私ども三十人、三階建て以上というのを旅館ホテルについての一つの基準値として示しておりますが、実はこの三十人、三階以上というのは、「適」マークという表示の制度旅館ホテルを御利用になります皆さん方に防災の情報を提供しようというので運用方針として行ってきたわけでありますが、消防設備、例えば自動火災報知設備であるとか屋内消火栓であるとかあるいは消火器とかいろいろな消防設備がございますが、こういったものの設置義務は二階以下あるいは三十人未満の旅館ホテルにおきましてもその規模に応じまして設備の規制はされております。  「適」マークとのかかわり合いはどうかと申しますと、そういう設備であるとか建物の構造上のことであるとか防火区画とか避難階段であるとかその他火器の管理の状況であるとか避難訓練の状況であるとか、こういったものの情報を提供しようというのが実は「適」マークの制度でございまして、一応三十人、三階以上を一つのめどにするようにということで全国を指導しております。しかし、私どもとしては、基本的には人数の多い少ない、階の多い少ないということでなくて、やはり大勢の方がお泊まりになるところは情報の提供ができるようにということが最も望ましい、このように考えております。  ただ、全国の消防機関というのが非常に規模の充実した消防機関もありますれば、またそうでないところもあります。そこで、国としては一応の目安となる線として三階、三十人というのを示す一方、それよりも規模の至らない点についても積極的に「適」マーク制度運用を図るように進めておりますが、なお今後一層その徹底を図ってまいりたい、このように考えております。  それから、一一九番通報に関してでございますけれども、これは私ども現地の消防機関からの報告によりますと、当日の二時十一分に来ておりまして、十七分に現地到着しているということであります。  それから、火災報知設備のセンサーでございますけれども先生指摘のように、確かにセンサーが過敏で下方作動することがあるということで、これは一昨年、さらに基準の徹底を図るということで、非火災報、いわゆる火災でないのを火災であるように感知するもののないように基準改正をし、そういう新たな基準に基づいて設置の方法をどうすればいいかという設置の方法まで示しております。なお、今後そういうものの徹底をさらに図ってまいりたい、このように考えております。
  52. 薮仲義彦

    薮仲委員 答えは要点だけでいいよ、長々しい説明は要らないから。  いわゆるセンサーについてはきちんとしたセンサーを、全宿泊施設等についてこれは再点検しなさい。火災以外で感知することがないようなセンサーをつけて宿泊なさった方の安全を図る、これはしっかり答えなさい。  それからもう一つは、いわゆる一一九番が来なかったというのはあれだけテレビで報道されているのだから、何時に参りましたじゃない、なぜ三十分間以上通報が届かなかったか、これはしっかり原因を明確にして御報告をいただきたい。これはよろしゅうございますね。  それから、マル通マーク以下のところも安全については責任を持つ、責任を持つといっても、安全についての責任は十分注意を払うようにしていただきたい。  この三つをきちんとお答えしていただきたい。要点だけでいいよ。
  53. 長谷川寿夫

    ○長谷川説明員 消防設備の維持管理の徹底それから避難路の確保等につきましては、この事故にかんがみまして一層の徹底を図るよう、全国消防機関に指示する考えでおります。  それから、三十分以上の空白につきましては、これは現在、現地で状況調査中でございますので、その結果を待ちたいと思っております。
  54. 薮仲義彦

    薮仲委員 時間が参りましたのでこれで終わりますけれども、どうか人命に関することでございますので関係省庁において十分協議を進めていただきたいと思います。  これは建設省お願いしておくのですが、駐車場法の問題もきょうやりたかったのです。また三島で車が事故を起こしました。設置されたビルの屋上の駐車場で、車がまた人命にかかわる事故を起こしました。これについては、建設省お願いをして、検討委員会等もつくっていらっしゃるようでございますが、こういう事故が今度こそ起きないように十分な注意の喚起を促していただきたいと思いますが、一言だけお答えいただいて終わりたいと思います。
  55. 牧野徹

    ○牧野政府委員 先生おっしゃいますように、大変痛ましい事故が起きたわけでございます。そこでいろいろなことは先生が今おっしゃったように進めております。それをさらに促進いたすと同時に、具体的に事故が起きたわけでございますから、どうも今回の事故は、まだ警察の最終的な決着が出ておりませんが、場合によると運転者の誤操作ということも考えられますので、その点踏まえて、具体的に利用者の方に安全表示をするなりパンフレットを配って注意を喚起するというようなことを地方公共団体を通じて指導してまいりたいと思います。
  56. 薮仲義彦

    薮仲委員 終わります。
  57. 瓦力

    瓦委員長 伊藤英成君。
  58. 伊藤英成

    ○伊藤(英)委員 昭和五十九年度における道路整備費財源特例等に関する法律の一部を改正する法律案について御質問いたします。  まず最初に、道路整備緊急措置法第三条によって、道路財源であります揮発油税石油ガス税等の決算調整額の剰余分は次々年度予算充当することになっておりますけれども、今回同法の特例を設けることによって二百九十九億円が六十年度補正予算に計上をされることになります。内需拡大、それから道路整備の促進等の観点から私どもは望ましいと考えますけれども、この年度末までの期間を考慮して円滑な執行ができるのかどうか、まずお伺いいたします。
  59. 萩原浩

    萩原政府委員 本年度補正予算の円滑な事業の実施を図るために、事業実施箇所の選定に当たりましては事業進捗状況等を十分勘案して行うことといたしております。また、補正予算が成立次第、所要の手続を経まして速やかに事業の着手にかかれるよう、あらかじめ実は準備をいたさせていただいております。したがいまして、実施態勢を十分整えまして、この予算が御可決いただきました暁にはすぐに事業を実施して、円滑に事業を実施したい、こういうふうに万全の体制を整えているつもりでございます。
  60. 伊藤英成

    ○伊藤(英)委員 それで、その二百九十九億円の使い道ですね、その使途とその前倒しの効果についてお伺いいたします。
  61. 萩原浩

    萩原政府委員 この六十一年度補正予算国費約二百九十九億円につきましては、一般道路、特に地方道を主体といたしまして、地方道、国道等の一般道路事業、これに充当することといたしております。国費が二百九十九億円充当されますと、事業費では約四百七十五億円の事業費に相なります。これをできるだけ早目に発注をいたしまして実行に移したい、こういうふうに考えております。  実は、これの前倒しの効果でございますけれども、経済企画庁がまとめられました世界経済モデルによりますと、公共投資を追加いたしましたときに、その後一年間におきますGNP増加効果投資額の約一・五倍というふうに算出をされております。したがいまして、約四百七十五億円の前倒しによります内需拡大効果は一年間で約七百億円ぐらいが見込まれるのではないだろうかというふうに私どもは算出をいたしております。
  62. 伊藤英成

    ○伊藤(英)委員 次に、道路建設の問題についてお伺いいたしますけれども、先月の一月二十一日に国土開発幹線自動車道建設審議会が開催をされまして、そこで東名、名神のこの高速道路について三十二キロメートルの拡幅が了承された、こういうふうに報じられております。  この東名、名神の問題につきましては、実は私は昨年もこの建設委員会でいろいろと触れてまいりましたけれども、この日本経済の大動脈であります東名、名神の高速道路は、最近ますます渋滞が激しくなっております。数字的にちょっと見てみましても、五十四年度で四五%程度の区間が交通容量を超えておりました。それに対して五十八年になりますと、今四五%程度と申し上げたのがさらに七五%の区間まで拡大をしております。将来はこの状態がさらにひどくなっていくのではないか、こういうふうに思うのですね。今回の拡幅だけではとても対応できないのではないか、こういうふうに思ったりしております。  もちろんこれは、この高速道路がどのくらいの大きな役割を果たしているかということはもう十分御承知のとおりでありまして、例えば数字的に見ても、自動車の国内輸送量のうちの一五、六%をこの両高速道路で担っているわけでありますし、さらに高速道路の料金収入という面からいたしますと、四割近くはこの二つの高速道路で占めているわけであります。そのくらいに最も重要な高速道路、こういうふうに思うのですけれども、この東名、名神の渋滞状況を放置するといたしますと、この産業道路としての機能を持った東名、名神の役割が、あるいはその機能が十分に果たせなくなってしまうのではないか。そういう意味で、これからの社会経済活動に重大な支障を来していくのではないか、こういうふうに思うわけであります。  私が昨年の二月の建設委員会でもこの東名、名神について、第二東名なりあるいは第二名神というようなものを建設すべきではないか、そういうふうに申し上げました。そのときに、建設省では検討中というお話でございましたけれども、その後どこまで調査が進んでいるのかお伺いいたします。
  63. 萩原浩

    萩原政府委員 先生指摘のとおり、東名、名神につきましては年々交通量が増大をいたしております。そのために応急的な措置といたしまして、先ほど先生も御指摘のとおり去る一月二十一日の国幹審におきましては、さらに車線を追加する区間を追加さしていただきまして、とりあえずこの数年間でこれを車線を増強いたしたいというふうに考えております。  ただ、これは本当の応急的な措置でございまして、これではとても間に合わないだろうという先生の御指摘のとおりでございます。またそのために現在建設省におきましては、国土構造の骨格を形成いたします高規格幹線道路網の調査を進めております。ことしじゅうに策定されるという予定と聞いております第四次全国総合開発計画、これとの調整を図りまして、昭和六十二度までに、来年度いっぱいでこの計画を策定いたしたいというふうに考えておるところでございますけれども、この第二東名、名神の計画につきましても、この高規格幹線道路網調査の中、幹線道路網の中でその位置づけを明らかにしていきたいということでございまして、現在鋭意検討を進めているところでございます。  約六百キロになろうとするこの東名、名神高速でございますけれども、これの築造には多額の建設費が必要となります。また、したがいまして建設期間もかなりの期間を要します。先生おっしゃいますように、今ほっておいたら大変なことになるんじゃないかという御指摘を踏まえまして、真剣に検討を進めていく所存でございます。
  64. 伊藤英成

    ○伊藤(英)委員 ことしの秋に四全総の策定が予定されておりますけれども、交流の時代という中心テーマのようでありますけれども、この四全総の中における道路の位置づけ、役割について基本的にどのように考えられているのか、お伺いいたします。
  65. 糠谷真平

    ○糠谷説明員 四全総はただいま策定作業中でございますけれども、三全総の定住構想、これを基礎といたしまして、交流の円滑化地域間の交流の活発化ということで地域経済の活性化を図っていくということが重要な課題ではないかということで現在検討中でございます。  交流の円滑化ということになりますと、高速道路を初めといたしまして道路交通、高速交通体系の整備ということが重要な課題になろうかと思いますので、道路の果たす役割は大きいと思っております。そういう点を踏まえて、今後望ましい交通体系の整備のあり方、四全総に向けて検討を進めていきたい、かように考えております。
  66. 伊藤英成

    ○伊藤(英)委員 中島政務次官にお伺いいたしますけれども、実は今お伺いしました四全総の中における道路の位置づけ等についてでありますけれども、四全総の長期展望作業の中間取りまとめの中にもこういうような趣旨の記述があります。それは、二十一世紀初頭に向けて、交通への要請という問題についてどのように考えるかということに関して書いてあるんですが、人的流動においても、あるいは物的流動においても、バイモビリティー社会が到来をしてくるんだよ、そういうことが予想されるんだ、そしてそのバイモビリティー社会の交通は、これまでの人的あるいは物的活動の量的拡大ということ、そういう要請に加えて、さらに高速性、それから信頼性あるいは定時性といった方がいいのかもしれませんが、そういう問題、さらには快適性、こういった質的向上への要請を一層受けることになるであろう。そういう意味で、二十一世紀のバイモビリティー化に対応した交通ネットワークが必要なんだよということであります。そして、それは高速交通ネットワークの展開を図らなければならぬ、こういうふうに規定をされていると思います。  そういうふうに考えたときに、自動車交通、いわゆる道路あるいは道路網の果たす役割というものがますます大きくなっていくんだよということだと思いますね。その高速交通ネットワークということを考えたときに、重要な幹線であります東名、名神が大変な渋滞になっている、これは先ほど申し上げたとおりであります。それがさらにこれから渋滞をしていくだろうというふうに考えたときに、そこに抜本的な対策をとらなければ、いわゆるハイモビリティー社会もあるいはネットワーク社会というようなものも実現することは不可能だろう、こういうふうに思うのですね。これは先ほど申し上げたとおりに、私去年もこの問題についてもっともっと説明をしながら申し上げたつもりでありますけれども、非常に緊急の問題だろう、こういうふうに思います。  そこで、先ほど道路局長の方からも六十二年度までに第二東名なり第二名神の問題についても高規格幹線道路網の計画をまとめる予定だから、その中で検討をするよ、建設省としてもその必要性は十分に理解をしておりますというお話でございました。そこで政務次官にも、実はきょう大臣が出ておられますと大臣にもお伺いしたい、こう思ったわけでありますが、この第二東名、第二名神高速道路について緊急に具体的な計画として進めていかなきゃならないと思うのですが、その決意を政務次官にお伺いいたします。
  67. 中島衛

    中島(衛)政府委員 高速自動車国道は経済社会を効率化、活性化し、我が国の発展と国民生活の向上に大きく寄与してきています。特に東名、名神高速道路は人の交通と物の輸送の大動脈として枢要な役割を担うものであります。さらに、東京から大阪間の将来的な交通需要に対応するために、また産業経済、日常社会を支える国土構造の骨格として第二東名、名神高速道路の必要性は高いものと考えております。  建設省においては、引き続き第二東名、名神高速道路の調査の進捗を図ってまいりたいと思っております。なお、昭和六十二年度策定予定の高規格幹線道路計画の調査の中においてもその位置づけを明らかにしてまいりたいと思っております。
  68. 伊藤英成

    ○伊藤(英)委員 終わります。
  69. 瓦力

    瓦委員長 瀬崎博義君。
  70. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 まず、中島政務次官に伺いたいのですが、一昨日の予算委員会江藤建設大臣がこういう答弁をされているのですね。「第九次道路整備五カ年計画の中で、七千六百キロプラスアルファ一万キロ構想にする、いわゆる二千四百キロなるものが出てくるわけでございます。」「昭和六十一年度中にはこれらの調査を全部終わりまして、第九次五カ年計画が終わります昭和六十二年には高規格幹線自動車道路の指定ができるように万般の準備をいたしたい。」こう明言されているわけです。  そこで、この高規格幹線自動車道路の指定というのはどういう法律上、あるいはまた法律でなければ、それ以外のどういう制度上の根拠でやろうということなのか。また、それは道路行政にとって、また道路予算にとってどういう意味を持つのか、この点を伺いたいと思います。
  71. 萩原浩

    萩原政府委員 高規格幹線道路網は、自動車の高速交通を確保することを目的といたしまして、既定の国土開発幹線自動車道を含めまして全国的な自動車交通網の枢要部分を構成したい、こういうふうに考えておりまして、その構造は原則として自動車専用道路というふうに考えておるものでございます。そして、この計画につきましては、その路線であるとか整備手法というものに対しての調査を今鋭意やっているところでございまして、第九次道路整備五カ年計画中に計画を策定いたしたいというふうに考えております。  今先生の、その指定というものは法的にどういうものかという御指摘でございますけれども、高規格幹線道協の道路法上の位置づけであるとか、あるいは国土開発幹線自動車道法との関係につきましては、ただいま申し上げました整備手法に関する調査の中で検討してまいりたいというふうに考えておりまして、まだ現在これだというものの決まった概念ではないということを御承知いただきたいと存じます。
  72. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 それじゃ、これは大臣にかわってぜひ政務次官に伺いたいのですが、しかし、江藤大臣の言われたのは、少なくとも一万キロにするんでしょう。七千六百キロは国土開発幹線自動車道法に基づく指定ですね。それと違うということになりますと、足して一万キロ全体が一本の指定になるのか、二千四百キロだけは何か別のランクづけに基づく指定になるのかという問題が当然出てくるわけですね。大臣の答えなんだから、政治的な意味も含んでいると思うのですよ。政治的には一体どういう指定と考えているのか、そこを政務次官にお答えいただきたいのです。
  73. 萩原浩

    萩原政府委員 ただいま申し上げましたように高規格幹線道路網というのは現在一万キロ余と言われておりますが、その全体につきましては第四次全国総合計画の中でいろいろ調整を図って決めていきたい、またその個々の路線あるいは整備手法等につきましては六十二年度中に決めたいというものでございます。そういうものを全部含めまして高規格幹線道路網という網の構想をつくるわけでございますが、それを六十二年度中にやりたいというふうに大臣は申されて、そのときに指定という言葉を使われたものと私どもは解釈しております。
  74. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 私が言いたいのは、そもそも第九次計画そのものの中にそういう構想も含まれているぐらい、やはり我々がいつも批判する五カ年計画そのものが高速道路優先型になっているわけですね。しかも、六十年度末見込みの進捗状況を見ますと、道路交通の安全確保が四八・二%、生活基盤整備が五〇・九%、それから生活環境の改善が五一・三%であるのに対して、高速自動車国道、都市高速道路それから大規模幹線道路、本州四国連絡橋、これらを柱とする国土の発展、基盤の整備が五五・二%と、ここが突出になっているわけですね。その上に、今局長の答弁でいくと、まだ整備手法の検討段階、法的根拠をどうするかの検討段階であるのに、予算委員会の方では指定という言葉まで出されているわけですね。これは普通に聞いたら国土開発幹線自動車道が一万キロになると受け取りますよ。そういうところまで表明する。私どもが言いたいのは、ここまで高速道路、高速道路と優先させながら、それに比べて地方道路とか交通安全等は非常に立ちおくれている、やはりここを転換させるのが一番大事なことなんだ、こういうことを強調しておきたいのであります。  時間が非常に短いので、次に東京湾横断道路株式会社の問題で聞きたいのですが、同じ株式会社と言っても関西国際空港株式会社などの特殊法人と今度の東京湾横断道路株式会社とでは根本的に根拠法も性格も違うようですね。ごく簡単に最も特徴的な違いを明らかにしてほしいのです。
  75. 萩原浩

    萩原政府委員 先生指摘のとおり、関西国際空港株式会社は特別の立法に基づく法人でございまして、その法律に基づきまして国の任命する設立委員が会社の設立手続を進めるという特殊法人でございます。  今回の私ども考えております、これから法案を提出しようということで今準備をいたしております東京湾横断道路の建設に関する特別措置法におきましては、この事業を実施いたします会社は商法上の株式会社を予定いたしております。したがいまして、会社の設立は、会社を設立しようとする方々の任意の発意に基づきまして商法の会社設立に関する手続によって進めることになるということでございます。
  76. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 これはむしろ政務次官に聞きたいのですが、東京湾横断道路の場合もわざわざ特別立法をつくるのですよ。にもかかわらず、会社の設立はこの特別立法によらないで商法による。同じような大規模プロジェクトをやるのに片や特殊法人、片や一般の法人、この違いの根本は一体どこからきたのですか。
  77. 萩原浩

    萩原政府委員 東京湾横断道路につきましては、民間の資金力、経営能力、それから技術能力を最大限に活用いたしましてこのプロジェクトを完成させたいという試みでございまして、これが関西空港の手法とは違うところでございます。この初めての手法を用いまして、民間の活力を最大限に利用する形にするにはどうすればよろしいかということの議論がございました。その結果、商法上の法人でやっていただくのがよろしいのではないか、こういうふうに今のところなって、近く御提案申し上げるということになっております。
  78. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 今言われた民間の経営能力、資金能力、技術能力という点で言えば、関西国際空港だって同じような性格のプロジェクトだから、そっちに行かしたっていいと思うのですね。どこがどのように違うのか説明になってないように私は思ったのですが、それはいいとして、商法に基づく法人としてつくられるにもかかわらず、融資の面では随分優遇措置が講じられるようですね。その融資面での特別な優遇措置は、どういう内容を予定しているのですか。
  79. 萩原浩

    萩原政府委員 現在私ども考えております特別の措置は、会社の設立に際しまして日本道路公団、地方公共団体からも出資ができるようにする。第二点といたしましては、国からの無利子の融資をすることができるようにする。これは道路開発資金を通じてのことを考えておりますが、無利子の融資をすることができる。第三点といたしましては、会社が発行いたします社債につきましては国が債務保証を行うことができるようにする。第四点といたしましては、特別公共事業債、俗に言われております割引債でございますが、これを発行することができるようにする。第五点といたしましては、社債の発行限度額を十倍に拡大することができるようにする。こんなようなことを今考えておりまして、これをもとに今政府部内で詰めているところでございます。
  80. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 では、その中でも特に、国からの無利子融資とかあるいは社債等、株式会社が受ける融資についての政府保証というのは、他の一般の商法に基づく株式会社の場合にはあり得ることなんですか。
  81. 萩原浩

    萩原政府委員 ちょっと私も全体の会社がどうかということは考えられませんが、ごく一般の商法上の会社ではこのようなことはございません。
  82. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 そこで、中小企業庁に伺いたいのです。きょうたしか商工委員会では事業転換法、つまり円高不況対策の法案を審議されますね。  そこで、特に融資の面ですね。まず政策融資の中で、金利を中心にしてどういうふうな救済措置を特別に打ち出すのか、それから、保証の関係については一体どういう特別措置を打ち出すのか、この二点について伺いたい。
  83. 土居征夫

    ○土居説明員 御指摘の円高対策等の観点からの今回の法律でございますが、保証につきましては、従来一般的に、普通保険については七千万円、無担保保険については一千万円まで現行の保証制度で実施しておるわけでございますが、それについて、円高関連の影響を受けました業種に属します中小企業者に対しましては特枠を設けまして、普通枠、通常の場合と同額の別枠を設定する等の特例を講じることにしております。  融資につきましては、先生御承知のとおり、既に十二月二日から円高関連の業種につきましては五・五%の低利融資を実施しているところでございます。  保険料率につきましては、現行の保険料率に比べまして三分の一ほど軽減される保険料率になっております。
  84. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 もう一点、今のは保険料率でおっしゃったんだけれども、末端の保証料で言えば現行大体どの水準のものが今度の円高不況対策ではどの程度になるのか、そういうのをお答えください。
  85. 土居征夫

    ○土居説明員 現在中小企業の保険制度につきましては、末端の保証協会におきましては一%、これが保証料の基準になっております。今回の特別措置によりまして、当然これは末端の保証料率に波及するということが考えられますが、具体的には各保証協会の判断にゆだねられているところでございます。
  86. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 中島政務次官、お聞きのとおりなんですね。いずれも国の政策でやるわけなんですね。片方は東京湾横断道路をつくるための大きな会社をつくる特別立法である、片方は円高不況で苦しんでいる中小企業を救済するための法律ができる。中身は天と地ほどの開きがあるわけですね。まさに十分な、先ほど言われた資金力、経営能力を持ったそういう言うならば会社が集まってつくられる東京湾横断道路株式会社に対しては無利子の融資もする、そして一般の株式会社にならない、政府保証もする。聞かなかったけれども、この保証料、ただなんです。  ところが中小企業の方は、本当にあすどうしようかというところへ追い詰められているにもかかわらず、融資は下げた下げたと言うけれども政策融資金利五・五%、それから保証料は、現在の一%が、まあまあこの保険料の引き下げに準じたとしても、せいぜい〇・六%とか〇・七%くらいにしか下がらないだろう。これは余りにも差別扱いだと私は思う。逆転してしかるべきではないかと思うのですね。  ちなみに伺いますけれども、何か今度の専業転換法で保証をつけるときに、付保するときに審査があるわけです。その審査については何か手続を簡略化するとかあるいは保証人とか担保の徴取を緩和するとか、そういう救済措置も定めているのですか。
  87. 土居征夫

    ○土居説明員 円高で影響を受けました中小企業に対します保証の審査につきましては、昨年の末に銀行局と連名で通達を出しまして、各中小企業者の実情を十分考慮の上、まあ適宜適切な弾力的な保証をやるようにということを通達しているところでございます。
  88. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 もう時間が来ておりますから……。  私が、現在の第九次道路五カ年計画そのもの、またそれに基づくいろんな道路行政が大企業優遇だと言うのは、もちろんこの九次計画の重要な一環をなす東京湾横断道路の建設、こういうものが、特に今の、つくられる株式会社一つをとってみても、大企業に対する施策と中小企業の施策、非常に格差があるわけですね。こういうことをひっくるめて批判をしているのです。ただ単に道路の延伸の比較だけをしているのじゃない。内容を問題にしている。そういうことも強調して、一体どちらがどうかなと、つまり東京湾横断道路、大企業の方に優遇し過ぎなのか、それともまた中小企業の方への配慮が足りなさ過ぎるのか、これはどっちかであるということを示していると思うので、この点は政府全体として是正されるように強く要求して、終わりたいと思います。
  89. 瓦力

    瓦委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。  この際、暫時休憩いたします。     午前十一時二十三分休憩      ————◇—————     午後零時十一分開議
  90. 瓦力

    瓦委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  内閣提出昭和五十九年度における道路整備費財源特例等に関する法律の一部を改正する法律案議題といたします。  本案に対する質疑は、先ほど終了いたしております。  これより討論に入ります。  討論の申し出がありますので、順次これを許します。木間章君。
  91. 木間章

    ○木間委員 私は、自由民主党・新自由国民連合、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議及び民社党・国民連合を代表して、ただいま議題となりました昭和五十九年度における道路整備費財源特例等に関する法律の一部を改正する法律案について賛成の意向を表明するものであります。  委員各位も御承知のとおり、本法律案は、昭和六十年度補正予算の関連法案として提出されたものであります。  本案は、最近の経済情勢等を考慮し、昨年度にとられた措置と同様に、本来、昭和六十一年度道路整備費財源に充てることとされている昭和五十九年度決算調整額約二百九十九億円を昭和六十年度道路整備費財源として充てることとするものでありますが、これは道路整備の一日も早い事業促進とあわせて内需を拡大させるためにも妥当な措置考えるものであります。  以上、本法律案に対する賛成の理由を簡単に申し述べて、賛成討論を終わります。(拍手
  92. 瓦力

    瓦委員長 瀬崎博義君。
  93. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 私は、日本共産党・革新共同を代表して、昭和五十九年度における道路整備費財源特例等に関する法律の一部改正案について反対討論を行います。  反対理由の第一は、今回の特例措置を行っても昭和六十年度当初予算の産業基盤整備優先、生活基盤軽視の性格は変わらないという点であります。  そもそも、第九次道路整備五カ年計画内容そのものが、従来の五カ年計画の高速道路を中心とした大企業奉仕、産業基盤優先という特徴を踏襲、強化したものでした。しかも、六十年度見込みの進捗状況はそれに輪をかけて、道路交通の安全確保四八・二%、生活基盤整備五〇・二%、生活環境の改善五一・三%となるのに対し、国土の発展基盤の整備は五五・二%と突出を示しているのです。  当初の道路予算でも一般国道と有料道路への予算配分は、地方道への予算配分に対し国費ベースで二・一三倍、事業費ベースでは実に四・三倍にもなり、五十九年度に比してその格差は広がっているのです。今回の道路財源に関する特例措置は、こうした高速道路とその関連道路整備に重点を置いた予算配分の骨格をあくまで堅持することを目的とした道路財源の事実上の上積み措置にほかなりません。  五十九年四月での市町村道の改良率はいまだ三二・八%、舗装率は四九・四%と低い水準であり、自動車交通不能区間の延長は二五%に当たる二十三万七千キロとその整備は大きく立ちおくれています。道路整備計画道路財源配分を高速道路優先から住民生活に密着した道路整備優先に転換させることこそ必要なのであります。  第二の理由は、国の補助率の一割カットによる地方自治体の負担増を軽減するものではなく、補助率カットのままでは、むしろ事業量をふやすことによりさらに自治体の負担増を拡大するものであることです。  昭和六十年度予算では、高率補助金の一割カットによって道路整備関係費だけでも千四十億円が削減され、地方への負担増が強行され、道路以外の公共事業や社会福祉などの分野と合わせて自治体財政は一層苦しくなっています。今回の特例措置は、これら地方自治体の負担を軽減することにはならず、国費をふやすことによって事業量はふえ、地方自治体の負担が一層ふえることにもなります。  第三の理由は、道路特定財源制度がモータリゼーションを一層進行させるとともに、大企業奉仕、高速道路中心の道路整備のみを他の公共事業よりも優先させる仕組みになっていることであります。  道路特定財源制度は、自動車がふえ、ガソリンの消費量がふえなければ道路財源が確保できない仕組みであるため、道路整備しても、それを上回ってさらに自動車交通量がふえるという悪循環を繰り返すこととならざるを得ません。  国民生活に密着した道路整備財源は、何よりも軍事費の思い切った削減、大企業に対する各種の優遇措置の是正、公正な工事発注など、浪費、むだの排除などによって、他の国民生活に不可欠の公共事業、社会保障、福祉、教育などの財源とともに確保を図るべきであります。  私は、大型プロジェクト中心の道路政策を改め、国民の生活を向上させ、安定を確保する道路政策への転換を重ねて強く要求し、反対討論を終わるものであります。
  94. 瓦力

    瓦委員長 これにて討論は終局いたしました。     —————————————
  95. 瓦力

    瓦委員長 これより採決に入ります。  昭和五十九年度における道路整備費財源特例等に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  96. 瓦力

    瓦委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。  お諮りいたします。  ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     (「異議なし」と呼ぶ者あり)
  97. 瓦力

    瓦委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     —————————————     〔報告書は附録に掲載〕     —————————————
  98. 瓦力

    瓦委員長 この際、建設大臣から発言を求められておりますので、これを許します。江藤建設大臣
  99. 江藤隆美

    江藤国務大臣 昭和五十九年度における道路整備費財源特例等に関する法律の一部を改正する法律案につきましては、本委員会におかれまして熱心な御討議をいただき、ただいま議決されましたことを深く感謝申し上げます。  審議中における委員各位の御高見につきましては、今後その趣旨を生かすよう努めてまいる所存でございます。  ここに、本法案の審議を終わるに際し、委員長初め委員各位の御指導、御協力に対し深く感謝の意を表し、ごあいさつといたします。ありがとうございました。(拍手
  100. 瓦力

    瓦委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後零時十八分散会      ————◇—————