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谷野政府委員 ただいま御質問にもございましたが、
手賀沼の場合に例をとってみますと、
周辺の大変急速な
都市化が進んだわけでございます。
手賀沼は大きな沼でございますけれども、例えば霞ケ浦とか
琵琶湖などのケースと違いまして、
周りがほとんど全
都市街地化をする
可能性があるような
場所に
立地をいたしておりますので、その
周辺におけるいわゆる
汚濁負荷の
発生長は、
都市化された場合には大変大きいというのが
実態でございまして、ただいま御
指摘がございましたように、
全国で最も
有機汚濁の進んだ沼であるというのが現状でございます。
これに対する
対策といたしましては、そういう
生活系の排水が中心でございますので、
下水道の
整備が第一であるというふうに
考えております。既に各御担当の方面でも重点的な
地区に取り上げていただいておりまして、年々その
普及率は伸びてきております。ただ、ただいま御
指摘がございましたように
大変東京に近い、かつ土地の
値段も、都心に比べればまだ買う方からすれば買いやすい
値段にある、こういうことでございますので、市街化区域その他におきまして、
下水道のない
地区にも建物が現在でもどんどん建ちつつあるわけでございます。
そういう
地区におきまして、ただいま御
指摘がございましたように、
浄化槽でいわば水洗便所にして住居を建てるということになりますと、
一つは
浄化槽自体の問題。それから、一般の家庭の
浄化槽でございますと、これは家庭雑排水と申しておりますけれども、台所の排水とかおふろの水とか、そういうものがそのまま沼の方へ流れていく、こういうことになるわけでございます。
計算上はし尿の負荷よりもむしろそういう家庭雑排水の負荷の方が量的には多いわけでございまして、そういうものがそのまま流れていく。また、
浄化槽自体につきましても、ただいま御
指摘がございましたように、
管理が不十分でございますとかなりの負荷を生ずるということがあるわけでございます。
この家庭雑排水の問題及び
浄化槽の問題につきましては、私どもも問題意識を持っておりまして、まず
浄化槽につきましては、先般国会で法律が制定をされまして
浄化槽法というのができたわけでございまして、これによりまして
浄化槽の
管理についての一定の規制がかかってくる。私どもは、この法律の適正な運用を通じまして
浄化槽の適正な
管理が進むことを強く期待いたしておるわけでございます。
また、雑排水問題は大変難しい問題でございまして、
一つは、湖沼の
周辺につきましては、合併
浄化槽と申しておりますが、し尿と同時に雑排水を一緒に処理するような
浄化槽をどんどん進めてもらいたい、こういうことで、今回の湖沼法の制定の際に、指定湖沼の
周辺におきましては、いわゆる小型の団地、二百人以上の団地につきましては法律的に全部合併
浄化槽の形にしていただきたいということでこれを規制の対象にする、そういう規制の中で一般の
地区よりもできるだけ適正な排水を出すというようなことで、新しく一部規制の対象を広げるようなことをいたしておるわけでございます。
ただ、そうは申しましても、一軒一軒の家のものにつきましてはなかなか難しい問題でございます。
千葉県におかれましても、種々これらについて努力をしておられますし、また厚生省、農林水産省においても、そういう問題をモデル的な
事業として取り上げていただいております。また、つなぎ的な措置ではございますけれども、各家庭でそういう問題意識を持っていただきまして、家庭雑排水の処理について、細かい話ではございますが、いろいろな前処理をして流していただくというようなことを私どももモデル専業として各地でお願いしておりまして、
千葉県におきましても、先ほど大臣から御答弁申し上げましたように、大変意識の高い
地区もございまして、そういう
地区の動きというものを今後全域に次第に
普及をしてまいりたいというふうに思っておるわけでございます。
そういうことをやったらどのぐらいまで、いっきれいになるのか、こういう御質問があったわけでございますが、先ほど御
指摘がございました五ppm
程度の濃度というのは、私どもといたしましては、将来の目標としては何とかその辺までいければ大変いいのではないだろうかというふうに思っております。もちろん、いいにこしたことはないわけでございますけれども、有幾汚濁の場合には、いわゆる
環境基準については類型というのがございまして、当てはめというのをやっておるわけでございまして、
手賀沼の場合には上水道の利用が現在ございませんので、上水道の利用がございますともう少しきれいな水ということになるわけでございますが、上水道の利用がない場合にはおおむねその前後の
水質というのが
一つのめどとなってよろしいのではないかというような感じを持っておるわけでございます。