○
角屋委員長 御
異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
――
―――――――――――
昭和五十七
年度内閣所管一般会計歳入歳出決算の
概要説明
昭和五十七
年度における
内閣所管の
一般会計歳入歳出決算につきまして、その
概要を御
説明申し上げます。
内閣主管の
歳入につきまして、
歳入予算額は、一千三百九十九万円余でありまして、これを
収納済歳入額二千三百九十三万円余に比較いたしますと、九百九十三万円余の
増加となっております。
次に、
内閣所管の
歳出につきまして、
歳出予算現額は、百四億七千八百四十七万円余でありまして、これを
支出済歳出額百二億三千五百二十三万円余に比較いたしますと、二億四千三百二十三万円余の
差額を生じますが、これは
人件費等を要することが少なかったため、
不用となったものであります。
以上をもちまして、
決算の
概要説明を終わります。
何とぞよろしく御
審議のほどお願いいたします。
…………………………………
昭和五十七
年度総理府所管一般会計歳入歳出決算の
概要説明
昭和五十七
年度における
総理府所管の
一般会計歳入歳出決算につきまして、その
概要を御
説明申し上げます。
総理府主管の
歳入につきまして、
歳入予算額は、八百四億八千四百四十七万円余でありまして、これを
収納済歳入額八百八十二億七千六百五十六万円余に比較いたしますと、七十七億九千二百九万円余の
増加となっております。
次に、
総理府所管の
歳出につきまして、
歳出予算現額は、五兆六千百九十億八百六十二万円余でありまして、
支出済歳出額は、五兆五千三百七十三億八千四十三万円余であります。
この
支出済歳出額を
歳出予算現額に比較いたしますと、八百十六億二千八百十九万円余の
差額を生じます。
この
差額のうち翌
年度繰越額は、七百四十二億九千三百二十八万円余であり、
不用額は、七十三億三千四百九十一万円余であります。
総理府所管の
歳出決算のうち、
警察庁、行政管理庁、
北海道開発庁、
防衛庁、
経済企画庁、
科学技術庁、
環境庁、
沖縄開発庁及び
国土庁については、各
担当大臣から御
説明申し上げることになっておりますので、これを除く部局、すなわち、
総理府本府、
公正取引委員会、
公害等調整委員会及び
宮内庁関係について申し上げますと、
歳出予算現額は、一兆八千四十四億七千九百三十一万円余でありまして、これを
支出済歳出額一兆七千六百四十二億九千三百六十万円余に比較いたしますと、四百億八千五百七十一万円余の
差額を生じます。
この
差額のうち翌
年度繰越額は、三百九十六億一千五百六十四万円であり、
不用額は、四億七千七万円余であります。
翌
年度繰越額は、
恩給費でありまして、これは
文官等恩給及び旧
軍人遺族等恩給の請求の遅延及び
履歴等の
調査確認に不測の日数を要したため、
年度内に
支出を終わらなかったものであります。
また、
不用額は、
人件費等を要することが少なかったため、
不用となったものであります。
以上をもちまして、
決算の
概要説明を終わります。
何とぞよろしく御
審議のほどお願いいたします。
…………………………………
昭和五十七
年度決算内閣についての
検査の
概要に関する
主管局長の
説明
会計検査院
昭和五十七
年度内閣の
決算につきまして
検査いたしました結果、特に違法又は不当と認めた
事項はございません。
…………………………………
昭和五十七
年度決算総理本府等についての
検査の
概要に関する
主管局長の
説明
会計検査院
昭和五十七
年度総理府の
決算のうち、
歳入並びに
総理本府、
公正取引委員会、
公害等調整委員会及び
宮内庁関係の
歳出につきまして
検査いたしました結果、特に違法又は不当と認めた
事項はございません。
…………………………………
昭和五十七
年度大蔵省主管一般会計歳入決算並びに
大蔵省所管の
一般会計歳出決算、各
特別会計歳入歳出決算及び各
政府関係機関決算書に関する
説明
昭和五十七
年度大蔵省主管一般会計歳入決算並びに
大蔵省所管の
一般会計歳出決算、各
特別会計歳入歳出決算及び各
政府関係機関決算書につきまして、その
概要を御
説明申し上げます。
まず、
一般会計歳入決算につきまして申し上げます。
昭和五十七
年度の
収納済歳入額は四十六兆三千四百五十六億七千九百三十七万円余でありまして、これを
歳入予算額と比較いたしますと三千九百十五億八千四百二万円余の
増加となっております。
以下、
歳入決算のうち、主な
事項につきましてその
概要を申し上げます。
第一に、
租税及印紙収入でありますが、その
決算額は二十九兆四千四百六十九億三千六百九十七万円余で、これを
予算額と比較いたしますと百三十九億三千六百九十七万円余の
増加となっております。これは、
所得税及び
法人税等において
課税額の伸びが見込みを上回ったこと等によるものであります。
第二に、
公債金でありますが、その
決算額は十四兆四百四十七億四千六百五十六万円余で、これを
予算額と比較いたしますと三千二億五千三百四十三万円余の
減少となっております。これは、
歳出の
不用が見込まれたこと等により、
公債の
発行額を
予定より減額したことによるものであります。
以上のほか、
専売納付金七千六百五十一億三千二百七十七万円余、
官業益金及官業収入八十三億三千七百五十七万円余、
政府資産整理収入六百七十四億千五百五十四万円余、雑収入一兆四千九百九億二千六百四十五万円余、前
年度剰余金受入五千二百二十一億八千三百四十七万円余となっております。
次に、
一般会計歳出決算につきまして申し上げます。
昭和五十七
年度の
歳出予算現額は七兆九千三十二億二千八百六十六万円余でありまして、
支出済歳出額は七兆七千四百五十二億四千四十三万円余、翌
年度繰越額は三百三十七億八千三百九十二万円余でありまして、差引き、
不用額は千二百四十二億四百三十万円余となっております。
以下、
歳出決算のうち、主な
事項につきましてその
概要を申し上げます。
第一に、
国債費につきましては、
国債整理基金特別会計へ繰り入れるため六兆九千六十九億三千二百八十六万円余を
支出いたしましたが、これは、
一般会計の負担に属する
国債、借入金の償還及び
利子等の支払並びにこれらの
事務取扱費の財源に充てるためのものであります。
第二に、
政府出資につきましては二千百十五億円を
支出いたしましたが、これは、
海外経済協力基金等への
出資であります。
第三に、
経済協力費につきましては四百三十九億八千三十四万円余を
支出いたしましたが、これは、
開発途上国等に対する
食糧増産等援助等のためのものであります。
この
支出のほか、
食糧増産等援助費につきましては、
相手国の
国内事情等のため三百二十億八千六百三十六万円余が翌
年度へ繰越しとなっております。
以上申し述べました
経費のほか、
科学的財務管理調査費、
国家公務員共済組合連合会等助成費、
国庫受入預託金利子、
公務員宿舎施設費、
国際復興開発銀行出資、
特定国有財産整備費、
特定国有財産整備諸費及び
国民生活安定対策等経済政策推進費として八百十八億八千三百六十一万円余並びに
一般行政を処理するための
経費として五千九億四千三百六十一万円余を
支出いたしました。
なお、以上の
支出のほか、
公務員宿舎施設費につきましては十六億九千七百五十五万円余が翌
年度へ繰越しとなっております。
次に、各
特別会計歳入歳出決算につきましてその
概要を申し上げます。
まず、
造幣局特別会計におきまして
収納済歳入額は百八十二億二百四十万円余、
支出済歳出額は百八十一億八千四百八十九万円余でありまして、
損益計算上の
利益は二千三十一万円余であります。
この
会計の主な
事業である
補助貨幣の
製造につきましては、二十八億枚、
額面金額にして千百七十五億六千万円を
製造し、その全額を発行いたしました。
次に、
印刷局特別会計におきまして
収納済歳入額は六百八十四億千九百四十三万円余、
支出済歳出額は六百二億六千七十万円余でありまして、
損益計算上の
利益は九十八億六千二百十一万円余であります。
この
会計の主な
事業である
日本銀行券の
製造につきましては、三十四億六千万枚、
額面金額にして十一兆千百億円を
製造し、その全量を日本銀行に引き渡しました。
以上申し述べました各
特別会計のほか、
資金運用部、
国債整理基金、
外国為替資金、
産業投資、地震再
保険及び
特定国有財産整備の各
特別会計の
歳入歳出の
決算の
内容につきましては、
特別会計歳入歳出決算によって御了承願いたいと存じます。
最後に、各
政府関係機関決算書につきましてその
概要を申し上げます。
まず、
国民金融公庫につきましては
収入済額は三千六百七十一億七千五百四万円余、
支出済額は三千五百九十六億五千六百十九万円余でありまして、
損益計算上の
損益はありません。
この
公庫の貸付けは、百万件余、
金額にして二兆六千四百七十九億八千五百六十五万円余でありまして、これを当初の
予定に比較いたしますと、三千百二十億千四百三十四万円余の
減少となっております。
このほか、住宅金融
公庫、
農林漁業金融公庫、
中小企業金融公庫、
北海道東北開発公庫、
公営企業金融公庫、
中小企業信用保険公庫、
医療金融公庫、環境衛生金融
公庫、
沖縄振興開発金融公庫、
日本開発銀行及び
日本輸出入銀行の
決算の
内容につきましては、それぞれの
決算書によって御了承願いたいと存じます。
以上が
昭和五十七
年度における
大蔵省関係の
決算の
概要であります。これらの詳細につきましては、さきに提出しております
昭和五十七
年度歳入決算明細書及び各省各
庁歳出決算報告書等によって御了承願いたいと存じます。
なお、
会計検査院の
検査の結果、
不当事項として
税務署等における
租税の徴収に当たり過不足があったこと等の御指摘を受けましたことは、誠に遺憾に堪えないところであります。これらにつきましては、すべて徴収決定等適切な措置を講じましたが、今後一層
事務の
合理化と
改善に努めたいと存じます。
何とぞよろしく御
審議の程お願い申し上げます。
…………………………………
昭和五十七
年度日本専売公社収入支出決算書に関する
説明
昭和五十七
年度日本専売公社収入支出決算書にっきまして、その
概要を御
説明申し上げます。
まず、
たばこ事業の
概況につきまして申し上げます。
昭和五十七
年度の
製造たばこ販売数量は三千百六十七億本余、
金額にして二兆四千七百一億四千三百八十五万円余であり、
予定に比較いたしますと、
数量において十四億本余、
金額にして百十五億六十一万円余の
増加となっております。
また、葉たばこの
購入数量は二十一万七千トン余、
金額にして三千四百十九億八千七百四十四万円余であり、
予定に比較いたしますと、
数量において一万二千トン余、
金額にして三百十二億六千六百五十八万円余の
減少となっております。
次に、
塩事業の
概況につきまして申し上げます。
昭和五十七
年度の
塩販売数量は、
一般用塩百四十九万六千トン余、
ソーダ用塩五百八十万一千トン余、
金額にして
合計九百四十八億三千六百十万円余であり、
予定に比較いたしますと、
数量において百三十二万四千トン余、
金額にして百三十九億四千九百三十三万円余の
減少となっております。
また、塩の
購入数量は、
国内塩九十六万五千トン余、
輸入塩六百二十九万三千トン余、
金額にして
合計六百六十四億二千七百六万円余であり、
予定に比較いたしますと、
数量において百三十七万六千トン余、
金額にして百三十億二千八十一万円余の
減少となっております。
次に、
決算の
内容につきまして御
説明申し上げます。
まず、収入
支出につきまして申し上げます。
昭和五十七
年度における
収入済額は二兆五千七百五十一億四千二百十七万円余であり、収入
予算額二兆五千七百三十三億九百六十四万円余に比較いたしますと十八億三千二百五十三万円余の
増加となっております。
これに対しまして
支出済額は二兆四千九百六十八億二百三十八万円余、翌
年度に繰り越した額は二百十八億三百六十一万円余、
合計二兆五千百八十六億六百万円余であり、
支出予算現額二兆六千二百四十四億四千三百十三万円余に比較いたしますと、差引き、
不用額は千五十八億三千七百十三万円余となっております。
次に、
損益計算につきまして申し上げます。
総収益二兆五千七百九十三億三千六百十三万円余から、総損失二兆四千六百四十二億八千三百十九万円余を控除した
利益は千百五十億五千二百九十三万円余であります。この
利益は、
日本専売公社法第四十二条の十三の二第一項の規定により全額
利益積立金として積み立てております。
最後に、
専売納付金につきまして申し上げます。
専売納付金は、小売人等に売り渡した
製造たばこにつき小売定価に
数量を乗じて得た額に納付金率を乗じて得た額から、納付したたばこ消費税の額を控除した額七千六百五十一億三千二百七十七万円余であり、
予定額七千五百九十九億二千七百八十八万円余に比較いたしますと五十二億四百八十九万円余の
増加となっております。
以上が、
昭和五十七
年度日本専売公社の
決算の
概要であります。
なお、
会計検査院の
昭和五十七
年度決算検査報告におきまして、意見が表示された
事項が一件ございますが、これにつきましては、指摘の趣旨に沿い所要の
改善に努めるようより一層指導監督の徹底を図る所存であります。
何とぞよろしく御
審議の程お願い申し上げます。
…………………………………
昭和五十七
年度決算大蔵省及び
日本専売公社についての
検査の
概要に関する
主管局長の
説明
会計検査院
昭和五十七
年度大蔵省の
決算につきまして
検査いたしました結果の
概要を
説明いたします。
検査報告に掲記いたしましたものは、
不当事項四件であります。
検査報告番号九号は、
租税の徴収に当たり、徴収額に過不足があったものであります。
これらの徴収過不足の事態は、課税資料の収集、活用が的確でなかったため収入金等を把握していなかったり、法令適用の検討が十分でなかったため税額計算等を誤っていたり、申告
内容の調査が十分でなかったため
経費等の額を誤って所得を計算していたり、納税者が申告書等において所得
金額、税額の計算を誤っているのにそのままこれを見過ごしていたりしていたことによって生じたものであります。
また、
検査報告番号一〇号から一二号までの三件は、
資金運用部資金の貸付けが不当と認められるもので、これらは、貸付対象
事業の一部が実施されていなかったり、貸付けの対象とならない
事業を対象としていたり、割戻しなどにより貸付対象
事業費より低額で
事業が実施されていたりしていたものであります。
次に、
昭和五十七
年度日本専売公社の
決算につきまして
検査いたしました結果の
概要を
説明いたします。
検査報告に掲記いたしましたものは、意見を表示し又は処置を要求した
事項一件であります。
これは、国内産葉たばこの在庫量に関するものであります。
現在、
日本専売公社においては、たばこの主要原料としての国内産葉たばこを三十七箇月分保管しておりますが、これは、標準在庫量とされております二十四箇月分からみますと十三箇月分が過剰となっておりまして、しかも、その中には使用する際に特別の処理を要する用途区分葉と呼ばれている品質の劣っている葉たばこが多量に含まれております。
このような事態となっておりますのは、公社においても廃滅作による生産調整を行うこととしたわけでありますが、たばこ耕作農家に対する配慮等から生産調整が必ずしも積極的なものではなかったこと、また、用途区分葉の発生を十分に抑制できなかったことなどによるものであります。
このため、年間に約二千八百四十億円の資金が固定するばかりでなく、約三十億円の保管寄託料を負担する結果となっておりまして、しかも、今後それらの状態が継続することになると思われますので、種々困難な事情はあるにしても、国内産葉たばこの過剰在庫を解消するために各般の対策を講ずる要があると認め、意見を表示したものであります。
以上をもって
概要の
説明を終わります。
…………………………………
昭和五十七
年度決算国民金融公庫、
日本開発銀行及び
日本輸出入銀行についての
検査の
概要に関する
主管局長の
説明
会計検査院
昭和五十七
年度国民金融公庫、
日本開発銀行及び
日本輸出入銀行の
決算につきまして
検査いたしました結果、特に違法又は不当と認めた
事項はございません。
…………………………………
昭和五十七
年度日本専売公社の
決算および
業務の
概要
昭和五十七
年度の
日本専売公社の
決算および業務の
概要を御
説明申し上げます。
まず、収入
支出決算について申し上げますと、
収入済額は二兆五千七百五十一億四千二百十七万円余、
支出済額は二兆四千九百六十八億二百三十八万円余でありまして、差引き収入超過は七百八十三億三千九百七十九万円余となりました。
これを
損益計算面から申し上げますと、総収益は二兆五千七百九十三億三千六百十三万円余、総損失は二兆四千六百四十二億八千三百十九万円余、差引き純
利益は一千百五十億五千二百九十三万円余となっております。
これを、
たばこ事業および
塩事業について、それぞれの
概要を区分して、御
説明申し上げます。
まず、
たばこ事業でございますが、
昭和五十七
年度の
製造たばこ販売数量は三千百六十七億本余でありまして、これは
予定に比べ十四億本余、また、前
年度に対しては二十九億本余それぞれ
増加となっております。
たばこ販売面におきましては、キャビン85・マイルドセブン等の販売促進活動を積極的に進めてまいりました結果、前
年度に対し
数量で〇・九パーセント、売上高で一・九パーセントの
増加となりました。
また、たばこ
製造面におきましては、たばこ工場の
製造設備の
改善と作業の効率化によって生産性の向上を図り、あわせて供給の円滑化に努めてまいりました。
以上の結果、
損益計算におきましては、総売上高は二兆四千七百三億五千七百六万円余、売上原価は六千七百四十一億六千八百九十八万円余、差引き売上総
利益は一兆七千九百六十一億八千八百七万円余となり、これから販売費及び一般管理費一千五百七十六億七千八百六十八万円余、
専売納付金七千六百五十一億三千二百七十七万円余、たばこ消費税七千六百五十六億四千百四十五万円余を控除し、さらに営業外
損益十一億九千七百三十四万円余を加えた純
利益は一千八十九億三千二百五十万円余となりました。
これは
予定に比べ四百六十六億二千百六十万円余の
増加、また、前
年度に対しては二百二十三億九千四百三万円余の
減少となっております。
なお、
専売納付金は
予定に比べ五十二億四百八十九万円余の
増加、また、前
年度に対しては百五十一億七千七百一万円余の
減少となっております。
つぎに、
塩事業について申し上げますと、
昭和五十七
年度の
塩販売数量は
一般用塩で百四十九万トン余、
ソーダ用塩で五百八十万トン余、
合計七百二十九万トン余でありまして、これは
予定に比べ百三十二万トン余、また、前
年度に対しては二万トン余それぞれ
減少となっております。
以上の結果、
損益計算におきましては、総売上高は九百四十八億三千六百十万円余、売上原価は七百二十二億二千六百六十四万円余、差引き売上総
利益は二百二十六億九百四十六万円余となり、これから販売費及び一般管理費百六十六億八千八百三十五万円余を控除し、さらに営業外
損益一億九千九百三十二万円余を加えた純
利益は六十一億二千四十三万円余となりました。
これは
予定に比べ三十二億七千百六十六万円余、また、前
年度に対しては十億七千百十五万円余それぞれ
増加となっております。
塩事業の純
利益が前
年度に対し
増加いたしましたのは、新商品を発売したこと、および収納価格を引下げたこと等によるものであります。
なお、
昭和五十七
年度決算検査報告におきまして、
会計検査院より意見の表示をされた
事項が一件ございますが、これにつきましては指摘の趣旨に沿い、所要の施策を推進し、
改善に努める所存でございます。
以上簡単でございますが、
昭和五十七
年度の
決算および業務の
概要について御
説明申し上げました。
なにとぞよろしく御
審議のほどお願い申し上げます。
…………………………………
昭和五十七
年度業務
概況
国民金融公庫
国民金融公庫の
昭和五十七
年度の業務の
概況についてご
説明申し上げます。
昭和五十七
年度のわが国経済は、国内需要が盛り上がりに欠けたことや輸出が
減少したことにより、前
年度に引き続き総じて低調に推移しました。このため、中小企業の景況も、内需依存度の高い分野については業況回復が遅れ、また、輸出に直接、間接に関連する分野においては業況が悪化する等停滞色の濃い推移を示し、中小企業の経営環境は依然として厳しい状況にありました。
このような状況におかれた中小企業者に対して、当
公庫は、貸付限度の引き上げ等により、中小企業金融の円滑化のために積極的に対処するとともに、川内及び越谷の二支店を新設しまして中小企業者のためにいっそうの便宜を図ってまいりました。
昭和五十七
年度の貸付につきましては、当初計画二兆九千六百億円に対しまして、前
年度に比べ三・二パーセント増の二兆六千四百七十九億八千五百六十五万円余の実行をいたしました。
貸付種類別に貸付の実績を申し上げますと、普通貸付は、六十八万六千件余二兆四千六百三十四億一千二百四十五万円、恩給担保貸付は、二十三万件余一千四百六十七億一千四百五十四万円余、記名
国債担保貸付は、七十一件五百八十一万円余、進学資金貸付は、八万二千件余三百七十億九千五百五十万円余となりました。
なお、普通貸付の貸付実績のなかには、生鮮食料品等小売業近代化資金貸付、流通近代化資金貸付等の特別貸付が、一万五千件余五百六十九億一千七百七十六万円、小企業等経営
改善資金貸付が、十八万六千件余四千七十六億五千九百五十九万円含まれております。
一方、五十七
年度において貸付金の回収が、二兆三千九百六十三億三百四十五万円余、滞貨償却が、二十億六千三百五十二万円余ありましたので、五十七
年度末現在の総貸付残高は、二百七十五万八千件余四兆六千六百二十二億五千六百六十四万円余となりました。
前
年度末残高に比べますと、件数が四万七千件余の
増加、
金額が二千四百九十六億一千八百六十六万円の
増加となり、これを率でみますと、件数で一・七パーセントの
増加、
金額で五・七パーセントの
増加となりました。
貸付金の延滞状況は、五十七
年度末において延滞後六カ月以上経過したものが、一千二百十二億四千四百十一万円余でありまして、前
年度末に比べ二百三十二億三百七十五万円余の
増加となっております。総貸付金残高に対する割合は、二・六パーセントであり、前
年度の二・二パーセントに比べ〇・四ポイント
増加しております。
昭和五十七
年度の貸付に要した資金は、二兆六千四百七十一億三千七百三十五万円余でありまして、その原資は、
資金運用部からの借入金一兆八千四百六十九億円、簡易生命
保険及び郵便年金
特別会計からの借入金八百二十億円、
一般会計からの借入金百八十六億円のほか、貸付回収金等六千九百九十六億三千七百三十五万円余をもってこれに充てました。
受託業務につきましては、環境衛生金融
公庫からの受託貸付は、五十七
年度における貸付の実績が、七万九千件余一千八百七十五億七千七百四十三万円余、回収額が、一千八百七十二億六千八百九十七万円余となり、五十七
年度末貸付残高は、四十四万七千件余六千六百二十二億六千八百十五万円余となっております。また、労働福祉
事業団からの受託貸付の五十七
年度における貸付の実績は、八十一件九千五百九十九万円となっております。
最後に、五十七
年度の収入
支出決算及び
損益の計算について申し上げます。
まず、収入
支出決算について申し上げますと、
収入済額は、三千六百七十一億七千五百四万円余、
支出済額は、三千五百九十六億五千六百十九万円余となりました。
次に、
損益の計算について申し上げますと、貸付金利息等の総益金は、四千六十六億七千八百九十五万円余、借入金利息、
事務費、滞貨償却引当金繰入等の総損金は、四千六十六億七千八百九十五万円余となりました。この結果、
利益金は生じなかったので、国庫納付はいたしませんでした。
以上をもちまして、
昭和五十七
年度の業務
概況のご
説明を終らせていただきます。
…………………………………
日本開発銀行昭和五十七
年度の業務
概要
昭和五十七
年度における
日本開発銀行の業務の
概要についてご
説明申しあげます。
一、先ず、五十七
年度の資金運用計画は、当初計画として一兆一千百十五億円を
予定しておりましたが、その後景気対策として資金需要の強い資源エネルギーに対し五百億円の追加が行われ、最終的には一兆一千六百十五億円の貸付計画となりました。
これに対し、五十七
年度中の運用額は、貸付実行額が一兆一千六百十四億九千八百万円となっております。
これの項目別内訳は資源エネルギー五千二百九億五千六百万円、技術振興一千百三億九千万円、海運一千三百四十三億七千三百万円、都市開発一千三百九十八億六千五百万円、地方開発一千四百五億八千三百万円、国民生活
改善八百九十四億七千万円、その他二百五十八億六千百万円であります。
以上の五十七
年度の運用額の原資といたしましては、
資金運用部資金からの借入金八千四百九十億円と貸付回収金等三千百二十四億九千八百万円をもってこれに充てました。
二、次に五十七
年度の貸付運用の特色を申し上げますと、
(1) 資源エネルギーについては、石油業に対する融資制度を拡充し、石油産業の集約化のための融資及び民生用石油製品の安定供給を図るための融資を行うとともに、原子力発電推進のための融資、石油及びLPG備蓄タンクに対する融資、水力発電・液化ガス発電等電源多様化をはかるための融資、都市ガスの高圧、高カロリー化設備に対する融資、石油代替エネルギーの利用の促進のための融資の他、資源エネルギーの有効利用と産業の省資源・省エネルギー等を促進するための融資を積極的に行ったこと
(2) 技術振興については、わが国自主技術の開発促進および技術水準の向上をはかるため、引き続き国産技術振興融資、電子計算機振興融資等を行ったこと
(3) 海運については、貿易物資の安定的輸送確保の点から計画造船による外航船舶の建造に対し引き続き融資を行ったこと
(4) 都市開発については、都市交通の整備
改善、市街地の開発整備及び流通機構の近代化に寄与する
事業等に対する融資を引き続き拡充したこと
(5) 地方開発については、九州、四国、中国、北陸の四地方の開発のため融資を引き続き強化するとともに、地方都市圏の機能整備、地方適地産業の育成、工業の適正配置の促進について特に留意したこと
(6) 国民生活
改善については、環境保全の観点から公害防止の推進をはかるとともに、ビル防災等の推進のための安全対策設備に対する融資及び食品供給体制の近代化のための融資を行ったこと
(7) その他については、引き続き「工場分散」、「海洋開発」及び「福祉関連機器振興」等の融資を行ったことなどがあげられます。
三、次に五十七
年度における既往貸付の回収は、外貨貸付金の回収二十二億六千五百十四万円余を含めまして六千百八十七億七千六百八十八万円余となっております。
なお、五十七
年度は貸付金の債権償却は行わず、この結果、五十七
年度末における貸付残高は、国内資金貸付六兆四千四百八十四億八千八百四万円余、外貨貸付十億三千九百七十一万円余の
合計六兆四千四百九十五億二千七百七十六万円余となりました。
貸付金の延滞状況につきましては、
昭和五十七
年度末におきまして弁済期限を六カ月以上経過した元金延滞額は三百八十三億七千七百五万円余で、前
年度末に比して十億七千六百四十五万円余の
増加となっております。貸付残高に対する割合は、〇・六パーセントとなっております。
四、また、五十七
年度においては、新規の外貨債務の保証はなく、
年度末保証残高は二千八十九億三千八百六十三万円余となっております。
五、最後に、五十七
年度決算の
概要について
説明いたしますと、五百一億九千六百四十一万円余の純
利益を計上し、このうち三百二十二億四千七百六十三万円余を法定準備金として積立て、残額百七十九億四千八百七十八万円余を国庫へ納付いたしました。
以上、五十七
年度における
日本開発銀行の業務の
内容につきましてご
説明申し上げた次第でございます。
…………………………………
日本輸出入銀行の
昭和五十七
年度業務
概況
一、
昭和五十七
年度における
日本輸出入銀行の業務状況につき
概要をご
説明申し上げます。
まず、
昭和五十七
年度は
年度当初の
事業計画において一兆一千六百六十六億円の貸付を
予定いたしました。
これに対し
昭和五十七
年度の貸付額の実績は一兆三千五百十八億四千二百八十五万円余で、
年度当初の
事業計画における貸付
予定額を十六パーセント程上回りました。
なお、この
昭和五十七
年度の貸付額を
昭和五十六
年度の貸付額一兆一千四百五十二億九千百三十万円余に比較いたしますと十八パーセント程度の
増加となっております。
以下、
昭和五十七
年度の貸付額の内訳につきまして、金融種類別に前
年度との比較において申し述べます。
まず、輸
出資金の貸付は、五千四百八十六億七百十五万円で、
昭和五十六
年度の五千九百六十四億四千六百九十五万円に対し、四百七十八億三千九百八十万円の
減少となりました。これは、船舶輸出に対する貸付、プラント輸出に対する貸付がともに
減少したことによるものであります。
次に、輸入に必要な資金の貸付は、二千五百八十六億九千百十一万円余で、
昭和五十六
年度の一千二十二億七千二百八十四万円余に対し、一千五百六十四億一千八百二十六万円余の
増加となりました。このように輸入に必要な資金の貸付が
増加したのは、緊急輸入外貨貸付が、七百三十七億八千九百三十五万円余に達したこと等によるものであります。
また、海外投資資金の貸付は、二千百七十四億一千七百十四万円となり、
昭和五十六
年度の二千三十三億九千七百五十万円に対し、百四十億一千九百六十四万円の
増加となりました。
このほか、外国政府等に対する直接借款に係る貸付は、三千二百七十一億二千七百四十五万円余で、
昭和五十六
年度の二千四百三十一億七千四百一万円余に対し、八百三十九億五千三百四十三万円余の
増加となりました。これはバイヤーズクレジット・バンクローンについて、大型案件に係る貸付が
増加したことによるものであります。
以上の結果、
昭和五十七
年度末の貸付残高は、六兆四百八十二億七千四百九十三万円余となっております。
なお、この貸付残高のうち、弁済期限を六箇月以上経過した元金延滞額は、二十二億七千二百二十七万円余となっております。
昭和五十七
年度の貸付資金の原資といたしましては、
産業投資特別会計からの
出資金百五十億円、
資金運用部資金からの借入金一兆四百八十億円、
外国為替資金特別会計からの借入金七百三十七億八千九百三十五万円余のほか、自己資金等二千百五十億五千三百四十九万円余をもってこれにあてました。
以上申し述べました業務の運営により
昭和五十七
年度の一般勘定の
損益計算上における
利益は、四千七百九十八億五千六百八十万円余、これに対し損失は、四千四百八十三億五千三百九十六万円余となりました。
この結果、
昭和五十七
年度の一般勘定
利益金は三百十五億二百八十四万円余となりました。
一般勘定
利益金は、うち三百一億四千七百三十四万円余を法定準備金として積立て、残額十三億五千五百四十九万円余を国庫に納付いたしました。
なお、既往のインドネシア債務救済措置の実施に関する業務につきましては、
日本輸出入銀行法による貸付金の利息の特例等に関する法律により一般の業務と区分して特別の勘定を設けて経理することといたしておりますが、
昭和五十七
年度の特別勘定の
損益計算上、二億七千四百十九万円余の
利益金を生じ、法令の定めるところに従い、これを全額同勘定の積立金として積立てました。
二、以上、
昭和五十七
年度における
日本輸出入銀行の業務の
概況につき、ご
説明申し上げました。
…………………………………
昭和五十七
年度農林水産省
決算について
昭和五十七
年度の農林水産省の
決算につきまして、大要を御
説明申し上げます。
まず、
一般会計の
歳入につきましては、
収納済歳入額は二千五十四億六千三百六十四万円余でありまして、その主なものは、日本中央競馬会法に基づく納付金であります。
次に、
一般会計の
歳出につきましては、
支出済歳出額は三兆七千四百二億六千六百九十二万円余でありまして、この
経費の主なものは、生産性の向上を基本とする地域農業の展開といたしまして一千七百三十六億一千五百九十万円余、農業技術の開発普及と統計情報の整備といたしまして八百七十億一千四百七十八万円余、農業生産力向上のための農業生産基盤の整備といたしまして九千三十六億三千五百七十九万円余、需要の動向に応じた農業生産の振興といたしまして七千八百十三億七千百八十三万円余、住みよい農山漁村の建設と農業者の福祉の向上といたしまして二千十四億八百五万円余、農産物の価格安定と農業所得の確保といたしまして七千五百七十六億二千百八十七万円余、食品産業対策・消費者対策の推進と農水産物の消費拡大といたしまして三百三十七億九千八百五十七万円余、農林漁業金融の充実といたしまして一千四百九億八千一万円余、農業団体の整備といたしまして三百二十五億五千三百六十七万円余、森林・林業施策の充実といたしまして三千四百八十億六千六百十八万円余、水産業の振興といたしまして二千七百二十八億九千八百七十五万円余、食料の安全保障の確保と国際協力の推進といたしまして百三億九千四百七十一万円余、その他災害対策等の重要施策といたしまして三千五百八十五億九千五百二十七万円余の諸施策の実施に
支出したものであります。
続いて、各
特別会計につきまして申し上げます。
まず、
歳入につきましては、
収納済歳入額は食糧管理
特別会計各勘定
合計において八兆四百二十億一千五十万円余、国有林野
事業特別会計各勘定
合計において六千二百六十九億八千八万円余、農業共済再
保険特別会計各勘定
合計において一千二百二十三億五千百八十八万円余、漁船再
保険及漁業共済
保険特別会計各勘定
合計、森林
保険特別会計、自作農創設特別措置
特別会計及び特定土地改良工事
特別会計の総
合計において二千四百六十八億二千六百七十二万円余であります。
次に、
歳出につきましては、
支出済歳出額は食糧管理
特別会計各勘定
合計において八兆三百五十九億三千四百六十一万円余、国有林野
事業特別会計各勘定
合計において六千二百三十三億一千六百五十七万円余、農業共済再
保険特別会計各勘定
合計において九百四十億五千二十七万円余、漁船再
保険及漁業共済
保険特別会計各勘定
合計、森林
保険特別会計、自作農創設特別措置
特別会計及び特定土地改良工事
特別会計の総
合計において一千九百四十億一千五百七十五万円余であります。
これらの
事業の
概要につきましては、お手元にお配りいたしました「
昭和五十七
年度農林水産省
決算概要説明」によって御承知を願いたいと存じます。
これらの
事業の執行に当たりましては、いやしくも不当な
支出や非難されるべきことのないよう、常に経理等の適正な運用について、鋭意努力をしてまいりましたが、
昭和五十七
年度決算検査報告におきまして、
不当事項等として指摘を受けたものがありましたことは、誠に遺憾に存じております。指摘を受けた
事項につきましては、直ちに適切な措置を講じましたが、今後とも指導監督を一層徹底いたしまして、
事業実施の適正化に努める所存であります。
なにとぞよろしく御
審議のほどをお願いいたします。
…………………………………
昭和五十七
年度決算農林水産省及び
農林漁業金融公庫についての
検査の
概要に関する
主管局長の
説明
会計検査院
昭和五十七
年度農林水産省の
決算について
検査いたしました結果の
概要を
説明いたします。
検査報告に掲記いたしましたものは、
不当事項十八件、意見を表示し又は処置を要求した
事項四件及び本院の指摘に基づき当局において
改善の処置を講じた
事項一件であります。
まず、
不当事項について
説明いたします。
これらは、補助
事業の実施及び経理が不当と認められるもので、水田利用再編対策
事業等の補助
事業において、補助の対象とは認められないものがあったり、
事業費を過大に精算しているものがあったりなどしているものであります。
次に、意見を表示し又は処置を要求した
事項について
説明いたします。
その一は、国営及びこれに附帯する道府県営のかんがい排水
事業によって生じた農業用用排水施設の管理に関するものであります。
農林水産省が直轄で実施した国営かんがい排水
事業及びこれに附帯して国庫補助
事業で道府県が実施した道府県営かんがい排水
事業によって生じた農業用用排水施設は、多額の国費を投入した専ら農業に使用される財産でありますが、国及び県における管理が適切を欠いたため、その一部の施設(国営
事業費及び国庫補助金相当額計百三十億一千四百三十八万余円)が国又は県に無断で、上水道
事業や工業用水道
事業等の用水の取水のために使用されていたり、工場廃水あるいは生活汚水の排水路として使用されていたりしているなど農業以外の用途又は目的に使用されていて、その管理が適切を欠く事態となっておりました。
したがいまして、農林水産省において、このような事態の発生を防止するため、用排水施設の管理を委託している土地改良区等への指導、監督等を徹底するとともに、関係諸規定の整備を早急に行い、用排水施設の管理の適正を期するよう求めたものであります。
その二は、水田利用再編対策
事業の実施及び効果に関するものであります。
米の生産調整と農産物の総合的自給力の向上を主眼として水稲から水稲以外の作物への転作の定着化を促進するための水田利用再編対策
事業において、
事業の効果が十分発現していないと認められる事態が次のとおり見受けられました。
すなわち、
(1) 水田利用再編計画のないまま転作が実施されていて、本対策
事業が意図している転作の定着性の向上を図れないばかりか、
事業目的の達成のうえでも障害となると認められるものが二万八千五百五十二地区八万三千六百九十九ha(これに対する奨励補助金の交付総額三百二十七億五千万円)見受けられました。
また、
(2) 水田利用再編計画のある地区においても、
ア 計画団地と認定されているがその実体はなく、転作実施水田が点在していて、水田利用再編計画のない地区と同程度となっているものが五千二百五十地区四万一千四百八十六ha(これに対する奨励補助金の交付総額二百十億七千万一円)、
イ 連担団地と認定されているが実態は団地に連担性がなかったり、作物が統一的に作付けされていなかったりしているものが百九十五地区七百四十二ha(これに対する奨励補助金の交付総額五億円)、
ウ 農業協同組合等に預託されたままとなっていて転作に結びついていない水田や、飼料作物として適当でない青刈り稲による転作実施水田を二分の一以上も含んでいる実効の少ないものが三千百四十七地区二万二千九百四十九ha(これに対する奨励補助金の交付総額百十一億七千万円)、
エ 都市計画区域内の市街化区域又は用途地域に計画団地、連担団地が設定されていて転作の定着化を期待することは困難であるものが一千百五十一地区五千五百二十二ha(これに対する奨励補助金の交付総額二十五億七千万円)
見受けられました。
更に、
(3) 転作作物のうち、転作の重点作物である大豆、麦、そばの出荷状況及び飼料作物の供与の状況についてみましたところ、
ア 大豆、麦、そばの出荷率がいずれも三〇%未満と著しく低くなっているものが二万八千五百七十一ha(これに対する奨励補助金の交付総額百六十五億九千万円)、
イ 転作した飼料作物が無償で提供されているものが二万七千八百三十三ha(これに対する奨励補助金の交付総額百七十三億九千万円)、
ウ 飼料作物が家畜に供与されていなかったり、家畜に供与されているかどうか不明であったりしているものが二万一千五百七十七ha(これに対する奨励補助金の交付総額百二十五億二千万円)
見受けられました。
したがいまして、農林水産省において、
昭和五十九
年度からの第三期水田利用再編対策
事業を開始するに当たって、転作営農の生産性の向上とその定着化の一層の推進を図るために、抜本的な対策を講ずるよう求めたものであります。
その三は、林業
改善資金の貸付けに関するものであります。
この林業
改善資金の貸付
事業は、林業経営の
改善等を図るため、都道府県が国庫補助金の交付を受けて資金を造成し、林業従事者等に無利子で所要資金の貸付けを行うものでありますが、貸付けの対象にならないものに貸し付けているもの、貸付対象
事業が実施されていないもの、貸付決定前に
事業が実施されているものなど、貸付制度の趣旨に沿わない事態のものが二百九十件七億六千二百二万余円(国庫補助金相当額五億八百一万余円)見受けられました。
したがいまして、今後の貸付対象
事業の適正な実施を期するため、林野庁において、都道府県及び資金の借受者に対して制度の趣旨の周知徹底を図るとともに、都道府県における貸付対象
事業の
審査及び確認業務を的確に実施させるなどの措置を講ずるよう求めたものであります。
その四は、沿岸漁業
改善資金の貸付けに関するものでありますが、この件もただいま申し上げました林業
改善資金の貸付けに関するものと同種のものでおります。
この沿岸漁業
改善資金の貸付
事業は、沿岸漁業経営の
改善等を図るため、都道府県が国庫補助金の交付を受けて資金を造成し、沿岸漁業従事者等に無利子で所要資金の貸付けを行うものでありますが、貸付対象
事業が実施されていないもの、貸付決定前に
事業が実施されているものなど、貸付制度の趣旨に沿わない事態のものが百十件一億五千百九十二万余円(国庫補助金相当額一億百二十八万余円)見受けられました。
したがいまして、今後の貸付対象
事業の適正な実施を期するため、水産庁において、都道府県及び資金の借受者に対して制度の趣旨の周知徹底を図るとともに、都道府県における貸付対象
事業の
審査及び確認業務を的確に実施させるなどの措置を講ずるよう求めたものであります。
次に、本院の指摘に基づき当局において
改善の処置を講じた
事項について
説明いたします。
これは、輸入小麦の買入れに当たっての国内港間の海上運送
経費を政府の負担としていることに関するものであります。
食糧庁では、大阪港に到着した輸入小麦のうちの一部約八万四千tを、大阪港の港頭サイロだけでは後背地の需要に応ずる収容力が不足するとして隣接する阪南港に回送し、この運送区間の海上運送
経費約九千七百万円を政府の負担としておりましたが、近年では、貨物船が接岸可能な大阪・神戸両港の港頭サイロの収容力は大幅に
増加してきておりまして、相当の余裕収容力がある状況であります。
したがいまして、製粉業者等の買受者の負担で海上運送している他の輸入港と荷揚港との間の海上運送
経費と同様に買受者の負担に改める要があると認められましたので、当局の見解をただしましたところ、食糧庁では、五十九年一月以降の契約分から海上運送
経費の政府負担をとりやめ、買受者の負担とするよう処置を講じたものであります。
なお、以上のほか、
昭和五十六
年度及び五十五
年度決算検査報告に掲記しましたように、輸入麦の売渡し、沿岸漁業構造
改善事業等の実施及び飼料用小麦の売渡
予定価格の積算について、それぞれ処置を要求しましたが、これらに対する農林水産省の処置状況についても掲記いたしました。
以上が
昭和五十七
年度農林水産省の
決算につきまして
検査をいたしました結果の
概要であります。
次に、
昭和五十七
年度農林漁業金融公庫の
決算について
検査いたしました結果の
概要を
説明いたします。
検査報告に掲記いたしましたものは、
不当事項六件であります。
検査報告番号一六二号及び一六三号の二件は、振興山村・過疎地域経営
改善資金等の貸付けが不当と認められるものでありまして、
農林漁業金融公庫及び受託金融機関の
審査及び
調査確認が適切でなかったり、受託金融機関に対する指導監督が十分でなかったりしたため、貸付対象
事業の一部が実施されていなかったり、貸付対象
事業費よりも低額で
事業が実施されていたりしていたものであります。
また、
検査報告番号一六四号から一六七号までの四件は、長野県上伊那郡箕輪町において不当の事態があった結果、土地改良資金の貸付けが不当と認められるものでありまして、貸付対象
事業費よりも低額で
事業が実施されていたものであります。
以上をもって
概要の
説明を終わります。
…………………………………
昭和五十七
年度農林漁業金融公庫業務
概況
昭和五十七
年度における
農林漁業金融公庫の業務の
概況について御
説明申し上げます。
国においては、食料の安定供給、健全な地域社会の形成、国土・自然環境の保全等の農林水産業の役割が一層着実かつ効率的に果たされるようにすることを基本として諸施策が展開されました。
こうした国の施策に即応して、当
公庫は、業務の運営にあたりまして、関係機関との密接な連けいのもとに、農林水産業の生産基盤の整理及び経営構造の
改善のための融資を推進するとともに、多様化する資金需要に対応して、融資条件の
改善を含め、融資の円滑化に配慮してまいりました。
昭和五十七
年度における貸付計画について申し上げますと、貸付計画額は、七千六百億円を
予定いたしました。
これに対する貸付決定額は、五千九百三十七億五千六百五十六万円となり、前
年度実績と比較して百九十八億九千三百四十一万円余の
減少となりました。
この貸付決定額を農業・林業・水産業に大別して申し上げますと、一、農業部門四千二百三十八億七千八百二十七万円余、二、林業部門七百四億千九百九十七万円余、三、水産業部門八百九十七億五千三百六十三万円余、四、その他部門九十七億四百六十八万円となりまして、農業部門が全体の七十一・四%を占めております。
次に
昭和五十七
年度の貸付資金の交付額は五千九百二十八億六千五百七十五万円余となりまして、これに要した資金は、
資金運用部からの借入金五千百四十億円、簡易生命
保険及び郵便年金の積立金からの借入金二百八十億円並びに、貸付回収金等五百八億六千五百七十五万円余をもって充当いたしました。
この結果、
昭和五十七
年度末における貸付金残高は四兆五千六百六十五億四千四百四十一万円余となりまして、前
年度末残高に比べて三千五十億七千四百万円余七・二%の
増加となりました。
貸付金の延滞状況につきましては、
昭和五十七
年度末におきまして、弁済期限を六ケ月以上経過した元金延滞額は百九十八億六千五百八十一万円余となりまして、このうち一年以上延滞のものは百六十八億三千六百万円余となっております。
次に
昭和五十七
年度における収入
支出決算の状況について御
説明申し上げますと、
収入済額は、収入
予算額三千三百三十四億三千百八十八万円余に対し三千三百五十五億九千六百二十五万円余となりました。また、
支出済額は、
支出予算額三千三百七十八億三千六百十二万円に対し三千三百三十四億百二十二万円余となり、
支出に対し収入が二十一億九千五百二万円余多くなっております。
最後に、
昭和五十七
年度における当
公庫の
損益計算の結果について申し上げますと、貸付金利息等の総
利益は四千二百六十五億八千三百三十三万円余、借入金利息等の総損失は四千二百五億七千百五十八万円余となり、差引き六十億千百七十五万円余の
利益金を生じましたが、この
利益金は全額を繰越損失金の補てんに充てることといたしましたため、国庫納付はありませんでした。
これらの業務の遂行にあたりましては、常に適正な運用について、鋭意努力してまいりましたが、
昭和五十七
年度決算検査報告におきまして、総合施設資金等の貸付けにつきまして
不当事項として指摘を受けたものがありますことは、まことに遺憾に存じております。指摘を受けました
事項につきましては、直ちに適切な措置を講じましたが、今後はこのようなことの再び起こることのないよう業務運営の適正化に一層努める所存であります。
以上が、
昭和五十七
年度における
農林漁業金融公庫の業務の
概況であります。なにとぞよろしくご
審議のほどお願いいたします。
――
―――――――――――