○小和田
政府委員 ただいまの御質問につきまして、先ほど
外務大臣がお答えしたことを若干補足する点も含めてお答えしたいと思います。
委員が御指摘になりましたように、現在の国連憲章のもとにおきまして許される武力行使というのは、安保理の決定の場合以外は自衛権ということでございますし、自衛権については先ほど御指摘のあったようなことが要件とされるということは、一般論としてそのとおりでございます。
そこで、今度の場合について私どもが従来から申し上げておりますのは、要するに
アメリカ側の
説明によりますと、
一連の同じパターンの
事件が継続して繰り返されておりまして、そういう
状況の中において
アメリカが必要最小限度のこれを阻止する
行動をとらなければ、
アメリカに対してさらに
テロ的な実力行使が加えられるおそれがある、そういう
状況においてこういう
措置をとることが必要であった、こういうのが
アメリカが力説している
説明であるというふうに
理解をしているわけでございます。
先ほども
大臣がお答えいたしましたように、私どもといたしましては、そういう欧州における
一連の
テロ行為に対して果たして
リビアが
関与していたのかどうかというようなこと、あるいはさらに今後
リビアが具体的にどういう
行動をどういう形で計画をしておるのかということがわからなければ、最終的な判断をすることはできないということで、私どもとしては、
政府としての確定的な判断を申し上げる
立場にはない、こういうことを申し上げてきたわけでございます。
つまり、自衛権の問題につきましては、そういう要件が満足されるような
状況があるかどうかという一般論と、それから具体的な事実
関係がそういうものを正当化するに足るものであるかどうかということの二つの面があるわけでございますけれども、
アメリカ側の自衛権についての
説明について、もちろんこの
事件に直接私ども
日本がインボルブされているわけではございませんので、そういう
意味におきまして直接の当事者ではないということもございまして、事実
関係の詳細について正確に把握する
立場にはない、こういうことであったわけでございます。
その後、米国から
リビアが
関与しておったということについては、さらに非常に具体的かつ詳細な
説明を受けましたので、その限りにおいて私どもとしては、この
リビアの
関与ということについては
認識を深めたわけでございますけれども、自衛権の要件を最終的に満足しているかどうかということになりますと、先ほど来申し上げておりますような事実的な
関係と、それに対する法理的な問題というものを総合的に判断をして判定しなければならないわけでございまして、そういう
意味で
日本として最終的な判断をするような
立場にはない、こういうことを申し上げているわけでございます。