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西山政府委員 ソ連がどういう方向に向かって自国の
経済並びに対外
経済関係を進めていこうとしているか、この問題を一番はっきりと示しておりますのは、御
承知のとおり、先般開かれました第二十七回の
ソ連共産党中央
委員会におきますゴルバチョフ書記長の政治報告でございます。
これを見ますと、ゴルバチョフ書記長が非常に強調しておられますことは、要するに
経済の活性化ということでございまして、活性化という
言葉を加速という
言葉でもって言っておられます。しかも、加速をするために何が必要かといえば、そのためには科学技術の進歩ということをフルに活用すべきである、そしてそれによって社会の生産力の根本的改造、これは英語でラジカルリフォームというふうに訳されております、そういうものをしなければならないという点を強調しておられるわけでございます。
しかしながら、書記長の政治的意図はそういうことで、以下そのラインに従いまして、さまざまな具体的な改良策にも触れておられるわけでございますけれ
ども、我々が見まして問題と思いますのは、まず第一に、
ソ連におきましては労働力の増加というものが次第に低減しております。それからエネルギー資源、なかんずく石油の産出というものがやはり頭打ちになってきております。御
承知のとおり、この石油が
ソ連の外貨獲得量のほぼ六〇%を占めるわけでございますし、東欧の
経済との結びつきもこれによって従来行われてきたということでございますので、その辺に非常に難しい問題があろうかと思います。
したがいまして、どこまでこういう問題を、現在の社会主義
経済体制それ
自身のシステム、体制それ
自身はかたく守りつつ進め得るのか、書記長は、労働者といいますか勤労者の勤労意欲をもっと鼓舞するという面になかんずく重点を置いて指揮をしておられますけれ
ども、そういう形でどこまでこういう問題に対応できるのか、これから注目してまいりたいところと思っております。