○逢坂政府
委員 我が国の場合の
安全確保の考え方につきまして御質問だと思いますので、その件につきましてお答えしたいと思います。
我が国の
原子力発電所の安全についての基本的な考え方は、機器の故障あるいは損傷などが起こりました場合に、そういうような異常は極力抑えるようにというふうに基本的に考えております。そしてそういうものが万が一
事故に発展した場合にも、その拡大を防止しまして、周辺住民の方々に放射線障害を及ぼさないというのが基本的な考え方でございまして、この考え方は
多重防護という
一つの言葉で言っております。
これにつきましては、時間がございましたら詳細御
説明したいと思いますが、要は異常をとにかく発見して、
早期に
対策を立てるということがまず第一番やらなければいけないことであります。そのために、安全上余裕のある
設計をするというような問題でありますとか、あるいは高性能、高品質の材料などを使うということ、あるいは
運転員の誤操作を防止する
設計、あるいは機器システムについて故障があった場合に安全が確保されるような種々の
設計をする、こういうふうにしております。
それから第二番目の
対策といたしましては、そういうふうにやりましてもあるいは機器は故障するかもしれない。そうしますと、その発展を防止するにはどうしたらいいかということを次の段階で考えます。それで第二番目の考え方は、いろいろな
対策がございますが、まず機器の異常が発見できなければいけない。常に
監視しながら、その異常の状態をとにかく発見するといういろいろな
装置をつけております。そしてまた
原子炉を緊急に停止する
装置は、
多重というか、一系統ではなくて一系統にするとかいうふうに多系統にしながら、いろいろな多数種のものを持っております。
そのようなことで、今までこういうことで対処できなかった
事故というのは
日本ではございません。ただしかし、そういうことだけでは心配ではないか、こういうようなことになると思いますので、そのための
対策として、先ほどあるいはお話が出たと思いますが、ECCS系統とか
格納容器とかいうのを設けておりまして、停止して、しかしパイプ破断をしておるというような場合を想定いたしまして、これもやはり考え方としては、緊急の水の注入
装置はいろいろな種類の、多数種のものを
多重に設けている、こういうことでございます。したがいまして、とにかく今の水炉ですと緊急に水をおさめるということになります。しかしその過程で燃料が壊れるかもしれない、壊れてそこから気体の
放射性物質が出るかもしれないということを考えまして、
格納容器を設けてあるわけであります。ですから、このようなことで十分
対策をしていると私
どもは考えております。ソビエトの問題は、その辺のことで考え方が違うと今私
どもは見ておるわけでございます。
日本の
原子力発電所の
対策は万全にとっておるつもりでございます。