○山原
委員 時間がわずかしかありませんので、今の点については私の方の見解をいずれ述べたいと思います。
今まで第十条は入ってなかったのです。平和と安全に関する条約の問題等はなかったのです。長く
検討されてきて、そして
最終段階で
防衛庁の定義が入り、第十条が入る。恐らく閣議の段階で入ったのではなかろうか。これは詳しく知りませんけれ
ども、そういう点から見まして、長く
検討されてきたこと、また、それに対する
研究者の一定の意向も反映されてきておったことは事実ですけれ
ども、
最終段階においてここが変わってきたことに対する危惧の念を申し上げているわけです。
そして、去る四月三日の参議院の
科学技術委員会で計画
局長は、この
法案はあくまで
研究交流の
一般的
ルールづくりのものであり、軍事
研究など特定の
研究を
推進することを
目的としたものではない、軍事
研究をするかどうかは政策判断だと
お答えになっておりますね。これは非常に重大な御発言だと思います。政策判断、いわゆる軍事
研究をするかどうかは政策判断だということになりますと、時の内閣の性格によって随分変化が出てくる可能性もあるわけですね。この点について少し明らかにしていただきたいということが第一点。
次に
現状ですけれ
ども、今アメリカ国防総省が武器技術に転用する上で大きな関心を寄せております
我が国の汎用技術部門の十六
分野、これを見てみますと、ガリウム砒素装置、マイクロウェーブ集積回路、光ファイバー通信、ミリ波通信等々は、工技院など
我が国の
国立試験研究機関でも
重点的に
推進を図っているものであります。これは、前に私
どもの工藤議員が通産省
局長に対して
質問したのに対する
答弁として出てきております。
それともう
一つは、今度ワインバーガー国防長官が来日しまして、加藤長官に対して、これは四月五日のことでありますが、二時間にわたる会談の中でSDI
参加問題について発言をしております。
日本が政府対政府の協定であれ、民間会社、
大学、
研究所の契約の形態であれ、SDIに
参加することを歓迎したい、特に
日本のような技術、学問水準の高い国の
参加は極めて有意義だ、こういうふうに述べておりまして、
大学、
研究所のSDI
参加の要請も来ているわけです。
これは、昨日私は海部文部
大臣に対して、
大学の性格からいい、また憲法の規定からいい、教育基本法の規定から申しまして、真理と平和を希求する
人間の育成という
日本の戦後
大学の理念から申しまして、これはきっぱりと断るべきものであって、
大学においていわゆる軍事
研究に
参加するなどということはもってのほかのことであるということを明確にしてほしいという
質問をいたしたのでございますけれ
ども、海部さんも何となく明らかにしないのですね。SDIの性格についてはまだ
検討中である。相手はワインバーガー国防長官ですよ、こちらは加藤
防衛庁長官、明らかに軍事的な側面をはっきり持っているわけですね。そのSDI、これを
日本の
大学に
研究参加を要請するという事態の中で出てきている今度の
研究交流法ということを
考えますと、危惧の念を持つのが当然のことでございまして、これについて明確な
答弁をいただかなければ、
日本の戦後の
科学技術の平和
目的に限るということから次第次第に逸脱をしていき、禍根を千載に残す可能性を持つと思います。この点について、長官の御
意見を承りたいのです。