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三塚国務大臣 先ほど来
横山先生の
国鉄を思う、また
現状を憂えるお気持ち、私も胸を打たれますし、私も総裁もまさにその視点は全く同じだと思うのです。でありますから、つらいことではありますが、やり遂げていかなければならない。これを今やりませんければ、
国鉄は崩壊をしていく。このことだけは
現実の今の姿、社会
経済状況の中で、先ほど来
お話がありますように、独占体系でございませんし、
私鉄、民鉄が大変な努力をしておる、他の交通手段がこれまた努力をしておる、こういう形の中で国有
鉄道が新しい
鉄道としてこれに対抗し、拮抗し、そして使命を果たしていく。
鉄道の先人が築き上げたこの伝統をしっかりと踏まえていかなければならないのではないだろうか、こういうことで私
どもはその改革に立たさしていただいておるわけであります。
それと同時に、私はこの問題をずっと国
会議員の一人として勉強さしていただき、また皆様方と議論をさしていただきながら、また現場もそれなりに歩かしていただき、組合の方々ともいろいろ話をいたしたわけでございますが、特にこの点は大事なポイントですから言わさしていただきたいのでありますが、マル生運動の挫折ということが
国鉄に与えた深刻な影響というものを忘れてはならぬだろうというふうに思うのであります。生産性向上運動、そして
国鉄を守り抜こうというその視点が、不幸な不当労働行為というのも
一つあった。それから激化して、いわゆるマッカーシー運動とも言われる旋風がそれぞれの現場に吹きすさんだことも、このことは事実として私
どもは看過できない問題であったなというふうに思います。それをお互いが矯正しながら、いい形の本来の
国鉄へということで努力をしてきたことも事実であります。
〔津島
委員長代理退席、久間
委員長代理着席〕
そういう中で、しかしながらこの激しい社会
経済の流れの中で、やはり
現状のままではなかなかこれは
鉄道を生き残させ、また使命を果たす活力ある
鉄道企業として持ち続けることは不可能であるな、こんなことの中で、今日の改革に進ましていただいたわけであり、御指摘のように、
国鉄の皆さん方、
国鉄一家とよく言います。
国鉄一家は
現状の一家だけではなく、百十余年の歴史の中で一家であり、今後、これから二十一世紀から二十二世紀に向けての一家意識こそ、日本の文明開化を支えた誇りと使命感が二十二世紀に生き延びていく
国鉄マンの高いプライドであるであろうというふうにも思うのです。そういう
意味で、
現実、今働いておられる方は非常につらい、これは歴史の中で改革の時点に立たされた者がよけて通れない宿命だというふうに思うのであります。
そういう
意味で、先人がなし遂げてきたこと、そして後進に対して、この
鉄道を守り育て、この伝統をしっかりと受け継がさしていくという形の中で、この改革が行われなければなりませんし、そういう精神的なバックボーンの中で、総裁も非常につらい中で、このことをやり遂げなければならぬだろう、こう思っておられることをたびたびの懇談、また打ち合わせの中で私も読み取れますものでありますから、総裁の改革の路線、
運営の方針というものを、主管大臣として、また
運輸省としてしっかりと支えてあげなければならない、そうすることが
鉄道の再生だなと思います。
私は、今、
先生、その手紙の中で読まれましたとおり、政治の責任なしといたさない。特に政治の責任は大であった。
国鉄再建のこの道筋の中で、十年前あるいは七年前あるいは五年前、やり得べきことがあったのではないか、そういう
意味で私は政府・与党の責任大だというふうに思うのです。ですから、それだけにこの改革はたじろいではなりませんし、また逡巡してもならぬ。つらいことではあるが、このことを
国鉄の皆さんにお訴えを申し上げて、この改革を前に進まさしていただかなければならぬと思っておるわけであります。
そういう
意味で、雇用の安定、生活をいたしておるわけでございますから、お一人といえ
ども、総理大臣も言われておりますように、路頭に迷わしめることがあってはならない、これが
国鉄の改革を進めさしていただく我々政府の側の最大の責任であるだろう、こんなふうに思いますものでございますから、昨日も、
小林先生の通告があったわけでありますが、御理解をいただきながら、大阪に飛びまして、知事以下
関係者にお会いを申し上げながら採用方について実は
お願いを申し上げたわけであります。去る人もつらい、残る人もつらい、去るも地獄、残るも地獄、それをそうではなく、明るいようにしたらどうだという御指摘もいただきました。しかし、
現状はまさにそういうことの中でこの改革を進めることが、そしてスタートを切ることが、今度は去ったことで、後輩の諸君がなるほどよくやっておるな、また残った者は先輩の去っていった方々の心を心として、この
鉄道をしっかりと前に進めなければならぬな、こういうことで展望の開けた明るい
鉄道経営に進んでいくのではないだろうか。
そういう
意味で、私
どもはこの
鉄道経営を今度の論議の中で、原案を出さしていただいておりますけれ
ども、各党の御論議の中で気づかしていただき、また建設的な、こういう
方法があるのではないかという点については、率直にお聞きをさしていただくことにいたしておりますし、決してこれでどうだということではございません。しかしながら、改革の基本的な路線は、これは御理解をいただく、そしてその基本的な路線、君らはそう言うけれ
ども、その路線を進めるに当たってこういう問題、こういう問題があるのではないか、この点をどう補てんをするんだということで御指摘をいただきますならば、その点は私
ども真剣に、これは政府全体のコンセンサスとして進める。今回やればいい、後は野となれ山となれなどという気は一%もO・の一もありません。今度はまさにこれで再生、生まれ変わった
鉄道としてやっていただかなければならぬという最大の正念場を迎えておりますものでございますから、あるいは財政のいろいろな反対がありましょうとも、長期債務の問題についても、やるべきことは国会の意思として、これはやはりやらなければならぬな、実はこんなひそかなる決意を持ちながら、この点は総裁も全く同じ気持ちであり、私
ども上に立たさしていただく者の悲壮な決意という形の中で、百十余年の
国鉄の築き上げたその伝統、使命感、歴史というものをさらに前に進めていくために全力を傾注してまいりたい、こんなふうに思っておりますものでございますから、また格段の御理解を賜りながら、御叱正、御鞭撻を賜りたい、このように思っておるところであります。