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1985-11-29 第103回国会 参議院 本会議 第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和六十年十一月二十九日(金曜日)    午前十時一分開議     ━━━━━━━━━━━━━議事日程 第五号   昭和六十年十一月二十九日    午前十時開議  第一 一般電気事業会社及び一般ガス事業会社   の社債発行限度に関する特例法の一部を改正   する法律案内閣提出衆議院送付)  第二 日本体育学校健康センター法案(第百   二回国会内閣提出、第百三回国会衆議院送   付)     ━━━━━━━━━━━━━ ○本日の会議に付した案件  一、許可認可等民間活動に係る規制整理及  び合理化に関する法律案趣旨説明)  一、国家公務員等の任命に関する件  以下 議事日程のとおり      —————・—————
  2. 木村睦男

    議長木村睦男君) これより会議を開きます。  この際、日程に追加して、許可認可等民間活動に焦る規制整理及び合理化に関する法律案について、提出者趣旨説明を求めたいと存じますが御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 木村睦男

    議長木村睦男君) 御異議ないと認めます。後藤田国務大臣。    〔国務大臣後藤田正晴登壇拍手
  4. 後藤田正晴

    国務大臣後藤田正晴君) 許可認可等民間活動に係る規制整理及び合理化に関する法律案について、その趣旨を御説明いたします。  政府は、民間における事業活動等に対する公的規制緩和することを当面の重要課題一つとして位置づけ、民間活力の発揮、推進に資するため、経済的目的から行われている規制についてはこれを必要最小限のものにとどめ、社会的目的から行われている規制については、その公共性を配慮しながら、できるだけ合理的なものとするとの基本的視点に立脚しつつ、その推進に取り組んでいるところであります。  その一環として、去る九月二十四日の閣議決定「当面の行政改革具体化方策について」において、臨時行政改革推進審議会答申指摘された各分野にわたる規制緩和事項について、個別にその措置方針決定しており著す。今回は、これらのうち所要法律案を今国会提出することとされた事項を取りまとめ、ここにこの法律案提出した次第であります。  次に、法律案内容について、その概要を御説明いたします。  第一に、規制制定の当初に比し、規制対象をめぐる社会経済環境が著しく変化しているものにつきましては、規制を継続する必要性が認められないものはこれを廃止し、現行の規制必要性が乏しくなったものはその規制の手段を緩和する等合理化を図ることとしております。  第二に、規制制定の当初に比し、民間能力が向上しているものにつきましては、国が直接実施している定型的事務であって民間で代行可能なものはこれを代行させることとし、規制対象者能力が向上しているものは規制の態様、範囲緩和する等合理化を図ることとしております。  第三に、規制制定の当初に比し、技術革新が著しく進展しているものにつきましては、規制範囲緩和し、または規制方式を変更する等合理化を図ることとしております。  この法律案は、以上のとおり、時代変化等に伴って不要ないし過剰あるいは不合理となっている規制を是正することにより、民間活動に対する制約を除去し、あわせて国際的に遜色のない開放性を有する市場実現に資する観点から、公的規制整理合理化を行うため、八省、二十六法律、四十二事項にわたる改正を取りまとめたものであります。  なお、これらの改正は、一部を除き公布の日から施行することといたしております。  以上が許可認可等民間活動に係る規制整理及び合理化に関する法律案趣旨でございます。(拍手)     —————————————
  5. 木村睦男

    議長木村睦男君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。野田哲君。    〔野田哲登壇拍手
  6. 野田哲

    野田哲君 私は、日本社会党を代表して、ただいま議題となりました許可認可等民間活動に係る規制整理及び合理化に関する法律案について、総理並びに関係大臣質問をいたします。  まず、内容に入る前に伺いたい第一の点は、この法案立法手続についての基本的な考え方国会審議に対する政府の姿勢についてであります。  本法案や、さきの通常国会での補助金削減一括法案など、最近の行革関連法案にも見られるように、最近の内閣提出法案には、性格の異なる数多くの案件を一括して一本の法案として提出する傾向が目立っております。今回のこの法案も、二十六本の性格の異なる法律改正しようとするものが一つ法律案になっています。国会は、国会法によって常任委員会が設けられ、法案はすべて常任委員会審議によって制定改廃が行われています。今回のような措置は、この国会常任委員会制度を無視したものであります。  現に、この本会議においても、総理総務庁長官以外の大臣は、慣例によって三閣僚しか出席していない。しかし、改正される事項を所管している省は、総務庁以外に八つの省の所管事項であります。本来ならば、総理総務庁長官以外に、八人の関係大臣にこの席で具体的内容について質問をすべきでありますが、国会慣例質疑時間の制約のためにそれができないのであります。このように、国会審議権を大きく制約しているのであります。このような法案の出し方についてどのような認識をお持ちであるのか、まずその点について総理見解を伺います。  第二の点は、臨時行政改革推進審議会性格についてであります。  臨時行政改革推進審議会は、その設置法第二条でも規定されているように、臨時行政調査会答申を受けて講ぜられる行政制度及び行政運営改善に関する施策に係る重要事項について調査審議し、内閣総理大臣意見を述べるために設置されたものであります。ところが、最近の臨時行政改革推進審議会状況は、あたかも笛時行政調査会の延長であるかのようなオールマイティーの審議を行っているのではないかという印象を受けます。政府として、国民の抵抗の強い政策を遂行しようとする場合、まず行革審に持ち込んでその答申という形をとり、これをあたかも天の声であるかのように強行しようとする、政府行革審とのなれ合いとも言えるものであります。  行政の各分野には、それぞれ法律に基づいて設置された審議会があるのであります。この審議会を無視して、臨時行政改革推進審議会臨教審、さらに総理のお気に入りの人を集めた私的諮問機関ばかりを重視する中曽根総理のやり方こそ、まず行政改革の第一に挙げるべきではないでしょうか。例えば、地方自治あり方については、地方制度調査会答申こそ最優先に尊重されるべきであり、本日総理提出される「地方税財政に関する当面の措置についての答申」は、昭和六十一年度予算編成においては最大限に尊重さるべきであると考えます。この点を含めて、中曽根総理並びに総務庁長官見解を伺います。  次に、数点の各論について関係大臣見解を伺います。  今回の規制緩和措置が、国民暮らしや健康、生命の安全に直接かかわる多くの分野において、公的規制廃止して自己認証制度を取り入れようとしております。しかもその多くは、法律によらない政省令通達による措置となっています。しかし国民は、カネミ油症とか、最近ではワインヘの有害物質の混入など相次ぐ食品公害や、夕張炭鉱三池炭鉱などの大規模な工場災害、最近の日本航空の大惨事、豊田商事や投資ジャーナル事件など、国民の命や暮らしを軽視した企業活動国民に大きな犠牲や不安をもたらしたことに強い憤りを持っており、企業モラル安全対策に対する不信感不安感は依然として根強いものがあります。同時にまた、政府監督責任についても強い不満を持つものであります。  貿易摩擦解消のための公的規制緩和措置国民に対する被害の自由化にならないよう、国民の健康と安全を最優先にした企業活動モラル確立とあわせて、適切な行政措置がとられなければならないと考えますが、総理の所信を承りたいと思います。  次に、運輸関係について伺います。  今回の規制緩和措置は、法律事項政省令通達事項を含めて、交通運輸関係が広範な分野に及んでいます。問題は、交通政策を考える基本的態度であります。  日本列島交通動脈は何といっても日本国有鉄道であります。この国鉄がこれからどうなるのか、これによって日本列島交通体系運賃体系は大きく変わるのであります。この動脈の扱いが決まっていない現在、これからの交通体系動向が定まらないままに、トラック事業、バス・タクシー事業航空事業海上運送事業についての参入関係運送約款運賃関係などについて規制緩和措置をとり、企業競争原理を導入することは、行政整合性を欠き、また交通労働者の雇用不安と業界混乱を増幅させることになるのではありませんか。運輸大臣はこの点についてどう考えておられるのか、その方策について伺います。  次に、金融関係について伺います。  金融自由化機械化によって金融競争は一層激化し、中小金融機関合併倒産も予測され、将来予測として、金融機関関係従業員は現在の百万人から半減するであろうという見方が生じています。  金融自由化と円の国際化を背景にして、金利規制店舗規制業務範囲規制等緩和が進められる中で、金利自由化は、大口規制がCDで六カ月を一年に延長して一億円まで、MMC一口五千万円を二千万円まで自由化するなどの措置が予定されています。また、小口預金金利については、郵便貯金とのトータルバランスなどの環境整備を前提にして、早急に検討を進め、大口に引き続き自由化推進することとなっています。  このような金利自由化推進は、いずれ臨時金利調整法廃止が考えられているのかどうか。また、当然、金融競争激化に伴って中小金融機関倒産合併などの懸念が予測されるが、預金保険機構拡充はどのように検討されているのか。さらに、金融機関競争激化に伴って、合理化機械化による金融機関従業員雇用不安対策についてどのように考えておられるのか。  金融問題の最後に、労働金庫の問題について伺います。  労働金庫は現在、各県別の組織を余儀なくされており、貸出先の強い規制都市銀行などの地方への進出との競合、また、内需の低迷による住宅ローンの低下などにより、預貸率は五〇%を切りつつあります。労働者預金保護の立場からも、全国統合労働者貯蓄銀行あり方等について検討されるべきではないでしょうか。  以上、金融関係の数点について大蔵大臣考え方を伺います。  最後に私は、地代家賃統制令取り扱いについて見解を述べ、今後の審議に当たって、同僚議員並びに政府関係者の適切な御判断をお願いいたしたいと存じます。  今回の規制緩和に関する法案の中に地代家賃統制令廃止が含まれています。この取り扱いは、次の理由によって今回の規制緩和法案とはなじみにくい問題であります。  その理由は、第一に、同統制令は過去四回、廃止案国会提出され、いずれも衆議院において審議未了になっているという長い政治的経過を持っている法案であるだけに、このように二十数件の行政事務手続改廃を中心にした一括法案の中で扱うことは、不適当な性格を持っています。  第二に、この地代家賃統制令該当者は、借家で九十万件、借地で三十四万件、合計百二十四万件という多数に上っており、しかも東京、大阪、京都に集中しているのであります。もし地代家賃統制令改廃について審議するのであれば、現地の実態調査関係者からの意見聴取など、慎重な審議を尽くす必要があり、その審議は単独の法案として建設委員会で行われるべきであります。  第三には、地代家賃統制令は、借地法借家法と深いかかわりを持っています。その借地法借家法についても、現在見直し作業が行われている過程であると伺っています。地代家賃統制令の存廃の議論は、借地法借家法も含め、国民住宅に対するニーズにこたえるための総合的な土地政策住宅政策関連して行われるのが適当な措置であると考えます。  以上の点から、地代家賃統制令廃止は本法案から強く切り離して処理すべきであることを述べて、質問を終わります。(拍手)    〔国務大臣中曽根康弘登壇拍手
  7. 中曽根康弘

    国務大臣中曽根康弘君) 野田議員お答えをいたします。  まず、一括化理由でございますが、今回の法案公的規制緩和実現を図るものでございまして、その趣旨目的が共通であるものを取りまとめて提案した次第でございます。これらは、全体的に把握することが便利であり、また国民の御理解も得やすいと考えております。既に過去十一回にわたりましてこのような一括法の御提出を認めていただいておるのでございます。  次に、行革審の問題でございますが、行革国民的課題であり、国民が強く熱望している重大な案件でございます。行革審は、行革といういわば行政の各分野の横断的な課題検討を行うものでございまして、個別的な行政分野に関する縦割り各種審議会とはちょっと性格が違うものと考えます。政府といたしましては、行革審のみならず、各種審議会の御提言を十分踏まえつつ、全体としての調和を保ちながら施策を実行してまいりたいと思っております。  臨教審の問題につきましても、これは、教育改革を望む全国民の御要望にこたえまして、各界の方々を網羅した審議会として設定されたものでございます。これは行政各部施策と密接な関連を持つものも多く、政府全体としての責任で取り組む必要がありましたので総理府に設置した次第でございます。  懇談会の問題につきましては、これは有識者の参集を求めまして個々の御意見を拝聴する、官庁の独善を排して国民の声を行政に反映させる、そういう意味で行ってきておるものでございまして、あくまでこれは政府責任において施策決定を行い、その決定されたものは、それぞれに応じまして国会の御審議を最終的にいただく、そのようにして民主的統制を行っておるものなのでございます。  地方制度調査会答申でございますが、本日、地方税財政に関する当面の措置について答申をいただくことになっておりますが、地方行財政運営自主性自律性の尊重の観点から、できるだけ答申趣旨を尊重してまいりたいと考えております。  自己認証の問題と国民安全性の問題でございますが、国民の安全を損なわないように十分注意しつつ、これを行っていきたいと考えております。  現在におきましては、このように資本主義が高度化いたしまして、日本品質管理の徹底した成熟ぶり、あるいは製品安全技術向上ぶりというものを見ますと、もはや相当程度自己認証の運用に当たりまして、生産者の義務と責任においてこれを実行していくということが適当であるという段階になっていると思います。ただ、品質管理能力あるいは安全性確保等については政府としても重大な関心を持っておりますので、必要に応じて届け出を行うとか、あるいは違反に対してはその責任に対する措置を行うとか、そういうようなことも担保しておりまして、消費者の安全については十分気をつけておるところでございます。  残余の答弁関係大臣からいたします。(拍手)    〔国務大臣後藤田正晴登壇拍手
  8. 後藤田正晴

    国務大臣後藤田正晴君) 総理の御答弁を補足してお答えをいたしたいと思います。  行革審は、臨調答申推進するという観点から、政府における答申実施状況調査審議するとともに、臨調答申において指摘せられた問題の一層の具体化方策についても調査審議をする、そして政府所要提言を行う、これが任務でございます。臨調は、行政制度運営の全体にわたる改革意見提出されておるのでございます。したがって、その答申推進に当たる行革審審議事項縦割りの他の審議会等と重なるということはあり得ることでございます。ただ、その場合におきましても、行革審は、行政改革に関する施策推進という視点、この視点に立って調査審議を行っておるのであるということをお答えいたしておきたいと思います。  行革審は、こういった観点から政府諮問に対する答申あるいは意見提出を行うものでございますが、それをどのように処理をするのかという決定はあくまでも政府自体責任において行われておって、他の審議会答申等行革審答申との調整、これはみずから責任を持って処理をしておるということをお答えいたしておきたいと思うわけでございます。(拍手)    〔国務大臣山下徳夫登壇拍手
  9. 山下徳夫

    国務大臣山下徳夫君) 国鉄改革運輸事業の規則のあり方検討に当たっては、これまでも各事業の特性や実態を踏まえて行っているところでございますけれども、今後とも運輸政策としての整合性に十分留意するとともに、過当競争による輸送秩序混乱労働環境の悪化を来さないよう十分配慮してまいりたいと思っております。(拍手)    〔国務大臣竹下登登壇拍手
  10. 竹下登

    国務大臣竹下登君) 私に対する御質問は、金融問題の三点でございます。  まず、現在の預金金利規制臨時金利調整法に基づくものでございまして、現在、この臨時金利調整法に基づく規制内容を順次変更することによりまして金利自由化を進めておるところであります。今後、金利自由化進展状況金融環境変化等に応じまして、臨時金利調整法そのもの見直しを行うことも考えられないわけではありませんが、今の時点におきましては、小口預金金利自由化あり方につきまして検討に着手したばかりでございますので、そこまで断定する状態にはございません。  それから二番目は、金融自由化機械化等進展に伴って、競争激化から来ます金融機関、なかんずく中小金融機関経営環境が厳しくなる面があるという御指摘は、私もそのとおりであると思います。中小金融機関経営にもたらします金融自由化を進めるに当たっての影響、これらに十分注意を払いながら、漸進的、段階的にこれを進めてきておりますので、今後とも預金者を初め関係者にいやしくも不安を与えたりすることがないように、ただいま御指摘のありました預金保険機構拡充等も念頭に入れながら健全経営確保を指導してまいりたい、このように考えております。  それから三番日の労働金庫の問題でございます。  労働金庫全国統合という考え方につきましては、労働金庫業界内にそのような御意見もございます。現在、業界内に委員会を設けて検討をしていらっしゃるというふうに承知をしておるところであります。この問題は、金融行政面、そしていま一方、労働行政面等にまたがります問題でございます。当面は、労働金庫業界のそういう委員会を設けての検討というようなものを含めて、これを見守っておるというのが現状であります。(拍手)     —————————————
  11. 木村睦男

    議長木村睦男君) 太田淳夫君。    〔太田淳夫登壇拍手
  12. 太田淳夫

    太田淳夫君 私は、公明党・国民会議を代表して、ただいま議題となりました法律案に対し、総理並びに関係大臣質問いたします。  法案の問題に先立ちまして、まず本日早朝、過激派の一派による六都道府県二十一カ所に及ぶ同時多発ゲリラ行動で、国鉄に未曾有の混乱を生じ、国民に多大な迷惑をかけたことは許せない事件であります。また一面では、高度情報化社会の弱点を端的にあらわしたとも思われますが、総理再発防止を含めた今後の対応をお尋ねしたいのであります。  次に、ソ連共産党ゴルバチョフ書記長は、去る二十七日、ソ連最高会議において、特に対日関係に言及し、日本との関係改善が可能である旨を明らかにいたしました。明年一月十五日のシェワルナゼ外相の訪日を前にして、極めて注目されるソ連最高首脳発言であると思われますが、総理はこのゴルバチョフ発言をどのように認識し、評価されているのか。また、我が国政府としての日ソ関係改善のために取り組む具体的な方針をここに明らかにしていただきたいのであります。  さて、総理は、臨調答申にあった行政改革の四つの基本理念を御記憶でしょうか。総合性確保変化への対応、簡素・効率化及び信頼性確保であります。総合性確保については、国土庁等庁統合という大きな問題は残っておりますが、総務庁を設置し、検討されてきております。変化への対応については、本法案もその一環としての施策であり、簡素・効率化についても十分とは言えませんが推進中であります。ただ、信頼性確保についてはほとんど見るべきものはありません。これが中曽根行革の特色を示しているのではないでしょうか。  信頼性確保は、行政民主化実現でもあります。そのためには、まず地方自治確立が必要であります。近年、「地方時代」と言われてきましたが、実績はほとんどありません。地方行革大綱の策定も余り進捗していないと聞いております。権限移譲機関委任事務整理も先送りとされております。地方行革を今後ほどのように進められていかれるのか、自治大臣の明確な答弁を求めます。  また、特に行政民主化に資するものとして、情報公開プライバシー保護行政手続法制整備、こういう問題についてはかけ声だけで一向に具体化されておりません。これらについては、いつ、政府としての成案を得るおつもりですか。逆にスパイ防止法案というようなものが出てきております。総理は、行政改革推進するに当たって、国民信頼性確保行政民主化をどう考えておられるのか、見解を伺いたいと思います。  本法案には、アクションプログラム関連事項も盛り込まれております。これはアクションプログラム全体から見ればごく一部のものでありますが、七月三十月に策定されたアクションプログラムの骨格を着実に実施すれば、我が国市場は国際的に見て遜色のない開放された市場となるのでしょうか。来年五月の東京サミット、十一月の米国中間選挙を控えて、政府は来春早々にもまた対外経済対策を打ち出さざるを得ないような苦しい羽目に陥るのではないかと思いますが、これまでのような小出しの対症療法的な対策を何回も繰り返すようなことをしていてよいのでしょうか。  そこで伺いますが、最近のように各国の相互依存関係がますます深まる現状のもとで、政府は中期的な視野から我が国経済構造調整などについて根本的に検討し直してみることが現下緊急の課題ではないかと思いますが、総理の忌憚のない所見を伺いたいと思います。  さて、今年の日本の対米出超額は過去最高の五百億ドル前後になることが懸念されております。一方、円高の定着が貿易収支に反映するには少なくとも一年はかかるとの指摘もあり、来年も大幅な貿易不均衡は続きそうであります。このため、来年の秋に中間選挙などを控えた米国では、年明けとともに再び対日批判が燃え上がるとの見方が強く、政府は今の円高重視政策路線を容易に変更できないのではないかと思いますが、私は、円高による経常収支黒字の縮小よりも、むしろ円高によるデフレ効果日本経済はかなりの景気後退を迫られるのではないかと危惧するのでありますが、いかがでしょうか。あわせて、円高による影響が大きい輸出関連中小企業に対する対策について具体的にお伺いしたいのであります。  この円高によるデフレ効果の心配に加えて、米国経済成長鈍化我が国内の消費の伸び悩み、住宅投資増勢鈍化、生産不振という、我が国経済減速過程に入る諸条件が整いつつあるように思います。このような現状をかんがみて、政府所得減税住宅減税投資減税を早急に実施することにより、対外的にはもとより、対内的にもより効果的な内需振興を図ることが最も重要なことであると思いますが、いかに内需振興を図るつもりか、具体的に総理所見を伺いたいと思います。  今回の内需拡大策を見ましても、住宅建設の促進が一つの重要な施策として取り上げられておりますが、我が国の住環境が非常に貧しいことを考えれば、それはそれで結構であると思います。しかし、都市政策とか住宅政策は、場当たり的に景気動向に連動して策定されるべきものではないと思うのであります。自民党政権の最大の失政ではなかったでしょうか。政府は、財政難を理由に国有財産を切り売りし、あるいは建設投資を刺激するために容積率の見直し、線引きの見直しを行うとしておりますが、震災時の避難場所の確保などについてどう考えておられるのか。これらを含めて、政府都市政策住宅宅地政策の基本をお聞きしたいのであります。  民間活力について伺います。  財政再建の途上にある現在、政府みずからが財政支出に依存した積極的政策をとり得ないがゆえに、国有地の有効活用を行革審諮問してみたり、規制緩和を殊さらデレギュレーションなどと新しい概念であるかのように吹聴して、民間依存の各種施策を遂行しようとするのが総理の言われる民間活力の活用の実態なのではないでしょうか。しかも、国有地の払い下げが政治的疑惑や地価の高騰を招いたり、規制緩和国民の生命や安全性を脅かすことになっては、何のための民間活力の活用なのかわからず、内需拡大の本旨に逆行することにさえなりかねないのであります。総理の言われる民間活力の活用とは何を志向し、どのようなことをどのようにすることなのか。その場合、官民の役割分担をどのように考えているのか。まず、民間活力の活用の意義を明らかにしていただきたいのであります。  次に、本案の提出理由は、「行政改革一環として、民間活力の発揮、推進に資するよう公的関与につき必要な是正を図るため、許可認可等民間活動に係る規制整理及び合理化を行う」ためであるとされております。しかしながら、本案による改正項目四十二事項中、廃止されるものはわずか十一事項にすぎないのでありまして、形こそ変わっても残り三十一事項は依然として何らかの公的規制が持続することになっております。このような改正民間活力の発揮、推進に資することになると、本当にお考えなのでしょうか。単に行革審答申を実施するというだけの理由だけでなく、真に民間活力の活用を実効あらしめる規制緩和を行うべきであると思うのでありますが、本案のもたらす意義、効果について明確にしていただき、私の質問を終わります。(拍手)    〔国務大臣中曽根康弘登壇拍手
  13. 中曽根康弘

    国務大臣中曽根康弘君) 太田議員にお答え申し上げます。  まず、本日未明、勤労千葉の違法ストに呼応して、極左暴力集団によるものと見られる国鉄の列車運行用の信号ケーブル等切断という同時多発ゲリラが発生いたしましたことはまことに遺憾でございます。現在、国鉄による復旧作業を進めておるところでございますが、事件の悪質性にかんがみまして、警察による徹底した捜査を今実行しつつあります。今までのところ三十数名の逮捕者を出しておりますが、徹底的な糾明を行う考え方でおります。そうして、再びこのようなことの再発を許さない体制をとりたいと思っております。住民の皆さんに大変御迷惑をおかけしたことをおわび申し上げる次第であります。  次に、ゴルバチョフ書記長の日ソ関係改善に向けての賛意表明の演説でございますが、私たちもこれに対して賛意を表し、歓迎の意を表する次第であります。  ソ連も重要な隣国でありまして、ソ連の方も関係改善を強く希望しているように見受けられます。政府といたしましても、領土問題を解決して平和条約を締結し、真の善隣友好関係を樹立することが従来から一貫した基本方針であり、これを堅持していく考え方でございます。当面は、外相間定期協議を文字どおり定期化するということが大切でありまして、そして平和条約締結交渉を早期に再開するように努力してまいりたいと思っております。  先方が日本に対して善意と友好の気分を強く表明してまいりましたし、米ソ首脳会談というこの大きな現実も展開してきましたこれらの状況にもかんがみまして、当方といたしましても堅持すべきものは堅持し、また話し合うべきものは話し合う。そして領土問題という重大な、あくまでも我々が貫徹する問題を抱えながらも、包括的に文化や経済その他の問題について対話を広げていくということは有益なことではないかと考えておる次第であり、政府としてもそれに対して意欲を持っているということを表明しておく次第でございます。  次に、行革国民信頼性の問題でございますが、民主的な社会におきましては、国民行政に対する信頼と理解がなければ行政の円滑な運営はできないものでございます。行革は今や天の声であり、国民の強い念願であると考えておる次第でございまして、国民の皆さんの強い御支援を引き続いてお願い申し上げたいと思っておるところでございます。  臨調答申趣旨を踏まえまして、データ・プライバシーの保護の問題、行政情報の公開、あるいは行政手続等各般の仕組みのあり方につきましては、現在、専門的な調査研究を進めておる次第であります。  アクションプログラムにつきましては、関税面においてはもとより、基準・認証、非関税面においても、我が国市場が国際水準を上回るような方向にいくように今努力をして、国会の御審議もお願いしているところでもございます。このアクションプログラムの実施スケジュールを確実に実行しつつ、そして外国に対する市場のアクセスというものを前進させまして、日本に対する国際信用を高めてまいりたいと考えております。  また、その一環ともいたしまして、日本がいつまでも四百億ドルとか五百億ドルという膨大な貿易のプラスを維持してこのまま国際社会でやっていけるとは思えません。それにはそれだけの理由がございまして、我が国の品質の優秀性、価格の低廉性、アフターケアの持続性、そういういろいろな長所もあるわけでございます。がしかしながら、いつまでも現実問題としてこのような膨大な黒字を維持していくということは、とても将来も考えられるところではございません。  日本はやはり貿易国家でございますから、輸出入に関するある程度の資金、インベントリー資金も要りますし、対外経済協力に関する資金も要りますし、対外経済投資の資金も要ります。したがって、ある程度の適正量の黒字を持つ必要はありますが、それ以上大きな黒字が累積して毎年続けられているということは、必ずや国際社会から非難を受けることは必定であります。そういうことも考えまして、国際経済と調和して我が国の社会経済体質をどのように長期的に安定させ調和させていくか、そういう検討の研究会、私のための研究会を発足いたしまして、今鋭意検討していただき、その意見の結論を待ちまして我々は適切な処理をしていきたいと考えておるところでございます。  中小企業対策でございますが、円高が二百円前後まで参りまして、一部の中小企業等については一体どこまで進むのかという外国の思惑から契約が停滞している、あるいは先延ばしされているという状態が出てきております。できるだけこの今の円高の状態というものを適正水準で安定させる、持続させる、安心感を与えるということが契約を促進する上にも必要でございまして、政府はそのような方針に沿って努力してまいるつもりであります。  一方においては、中小企業対策ももはや行う必要があると認めまして、今朝、関係閣僚で協議いたしまして、中小企業に対する緊急融資政策決定したところでございます。これは二日から始めまして、千億円の特別融資の金を用意いたしまして、六・八%、とりあえず三月三十一日までこれを実行する。そのほか、信用保険の問題、中小企業に対する金融公庫の問題、マル経資金の融通の問題、あるいは政府関係三機関の融資の猶予や、あるいはそのほかの適切な措置等の問題についても実施してまいるつもりでおります。  次に、今後の内需振興の問題でございますが、先般の政策によりまして、大体概数三兆一千億円に及ぶ内需振興政策を今実行しておるところでございます。今後も、この円高状況等も見まして、ただいまのような政策を実行しつつあるところでありますが、規制緩和、民活等を中心にしまして、公共的事業分野への民間活力の導入等も着実に推進してまいりたいと思います。特に、民間活力活用プロジェクトに関する環境整備住宅建設、設備投資等に関する施策については、諸般の政策検討して推進してまいりたいと思っております。  二十一世紀に向かっての都市、住宅宅地政策の問題でございますが、高齢化、高度情報化、国際化等の大きな潮流変化が予想されます。それに相応するような安心、安全、安定、そういう線に沿った国民生活及び産業発展の基盤を確保するという住宅都市政策が必要になってまいりまして、その線に向けて努力してまいります。これには、地方自治体と協力いたしまして、その創意を尊重し、これを助長していくということが重要であると思いまして、そのように政策推進してまいりたいと思います。  民間活力及び官民の役割分担についてでございますが、我が国の経済社会の体質を常に活性化さしていくその基本原動力というものは、あくまで民活、民間の力であり、それが民主主義の基礎であると考えております。官民のあり方につきましても、時代変化等に伴いまして常に見直しを行っていく必要があると思います。規制見直しに当たりましても、公共性にも一面配慮しつつ、やはり民間活力が自由に行い得るような領域につきまして一層これを広げ、充実さしてまいりたいと考えておるところでございます。  残余の答弁関係大臣からいたします。(拍手)    〔国務大臣後藤田正晴登壇拍手
  14. 後藤田正晴

    国務大臣後藤田正晴君) 情報公開プライバシー保護行政手続法制についての御質問お答えをいたしたいと思います。  行政の円滑化のためには、総理の御答弁のように、何よりも行政に対する国民の信頼と理解が前提でございます。したがいまして、データ・プライバシーの保護、情報公開、あるいは行政手続のあり方につきましては、国民行政に対する信頼を確保し、国民の権利、利益を保護するという観点に立って検討を進めていくことが必要であることは申し上げるまでもございません。  これらの課題につきましては、臨調答申を踏まえた行革大綱に基づきまして、現在、既に政府部内において鋭意専門的に調査研究を進めておる段階でございます。ただ、制度化の時期につきましては、どの課題我が国行政にとっては新たな分野の問題でございます。広範多岐にわたる関連領域との調整が必要とされるなど、極めてすそ野の広い問題であり、慎重な配慮と手順が要請をせられるわけでございます。したがいまして、今のところ、取りまとめの時期等について見通しを申し上げる段階に立ち至っていないということについて御理解を賜りたいと思うわけでございます。  次に、この法律改正案の意義、効果についてのお尋ねでございましたが、先般の本院における総理の所信表明にもありましたとおり、経済社会の活性化と対外経済摩擦の克服は政府の重要な政策課題であって、公的規制緩和もその一環でございます。我が国は従来から、ややもすればすべてのことを政府に依存する、こういう考え方で発展をし、また成果もおさめてきたことは事実でございますが、今日のように民間の資本、人材、技術、情報、こういったことが大変力がついてきた状況をよく考えて、私は、時代変化対応して、今日本合理となっておる規制を是正し、民間のエネルギーを最大限に発揮させる環境を整備する、こういうことによって経済の活性化を進め、市場の開放、内需の拡大に資する必要がある、かように考えているわけでございます。  この法律案もこういった趣旨から御審議をお願いしているところでございますが、この中に盛り込まれておるものは、行革審答申を受けて行革大綱で措置することとされた二百五十八事項、このうち当面法律改正を必要とされた事項を取りまとめて御提案を申し上げておるわけでございますが、現在政府が取り組んでおるものの中には、このほかにも極めて広い分野にわたる重要な事項があることを御理解を願いたいと思います。例えば、預金金利自由化、あるいはトラック運送事業の参入規制緩和、航空三社の事業分野見直し、石油製品の輸入自由化、あるいは基準・認証、輸入プロセスの関係では、今回の法案に盛り込まれておる五事項を含めて八十八事項ございます。こういった全体を見てぜひひとつ御理解と御評価を賜りたい、かように考えるわけでございます。(拍手)    〔国務大臣古屋亨君登壇拍手
  15. 古屋亨

    国務大臣(古屋亨君) 地方行革についてお答えいたします。  御指摘権限移譲機関委任事務整理につきましては、臨時行政改革推進審議会答申を実施に移すために所要措置を講ずることとしております。法律改正すべきものは次期通常国会提出し、政省令につきましては原則として六十年度内に措置をとりたいと思っております。今後においても不断に見直しを行い、地方自主性自律性強化のための方策を引き続き積極的に推進する必要があると考えております。地方公共団体における行政改革大綱の策定はおおむね軌道に乗ってきておるものと考えております。今後とも各地方団体におきまして自主的、総合的な行政改革が進められますよう、必要な助言、指導をしてまいりたいと考えております。(拍手)。    〔国務大臣竹下登登壇拍手
  16. 竹下登

    国務大臣竹下登君) 私に対する御質問は、円高によるデフレ効果に対する受けとめ方、こういうことでございます。  円高影響の浸透にはかなりの期間を要するわけでございますが、円高には輸出の減少などの効果もありますが、交易条件の改善に伴いまして国全体の実質所得が増加するというプラスの効果もまたございます。そもそも円高は、経済摩擦の解消、それを通じた世界経済の拡大、これに資するものと期待されております。したがって、中長期的には我が国にとっても有益であるという考え方であります。  なお、政府としては、内需の拡大につきましては、先般決定いたしました内需拡大に関する対策の着実な実施を図ることとしておりまして、さらに、円高によって影響を受けております輸出関連中小企業者等につきましては、総理からも詳しくお話がございましたが、その経営の安定や事業転換の円滑化を図る、こういう目的で、今朝、会議を行いまして、来週月曜、すなわち十二月二日から特別融資制度を発足させる等の措置を講ずることとしておるわけであります。したがって、今朝の会議がそのスタートを切ったというふうに御理解をいただけたらと考えております。(拍手)     —————————————
  17. 木村睦男

    議長木村睦男君) 内藤功君。    〔内藤功君登壇拍手
  18. 内藤功

    ○内藤功君 私は、日本共産党を代表して、いわゆる規制緩和一括法案につきまして総理質問をいたします。  まず、法案提出の背景をなしている総理の政治姿勢、すなわち「国際国家日本責任」論についてであります。  レーガン政権がアメリカ商品を日本に売り込むため、日本人の生活スタイルまで変えよと、数十項目にわたる要求を突きつけている。この点について、衆議院会議で我が党の三浦議員が質問をいたしましたが、これに対し総理は、国際国家を理由に、その要求を受け入れる姿勢を示したのは重大であります。かかる従属的政治姿勢は、輸出及び輸入の両面において国民生活に重大な影響をもたらしております。  第一に、輸出の面についてであります。  九月の五カ国蔵相会議の合意に基づく強引な為替介入によって、円が投機の対象にもされ、急騰しました。繊維、陶器、金属食器など輸出型産地の採算レートは一ドル二百二十円から二百三十円であり、それが二百円に達した今、これらの産地は新規契約ストップ、大幅値下げ要求を突きつけられるという危機的状況にあります。輸出型産地中小企業に対する特別の長期低利融資など緊急の救済策をとるべきであります。総理の具体的な御答弁を求めたいと思います。  第二に、輸入の面についてであります。  例えば、今行われようとしている革靴など皮革製品の輸入自由化が皮革業界にどれだけ大きな打撃を与えるか、総理は御存じでしょうか、御認識を伺いたい。業界では、自由化によって革靴関係企業の七割ぐらいが倒産必至と見ております。本来、革靴の対米輸出量は、アメリカの総輸入量のわずか〇・三八%にすぎません。何らアメリカの利益を侵害していないのみならず、逆に牛原皮の輸入は九割を占めているのであります。業界では、一体、自動車、電機等の輸出の犠牲になぜ革靴業者がならなければならないのかと、強い怒りがわいております。総理はどのようにこの問題に対処をされるお考えか。  以上、具体的に指摘したような事態が生じできますのは、アメリカが貿易摩擦の根本原因である大軍備拡張政策と膨大な財政赤字に何らメスを入れないところにあります。総理のこの点についての御見解を求めます。  次に、私は法案内容について具体的に伺います。  その第一は、アメリカの航空機輸入を前提に航空機関士なしでも運航できるようにしようとすることについてであります。  総理は、最近の技術の進歩に対応したもので、安全性に支障はないと答弁しておられますが、これは日航機墜落事故の反省が全く見られない無責任な態度であります。先日の日航機事故のボイスレコーダーでも、事故発生時から墜落までの約三十分間の航空機関士の活躍は筆舌に尽くしがたいものがあります。山下運輸大臣は、我が党の質問に対して、「いたずらに安全性のみを追求して、より速くより経済的という面を無視してよいのか」と、開き直りの答弁をしましたが、総理はこのような無責任答弁を許すのですか。多くの人命が一挙に失われるという悲惨な航空機事故を防ぐためには、こうした安全無視、利潤追求の政治姿勢こそ改められるべきではありませんか。総理の御答弁を求めます。  第二は、消費生活用品などの安全検査を企業の手にゆだねる自己認証制度の導入についてであります。  政府は、企業の製造技術の進歩、品質管理能力の向上により安全は確保されると述べていますが、この十年間、乳幼児用ベッドなど消費生活用品の事故は年間で二百件を超えております。多数の死亡事故まで発生しているのが実情であります。総理は、通産大臣当時、消費生活用製品安全法の審議の際に、「消費者の生命、身体に及ぼす危害を未然に防止し、安全な消費生活の実現を図ることは、今や最も基礎的な国の責務である」と述べられましたが、今回の措置は、あなた自身が言った最も基礎的な国の責務を放棄することではありませんか。明確な御答弁を求めます。  第三は、地代家賃統制令廃止についてであります。  統制令廃止は、別に企てられております借地借家法の改悪とともに、大企業による新列島改造を促進するために借地借家人の追い立てを合法化し、容易にしようとするものにほかなりません。統制令の対象戸数は約百二十四万戸に上り、しかもその居住者の多くは高齢者や母子家庭世帯であります。こうした人々に直接打撃を与えることは明白であります。さらに、統制令対象外の地代家賃の引き上げと地価の高騰をもたらすことは必至であります。この廃止によりまして、不当な高額賃料の増額要求や立ち退き問題が続出してきて、一大社会問題になる危惧をはらんでいる重大問題であります。総理の御認識を伺いたいと思います。  最後に、一括処理の問題についてであります。  二十六の法律、四十二の事項、こういう多岐にわたる公的規制緩和を一括処理するというこの審議権無視のやり方について、総理は、趣旨目的が共通すれば一括法案にしてもよいと答弁をされておりますが、とんでもない言い分であります。総理、あなたはかつて通産大臣当時、石炭関係三法の手直しを一本の法案処理しようとした際、衆議院の所管委員会から警告決議を受けて、今後十分慎重に対処していく旨の釈明を行ったことをよもやお忘れではありますまい。あなたのこのときの釈明は一体何だったのですか。一括処理方式は何ら改める必要はないとおっしゃるのですか。総理の明確な答弁を求めるものであります。  質問を終わるに当たり、我が党は、貿易摩擦対策並びに民間活力活用の名のもとに対米従属、大企業本位の政策推進し、日本の勤労者や中小企業国民にその犠牲を強いる本法案の成立阻止を目指して奮闘することを明らかにして、私の質問を終わるものであります。(拍手)    〔国務大臣中曽根康弘登壇拍手
  19. 中曽根康弘

    国務大臣中曽根康弘君) 内藤議員にお答えをいたします。  まず、円高に伴う中小企業対策でございましたが、現在の円高進展は大きな流れとしては望ましいものであり、定着を望むものであります。ただ、円高進展によりまして中小企業を中心にする一部の業界等への影響が懸念されておりまするので、中小企業経営の安定、事業転換の円滑化等を図る必要があり、先ほど来申し上げましたような政府系中小企業金融三機関等による特別融資制度の創設を初めとする諸措置を六十年十二月二日から実施する所存でございます。  皮革問題につきましては、我が国の皮革・革靴産業は中小零細である上に国際競争力にも乏しく、また不況に呻吟している状態であります。しかも、歴史的、社会的にも厳しい状況にあるということを十分認識しております。一方において、我が国の皮革の輸入数量制限に対するガット違反の決定や、革靴の輸入数量制限に対するガット提訴に見られるように、米国を初めとする諸外国からの撤廃要求が強いことも事実でございます。政府としては、このような内外の厳しい状況を十分踏まえつつ、ガットの規定に従って関税上の措置に移行のための関係各国との交渉、協議に今全力を尽くしているところでございます。  次に、貿易摩擦の問題でございますが、貿易摩擦の原因については、米国の財政赤字、あるいは高金利、あるいは輸出発力というような問題も重要であります。我が国も、引き続いてアクションプログラムの完全迅速な遂行、内需の拡大、輸入の増大等に今後とも努めてまいるつもりであります。  航空法の改正の問題でございますが、航空行政におきましても安全の確保が中心でございます。今後とも安全確保に大きく注意していくつもりでございますが、今回の航空法の改正は、最近の技術の進歩により現行の規定が技術的合理性を欠くようになったためのものであり、安全確保に関する考えは変わっておりません。  現行の航空法では、航空機関士は、「四基以上の発動機を有し、且つ、三万五千キログラム以上の最大離陸重量を有する航空機」にも乗り組ませなければならないと規定してありますが、今回の改正は、「構造上、操縦者だけでは発動機及び機体の完全な取扱いができない航空機」にのみ乗り組ませなければならない、このようにしたものなのであります。  自己認証制と国民の安全の問題でございますが、もとより国民の安全が中心に考えられなければなりません。これらの運用に当たりましては、生産者の義務と責任についての自覚を促しつつ、基準への適合状況品質管理能力等を的確に把握し、安全等の確保に万全を期してまいります。届け出とか、あるいは責任違反に対する追及措置とか、そういう点も十分考えておるところでございます。  地代家賃の統制令は、住宅事情等の改善によりまして今や不合理なものとなっておるので改正したいと思っておるのであります。現在の住宅事情、統制の事情から見て、影響は比較的少ないと思います。  次に、一括処理の問題でございますが、昭和四十九年の石炭対策特別委員会において、今後十分に慎重に対処していく旨所信を述べたことは承知しております。今回の法律案は、一括化するための趣旨目的の共通性について慎重に判断した上、政府の重要政策課題一つである公的規制緩和を図るという統一的な政策のもとに取りまとめた次第でございます。(拍手)     —————————————
  20. 木村睦男

    議長木村睦男君) 山田勇君。    〔山田勇君登壇拍手
  21. 山田勇

    ○山田勇君 私は、民社党・国民連合を代表して、ただいま議題となっておりますいわゆる規制緩和一括法案関連して、総理並びに関係閣僚にお尋ねをいたします。  その前に、既に御承知のように、本日、首都圏及び大阪において、過激派グループによって国鉄通信ケーブルが切断されるという事件が起こりました。これにより、現在でもこれらの地域では国民の足が奪われ、大混乱を招いているところであります。今後もこのような善良な国民の生活を犠牲にした卑劣な暴力行為が繰り返されることも予想されるところであります。政府としては、犯行の究明に全力を挙げていただきたい。また、このような事件再発防止にどう取り組んでいかれるおつもりか、お伺いをいたします。  さて、質問の第一は、政府行政改革の今後の方針についてであります。  簡素で効率的な政府実現を目指す行政改革は、今日最大の政治課題であり、二十一世紀の我が国の命運を左右するかぎを握っていると言っても遺言ではないと思うのであります。行革に命をかけると力説をし、国民にも約束をしてきた中曽根内閣も、既に丸三年の歳月が過ぎ去りました。この間に、電電公社を軸とした官業の民営化、また年金制度の改革など、これは一定の前進を見たと評価できるのであります。しかしながら、その一方で、行政機構や政府規制の一層の簡素化、それに人員の合理化、補助金の大幅削減、地方出先機関の整理といった行政改革のかなめとも言うべき課題が、既得権益にしがみつく官僚の強い抵抗に遭い、遅々として進んでいない実態は憂慮にたえません。  すなわち、行政改革はやっと二合目あたりにたどり着いたばかりであり、これからがまさに正念場であります。行革がこのようにこれからの段階にあるにもかかわらず、大型間接税の導入がささやかれているということはまことにゆゆしき事態と言わざるを得ません。行政改革がいまだ中途にも達しない段階で大型間接税の導入を容認するようなことがあれば、税の取りやすさに頼った財政の膨張を許し、せっかくの命をかけた行革も中途で挫折することは自明の理であり、断じてとるべき道ではありません。  そこで、総理にお尋ねをいたします。  行革が中途半端な今日の段階では、大型間接税の導入はしないと国民に約束をしていただきたい。それと同時に、行政機構の思い切った簡素合理化を今後どう進めていくのか、その手順を国民に明示すべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。大蔵大臣並びに総務庁長官の御見解もあわせてお伺いをいたします。  質問の第二点は、公益法人に対する監督の強化についてであります。  近年、特殊法人や認可法人が行革整理合理化の対象となっているため、それにかわって財団法人などの公益法人の増設が顕著になってきております。監督官庁の指導により民間企業から無理やり資金集めが行われ、天下りもあり、また補助金などの財政支出も行われているなど、ゆゆしき事態を招いているのであります。最近においても、民間活力の名のもとに各省庁がばらばらに公益法人をつくり、公的事業分野の非効率性を増幅させようとしているのであります。時流を巧みにとらえ、自己の権益の増大を図ろうとする官僚のしたたかさには恐るべきものがあります。したがって、公益法人制度に関する総合調整権限を総務庁に一元化すると同時に、統一の審査基準を策定し、省庁の都合で公益法人が私設されている現状を是正すべきであると考えますが、総務庁長官の御見解を求めます。  質問の第三点は、許認可権限の地方分権についてであります。  行政機構の思い切った簡素化、効率化推進するためには、今回の法案のように、民間企業に対する規制緩和と同時に、行政の実施主体である地方自治体に権限を大幅に移譲し、中央官庁は文字どおり中央官庁として政策官庁に脱皮することが必要であります。さらに、高齢化社会に対応し、高度で、かつ、きめの細かい福祉政策を展開するためには、がんじがらめの中央集権主義や既得権限に固執する中央官庁のセクショナリズムを打破し、地方分権を促進し、地方自治体が住民の創意と工夫に基づく施策にゆだねることが不可欠であります。さきの国会で成立しました国の関与、必置規制整理一括法のみでは余りにも不十分であります。政府は、今後、許認可権限の地方移譲のためのこのような措置を講じられるおつもりかどうか、お答えいただきたい。  また、私は、地方分権の抜本的推進のためには、許認可の一つ一つについて移譲の是非を判断する従来の発想を百八十度転換し、原則として地方に移譲し、一定の基準のもとに国に残すべきものを限定列挙するという方法に根本的に改めるべきだと考えるものでありますが、この点についての総務庁長官の御見解をお伺いいたします。  質問最後は、円高対策についてであります。  最近の急激な円相場の高騰は、輸出関連企業、特に中小企業並びに産地などに深刻な影響を及ぼしつつあります。また、急激な円高の進行は、我が国の経済にも深刻なデフレ効果を与えることが十分に予想される事態となっております。政府内需拡大策や今回の規制緩和程度による民間活力の導入では、円高に伴う急激な経済情勢の変化には到底抗し得べくもありません。今こそ、拡大均衡型経済政策の積極的展開によって内需を拡大し、輸出関連中小企業を中心とした救済を断行すべきときではないでしょうか。  私は、この観点から、政府はこれまでの縮小均衡型経済運営を改め、来年度は、公共事業費の七%増額、約二兆円の所得税減税、また約五千億円の投資減税の実施など、積極的な経済政策を講ずべきだと考えますが、大蔵大臣におかれましてはこの点についてどのような御見解をお持ちでしょうか。  同時に、輸出関連中小企業の救済を図るため、まず第一に、為替変動対策緊急融資、中小企業信用補完制度などの拡充、また、税制面からの支援措置などを内容とする円高関連中小企業対策特別立法を制定する考えはないか。第二に、最近の為替相場に対応し得るよう、企業体質強化のための立法措置を含めた恒久的な措置を講ずる考えはありませんか。  以上、二つの点につきまして通産大臣の御見解を求めまして、私の質問を終わります。(拍手)    〔国務大臣中曽根康弘登壇拍手
  22. 中曽根康弘

    国務大臣中曽根康弘君) 山田議員にお答えをいたします。  まず、大型間接税導入反対の御意見でございます。  税制の見直しにつきましては、先般、税制調査会に対しまして、公平、公正、簡素、選択並びに活力という理念に立脚した望ましい税制のあり方諮問し、まず減税を、次いで財源措置をと、そういう順序で答申を求めて、今鋭意検討しておるところでございます。いわゆる課税ペースの広い間接税の問題につきましても、税制調査会としての一応広範な検討領域の中には入っているだろうと思います。これは自由に御議論くださいと、そう申しているからであります。  しかし、私は前から申し上げているとおり、国会の決議がありましたいわゆる一般消費税はやりませんとか、あるいは過去に行ったいわゆる取引高税とかいうようなものはやりたくはありませんと、あるいは国会でも既に御答弁いたしましたように、多段階、網羅的、普遍的、投網をかけるような云々と、ああいうような型のいわゆるEC型付加価値税と申しますか、ああいう型のものはやりたくありませんと、そういうふうに申し上げておりまして、この考えは変わっておりません。いずれにせよ、税制調査会においてさまざまな案、お考えが出て、いろいろ議論されて、収れんされて出てくるであろうと思いますから、それらを最終的に検討してみたいと考えておるところでございます。  次に、行革の問題でございますが、行革は現内閣の最大課題一つであると前から申し上げ、国民も、強く御支援をいただき、熱望していらっしゃるところであると我々は考えておるところでございます。臨調の線に沿いまして、既に総務庁の設置、あるいは十省庁の内部部局の再編、府県単位機関の整理、あるいは人員の削減等各般の政策を実施して、ある程度の成果は上げているものと考えます。今後とも、引き続き地方支分部局の整理合理化、要員の縮減あるいは国鉄改革等、既定の方針に従いまして行政の簡素効率化あるいは特殊法人の簡素効率化等についても全力を注いでまいるつもりでおります。  残余の答弁関係大臣からいたします。(拍手)    〔国務大臣後藤田正晴登壇拍手
  23. 後藤田正晴

    国務大臣後藤田正晴君) 公益法人の増設、私設に対する監督強化をどうするのか、こういう御指摘についてお答えを申し上げます。  公益法人は年々増加をしておりますが、これは公益法人が民間による公益活動の担い手として期待をせられておる、こういうことを示すものであろうと考えておるわけでございます。したがって、その数の増加自体は問題ではなくて、要は各省庁が設立の審査を厳正に行うとともに、公益法人が公益目的に沿った適切な活動を行っているかどうかということを十分指導監督する、ここに問題があると考えておるわけでございます。公益法人行政についての総合調整はそのためにも重要な機能でございまして、現在、総理府本府において行われておるのでございますが、先般の当庁の公益法人に関する勧告におきましても、今後、総理府本府は総合調整を積極的に行うように求めておるのでございます。  また、公益法人の設立等に関する統一審査基準につきましては、昭和四十七年、各省庁による公益法人設立許可審査基準等に関する申し合わせがなされておりますが、今回の勧告では、公益法人に関するより具体的な指導監督方針を統一的に定めるように勧告をいたしておるわけでございます。総理府本府及び各省庁におきましては、こういった総務庁の勧告を受けまして、公益法人設立審査の適正化、公益法人運営に対する指導監督の徹底等に努めておるところであると承知をいたしておりますが、御指摘のような問題が見られるものにつきましては、さらに一層その是正に努めてまいりたい、かように考えているわけでございます。  次に、地方への権限移譲に関するお尋ねについてお答えをいたします。  まず、中央官庁は政策官庁に脱皮をし、地方に思い切った権限移譲を行うべきであって、そのためにはどのような措置を講じようとしておるのか、こういうお尋ねでございますが、基本的には、政府も山田議員の御主張と同様な考え方のもとに、地方への権限移譲を積極的に推進すべきであると考えているわけでございます。さきの行革審答申におきましても、国の許認可等の事務について、地方の実情に即した事務処理を行うものについては、極力地方公共団体またはその長等へ委任すべきであるとの考え方のもとに、個別具体的な改善方策指摘されているところでございます。政府といたしましては、これを受けて、本年九月の閣議決定で、法律改正を要する事項については次期通常国会所要法律案提出する、また、政省令等の改正によって措置すべき事項については原則として昭和六十年度中に措置をすることとし、現在、鋭意作業を進めているところでございます。  また、国と地方との権限関係を百八十度転換せよ、こういう御主張でございますが、これについては一つの御意見であるとは思いますが、現在、国と地方がお互いに協力して、一体となって行政を行っておる現行の我が国地方制度は、基本的にこれを維持すべきものと考えております。ただ、この観点からしましても、国の許認可等の事務については、原則として、国家的、広域的な見地からの調整が必要なもの、国民の権利義務に重大な関係があり、国全体として統一的かつ公平な運用が必要なもの、全国的に一定の行政水準を維持、達成することが必要なものなどに限られるべきであって、こういった考え方から今後ともさらに許認可権限等の見直しを進めていく必要があると認めております。また、そういう立場のもとに漸次改革を実施いたしたい、かように考えているわけでございます。(拍手)    〔国務大臣竹下登登壇拍手
  24. 竹下登

    国務大臣竹下登君) 私に対する御質問、三点ございました。  まず、大型間接税問題については、総理から詳しくお答えがあったところであります。いずれにせよ、今、税制調査会におきましてシャウプ税制以来の抜本的改革を目指して税制全般にわたっての見直し作業が行われておるところでございます。この検討結果を踏まえて対処すべき課題であるというふうに考えます。  それから次の問題は、いわゆる円高に関する影響等についてでございます。  円高影響の浸透にはかなりの期間を要しますし、したがって直ちに国内経済全体に大きな影響を及ぼすというものでは必ずしもその性格上ございません。円高には輸出の減少等の効果もありますが、交易条件の改善に伴って国全体の実質所得が増加するというプラス効果もまたあるわけであります。また、そもそも円高は、経済摩擦の解消、それを通じた世界経済の拡大に資すると期待されます。中長期的には我が国にとってプラスであると考えられるわけでございます。そういう基本を踏まえまして、一方、内需の拡大について、これは先般決定いたしました内需拡大に関する対策の着実な実施を図っていく、これが最も大切なことであります。  そして、円高によって影響を受けます輸出関連中小企業、この問題につきましては、先ほどもお答えを申し上げた問題でございますが、先刻、まさに十二月二日からの特別融資制度を発足させる等の措置を講じたわけでありますので、これによって対応していきたいと考えておるところであります。  そしていま一つは、いわゆる経済政策全体の、積極的経済政策という観点からの御意見を交えた御質問でございます。  確かに、いわゆる国全体の実質所得が増加していくという円高のプラス効果もありますが、一方、我が国財政が巨額の公債残高を抱えて大幅な財政赤字を続けておるという極めて厳しい状況にあるということを考えてみますときに、景気の拡大に財政が積極的役割を果たすという環境にはないと言わざるを得ません。したがって、公共事業につきましては、国費は抑制せざるを得ないという状態にあります。民間活力の導入を図りながら、事業費の確保に可能な限りの努力をしてまいりたい、このように考えております。  また、それに対する個別税制の問題でございますが、これは先ほど来の御議論のように、税制全般にわたっての見直し作業が行われておるさなかでございますので、その方向を見定めることなく、短期的な経済運営の見地からの減税を行うということは、中長期的に見た場合に適切ではないというふうに考えておるところであります。(拍手)    〔国務大臣村田敬次郎君登壇拍手
  25. 村田敬次郎

    国務大臣(村田敬次郎君) 山田議員からの御質問は、最近の円高関連をいたしまして、中小企業対策の特別立法の制定の問題、そしてまた中小企業の体質強化のための立法措置を含めた恒久的措置の問題、二点であったと思います。この二点につきましてあわせて御答弁を申し上げたいと思います。  先ほど来、総理そして大蔵大臣からお話がございましたが、円高による非常な影響が輸出関連企業、中小企業に特に出てきておるわけでございまして、実は本日、とりあえず当面の対応として、政府系中小企業金融三機関等による特別融資制度の創設、あるいは中小企業信用補完制度の弾力的運用、政府系中小企業金融機関の貸付枠の確保、また、いわゆるマル経資金と言われております小企業経営改善資金の活用等の項目を定め、十二月二日からそれら各般の措置を行っていくということを決定していただいたところでございます。  さらに、来年度、六十一年度の措置といたしましては、国際経済上の環境変化等対応する関連中小企業者を支援するために、政府系中小企業金融三機関に国際経済調整対策等特別貸付制度を創設する、そしてまた、現行の中小企業事業転換法を拡充、延長いたしまして、税制、金融等の面の助成措置拡充するなどの施策を講ずべく要求中でございまして、実現に向けて最大の努力を払っていきたいと思っております。  中小企業の発展ということは、通産行政のいわば基本であり、それが確保されなければ国民生活は安定していかないわけでございますので、従来から技術開発の向上のために、中小企業技術開発促進臨時措置法でございますとか、中小企業の近代化促進のための中小企業近代化促進法でありますとか、諸般の立法を講じ努力をしておるところでございますが、最近の円高問題は非常に重要な問題だと考えておりまして、予算要求、立法措置を含め、現在鋭意検討を続け、また折衝中でございます。(拍手
  26. 木村睦男

    議長木村睦男君) これにて質疑は終了いたしました。      —————・—————
  27. 木村睦男

    議長木村睦男君) この際、国家公務員等の任命に関する件についてお諮りいたします。  内閣から、原子力委員会委員に向坊隆君を、公害健康被害補償不服審査会委員に中島二郎君、山本秀夫君を、 社会保険審査会委員に月橋得郎君を、 運輸審議会委員に隅健三君を、  電波監理審議会委員に生田正輝君、田淵節也君を、  日本放送協会経営委員会委員に冨谷晴一君を、  地方財政審議会委員に胡子英幸君、武田隆夫君、知野虎雄君、松島五郎君、山本成美君を任命することについて、本院の同意を求めてまいりました。  まず、原子力委員会委員、公害健康被害補償不服審査会委員のうち中島二郎君、運輸審議会委員、電波監理審議会委員、地方財政審議会委員のうち胡子英幸君、松島五郎君、山本成美君の任命について採決をいたします。  内閣申し出のとおり、いずれも同意することに賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕
  28. 木村睦男

    議長木村睦男君) 過半数と認めます。  よって、いずれも同意することに決しました。  次に、公害健康被害補償不服審査会委員のうち山本秀夫君、社会保険審査会委員、日本放送協会経営委員会委員、地方財政審議会委員のうち武田隆夫君、知野虎雄君の任命について採決をいたします。  内閣申し出のとおり、いずれも同意することに賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕
  29. 木村睦男

    議長木村睦男君) 総員起立と認めます。  よって、全会一致をもっていずれも同意することに決しました。      —————・—————
  30. 木村睦男

    議長木村睦男君) 日程第一 一般電気事業会社及び一般ガス事業会社社債発行限度に関する特例法の一部を改正する法律案内閣提出衆議院送付)を議題といたします。  まず、委員長の報告を求めます。商工委員長下条進一郎君。    〔下条進一郎君登壇拍手
  31. 下条進一郎

    ○下条進一郎君 ただいま議題となりました一般電気事業会社及び一般ガス事業会社社債発行限度に関する特例法の一部を改正する法律案につきまして、商工委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。  本法律案は、今後大幅に増大する見込みの一般電気事業会社に係る設備投資の資金需要に対処して、電気の安定供給を図るため、一般電気事業会社社債発行限度に関する特例措置を当分の間継続するとともに、その社債発行限度額を現行の商法に定められた社債発行限度額の特例措置である四倍から六倍に引き上げる等の措置を講じようとするものであります。  委員会におきましては、電気事業の設備投資及び資金調達の見通し、電力債による公社債市場への影響、電力投資による内需拡大効果、電気料金と円高差益還元問題などについて質疑が行われましたが、その詳細は会議録に譲ります。  質疑を終わり、討論に入りましたところ、日本共産党の市川理事より、本法律案に反対の意見が表明されました。  次いで、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、本法律案に対し、円高差益の取り扱い等に関する附帯決議が行われました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     —————————————
  32. 木村睦男

    議長木村睦男君) これより採決をいたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕
  33. 木村睦男

    議長木村睦男君) 過半数と認めます。  よって、本案は可決されました。      —————・—————
  34. 木村睦男

    議長木村睦男君) 日程第二 日本体育学校健康センター法案(第百二回国会内閣提出、第百三回国会衆議院送付)を議題といたします。  まず、委員長の報告を求めます。文教委員長林寛子君。    〔林寛子君登壇拍手
  35. 林寛子

    ○林寛子君 ただいま議題となりました法律案につきまして、文教委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。  本法律案は、特殊法人の整理合理化を図るため、国立競技場と日本学校健康会を統合して新たに日本体育・学校健康センターを設立し、体育の振興と児童生徒等の健康の保持増進を図ろうとするものであります。  なお、本法律案は、衆議院において先国会に継続審査となり、去る十一月十四日可決、本院に送付されたものであります。  委員会におきましては、統合の利点と今後の運営方針、学校保健教育の充実、学校災害の防止と給付業務の適正化、学校給食における民間委託のあり方、学校給食承認物資の縮小と物資経理からの人件費支出の是非、国立競技場の整備充実、体育研究研修センター構想の具体化等スポーツ振興策、ドラフト制度の高校野球への影響などの諸問題について、参考人を呼び意見を聴取するなど熱心な質疑が行われました。その詳細は会議録によって御承知願いたいと存じます。  質疑を終局、討論に入りましたところ、日本社会党を代表して粕谷委員より、日本共産党を代表して吉川委員より、それぞれ反対の討論が行われました。  次いで、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、五項目から成る各派共同の提案に係る附帯決議が行われました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     —————————————
  36. 木村睦男

    議長木村睦男君) これより採決をいたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕
  37. 木村睦男

    議長木村睦男君) 過半数と認めます。  よって、本案は可決されました。  本日はこれにて散会いたします。    午前十一時四十四分散会