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政府委員(
山内豊徳君) まず、冒頭の御婦人の幾つかの例で新しい
年金の適用はどうなるかという御
質問でございますが、離婚なさった方の場合、先生も
お話しのように、それまでの被扶養者期間が生きるといいますか、その方の権利の基礎になるという点では今回の
改正の大きな
意味があるわけでございますが、確かに離婚なさった後は実は御自分で
国民年金の、私
どもの
法律用語で第一号被保険者として加入手続をとっていただかなければならない。その場合は
保険料納付の義務が生ずるわけでございますから、非常に支払いにくいということであれば免除の手続をとっていただくということはございますが、
考え方は、離婚なさったときから独立の
国民年金被保険者になっていただく。それを続けていただかないと、先生
お話しのように、二十五年間の資格期間が危ないことが出てくるということでございます。
二番目に、単身
生活、御結婚なさらなかったような女性の方の場合はどうかということは、これは今と同じでございまして、やはり二十歳になられた年から
国民年金被保険者の手続を市町村役場にとっていただいて
保険料を払っていただく。もしどうしても
負担能力がなければ、免除の手続をとっていただくことになるわけでございます。
三番目に、結婚なさっているけれ
ども、御主人の方が零細企業でそこの企業が
厚生年金とか
共済組合の適用を受けてなかったという場合、これは本来適用を受けるべき事業所であるのに適用を受けてない場合は
事業主に行政指導が要るわけでございますが、もし
現行制度ではいずれの被用者
年金も適用されない
事業主であれば、その方の場合も、形はサラリーマンですが、御主人も奥様もそれぞれ独立の
国民年金被保険者として
国民年金の
保険料を納付していただくという、免除の手続は同様に
考えられるわけでございますが、そういう
関係になっているわけでございます。
二番目の御
質問は、いわゆる無
年金者をどの
程度見込んでいるかということでございますが、これは現時点でのデータであるよりも将来にわたるデータでございますので、私
どもの数理担当者の間で非常に大ざっぱな計算をさせましたら、六十五歳以上人口全体に対比すると五%から六%にはなるだろうかと。そうなりますと、
昭和九十年ごろで百万を超える、百四十万といった
数字も一応予想されるという私の部内的な見通しは立てております。そのためにも、先生の
お話ございましたように、そういうことをできるだけ狭めるためにも、じゃ何をやるべきかという問題があるわけでございます。
免除の適正な運用あるいは滞納者とかそういったものの把握について、私
ども社会保険庁を中心にどのような努力をすべきかという点は、もう何度か申し上げているところでございますが、今回の
改正では余り大きな
改正事項ではないかもしれませんが、例えばこういう国際化の時代になりまして、外国に住んでおられた期間が長いために、今までの
制度だと空でもない、いわゆる資格期間にならないというようなことを救済するための、
先ほど先生もおっしゃいました空期間としてこれをみなすという
改正も取り入れるなど、あるいは六十歳以後五年間だけは、六十歳到達で大変かもしれませんが、任意加入する道を開いて過去の不足分をそこで補っていただく、そういった
制度上の
仕組みも加えて四月以降の体制を
考えているわけでございます。
何と申しましても、基本はやはり行政努力であると思います。市町村役場なり
社会保険事務所を中心に、これから年々高くなっていくであろう
保険料負担も念頭に置きながら、いかなる工夫を講じ、いかなる努力を講じて、特に御婦人の方に手続面あるいは納入面でいかに
年金時代にふさわしい体制を我々が用意するかという問題がございますので、細かい点はいろいろ申し上げればございますが、これらの点が私
どものこれからの大きな
年金行政上の課題と
考えております。