○
参考人(
児島仁君)
児島でございます。よろしくお願いいたします。
私
どもこの四月に
民営化ということになりまして既に年末でございます。私
どもこの
法律の精神に基づいて
事業をやる上でしっかりやらねばいかぬということで全
職員一丸となってやってまいったつもりでございます。いろんなことがございますが、それらを、ちょっと雑多になりますけれ
ども、
お話を申し上げたいと思います。
まず、
数字の方から申し上げた方が話の通りがいいと思いますので、
中間決算から御
説明をさせていただきます。
九月末で
中間決算を締めておりますが、六十
年度の
上半期の
営業収益は二兆四千九百九十六億円、
経常利益は一千七百五億円、
中間利益としまして七百六十五億円というものを計上させていただいております。この
数字は私
どもとしてほぼ
満足のできる
数字でございます。
満足のできるという意味は、
年度当初に
事業計画として
郵政大臣の認可をいただきましたその
数字よりも上回った
活動ができておるということでございます。さらに、下期におきましても何とかこの線を伸ばしていきまして増収を図り、
企業体質を強めたいというふうに考えております。
今申し上げました
上半期の
営業収益をいろんなファクターを持ち込みまして
年間トータルで現在時点で推測をしてみますと、
営業収益は大体五兆五百億円ぐらいになるのではないかと。
経常利益は二千九百二十億円。ちょっと細かい
数字でございますが、大体二千九百億円ぐらい。それに税金がかかってまいりますので、税引き後の
利益は千三百三十億円ぐらいになるのではないかというふうに考えております。この
数字がもし達成できますと、私
ども初年度から
配当も
世間並みのものができると思っておりますし、その
配当しました結果の
財務の姿も、
一般の安
企業といいますか、東京電力さん等の
公益事業と比べて遜色のない
数字だと思っております。
まあ
年度当初にその二千億の
経常利益というふうな計画をしましたときには、もしこの中から
配当をするとすれば非常にその
財務体質がみっともない
格好だったものでございますから、全社上下話し合いまして、何とか
収益を伸ばして
経常利益三千億
程度まで伸ばすことはできまいかと、そうなると
配当もし、かつ
配当後の
財務の姿も非常にいいのだということで、徹底的な
討論を全国的にやりました。
収入の
見積もりあるいは支出の
見積もり、これも毎月毎月何回にもわたって各地方の
責任者を呼んでは
討論を繰り返し、
努力を続けました。そういうことで、まあ先ほど申しましたような
中間期の
決算、それから
年間の見込みという
数字を得ることができたということでございます。
それでは、そういった
中間決算あるいは
年間全体の
収益見通しができるような
数字になれたために、
数字にするために一体どういうことを私
ども行ってきたかという御報告をしたいと思います。
一つは、
仕事をやってまいりますときに
権限と
責任をもっとはっきりさせた方がいいんじゃないかということで、
組織の
改正を行っております。今までの
組織は、
職能別といいますか、
職能別に
組織立てをしておったのでございますが、今度は
サービス別あるいは
地域別に
事業部というものをつくりまして、その長に、
方法論的な
権限、
目的は
本社が与えますけれ
ども、その
目的に向かっての
目的達成するための手段、
方法については、一切
権限を任すというくらいの
仕事のさせぶりをしたいということであります。
七月に
本社段階の
組織を仮
編成をいたしまして、その後下部でいろいろ検討もしてもらい、
本社とも
意見の
交換をしまして、このつい先月の末でございますけれ
ども、今総
支社と言っております、昔
——昔といいますか、
電電公社時代は
電気通信局と言ったところでございますが、この総
支社、それからその他の
事業部、これを本式の
事業部ということにいたしました。ただ、まあ年を越えましてからもう一度その総
支社の下にあります
支社に当たりますもの、それから
電話局の
部分、これをもう少し手直しをいたしまして完結をするということになります。したがいまして、今も
かなりの
動きをしておりますが、新しい
組織での完全な
動きというものは、それに伴う
人事異動も終わりました来
年度以降ということになっております。今
年度はそういったふうな仮の
組織で、しかも
民営化移行当初ということでありましたにもかかわりませずまあまあやってこれましたので、来
年度以降こういった
組織も固まり、みんなの意識もさらにもう
一つ高まれば、
かなりいい
成果を上げれるのではないかというふうに考えております。
で、その
事業部は、
先ほどサービス別と
地域別に分けるというふうに申しましたが、例えて申しますと
通信機器事業部、これは大体
電話の
端末でございますけれ
ども、そういったものを売っていく
事業部であります。今まではこの
端末機を買う
部門は買う
部門で
独立をしておる、それから売る
部門は売る
部門で
独立をしておる、つける
部門はつける
部門で
独立をしておる、
料金を取る
部門は
料金を取る
部門で
独立をしておるというふうなことで、それぞれ
職能別にずっと
一つの
電話機を売って、その後それをお使いいただくという行為に関していろんな形でたくさんのセクションが関与しておったのでございますけれ
ども、
端末機を売るということについてはすべての
仕事をこの
事業部に統合してすべての
責任を持つと、ちょっと私の言い方正確じゃございませんけれ
ども、ほぼそういう
格好でくくって
仕事をさせるようにしております。そういうふうなことで、
企業通信システム事業部でございますとか、
高度通信サービス事業本部でございますとか、あるいは前からございますが
データ通信事業本部、こういったものを
サービス別につくってございます。さらに、
電話を中心とします
電話の販売とその維持、
サービスをやりますことを主体といたします
地域事業本部というものも地域的につくっておるわけでございます。この
組織建てにつきましては、ことしの春、このような機会で
お話もさせていただいておりますので、
組織の問題はこの
程度の
説明にしたいと思います。
ただ
一つつけ加えておきたいのは
研究所でございます。この
研究所も
組織の
改正をいたしました。過去は武蔵野、横須賀というふうに
四つの
電気通信研究所ということになっておりましたが、
所掌範囲が広いことと、
研究を今後もっと深くやっていくというためにはどうも今の
組織ではまずいということで、これは逆に
機能別に再
編成をいたしました。
研究開発本部というものをつくりまして、例えば
情報通信処理研究所、
複合通信研究所あるいは
基礎研究所、
電子機構技術研究所というふうな
九つの
研究所を置きました。物理的には従来の
四つの
研究所の中におるのではございますが、
管理体制、
研究体制としては
九つの
研究所に分けて、これは九月からやっております。今後とも
電気通信は
研究なしては済まされないという要素が非常に強いものでございますから、このような
編成後の
研究所で大いに頑張らせたいと思っております。今のところ、
幾つかの
研究分野で
世界一ということになっております。ぜひ追い越されないように、さらにほかの
部門でも
世界の一位というものをとっていくようにやっていきたいと思います。そんなことでことしから、来年ももちろんでございますが、
研究人員もふやしておりますし、それから
研究費も
相当多額に積んでおります。来
年度以降
成果がまた出てくるのではないかというふうに考えております。
こういった
組織建てをやりまして、
あとはじゃどう働いていくかという
経営努力のことでございますが、いわゆる
合理化という言葉がございますが、そういった
合理化も
相当にやってまいりました。例えば
電信関係では、
電話で受けつけます一一五、これも
相当大きく
集約をいたしましたし、
電話運用あたりでは
電信番号案内方式の
導入ということも、あるいは新しい
手動台の
導入ということ等も始めております。それから、
営業の方ではコンピューターを
相当大量に入れまして、
サービスシステムを変えていくということ等をやっております。それから、
保守では電力の
集約あるいは
交換機の
保守も、各地で泊まっておるものを
集約して泊める、あるいは昼間は人はおるけれ
ども夜は泊まらないというふうなこと等をやってまいりました。
今私
ども大体一
年間に九千人ぐらい
退職をしておりますけれ
ども、将来の
技術力を低下させないためには、
相当の数の
職員を採りたいと思っております。大体四、五千は採っていかないと十年後に大変なことになるというふうに考えておりまして、九千人ぐらいの
退職に対して四、五千というものは最低採用していく。しかし、このような、先ほど申しました
合理化ということで人の
仕事が
機械に置きかわるというふうになった
部分につきましては、人を埋めていかないというふうなことで、こういったことにつきましては
労働組合と
十分話し合いをしつつ進めておるわけであります。
私
どもNTTとして今
仕事をやっておりまして、
合理化努力というものも大事なんでございますけれ
ども、やはり生き生きとした
事業とするための
新規事業もつくり出していかなければいかぬと思っております。まあ、今ちょっと駆け出しで元気の入り過ぎじゃないかというふうな言われ方もしておりますが、ここ一年、気合いの入ったところで少しいろんな
仕事もやってみたい、
あとだんだんとこれを進めていく中で落ちついた
事業の運営というふうになってくるんじゃないかと思いまして、
会社も
幾つかつくらせていただきまして、これに対して私
どもの
職員の出向もさせております。
出向先に行きました諸君も非常に元気で、全く新しい分野で新しい環境で
仕事をするものでありますから結構おもしろいようでございまして、例えば、きょうもある
会社に出向させている若い社員が私のところへ参りましたが、これもまたおもしろいのでございまして、私の
会社と言う。私の
会社は今こうやっておりまして
NTTさんの方からこういう注文をもらいましたというふうを言い方をしていますので、その
会社の人となって本当にやってくれているんだなというふうな感じもしておるわけでございます。
話がぱらぱらあちこちまいりまして恐縮でございますが、
一般の
営業活動ではどういうことをやっておるか。私
どもやはり
収入の八五%から九〇%に近いものはやはり
電話からの
収入でございますので、現在のいわゆる
電話加入者という
方々を今後とも大事にしていかなければいかぬと思っております。大事に
サービスをさせていた。だいて、かつ快く
電話を
利用していく回数をふやしていただくというふうに持っていきたいと思っております。
これはもう
先生方も御存じと思いますが、
利用促進という
格好では、
カエルコールとかコケコッコールなんていうふうなこともやらせていただいたり、
公衆電話がかけやすくするために
テレフォンカードな
ども売り出しております。今
テレフォンカードは
相当爆発的に出ておりますけれ
ども、
電話機の方が
相当高価で、かつ生産がちょっと間に合わないというところもございますが、急速にこれの設置も追いついてまいりました。効用は今後増していくと思っております。
それから、私
ども収益を上げることだけでなくて、
お客様に便利に
電話を使っていただくということでいろんな新
サービスも考え始めておりまして、
電話というのは普通二人でしゃべるのでございますけれ
ども、三者で話のできるもの、それから
会議電話みたいに、もっとたくさんの人で共通に話ができるもの等の工夫もして
サービスメニューの中に入れております。
あと、フリー・ダイヤル・
サービスと申しまして、
地域指定をしまして
着信課金機能を持たす。かけた
お客様には
お金はかからないけれ
ども、かかった
お客様が
肩がわりをして、いろんな
調査会社でございますとか、あるいは
デパートとか、そういったところで
かなりの
利用が見込まれるわけでございます。そうしますと、これはまたいろんな
仕事が出てまいりまして、例えばある
デパートがある
調査をしたい、
需要調査をしたいというときにずっと全国にキャンペーンをして
電話でそのお答えをいただくわけですけれ
ども、それが一時的に集中をいたします。その集中した
仕事を
デパートの店員さんが何日か全部とられてしまうというんでは大変なんで、それを代行する
仕事というのがまた出てきたり、新しい
サービスをつくることによってもう
一つまた別の
仕事が出てくるということであります。したがいまして、私
どもも
職員は人がやっていた
仕事を
機械に置きかえるのでございますけれ
ども、そこで浮いてきた
人たちはまた新しい
仕事につけたいというふうに考えておりますが、そういった新しい
仕事もこういった
サービスを新しくつくることによって付加的においおい出てきております。今後さらにふえていくのではないかと思っております。
それから、単品ではいろいろな
電話機もつくり出して売ってございますけれ
ども、最近の傾向としましては非常に
高級品指向がございまして、安くて簡便な
電話機よりも、
かなり値が張って
利用の仕方が多様であるというものが売れているようでございます。私
どももすべての機種をカバーできませんので、一部のものに絞っておりまして、
あとはほかの
会社の製品の供給に待つという
格好にしておりますが、私
ども研究所でも一部こういった新商品の
研究もしておりますので、そういった力を
利用しながら、品種の数は少のうございますけれ
ども、今後も出していきたいというふうに思っております。
あと、
サービスに関しましては
自動車電話の
料金を下げさしていただいたとかいうふうなこと等もございますし、それから、これはもう国会でも論議いただきました
端末機の
売り切りも、最初のうちは意外と出なかったのでございますが、最近
お客様の方も
売り切りということの便利さに気がつかれまして、いつでも取りかえられるということで最近は
かなりふえてきておるようでございます。
あと、こういった
仕事を永続的に続けていくために
先ほど研究というものは欠かせない
事項だということを申し上げましたが、同時に
設備投資も欠かせない
事項だと考えております。当初の額はここずっと一兆六千億から七千億の
水準でやってきておりますが、今後大体この
水準を続けていくことになろうかというふうに考えております。
今
年度、こういった
お金を使いまして、例えば三千四百キロに及びます
日本縦断光ファイバーケーブルというものを完成さしていただきました。これは私
ども申し上げております
INSというもののためには欠かせない
通信手段でございまして、
幹線ルートを完成さしていただきました。それから、その他
ディジタル交換機というものをできるだけ速いテンポで今までの
交換機から変えていきたいというふうに思っております。
光ファイバーと
ディジタル交換機ということを十分に駆使することによって安くて大量の
通信が可能になるわけでございます。そういったことをねらいましてこの
投資も今後ますますいわゆる
INS絡みの
投資というふうな率が高くなっていこうかと思いますが、一兆六千億から七千億、場合によっては一兆八千億という年も出るかもわかりませんが、そういったふうなことでやっていきたいと思っております。
こういった
研究にも
お金も入れたいし、
設備投資も将来の新しい
サービスを皆さんがお使いになりたいというときにそこなく出していくために何としてもやっぱり
資金の
調達ということが大事でございます。この
資金もできるだけ安い
資金を入れていく。使う金が絶対額として非常に大きいものでございますから
資金調達の際の
金利のわずかの差が大変な差になって出てまいります。ことしの
上半期に
電電債券、これは
国内でございますが、それと
外貨建て社債を
トータルで千五百億円出させていただいております。この千五百億円というのは外債の分は
邦貨に換算してございますけれ
ども、出させていただいております。内訳は、
国内で大体一千百億円、
外貨建てで四百億円ぐらいでございます。この
外貨も
ユーロドルで一億
ドル、当時は
邦貨換算で二百五十億ぐらいになったのでございますけれ
ども、
スイスフランで一億五千万
スイスフラン邦貨換算で百五十億ということでございます。やはり
外貨の方は上手に
社債を建ててまいりますと非常に
金利が安うございます、
国内債よりも一%ぐらい安いというものも取れるわけでございますから、
外貨での
資金調達というものは今後も続けていきたいと思っております。ただ、不必要なときに
資金を借りても
金利がかさむばかりでありますから、たまたま
資金需要があって、かつ
外国の
債券市場の
状態が非常に有利であるということとが合わないといかぬわけでありますので、常時
外国の
社債市場とそれから
国内の
資金需要というものを照らし合わしてにらんでおります。今度そんな
格好でこの十二月にも一億
ドルばかりの
ユーロドルというものを出したいと思っております。
ユーロドルは例の為替の
関係がありますので、私
どもは手がたくいこうということですべて
日本円に
ヘッジをしておりますので、通貨の変動というものに対しては影響を受けない仕組みですべてを行っております。ただ、
スイスフランにつきましては、非常に強いものでございますし、かつずっと長年
安定状態でありますので、
スイスフランは
フラン建てでやっておりますけれ
ども、
ドルにつきましては今申しましたように
円ヘッジをした
格好で、リスクのない
格好での
調達ということをやっております。
私
ども法律でも
国内の
電気通信をやるんだということになってございますが、
世界からいろんな
お話がございます。
協力をしてくれ、あるいはこういったプロジェクトのコンサルタントをしてくれないかというふうなことがございます。私
どもも
国内での最大の
電気通信機器のユーザーでもございますし、
NTTが
日本のメーカーのつくった
機器をこのように上手に使っていい
サービスをしているんだということを
世界に見せることは
日本の国のためにとって非常に有効だと思っておりますので、そういう立場で
国際交流、
国際協力というものをぜひやっていきたいと思っております。
今までもたくさんの国と
技術協力関係を結んでおりますけれ
ども、
幾つか取り上げてことしの
活動を申し上げますと、
中国で
——中国とも
技術協力を結んでおりますが、私
どもの
中古——中古と言っても機能的には新品同様なんでございますが、
クロスバー交換機を
中国にお分けしまして使っていただいております。それの一
号局が
先ほど大同という局で、これは
北京から真西へちょうど三百キロぐらいのところでございますが、完成をいたしまして、無事現在動いております。
中国側も非常に喜んでくれまして、郵電部あるいは
山西省等中心になりましてそれの
完工祝いということもこの前やっておるような
状態でございます。
さらには、これは
鉄道、
中国の
鉄道は
大変力を持っておるのでございますが、この
鉄道部の方からの話で、大同から
北京を経由しまして秦皇島間の大変長い光ケーブルを引きたいということも
技術協力コンサルティングをやってくれないかということで、これも
正式契約をいたしまして、現在
職員を派遣してもう間もなく工事にかかる段階になっておると思います。
それから、新たに
技術協力を結びましたところでは、ニュージーランド、クウェート、フィリピンというふうなものがございます。それから、
あと米国のAT&Tとかナイネックスでありますとか、パシフィック・テレシス、これはATTが分割されまして
地域電話会社になりました各社も
相当力のあるところがございまして、そういったところが私
どもと技術の
交換でありますとか、技術に関する
意見交換でございますとか、いろんな
技術協力というものをやってほしいということがございますので、そういったこともことし始めました。結局、六十
年度の
上半期末におきますこういった交流国あるいは機関というものは、十三カ国十七機関というふうになっております。もちろんこういった過程を通しまして訓練を頼まれるというのが非常に多うございまして、今
年度の
上半期におきましては、これ、
程度の高い
方々でありますが、これを二十三カ国に対して六十一名の専門家を派遣いたしました。それから、四十八カ国から百二十五名の研修貝を受け入れて、現在まで訓練をやっております。この傾向はさらに今後強まってくるというふうに考えておりますが、私
どもとしては、できる限りこういった訓練に対しても
協力することによって
日本の技術レベルを知っていただく、ひいては
日本の
交換機あるいはその他の
電気通信機器というものが
世界に売れていく、売れていって
利用されるということは国の貿易にとってもいいことではないかというふうに考えております。そういった形での
協力はぜひ惜しみなくなっていきたいというふうに考えております。
こういった国際
関係の中で
一つ毎回問題になりますのは国際
調達でございますが、まあいろんな問題がありましたが、私
ども誠心誠意やっているつもりでございます。年に何回かはこの摩擦問題で郵政省の御指導を受けながらアメリカに行って話し合いもしておりますし、できるだけ公正に買うということを言ってもおり、かつやっているつもりでございます。ただ、やはり
日本の技術
水準が非常に高くて、製品の質がよくて安いものでございますから、正直言ってなかなか現実買う金額というものは伸びないんでございます。最近では向こうさんもその辺の事情わかってくれまして、誠意を示してわざと買わないというんじゃなくて、誠意を示して買う気だけれ
どもなかなか買える物がないんだねというふうなことで、わかってくれたようであります。ただ、だんだんなれてまいりまして、アメリカさんの方も大変勉強をされまして、こういう形でこういうふうにすれば
日本で使ってくれるのではないかというふうにいろんな工夫をしてアプローチがございます。私
ども公平に見て、技術的によく、かつ安いというものであれば、私
どもの
通信網に調和する限り買っていきたいと思っております。過去二
年間、大体三百億ぐらいの
調達をしてまいりましたが、六十
年度の上期だけで申しますと百億円でございます。今
年度も
年度末までまいりますと、ほぼやはり三百億円近くにはいくんではないかというふうに思っております。しかし、単品で物を買うというのはなかなか難しゅうございまして、なかなかアメリカ側の
満足いくような
数字にはならないと思いますので、今後とも息の長い話し合いになろうかというふうに思っております。
話があちこち行って恐縮でございますが、
あと一、二点申し上げます。
その
一つでございますが、私
ども第一種業者、内容的には第二種の
仕事も含めてやらしていただいておりますが、いよいよ第二
電電、第三
電電と申しますんでしょうか、新規参入業者の
方々が出ていらっしゃいまして具体的な
活動を始めておられます。
今、私
どもとの間で論議になっておりますのは、相互接続に関する問題でございます。相互接続をしますときに、当然のことでございますけれ
ども、接続をするための新しい
機械の設置が必要でございます。そういった
機械の設置についてその経費をどう分担するか、あるいはもっと先の問題でございますけれ
ども、つなぎ合ったときにいわゆるアクセスチャージというものをどうするんだというふうなことを現在話し合い中でございます。何らかのいい結論が出るのではないかというふうに思っております。
大体、以上で現在までの模様を
説明させていただいたと思っておりますが、今後どうやっていくかということでございます。
一つは、先ほど来申しておりますように、いわゆる経営の効率化でございます。この経営の効率化を
相当本気で、
数字が出るような
格好でやってまいりませんと、やはり新規参入業者の方が入ってまいりました後は、なかなかしんどい情勢になるんではないかと私は思っております。
世の中では、
NTTと新規参入業者が競争したら絶対に新規参入業者が負けるというふうなことをおっしゃる方がいらっしゃいますけれ
ども、それは私は全くそういうことはないと思っております。例えば、東京−大阪間で、
NTTの回線と新規参入業者の回線がありまして、その間に
料金格差がある。つまり
NTTより安い
料金でかけることができる。四
数字だけダイヤルを余計に回せばかけることができる。しかも、新規参入業者の回線を使うとしても、使い始めたら
NTTのを使ってはいけないということじゃないわけでありまして、どっちでもいつでも使えるわけでありますから、状況のいい限りその安い方を使うというのは、これは当然のことでございます。そういったことで、私
どもに入っておりましたトラフィックというものは
相当度に流れていくだろうと思っています。そういった意味合いから新規参入業者の方も、流れ込ませるためには
NTTより
料金を下げなければいかぬ、下げるためにはいろんな
経営努力のほかにその出費も少なくしたいということで御
努力をなさっておりますが、そのアクセスチャージ、先ほど申しましたその辺は、そういったものとの関連において今話をしておるわけでございます。
それで、私
ども経営の効率化、
合理化といいましても、ただひたすらむやみに働いて汗かけばできるというものじゃございませんで、先ほ
ども申しましたとおり、やはり積極的な
事業経営というものも展開していきたい。新しい
仕事を発掘して、そこに人をつけ、やっていきたいと思っております。むだな、働く職場がない人がいることはいけないことでございますけれ
ども、十分に働いてもらっている
職員が新しい
仕事でまたやるということは、それは非常に結構なことなんでありますから、三十万人現在おりますけれ
ども、この
職員に有効に働いてもらうということは、国の雇用政策からいっても、私
ども社会的
責任だろうと思っております。そういった意味で積極的にいろんな
仕事の分野も広げていきたいと思っておりますが、これに当たりましては、もちろん世間との調和、世間の御
意見を聞きながら進めていきたいというふうに考えております。
それから、
先ほど研究も力を入れるんだということでございますが、幸い
日本全体、これ
NTTだけじゃなくてメーカーも含めて、
世界で先端を行っているというふうに言っていいんじゃないかと思います。これをこのまま維持し、さらに進めるということの中で、私
どもの
NTTとしても当然何がしかの役割があるわけでございますが、こういった先端技術の
研究開発、これはもう徹底的にやっていきたい。これは最終的にはコストダウンにもつながるものでございますから、これも徹底的にやっていきたいと思っております。
もう
一つは、ゆるぎない経営基盤の確立でございます。最近私
どもの内部でも
相当意識の変革というものが進みまして、かつては
収入と支出を全く別個に考えるという癖もございました。支出は支出、
収入は
収入。最近は、これだけの
収入を得るためにこれだけの支出を立てたい、あるいはこれだけの支出を立てるんだからこれだけの
収入は絶対に得なければならぬというふうな感覚で
事業をやってくれております。そういったことは非常に私
どもとしてうれしいことであります。そういった感覚で
仕事をやっていただければ、経営基盤というものも次第に固まってくるだろうと思います。そういった経営の効率化、先端技術の開発、経営基盤の確立というふうなことが成功いたしますれば、
お客様のニーズにも十分対応できて、一層役に立つ
サービスの提供ということもできることになるんだというふうに考えております。私
ども今後そういった
努力を重ねながら新しく入ってこられる業者の
方々といい意味の競争をぜひやっていきたいというふうに考えています。
話があちこち行きましてお聞き苦しい点がございましたと思いますが、以上で私の
説明を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。