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政府委員(
三島健二郎君) 情報の問題でありますが、一般的な情報という点でございますと、例えば、勤労千葉の支援のためにいろいろな行動をするという
意味で、総武線のみならず首都圏あるいは全国の列車を人民の力でぶっとめようといったふうな姿勢で臨んでいたということは了解しているわけであります。その
意味では、一般的な情報という点ではあるわけでありますが、御存じのように、具体的なゲリラ情報というのは入手が大変難しいわけであります。特に
中核派等の極左暴力集団につきましては、その非公然組織というものが特殊な
状況にございまして、互いに顔も知らない何も知らないというような状態の組織でございますから、そこに対して情報のメスを入れるということは大変困難な
状況であることは御理解いただけるというふうに思うところでございます。
特にまた、ゲリラ情報というのは、具体的にその情報が入れば彼らにしてみればその場で検挙されるということであります。その
意味では、まさに彼らにしてみると最も情報としてはとられたくない情報であるという点から見ましても、その情報をとることはなかなか難しいということを御理解いただけると思います。そういう
意味で、今回におきましてもいろいろな形での一般的な情報というものは我々入手をしているわけでありますが、
個々具体的なゲリラにつきましての情報というものはこれはなかなか入手し得ないというのが現状でございます。
それから、今回のゲリラ等に対する態勢はどうであるかということであります。大体
考えられますいろいろな事態というものがあるわけでありますけれ
ども、まず
一つは、彼らが力でもって車をストップするということを盛んに言っております。それからまた同時に、それによって駅頭騒動等の、いわゆる上尾のような事態も起こるであろうといったふうなことも言っているわけであります。そういう
意味では、一般的に駅頭におきますいろんな事態が想定されたことは事実でございます。その
意味では、いわゆる警戒態勢の
一つといたしまして、それぞれの必要な場所におきまして駅頭騒動に対する対策というものを立てておったわけでございます。
例えば、津田沼におきまして、
中核派等の極左暴力集団は約八百人を集めまして、その周辺で集会あるいはデモを行うといったふうな事態もございました。そういうものに対しまして、極力これに対応して彼らのいわゆる違法行為を許さないという態度で臨んだわけでありますが、その間に一名の公務執行妨害罪の検挙も出しているわけであります。また同時に、ちょうど午前中は足がございましたが、午後はとまるという二十八日の段階におきましては、まさに上尾型の騒動というものも危惧されたわけでありますけれ
ども、これも的確な措置によって特別な事態も起きず、これを防止することができたという状態であります。
それからもう
一つは、ゲリラ対策の問題であります。御存じのように、国電路線というものは、東京及びこの周辺を見てみますと大変な長い距離であります。その距離全体に対しまして完全に守るということができないことはどなたもおわかりいただけるものと思います。そういう点で、ゲリラ対策といたしましてはそれぞれ地域別に部隊配置等をいたしまして、何かあった場合には直ちに有事即応態勢をとれるというような状態で構えておったわけであります。
これに対しまして、二十九日の朝未明にあのような事態が起きたわけでありますが、これに対応いたしまして直ちに
警察部隊等を出動させまして、四十八名という検挙者を出したわけであります。また同時に、いわゆるゲリラ
活動等に対応するために、東京その他周辺におきましてもそうですが、全体的に検問態勢等を広くしいておりまして、彼らの蠢動を許さないという態度でおりましたけれ
ども、その結果、これは警視庁巣鴨署の管内でありますが、たまたま検問に引っかかって、これを振り切って急発進をして逃走した車を追跡いたしまして押さえ込みました。その結果、その車に乗っておった
中核派の非公然
活動家と見られる二名を検挙していると、こういう結果も出ているわけ、でございます。