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1985-11-12 第103回国会 参議院 大蔵委員会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和六十年十一月十二日(火曜日)    午前十時開会     —————————————   委員氏名     委員長         山本 富雄君     理 事         伊江 朝雄君     理 事         大坪健一郎君     理 事         矢野俊比古君     理 事         赤桐  操君     理 事         桑名 義治君                 岩動 道行君                 梶木 又三君                 倉田 寛之君                 中村 太郎君                 福岡日出麿君                 藤井 孝男君                 藤井 裕久君                 藤野 賢二君                 宮島  滉君                 吉川  博君                 大木 正吾君                 鈴木 和美君                 竹田 四郎君                 鈴木 一弘君                 多田 省吾君                 近藤 忠孝君                 栗林 卓司君                 青木  茂君                 野末 陳平君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         山本 富雄君     理 事                 伊江 朝雄君                 大坪健一郎君                 矢野俊比古君                 赤桐  操君                 桑名 義治君     委 員                 岩動 道行君                 梶木 又三君                 倉田 寛之君                 中村 太郎君                 福岡日出麿君                 藤井 孝男君                 藤井 裕久君                 藤野 賢二君                 宮島  滉君                 大木 正吾君                 鈴木 和美君                 竹田 四郎君                 多田 省吾君                 近藤 忠孝君                 青木  茂君                 野末 陳平君    政府委員        大蔵政務次官   江島  淳君    事務局側        常任委員会専門          員        河内  裕君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○国政調査に関する件 ○派遣委員報告参考人出席要求に関する件     —————————————
  2. 山本富雄

    委員長山本富雄君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。  まず、国政調査に関する件についてお諮りをいたします。  本委員会は、今期国会におきましては、租税及び金融等に関する調査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 山本富雄

    委員長山本富雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  速記をとめてください。    〔速記中止
  4. 山本富雄

    委員長山本富雄君) 速記を起こしてください。     —————————————
  5. 山本富雄

    委員長山本富雄君) 次に、先般本委員会が行いました委員派遣につきまして、派遣委員報告聴取いたします。  まず、第一班の御報告をお願いいたします。赤桐操君。
  6. 赤桐操

    赤桐操君 第一班、近畿班委員派遣について、その概要を御報告いたします。  第一班は、去る九月二十六日から二十八日までの三日間にわたり、山本委員長大坪理事桑名理事栗林委員及び私の五名をもって、造幣局近畿財務局大阪国税局大阪国税不服審判所神戸税関大阪税関及び日本たばこ産業株式会社関西支社から管内概況聴取するとともに、在阪の各種金融機関及び納税協力団体からの要望聴取意見交換を行ってまいりました。  また、奈良におきましてはシャープ株式会社、京都におきましては宝酒造株式会社の各工場を視察いたしました。  以下、調査概要について御報告申し上げます。  まず、近畿地区における経済の現況につきましては、昭和五十八年以降、緩やかな拡大を続けておりますが、その動きは、全国平均と比べますとテンポが若干おくれているように見受けられます。これは、近畿地区産業構造が、素材型産業ウエートを置いていることによるものと思われます。  これをさらに内需の面で見ますと、設備投資は、特に製造部門において根強い投資意欲に支えられて、着実に増加が続き、個人消費も引き続き堅調な伸びを見せております。  他方、外需の面では、これまで順調に推移してきた輸出が、本年に入ってなお高水準を維持しているものの、頭打ちの傾向が見られることが懸念されます。特に、輸出に傾斜している近畿地区産業構造を考えますと、最近の円高定着動き輸出産業生産鈍化につながるおそれなしとしないからであります。  また、これまで好調に推移してまいりました、主として素材型産品中国向け輸出が、中国側外貨事情等によって、その先行きが極めて不透明となっておりますことも、近畿経済圏懸念材料一つであり、全体としての経済拡大基調は、本年いっぱいは続くものの、貿易摩擦の決着の動向にかなり影響されるものと思われます。  このような状況を背景といたしまして、企業金融は、大企業の一部には資金調達多様化から金融機関離れの現象も見られるものの、中堅、中小企業資金需要は依然として根強いものがあるとのことでありました。  証券関係では、近年証券流通ウエートの東京への集中傾向が著しく、管内大阪証券取引所売買高の逓減が続いていたところでありますが、これに歯どめをかけるため、取引時間の延長、上場基準緩和等の措置をとったことにより、売買高ウエートは五十七年を底に徐々に上向いてきており、近畿圏経済活性化努力一つが実りつつあるやに見受けられます。次に、国税関係についてであります。近畿地区人口全国の一六・六%、経済規模各種の指標から見て約二〇%程度であるのを反映して、五十九年度は全国比で一九%の収納実績を上げており、わけても大阪、兵庫の二府県で管内全体の八割弱を占めている実情にあります。  税目別では、酒税税収割合が、大手メーカーが多いこともあって全国比で二八・三%と高く、とりわけ清酒では五五・三%を占めていることが特筆されます。また、酒税全体の五十九年度の対前年度比増加率は二・九%でありますが、ブームともなりましたしょうちゅうの消費増により、その課税高は前年度に比べ二倍を超える実績を示しております。  また、法人税税収実績全国比で二一%でありますが、その申告状況を見ますと、五十九年度においては有所得件数増加は二%であるにもかかわらず、申告税額は一六%の伸びとなっており、収益の企業間格差拡大していることがうかがえます。  大阪に本局を置く造幣局は、本年四月に創業百十三年を迎えたところでありますが、創業当時から画期的な洋式設備によって貨幣製造を行い、近畿地区における近代工業への貢献は大きかったと思われます。本年八月末の現金通貨流通状況を見ますと、このうち補助貨幣流通枚数は全体の九一・二%を占め、国民経済取引消費生活の上で重要な役割を果たしていることがわかります。  また、近く第百十四回貨幣試験が行われるとのことでありましたが、昨年の結果では、試験量目法定量目との差はゼロに近い数値が出ており、その製造技術は高く評価し得るものであります。  たばこ販売につきましては、五十八年の定価改定の影響もあって、五十九年度の販売数量は〇・六%の増、代金で二・四%の増となっております。また、輸入たばこ販売実績では、数量で一五%、代金で一六・三%の増加を見せており、総販売数量に対する輸入たばこ割合は、五十八年度の二・一%から五十九年度の二・三%へと微増している状況にあります。  金融機関との意見交換の場におきましては、都市銀行地方銀行相互銀行及び信用金庫の各代表から、金融自由化進展に伴い必然的に要請されている各種金融機関の厳しい対応についての状況が述べられましたが、共通する意見として提示されましたのは、金利自由化が先行している反面、業務自由化への制度上の対応が必ずしも十分でないこと、郵便貯金銀行預金とのイコールフッティングを制度上確保すべきなどの見解でありました。  また、金融自由化への対処策としての経営基盤確立のため、貸倒引当金積立率引き上げとともに、一括手形方式等により印紙税納税回避手段が生じていることから、今後印紙税引き上げは行わないようにされたいとの要望がありました。  納税協力団体からは、納税協会連合会近畿納税貯蓄組合連合会及び近畿税理士会代表から、各機関活動状況についての概況と、税務行政環境整備についての要望聴取いたしました。  すなわち、税制は法制とその執行の両輪が相まって課税の公平が実現されるとの観点から、長期的展望に立った租税教育実施と、税制国民に対するPR活動充実が必要であり、国と地方公共団体を一体とした税務行政機関整備充実を図るべきであるとし、税務関係民間団体事業振興のための施策を要望する、というものであります。  以上、概略を申し上げましたが、今回の派遣に当たり調査に御協力いただきました関係行政機関民間の各機関団体事業場方々に対し、この席をかりて厚く御礼申し上げます。
  7. 山本富雄

    委員長山本富雄君) 次に、第二班の御報告を願います。伊江朝雄君。
  8. 伊江朝雄

    伊江朝雄君 第二班、東北班委員派遣について御報告いたします。  派遣委員宮島委員鈴木委員多田委員青木委員と私の五名は、九月二十六日から二十八日の三日間にわたり宮城県及び秋田県へ参上し、東北財務局仙台国税局仙台国税不服審判所横浜税関日本たばこ産業株式会社東北支社秋田財務事務所秋田南北谷税務署函館税関より、管内概況説明聴取するとともに、民間金融機関及び納税協力団体から意見聴取するほか、日本たばこ産業株式会社仙台工場等を視察いたしてまいりました。  以下、調査概要について申し上げます。  まず経済・財政・金融情勢についてでありますが、東北財務局管内六県の面積は全国土の一七・七%を占めているものの、人口全国の八・一%にすぎず、また、県民総支出は六・六%で、一般には東北地方は七%経済とも言われております用地形的には、南北に約六百キロメートルの長さを有し、奥羽山脈と三列の山地が縦に並んでおり、このような地形的条件から交通体系主要都市南北に連絡する鉄道、道路は比較的整備されておりますが、東西方向を結ぶ交通網整備がおくれていて、仙台を起点として見た場合、三陸、津軽、北秋田、庄内、会津地方への交通が特に不便な現状にあります。  産業構造面では、昭和五十七年で見た場合、第一次産業への就業割合は二〇・九%と全国平均を大きく上回っており、一方、第二次産業は二九%、第三次産業は五〇%と全国平均を下回っているものの、昭和四十九年と比較すると、第二次産業二・八%増、第三次産業六・三%増と全国平均伸びより大きく、産業構造高度化が進んでいることをあらわしております。  これは昭和三十九年以降、仙台臨海地区、常磐・郡山地区八戸地区秋田湾臨海地区が新産業都市指定を受け大規模工業開発が進められ、企業進出が盛んに行われたことによるものであります。さらに、最近では東北新幹線及び東北縦貫道開通等産業基盤整備拡充が推進されたこと等により、電気機械工業中心工場進出が見られ、秋田では秋田空港を中心とする地域昭和五十九年にテクノポリスの指定を受け、関連の工場進出が見られます。  しかし、総じて東北地方はまだ公共投資等公経済に依存する割合が大きく、一人当たり分配所得を見ると全国平均の八五%にすぎず、このような現状から、今後も産業開発の促進と経済発展に向けて各方面での一層の努力が望まれるところであります。  次に、最近の管内経済情勢は、民間設備投資に高水準ながら一服感が見られるものの、生産活動上昇傾向を持続しており、また、個人消費の持ち直し、雇用情勢の落ちつきに加え、全国生産量の約三分の一を占める米の作況指数が一〇七と二年連続の豊作が確実であり、全体として地域間にばらつきがあるものの、景気は緩やかながらも上昇していると言えましょう。  金融面では、管内金融機関の預貯金及び貸出金残高全国比四・四%と金融蓄積面で弱く、それに比して店舗数全国比一〇%強であり、経営効率の点ではおくれが見られます。一方、企業資金需要は総じて落ちついた推移を示しておりますが、金融自由化進展の中で各金融機関健全経営に腐心しているところであり、当面する問題について民間金融機関代表より意見を聞きましたので、ここで二、三要望を紹介いたします。  まず、地方銀行協会からは、金利自由化された預金等について、資金調達実質レート上昇となる準備預金の対象からの除外、相互銀行協会からは、小口預金金利自由化についての段階的な実施相互銀行普通銀行業務同質化進展に伴う相互銀行制度の早急な見直し、信用金庫協会からは、ディーリング業務が行えるよう信用金庫法の改正、安定した長期資金調達手段として全信連による信用債券の発行、また、三業界共通しては、金融自由化による競争激化の折、郵便貯金のあり方について公正な競争条件確立と民業の補完機能に配慮した運営をとの要望がありました。  次に、税務行政についてでありますが、仙台国税局管内における昭和五十九年度の租税収入は、 一兆三千百二十四億円であり、昭和四十九年度に比べて約二・四倍の増加となっており、とりわけ源泉所得税伸びが大きくなっております。また、法人税ウエート全国に比べて低い一方、東北地方は酒ととろであることから酒税の比率が高く、大阪国税局に次いで第二位となっております。  さらに、昨今の申告納税者数等の大幅な増加にもかかわらず、税務職員の定員は横ばいで推移しており、職員年齢構成も四十歳以上の人のウエートが高いなど、幾多の解決すべき問題を抱えております。  納税協力団体からの意見聴取では、青色申告会から、みなし法人課税事業税への適用等法人会から、法人会法の制定による加入・登録の義務化等納税貯蓄組合からは、納税貯蓄組合預金の利率の引き上げ等要望がそれぞれ出されました。  次に、税関行政でありますが、東北地区の管轄は行政区分と異なっており、宮城県の塩釜支署横浜税関が、秋田県の秋田支署函館税関がそれぞれ管轄しております。貿易構造は、それぞれの地域産業を反映し、塩釜支署扱いは、輸出では鉄鋼製品が五七%、輸入では原・粗油が四五・六%を占めております。また秋田支署扱いは、輸出では機械類が五三・一%、輸入では木材が三九・五%を占めております。  次は日本たばこ産業株式会社東北支社でありますが、宮城、岩手、青森、秋田、山形の五県の営業、葉たばこ生産等を管轄いたしております。本年四月からの民営化に伴い、民間企業として新たに課せられる税金の関係外国たばことの競争など、厳しい経営環境の中、一層の経営努力を行っているとのことでありました。  次に視察先でありますが、まず仙台たばこ工場は、昭和五十九年度の製造数量は八十四億三千七百万本で、セブンスター、エコーの製造を行っておりますが、安らぎと心の触れ合いを求めてのキャッチフレーズのもと、周辺環境にマッチすることを心がけ、緑を多くし生産業務に当たっているとのことでありました。  秋田県立脳血管研究センターは、秋田県において脳卒中による死亡が多かったことから、昭和四十三年に脳卒中撲滅のために設けられ、最新鋭の医療機器を備え、臨床、研究部門で多くの実績を上げているとのことであります。  秋田酒類製造株式会社は、高清水の醸造元で、米どころ秋田代表酒として技術力を誇り、昭和五十九年度の生産数量は四万三百八十九石であります。清酒消費量全国的に落ち込んでいるにもかかわらず、経営努力の結果としてその販路を広げ、業績を上げているとのことでした。  最後に八郎潟の大潟村についてでありますが、総事業費八百五十二億円の国費を投じた干拓事業であり、農業が直面している種々の問題を抱えつつも力強い発展を遂げている現状に接し、モデル農村として今後とも注目すべき存在との感を深めました。  以上、概略を申し述べましたが、今回の派遣におきまして調査に御協力をいただきました関係行政機関民間の各機関団体事業場方々に対し、この席をかりて厚く御礼を申し上げ、派遣報告を終わります。
  9. 山本富雄

    委員長山本富雄君) 以上で派遣委員報告は終了いたしました。
  10. 山本富雄

    委員長山本富雄君) 次に、参考人出席要求に関する件についてお諮りをいたします。  租税及び金融等に関する調査のため、来る十四日、参考人出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  11. 山本富雄

    委員長山本富雄君) 御異議ないと認めます。  なお、その人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  12. 山本富雄

    委員長山本富雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。   午前十時二十分散会      ——————————