○伏見康治君 部長の方からお誘いがありましたので、少し灯油と
ガソリンの
値段のバランスについてお伺いしたいんですけれ
ども、灯油というのは家庭内の暖房で最低の必需品である、
ガソリンというのは車に乗り回るのでこれはぜいたく品であるという、そういう考え方で、ぜいたく品の方を高くして必需品の方を安くするというのは、それはそのときの行政の
措置としては極めて適当なものであったと思うんですが、しかし、こう御時世が変わってまいりますと、車ももはやぜいたく階級の持っているものではなくて、ほとんどあらゆる家庭が持つような
状態になっております。一方、灯油の方も過去の家庭で使っているような使い方ではだんだんなくなるはずであると私は思うわけです。
大臣が帰ってこられたから、昔話を
一ついたしますと、二十年ぐらい前、二十五年ぐらい前でしたか、旭川に親戚がありまして、そこへ遊びに行ったことがあるんです。冬の真っ最中に行ったんですが、内地と全く同じ家をつくっているわけです。内地と同じ家をつくって、それで寒さを防ごうとするものですから、大変な燃料を使って暖めているわけなんですが、そうしますと、水蒸気が全部壁に結露いたしまして、壁がべたべたになって、押し入れの奥がべたべたになるものですから、布団が押し入れの中に入れられないというような
状況で、ばかげた建物をつくったもんだと思っていたんです。
つまり、昔流の
日本の住宅というものは、暖房には極めて不適当にできておりまして、壁は薄いし、通気はよろしいし、それはそれで別の面ではいいところがあったんでしょうけれ
ども、とにかく
北海道のようなところで使うのには全然不適当である。私自身も寒いところで家をつくった記憶がありまして、壁を絶縁壁にするかしないかでもって灯油の
消費量がまるで変わってしまうということを発見して、灯油の
値段というよりは、むしろ建物の構造の方が問題だなということをつくづく
感じたわけですが、
日本人はウサギ小屋にいまだに住んでいると言われる面があると思うので、通産省あたりでひとつ建設省を督励していただいて、
日本の家庭がもっとちゃんとした暖房設備が使えるようなふうにしていただけないものかということをつくづくと感ずるわけです。
今の灯油のたきっ放しというのは、殊にア
パートのような気密な部屋になりますというと、極めて危険なわけですね。一酸化炭素が出ないまでも、酸素が不足いたしまして、酸欠
状態で時々変なことが起こる。時々換気せいと書いてあることは書いてあるんですけれ
ども、それを実行する人は極めて少ないものですから、しばしば事故を起こしていると私は思います。それで、ぜひともそういう旧態依然たるストーブでなくして、換気がくっついているような、つまり排気ガスを外へ出すようなシステムがどんどん
開発されているわけですから、そういうものを普及なすって、気密の建物の中に皆さんがお住まいになるように
行政指導なさるべきではないかと私は思うわけです。そうなれば、灯油というものに対して、今
日本が課しているような、硫黄分が特に少なければならないといったような条件は緩和されるのではないかと思うんですね、部屋の中でにおいをかぐわけではないわけですから。したがって、もっと話が自由になって、そういう
意味で
値段を安くし得る。別に
ガソリンを犠牲にしなくてもよくなるのではないかといったようなことを考えるのですが、どうでしょうか。