○大浜
方栄君 地域医療の実績を上げるためには、
行政、医療の現場に働く
医師、パラメディカルスタッフ、そういう医療人、また国民、この三者が一体になって初めて地域医療、国民医療の実績は上がるものだと思っております。いわゆるトロイカ方式というものでございまして、この
行政と医療人と国民、地域住民が一体にならなければ実績は上がらない。
しかしながら、最近のある学会における
厚生省の高官の発言が、今、医療団体の間で問題になっております。私は、その高官は優秀な方であると思っているがゆえに、きょうここで質問することも大分ちゅうちょしたのでございますけれ
ども、このまま放置するならばかえっていけないと、こう思ってあえて申し上げるわけでございます。
それはどういう発言がというと、「
医師の医療技術について国民不信があり、とくに第一線の開業医に不信がある。かてて加えて
医師は不親切である。この両面から、
医師への信頼が低下している。」、こういうことをおっしゃっておられます。先ほど
大臣の御
答弁では、
日本の医療は世界で最高の実績を上げている、それは民間
医療機関の果たした役割が大きいからであると、こういう御
答弁をちょうだいしたわけでございます。したがって、
厚生省高官のこの発言は
大臣の御
答弁と違う。また、
厚生省高官の発言のように、医療技術が不信である、国民の間から第一線の開業医が特に不信であると、こういうようなことが真実であるならば、先ほど私が御
答弁をいただいたような世界最高の実績を上げるわけはないんでございます。それは、
医師の一部が、あるいは開業医の一部が、そういうようなことがあるということはわかります。どの階層にも、どの階級にも、どの職業にもそういう不心得な者があることは、これはやむを得ないわけでございますけれ
ども、残念なるかな、この高官の御発言を熟読しても一部という言葉はどこにもない。これから受ける印象は、
医師が、開業医が全部悪いと、こういうような誤解を生むおそれがある。これは学会で発言しておるのであります。私思うに、学会に
出席した
医師もまただらしがないと思っている。そういうものに対しては堂々として反論すべきであるのに黙って聞いておる。
それで私は、もう一つ、
厚生省統計情報部の
発表、
昭和五十九年保健衛生基礎調査によりますと、医院や病院を選ぶ
理由を調べてあります。自分はその病院を選ぶ
理由として、
病気、
治療についてよく説明するから、二三・五%。それから、前の病院に不信感があれば、医療技術、
医師に対して不信感があれば二度と行かないわけでございますけれ
ども、前にかかったことがあるからまた行くというのが二二・三%。それから、どんな
病気でも診てくれる、一七・一%・合計して六二・九%の国民の信頼を得ているということが
厚生省の
統計情報部の
発表で出ているんですよ、五十九年。だから、
厚生省の高官がおっしゃる国民に不信がある、第一線の開業医の医療の技術に不信があるということは当たらないのでございまして、私は、この点を特に反省をしていただきたいと、こう思うわけでございます。
こういうようなことでは、国民の不信をあおって、
医師の医療への意欲を低下させる。今後、二十一世紀の医療に向かってどうしてもいろんな諸制度の改革をやらなければいかぬ。改革をやるときに最も協力を求めなければいけないのは現場に働く医療人でございます。医療人に協力を求めなければいかぬ、国民にも協力を求めなければいかぬ、そういうときにこういうような発言をされると、協力ところか医療人の感情を逆なでするようなことになる。私はこういうぐあいに思っているのでございますけれ
ども、もちろん、一握りのふらちな
医師に対しては徹底的な法の制裁を加えるべきであるということは言うまでもございません。そのために、
日本医師会も
日本歯科
医師会も薬剤師会も襟を正しているところでございます。自浄作用ということを今しきりに
医師会の中でも言っている。そういうときにこういう発言は私はいかがなものかと思う。
もちろん、
医師に反省を求める、協力を求めみ
意味で発言なさったと善意に私は解釈したいのでございますけれ
ども、この点に関して
厚生大臣の御
答弁をいただきたいわけでございます。