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秦野章君
大蔵省の山口次官の談話で「第二の予算といわれる財投の活用や
民活で工夫したい」という、これだけじゃわからぬけれ
ども、こういう言葉も出ているのだけれ
ども、トップの記事だからそう全然根も葉もない記事が出るわけはないので、私も実は
開発委員長を党の政調でやっているものだから、そうかといって簡単に結論を出せないものだからあれなんだけれ
ども、免税債というのは大正十二年の震災と日露戦争のとき出しただけだ、とても例外中の例外だから
東京湾に橋をかけるようなことに免税債は無理だというふうに言われてもきたし、私もあるいはそうかなとこう思ってきたのだけれ
ども、とにかく大正十二年の
地震のときや日露戦争、日露戦争は例外として、あの当時と
日本の経済、社会の実態が変わってきた。
あえて言うたらば、国民が中産階級化して、しかも自由社会なものだから、アングラマネーとは言わぬが、アングラマネーに準ずるような金が相当世の中にあることも事実なのだよ。だから、金はあるのだ。ある金をどういうふうに吸収するかといったら、これは税金だ。それは税制改革をやっていくのだ。だけれ
ども、税制という権力手段だけでもって世の中の金を全部うまく公平に吸収できるかいったら、これまた必ずしもうまいこといくとも限らない。
だから、国民の持っている金を、そして明確な税の
対象になるようなものだといっても、つかみょうのないようなものがあることも自由社会のこれはしようがない特質だと思うんですよね。それでも何でも権力でお金というものを規制し統制する、あるいは税金で取るというようなことよりも、何だかちょっとわからないけれ
ども銭はいっぱいあるようだという社会が私は自由社会だという感じがするんですよね。この特質が自由社会なのだから、そういう
意味においては免税債もいいのじゃないかというふうに私も考えが変わってきたわけだよ。
変わってきたけれ
ども、私も
開発委員長で、そういう案を言い出してもいいのだけれ
ども、
政府もいろいろ悩んでいるし、
大蔵省も悩んでいるからあえて今まで言わずにいるのだけれ
ども、少し世の中が変わって、自由社会におけるお金というものが今、
日本でどうなっているかといえば、金は結構あってアメリカにもどんどん流れているということだから、それをうまく
民活で活用するには免税債のようなものだっていいのじゃなかろうかというような感じがしてきたのだけれ
ども、いずれにしても
東京湾横断道路というのは確かに大きな
日本的プロジェクトだから、どうしたってこれをやれば、やることは大体
政府も与党も決めているので、ぜひひとつこれは積極的に必ず来年度着工という方向でやってもらいたい、これは要望しておきます。
それから、あと最後に
一つ。この前も
予算委員会で申し上げたのだけれ
ども、時間がないものだから、あのときに
建設大臣の答弁の中で河川というものを多目的に使うという問題について、全国の河川
調査もやって、できるだけ積極的に検討してみょうというような御答弁をいただいたわけでございますけれ
ども、私は特に
都市でもってモータリゼーションでとにかく車がたくさん動いて、そして交差点でブーブーとガスを吹かして、とにかく道路道路言うけれ
ども、やっぱり公害の問題というものを考えると、
東京あるいは京浜工業地帯なんかではどうしても環状型の道路をつくらないといろんな
意味で交通渋滞があってうまくいかないんですよ。
特に、窒素酸化物ですね、道路の関係では。これはどうしたって、環境庁でも六十年までに
基準を達成すると言ったってこれもなかなかできそうもないという状況だから、そういう側面も考えてみて、自動車が交差点ごとにとまるのはしようがないのだけれ
ども、とまって、何回も回転するまでずっととまって、それでスタートするときにはブーブーとガスを次かさなきゃいかぬ。何遍も次かさなきゃいかぬ。あれで空気が汚れるという事態は、やっぱり
建設の
行政の方でも当然高く認識していなきゃいけない。そういうことだと、どうしても通過交通を減らしていく、そしてスピーディーに走るということによってガスというものは少ないですから。そういう
意味で、環状道路の
建設ということにうんとひとつ力を入れてもらいたいと思うんですよ。
モータリゼーションをチェックする、減らすわけにいかないんですから、物と人間を運ぶということによって初めて経済の維持ができると思いますので、そういう
観点で、田舎は田舎なりに重要な問題あると思うけれ
ども、
都市部における交通路の問題でぜひひとつ、河川の中で多摩川とか、私の県なら相模川もそうなんだけれ
ども、片っ方の堤防なんかは使えるんですよね。
私、ゆうべも通ったのだけれ
ども、箱崎から六号線でしょう。箱崎から向島の方へ行く道路は堤防を使っているわけですよね。河川局はなかなか強いから堤防を使わせないという感覚も強いのだけれ
ども、場所によるので、堤防のところを、堤防にもいろいろあるから無限というわけにはいかぬと思いますけれ
ども、堤防というものをうまく使って、
土地買収というものは非常に困難でもあるし、六号線箱崎から向島の方へ行く道路が、決してあそこに
高速道路ができたから非常にぐあいが悪いというそういう声もないし、それも全然ないわけですわな。
そういう
意味において、
都市の道路、特に過密の道路の中で多摩川とか、ああいう道路は一方の堤防の外側を使えば、そしてそれを使うことによって、もっと
技術をうまく使って流線型というか、やっぱり新道路、
都市だから一種の景観として見た目にもいいという、ただ道路をつくりゃいいということじゃなくて、多少金がかってもいい道路をつくって、そこをスムーズに車が走る、そして環状型道路を、そういう方式で河川を使うということはぜひ必要だと思うんですけれ
どもね。
工事費の問題もありますから、今、
都市は
土地がどんどん上がっちゃって、これを買収して道路をつくるといったって実際問題としてなかなかできないだろうと思うんですよ。
都市の方は場合によったら地下道を
開発していくということも
一つの方法ですけれ
ども、河川の問題は全国全体の問題というような考え方じゃなくて
都市部において重点を置いて考えてもらう、そういうふうにぜひひとつ前向きにやってもらいたい、こう思うんですよ。
荒川なんか河川敷の上に道路を最近つくっているようなところもあるから、私は堤防の外側のところだったら一向に支障がなかろう、もし堤防の基盤が弱くなりゃ基盤を強化するだけの
技術は今や
日本にないはずはない、土木
技術にないはずはない、こう思いますので、河川と道路の関係については、新しいひとつ調整というものを首脳部の方で考えてもらいたいということをいま一遍念を押してお願いをしたいと思いますが、ひとつよろしく。