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参考人(藤田史郎君) ただいま幾つかの
内容を含んでおります御質問を承りましたので、全部お答えできるかどうか、できるだけその線に沿ってお答えしたいと思います。
キャプテンサービスを開始いたしましたのは昨年の十一月三十日からでございまして、首都圏、それから京阪神地区を最初にやりまして、その後逐次サービスを開始して今日に至っておりまして、十二月の二十二日、もうすぐ参りますが、そこで福岡とそれから清水市にサービス開始いたしますが、これまで含めまして現在十八都道府県にまで普及しております。今後、私
どもといたしまして、地方的な御要請のあるところをさらに拡大することを考えておりまして、六十年度末、それから六十一年度第一・四半期、すなわち六月ぐらいまでには大体県庁所在地級の市町村には普及していきたい、こういうふうに考えております。
さてそこで、目的に比べてどうだったのかという最初の御質問がございますが、
先生御指摘のとおり、最初考えていたほど普及のテンポは速うございませんで、現在まで契約数が八千九百契約ということになっております。私
ども、最初はまず半年、ことしの三月ぐらいまでに大体一万ぐらいの加入数、それから来年の三月までに二万ぐらいというような形での進歩、進展を考えておりましたが、それに比べまして、今申し上げたように、半年以上若干計画よりおくれているような
状況でございます。
なぜそういうふうにおくれているのかということでございますが、三つほど挙げられるんじゃないかと思います。
一つは、
先生御指摘の、実際に利用される方がお買いになる端末のアダプターというのがございまして、これが御家庭の
テレビと電話機とをつなぐ装置でございますが、このアダプターの値段が現在市販で大体二十一、二万しておりまして、非常に高い、なかなか一般の家庭には手が届かないということが一つございます。
それからもう一つは、
情報を提供しているわけでありますが、それを検索して
画面に出すわけでございますが、その仕方が非常に複雑だということで面倒くさいということ、なかなか出てこないということ、それが二番目であります。
それから三番目は、これは一番大切なことでありますが、これは将来にかかわることでありますが、なかなか魅力が出ていないという、この三つが挙げられるわけでございます。
私七月から
事業部付になりまして、その掌の責についておりますわけでございますが、これらが全部こんがらがっておりますので、私たちNTTとしてできることとして、まず、それじゃ私たちが集中購買益を出しまして購入することによって端末価格が安くできないかということで、私
どもの技術開発グループといろいろ
検討いたしまして、その可能性があります結果が出ましたので、つい最近数社と入札、これは国際調達になりますので公開入札いたしまして、そのうちの一社と契約いたしまして、大体販売価格が七万九千八百円、
テレビのアダプターでございますけれ
ども一般普及型でございます、そのくらいでできるという見通しが出ましたので、これをしばらく私
どもの方で購入いたしまして私たちのルートで販売をしてみたいというふうに思っております。
それから、あと検索する
情報検索の仕方が難しいということと、それから
内容がどうもヒットするものがない、魅力がないということ、この二つに関しましては、つい最近私
どもNTTと、それから実際にサービスしておりますキャプテンセンター会社というのがございます、それと、
先ほど先生おっしゃった三鷹でモデルをやっておりますモデル室長というのが、組織がございまして、ここも加えまして、それとあとシンクタンクとして
情報通信研究所というのがございまして、その
情報通信研究所にキャプテンの抜本的な
検討を実は依頼しておりまして、その
内容を加味しましてプロジェクトチームをつくりまして、そして問題点を即刻できるものから行動に移していこうというアクションプランをつくりまして、今日二回ほどまだ会合をやったばかりでございます。大体二週間に一遍ぐらいずつ会合をやりまして、その中で
情報内容の検索のしやすいようにすること、それからいかにしてヒットするようなものが出せるかという
検討をしておる段階でございます。
さて、そういうことで将来このキャプテンはどういうふうに私
ども位置づけるかという御質問でございましたが、最初このキャプテンシステムというのが出たときに、いろんな報道関係あるいは知識階級関係の
方々からかなりこれのメディアというものが将来二十一世紀にかけて非常に二十一世紀の
文化に、あるいは企業活動に役立つものだということが言われております。その考え方は私
どもとしていまだに変えていないつもりでありますが、かつて
テレビが出始めたときのようなああいう爆発的な共同目的といいますか、一つの同じ問題意識というか、興味、関心意識といいますか、そういう中で普及していくとはとても考えにくい面がございまして、やはり新しいメディアというのは、今度私もみずから手がけてみまして、やはり試行錯誤といいますかカット・アンド・ト
ライの中で道を切り開いていくことが大切ですし、道を誤らないように多くの利用者の
意見を聞きながらやっていくことが、地道にこれを拡大していくことが大切だと思っております。ある時点まで行けば後は弾みがつきまして、その道に倣って普及が急速に促進していくものと考えておりまして、そういう形で今取り組んでいるところでございます。