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梶原敬義君 私は日航のこれまでの歴史というのは、やっぱり
昭和四十年前後を境にいたしまして、分裂支配といいますか、やはり今労働組合が資料三にもありますように四つありまして、機長会というのが別にありまして、入れると五つぐらいになる。ぱらぱらになっているわけですが、徳川幕府が世の中を治めるときにやはり分裂して支配をしたように、そういう形でこれまでやってきたというのは否定できない。そこから不信感が生じて、そしてもうお互いに不信感が高まり合ってきた。あるいは組織の取り合い、こんなことが続いてきたら、本当に私は安全の問題というのはうまくいくはずはない、これはまた起こる、このままにしておれば、そう思うんですよ。
だから、以下ちょっと具体的な問題についてお尋ねをいたします。
一つは三六協定の締結をめぐりまして、非常にもめておることは御承知だろうと思います。特に副操縦士あるいは航空
機関士でつくっております乗員組合、それからスチュワーデスやパーサーや
皆さんでつくっております客乗組合、こういう方方が非常に不満を持っていると思うんですね。やはり過半数を持っている組合が三六協定を結べば、もう右へ倣えと、こういうことが法律ではこれでいいじゃないかと、こういうことかもしれないけれ
ども、非常に不満を持っている。それは空を飛ぶ人間でないと疲労度もあるいは危険の問題もなかなかわからない。だからここの問題は非常に問題があるということはどういったって事実でありまして、もういろいろ詳しいことは申し上げませんが、この問題について第一点、もう少し私はパイロットやあるいは空を飛ぶ
皆さんについては、この三六協定の問題については、さあ、ここで結んだら後は後だというような形じゃなくて、もっと
理解ができるように、私は何も労働組合同士が対立するんじゃなくて、仲よくなるために言っているわけですから、その
指導をひとつ三六協定の問題については早急に
労働省が一歩踏み込んでいただきたいと思います。
それから安全衛生
委員会につきまして、これは私も長いこと民間で労働組合をやっておりまして、
労働省の
指摘を、勧告を受けなければ成田で安全衛生
委員会ができないとか、既に今日でも形はあるんだけれ
ども、空を飛ぶ客乗とか乗員組合とかここがまだ
委員出してない。非常に異常な
事態なんですね。これは出さぬから悪いだけでは済まされない。なぜ出てもらうように努力をしないのか。これはやっぱりイニシアチブを持っている会社が努力すべき問題だと。お互いに不信感がなくなれば問題点を出し合って、そしてゴルバチョフとレーガンが今話をするような時期だから、ここはやっぱり安全衛生
委員会の問題については一体問題がどこにあるのか。非常に安全衛生
委員会なんかを軽視してきている日航、これは異常だと思うんですね、異常な会社のあり方ですよ。これはもうだれがどう言ったって、私は異常じゃないかと言える資料全部持っておりますから、時間があれば出すんですが、もうそう決めつけていいと思います。
それからもう
一つは機長会。機長は全日空も東亜もみな管理職じゃないわけですよ。国際的に見て機長というのは、一部管理職があるかもしれぬ。しかし全体はやはり組合員であるべきなんですよ、これは世界的な常識として。これはやっぱり労働組合と認めるのが当たり前で、
労働省はこの辺は勘違いをされているのかどうかわからぬけれ
ども、その辺の、労働三法から見ても私はおかしいことがいっぱいあると思うんですが、この点について
見解を伺い、また
指導していただきたいと思います。
それからもう一点は、会社が、先般の八月の航空
事故の後も会社と組合のやりとり、あるいは会社のこういう「おおぞら」やなんか書いてあるのを見ますと、安全問題は労使協議会の
事項でないと、こう言っているんですよ、一貫して言っているんです。これは炭鉱
労働者なんかは安全がなかったらストライキやる。我々一般の民間でもそうだ。自分が危険なところで働くわけがない。これは労働交渉
事項。労働交渉
事項ということはストライキかけたって安全は守らなきゃいけない、こういうことなんだ。これは社長以下何ぼあれしても、交渉の中でも調べてみますと、交渉
事項ではない、一緒に安全はやる問題だと、こういう言い方をずっとしてきている。これは間違っているんですよ。これはまたやりますよ、
事故を。この点について、あと幾つかありますので、今の点だけとりあえず答えていただきたいと思います。