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片山甚市君 デポジット方式をとりますと確かに手数がかかる、大変お金がかかるということはありますけれ
ども、雇用の拡大にもなるし再資源化にもなるんです。
環境庁長官、日本の国は資源がないんですよ。資源を捨てるほど余裕がある国ではないんです。たまたま日本の国が輸出ができて資源を買うことができておるから、厚かましく石油でもアルミでも何でも使い捨てにしていますが、罰当たりです。こんなことをしておったら間もなく目がつぶれますよ。お互いに、金のことじゃなくて、おてんとうさまにいただいた資源をいついつまでも使うようにする。外国を見てください。おじいさん、おばあさんの着ておった洋服だのコートだの、また家具でもたんすだの、全部使っておるじゃないですか。日本みたいに使い捨てしませんよ。その根性が人間の命を捨てる根性になるんです。かつての満州国に子供を捨ててきて、遺棄してきた子供を残留したと言う。だれがあなた残りたいと思いますか。自分らが命からがら帰るために子供をほうって帰って、売ったり買ったりして、それで今ごろになってお涙ちょうだい、何というざまですか。これが人間の本性ですか。大
東亜戦争を経験した日本人の心でしょうか。私は、再資源化だけでありません、物を大事にする、人を大事にする、人の心を大事にするということがなければ、金、金、物、物、そういうような欲望だけの世の中に愛想が尽きるほどです。
ですから、デポジットをやれば金がかかるし手数がかかる。しかしそのときに失業者が減るんです、金が入るんですから。キャバレーなくすのと同じです。何ぼ風営法をつくっても、金と手数をかけなきゃだめなんです。ですから、私はそれと一緒にしておるのではありませんけれ
ども、こういうようなことになると売るのについて手数がかかるじゃないかと言っておるけれ
ども、それは金もうけをする側の
立場であって、日本
国民全体の資源や
環境保全から言えば、まず空き缶のないようにすることです。
かつて、今から十年ぐらい前ニューヨークの町はごみだらけの町だったことは御
承知のとおり。今行くと空き缶がないようになっておることも御
承知のとおり。行かれた人はそれを見て、息をのんで、はあ変わったなあと思われるはずです。私は去年の五月に行きましたが、その前に行ったときと比べて雲泥の差があった。ベトナム戦争で荒れたアメリカ
国民の
気持ちがおさまったのかどうかわかりませんけれ
ども、戦争の傷跡がおさまったのかどうかわかりませんけれ
ども、そう思います。
そこで、返却可能飲料容器法というものが一九八三年に制定され、これによって投げ捨てられた空き缶が八〇%も減少したということであります。これには企業側も積極的に
役割を果たしているということであります。これはアメリカのことですよ。アメリカではニューヨーク州での法制化が既に九番目で、現在も増加の傾向にあり、連邦としての法制化実現の
可能性も出てきていると言われております。
環境庁はこれら国際的な動向を前向きに受けとめ、対策をしてもいいのじゃないか。一遍
調査に行ってみて、アメリカの実態と日本の実態を見て、よくアメリカのまねするけれ
ども、こんなことこそまねしたらどうですか、戦争ごっこばかりまねせぬと。ミサイルじゃ何じゃとつまらぬもの買うことばかりまねせぬと。
日本列島、富士山の山の上へ行ったら空き缶だらけですよ。富士山は下から望遠鏡で見ればきれいだけれ
ども、行ったらきれいでないんですよ。空き缶ばかりじゃないですか。ごみの山じゃないですか。富士山に上がった人おりますか。上がった人はわかるでしょう。あれもそうなんです。捨てればいいと思っているんです。我々のいわゆる
環境というか共同社会というか、そういうものの意識がないんです。ですから、そういう
意味で対策をすべきでないかと思います。
私は、空き缶処理の問題についても乾電池問題と同じく特に企業責任について今後徹底的に追及していきたいのですが、私の
意見について御
意見ございましたら述べてください。