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飯田忠雄君 本日は
人間環境という問題につきまして取り上げてお尋ねをいたしたいと思います。
人間環境につきましては、
人間環境宣言というのが出ておりますが、この問題に入ります前に、私はどのように
人間環境を
理解しておるかということにつきまして
見解を述べたいと思います。
例えば、週刊新潮のこれは十月の十七日号がございますが、これの中にいろいろの記事がございまして、精神異常者が突然に子供を殺したり、あるいは通りがかりの人を刺して殺すといういろいろ事件が今までに十四件も起こっておる、ことしになってからですね。ことしだけで十四件も起こっておる、こういうように書いておりまして、その中で、このような事態というものは明らかに精神医学者の怠慢から起こっているというか、あるいは過失から起こっておるというか、そういうものなんだ。そして、それから出てきた根本は、マスコミのいわゆる人権に関するキャンペーンにあるというようなことが述べられておるわけであります。これは学者とかあるいは病院長の
意見として引用して述べられております。こういう問題は、明らかに
人間環境の問題ではないか。普通安穏な
生活ができる環境があるわけですが、そこへ降ってわいたように精神病者によって不安な環境が生ずる。これは保安処分の問題とは別です。保安処分じゃなくて、不安な環境、これは
人間環境なんです。そういう
人間環境に対してどう対処するかという問題があるのではないか。
また、例えば非核三原則というような問題がございますが、非核三原則にしても、これは決して軍事問題ではなくて
人間環境の問題です。
人間の命を奪う、そういう
状態に対する恐怖心、そういう環境があるわけですね、この問題については。この核の問題につきましては、この
人間環境宣言の中でもはっきりと取り上げておりまして、「人とその環境は、核兵器その他すべての大量破壊の手段の影響から免れなければならない。」云々とこう書きまして、「このような兵器の
除去と完全な破棄について、すみやかに合意に達するよう努めなければならない。」そういうことが
人間環境の問題だということを宣言で述べております。
これは後でまた御質問を申し上げたいと思いますが、例えば放射性廃棄物の研究貯蔵施設を北海道でつくる。これについていろいろな問題が起こっておるということになると、これもまた環境の問題として処理しなきゃならぬことではないかと思われるわけであります。また、最近学校でいじめの問題が起こっております。このいじめの問題はやはり精神環境、
人間環境の問題であると思われるわけであります。それで、この問題についても後ほど御質問申し上げますが、こういう
人間環境の問題が現実に
存在するということです。それから、これは皆さんとっぴだと思われるかもしれませんが、先般の日航機の墜落事故、これも単なる交通事故と解釈すべきものじゃないので、その根底にあるところのやはり
人間環境、労使間におけるいざこざの問題、あるいはいろいろ管制に当たったりあるいは
整備に当たる人たちの疲労度の問題、そういう環境の問題が生み出した事故である、こう見るのが正しいのではないか。そういういろんな観点から見ていきますというと、
人間環境という問題は今日非常に重点的に取り上げるべき問題ではなかろうかと思われるわけであります。
そこで、まず外務省のお方にお尋ねを申し上げますが、一九七二年の六月の国連
人間環境
会議というのがございました。これはストックホルムで開催されたのでございますが、そこで行われました
人間環境宣言というのがございます。この
人間環境宣言と我が国とのかかわり合いはどうなっているんでしょうか。つまり、
日本はこれを守る義務があるのかないのか。あるいは、こういうものは単なる宣言にすぎぬから無視していいかどうか。こういう問題であります。お尋ねいたします。