○黒柳明君 かねてからこれは議論になっていたところで、基本的には野党は反対、与党内部――自民党の中でも賛否両論ということが今までの経緯ですけれども、やはりこういう国際自然災害なんかに現実に直面してみますと、果たして、ただ単に自衛隊法があるから、それで賛成だ反対だと言っていていいのかなという嫌いもないではないというふうな感じもしますが、これは後の問題になるかと思います。
それで、
日ソの問題ですけれども、先日
来日しました
世界経済国際
関係研究所の所長プリマコフさん、これは
ソ連の対外政策のブレーンが集まっているところだと、こう言われております。私もかつて会ったことがございますけれども、あの人が、マスコミとの対話の中で北方領土問題について、正確にどう発言したかちょっとあれですけれども、要するに
日本政府が今までと同じような態度で出るならば、これは
ソ連も、もうわかり切ったことであろうなんて漠然とした抽象的な発言。ただし、ひっくり返してみると、
日本政府が変わったといっても、何も卑屈になって変わったという意味じゃありませんけれども、
日本政府の態度が変われば
ソ連も変わるんじゃないか、こういうような、ただ単に変わるといったって、
日本政府変わりようがないよと、こういう意見も、嫌いもあるかと思いますけれども、その基本的なものは、要するにゴルバチョフ政権というのは必ずしも従来のかたくなな
姿勢じゃないんだぞと、こういうことを暗示したような発言もしておりますけれども、先ほども論じられましたけれども、これはもう避けて通れない。しかし、避けて通らないけれども、それだけを飛び越えなきゃゴールがないんだということでもないわけでありまして、いろんなコースのゴールがあるわけでありますから、いわゆるそういうものが解決できるような友好的な雰囲気、
条件、こういうものもこちらが主体的につくる、こういうことも必要なんじゃなかろうかというような感じがするんです。総理大臣が、戦後四十
年間の清算と言って行革やいろんな公社公団の解体、民営化なんかやっておりますけれども、この
日ソ問題の解決なくして戦後の解決はないわけであります。何か私、失礼ですけれども、もう中曽根政権の中で、国内的な問題についてはプロジェクトを組んだり、相当前向きに、一応らしくやっているんですけれども、この
外交問題、なかんづく中国が終わって
ソ連の問題については、何か来たときに任せて対処するというような感じですよ。もうちょっと前向きに、一生懸命に取り組んでいる
姿勢をもっと具体的な行動にあらわす。ということは、中曽根さんはすぐ自分のブレーンを集めて何か審
議会をつくる。もう
安倍外務大臣も、戦後四十年の総決算は
日ソ問題の解決なんだと、中曽根政権と次期政権と張り合うぐらいな気持ちでブレーンを集めて、それで
ソ連問題を徹底的に研究して対応するとか、難しい問題にせよ、何かそういう具体的な行動、積極
姿勢に、漠然とした私の意見で恐縮ですけれども、欠けているんじゃなかろうかなと、そんな嫌いがするんです。
一月十五日からの会談を、先ほど午前中には定期会談に持っていくんだ、それがまず当面の問題だと、これは私もそうだと思うんです。だけれども、その根本を貫く
姿勢は今がやはり一つの潮どきであり、チャンスだと思うんですよ。向こうの政権がかわって国際的に変化があるんだろう、あり得る、こういう判断が強いわけですね、柔軟な
姿勢がとれる、アフガン問題もと。その中で
日ソ問題も別な範疇じゃないと思うんです。こういうときこそ、従来からハト派
外交をやっている
外務大臣が
日ソ関係を打開して、その次の政権はおれなんだと、このくらいのファイトをひとつここで示すために一月十五日の
外相会談を迎えてほしいなと、フレー、フレーと外野から応援する者にとってはそんなような感じもするんです。抽象的な発言ですけれども、どうですか、
外務大臣。