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1985-11-22 第103回国会 参議院 エネルギー対策特別委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和六十年十一月二十二日(金曜日)    午前十時三十分開会     —————————————    委員の異動  十一月七日     辞任         補欠選任      小笠原貞子君     橋本  敦君  十一月八日     辞任         補欠選任      橋本  敦君     小笠原貞子君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         沢田 一精君     理 事                 沖  外夫君                 宮島  滉君                 対馬 孝且君                 太田 淳夫君     委 員                 井上  孝君                 岡野  裕君                 工藤万砂美君                 熊谷太三郎君                 添田増太郎君                 福岡日出麿君                 吉川 芳男君                 中野 鉄造君                 小笠原貞子君    国務大臣        通商産業大臣   村田敬次郎君        国 務 大 臣        (科学技術庁長        官)       竹内 黎一君    政府委員        科学技術庁原子        力局長      中村 守孝君        科学技術庁原子        力安全局長    辻  栄一君        通商産業政務次        官        田沢 智治君        資源エネルギー        庁長官      野々内 隆君        資源エネルギー        庁長官官房審議        官        逢坂 国一君        資源エネルギー        庁石油部長    畠山  襄君        資源エネルギー        庁石炭部長    高橋 達直君        資源エネルギー        庁公益事業部長  山本 幸助君    事務局側        常任委員会専門        員        野村 静二君    説明員        北海道開発庁経        済課長      三浦 琢右君        大蔵省主税局総        務課長      濱本 英輔君        会計検査院事務        総局第二局上席        調査官      吉田 日麿君    参考人        動力炉核燃料        開発事業団理事        長        吉田  登君        動力炉核燃料        開発事業団理事  植松 邦彦君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○参考人出席要求に関する件 ○エネルギー対策樹立に関する調査  (動力炉・核燃料開発事業団見学者接遇に  関する件)  (動力炉・核燃料開発事業団貯蔵工学センター  の立地についての北海道幌延町における調査に  関する件)  (核燃料廃棄物の現状と処理対策に関する件)  (石油製品需給対策に関する件)  (エネルギー対策財源確保に関する件)  (円高対策に関する件)     —————————————
  2. 沢田一精

    委員長沢田一精君) ただいまからエネルギー対策特別委員会を開会いたします。  参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  エネルギー対策樹立に関する調査のため、本日の委員会に、動力炉・核燃料開発事業団理事長吉田登君及び同事業団理事植松邦彦君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 沢田一精

    委員長沢田一精君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————
  4. 沢田一精

    委員長沢田一精君) エネルギー対策樹立に関する調査を議題といたします。  これより質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  5. 対馬孝且

    対馬孝且君 幌延レベル廃棄物の問題に関しまして、非常に事態は緊迫をいたしております問題だけに、きょうはひとつ緊急課題として取り上げてまいりたいと思います。  まず、本題に入ります前に、私は去る四月三日の科学技術特別委員会におきまして、動力炉・核燃料開発事業団天塩町の町会議員十二名に対して接待をした事実の有無について、まことにああいう行為は断じてこれは許すことはできないという住民の怒りがありますので、まず会計検査院に事実行為につきまして簡潔にお願いをしたいと思います。
  6. 吉田日麿

    説明員吉田日麿君) お答えいたします。  先生お尋ねの件でございますが、早速に検査をいたしまして、昼食の接待等の事実については、先生の御指摘のとおりでございました。
  7. 対馬孝且

    対馬孝且君 今、事実についてはそのとおりであるという御答弁がございました。これは六十年の七月八日−七月十二日の五日間、九名五日間、一名四日間ということで計四十九名の延べ人員でございますけれども、トータルとしては町会議員が十一名、事務局長一名、十二名現地へ参りました際に相当のもてなしを受けたということは事実でございまして、弁当からビールからサービスをしていただいて、科学万博券までいただいて、帰りには水戸のお土産までいただいたと。これは大変な結構なことでございますけれども、事が事だけに、幌延の隣の天塩町という、今重大な隣の町の天塩町が、むしろ慎重論を唱えているわけでございまして、こういうことについてまことに遺憾だと私思っておりますが、調査の結果について、簡単にそれじゃお伺いいたします。
  8. 吉田日麿

    説明員吉田日麿君) 検査の結果についてお尋ねでございますので、検査の最後に、本件につきましては、世間誤解を招かないように適正な経費支出をするようにという注意を与えました。
  9. 対馬孝且

    対馬孝且君 今、会計検査院から世間誤解を招かないように経費支出をしてほしい旨の注意をいたしました、間違いありませんね。  大臣、この間それが事実であればまことに過剰なサービスだという大臣所見がございました。今、会計検査院から次の考え方が出されましたけれども大臣この点についてひとつ大臣考え方所見をお伺いしたいと、こう思います。
  10. 竹内黎一

    国務大臣竹内黎一君) ただいま会計検査院の方から世間誤解を招かないよう適正な支出をするようにという注意喚起をしたということでございまして、大変私も遺憾に存じます。これからはそのようなことを再び繰り返すことのないように動燃事業団を指導してまいりたいと思います。
  11. 対馬孝且

    対馬孝且君 大臣の率直な御答弁がございました。ひとつかかることのないよう、特に科学技術委員会で申し上げましたが、どうも動燃のやり方というのが、今一つ事実が挙がりましたけれども、どうも大衆、住民誤解を招くような行為がしばしば行われておりますので、これは間違ってもらっては困るので、特殊法人でありますから、特殊法人というのは公務員に準ずることでありまして、その点だけはしかと受けとめて今後かかることのないようにひとつ長官の指導をよろしく申し上げたいと思います。  それでは、次の本題に入りたいと思います。  長官から実は去る四月三日、科学技術委員会におきまして、私は幌延問題に臨む基本的方針考え方をお伺いいたしました。長官はそのときにまことに明快な、住民理解のいく極めてすっきりしたお答えを願っております。一口に申し上げますと、私の質問は道並びに地元町村近隣市町村理解協力を得て行うことが基本考えておりますと、したがって、慎重に行うとともに見切り発車はしない、そのことはそのとおりでございますと、こういう御答弁をいただきました。これは大臣としての基本的考え方国民に申し上げたわけでございまして、今日の段階でもこの方針は貫くというふうにお考えになっていると思うんでありますけれども、この基本的な態度を守って、住民議会協力をいただくということはこれは当然のことでございますから、そういう考え方についてひとつ守ってもらえるのか、あるいはこれからも守っていけるのか、その考え方をひとつお伺いをしておきたいと思います。
  12. 竹内黎一

    国務大臣竹内黎一君) ただいま六十年四月三日の科学技術委員会における対馬先生質問に対して私が答弁いたしましたことを御引用になりましたけれども、そのどおりでございまして、その方針をこれからも守るか守らないかというお尋ねでございますけれども、私は繰り返しになりますが、あえて貯蔵工学センター立地に限らず他の原子力施設の場合も同様と思いますけれども、私は何よりも地元理解協力を得て進むことを基本考えるというこの立場に変わりはございません。
  13. 対馬孝且

    対馬孝且君 今、変わりないというお答えですから、まさにそのとおりにお受けをいたします。  それでは、見切り発車もしないということもそのとおりでございますね。
  14. 竹内黎一

    国務大臣竹内黎一君) その点についても同じく委員会において先生お尋ねお答えをしているわけでございまして、私といたしましてはできるだけ手順を尽くして、手順を惜しむようなことがあってはいけないと、こういう意味先生にもそのとおりでございますとお答えをしておるわけでございます。
  15. 対馬孝且

    対馬孝且君 これは私は大臣の国政における公的発言というのはまさに公言であると、しかも大事なことは、きょう大臣はこれからも守ってまいりたいと、見切り発車についても考えは変わっていないという、今そういうふうに理解を私はしているのでありますが、これは中曽根総理国会で最大の政治課題であったGNP一%を守る、こういう総理大臣公言重みは同じだと思うんですよ。これは竹内長官は将来どうあろうかは別にして、やっぱり総理大臣GNP一%を守りますと、こういった公言というのは非常に重みがあるわけでありまして、そのことと今回の見切り発車はしないと、住民議会協力を得てやっていきますという考え方には変わりはないと、これを守っていきますという考え方ですから、そのことはそういう重みを持ってひとつぜひこれを貫いてもらいたいというふうに確認してよろしゅうございますか。
  16. 竹内黎一

    国務大臣竹内黎一君) 先生ただいまのお尋ね趣旨は、国会における答弁重み、いわばそれを軽々しく変更すべきものではないという御趣旨に承りましたが、私もそのとおりに考えております。
  17. 対馬孝且

    対馬孝且君 そこで、今大臣からそういう確認をいただきましたが、この前大臣にも住民代表が何回もお会いをしておりますね。まず一つは、そういう考え方に立つとするならば、道民理解というのが今得られているのかどうかということ、ここが一番大事なところです。それはどういうことかと申しますと、この前大臣にも、住民代表酪農農民あるいは近隣住民労働者も上がってきまして、百二十万の署名を提出をいたしました。特に、このときに近隣町村は、今なお中川町、中頓別町は反対議決をいたしております。それから猿払町、天塩町、浜頓別町、枝幸町、豊富町、稚内は委員会反対決議をしたところと、また慎重論というのがございます。これは大勢として反対意思表示をしてございます。これはこの前も申し上げました。したがって、道民合意ということ、今第一に大事なことは住民理解協力を得て見切り発車はしない、五百七十万道民合意を得られているかどうかということ、ここが大臣、一番大事なところだと思うんですよ。それはどういうことかといいますと、知事はアメリカ、フランスを回って科学的調査をしてきた。しかもその上に立って、帰ってきてそして近隣市町村を訪ねて町村長、全部議会代表にお会いして、その結果幌延の高レベル廃棄物誘致については、調査についてもこれはお断りをいたしますと、こういう知事の明快な態度を鮮明に打ち出しておるわけです。一方議会の方は、これは促進決議をされました。地元幌延町は成松町長が町議会同意をいたしております。近隣市町村は先ほど言ったように大勢反対慎重論。こういうことを考えますと、道民合意形成はされていないんですよ。これは私が野党だから、与党だからというんじゃなくて、客観的に見て現在北海道の五百七十万道民合意を得たとは言えないと思うんですよ。この点の認識はどうですか。これをひとつお伺いをしておきます。
  18. 竹内黎一

    国務大臣竹内黎一君) 地元関係の皆さんの理解協力を得るという点について、あるいはこれは私どもの力不足、努力不足であったかと反省もいたしますが、北海道知事了解ないし周辺町村の積極的な賛成を得るところまで至っていないというのは事実だと思います。
  19. 対馬孝且

    対馬孝且君 今、全く私が申し上げましたように、知事調査を拒否しておりますし、地元同意議会議決近隣市町村大勢反対、慎重と、こういう客観的な事実の認識は全くそのとおりでございますということです。それであれば、どうして調査を行おうとするのか。私は十九日に田邊書記長、また長官にもお会いしましたけれども動燃吉田理事長は一応調査をぜひやらしてもらいたい、それは住民理解を得られる範囲内で混乱を避けてやりたい、こういう答えでございました。我々はこれは今私が申しましたように、道民合意は形成されていない、したがって今の段階でいかなる調査といえども調査をすべきではない、こういう考え方を申し上げました。これは当然のことでございまして、それに対して、事前であっても、そういう調査を行うということ自体、今の大臣考え方からいきますならばこれはやってはならないことである。どうしてこれをやるのか。調査をやるということが現地に流れたために、今酪農農民労働者、毎日これ厳戒態勢ですよ。もしこれを一朝強行するというような事態になれば、これは不測事態を招くことは明らかであり、混乱は起き、場合によっては流血の惨事を招きかねないという極めて最悪の事態になることは明らかだと言わなければなりません。そういう状態を考えますと、なぜ今そういうことをやらなきゃならないのか、これは全く私はわかりませんね。そういうことについてひとつ大臣として、そういう調査といえどもやってはならないことであるという——住民理解をまだ得られてないんだから、これからもさらに住民理解を得るために行うというのならわかるけれども現実地下水だ、あるいは活断層だ、あるいは岩盤の調査だと、こうなってきたんでは大臣方針動燃がこれからやろうとすることについては基本的に全く違うんじゃないか。この点は断じて私は許すことはできない。このことについてひとつ大臣として、動燃はこういう行為はやっぱりやめるべきである、こういう調査はやめるべきであるという態度を明らかに堅持すべきだと、こう思うんですが、この点はどうですか。
  20. 竹内黎一

    国務大臣竹内黎一君) 少しくお時間をいただきまして私ども考え方をこの機会に申し上げたいと思います。  貯蔵工学センター立地につきましては、他の原子力施設の場合と同様に、地元理解協力を得て進めることが基本ということはたびたび申し上げたとおりでございます。この考え方に立ちまして、これまで調査実施につきましても地元理解を得るよう努力をいたしてまいったところでございますけれども、現在のところ調査実施につきましては北海道知事了解あるいは周辺町村の積極的な賛成を得るところまで至っていないのは事実でございますが、他方、道議会では調査促進決議しており、また幌延町は町を挙げて調査早期着手を望んでいるなど、地元調査促進を求める動きのあるのもまた事実でございます。また、これまでいろいろな地元関係者から地盤、活断層地下水等に関連した種々の疑問、不安が提起されており、地元理解を深めるためにもむしろ調査実施して、得られる具体的で正確なデータに基づいてそのような疑問、不安にこたえることが必要ではなかろうかと、こう判断をいたします。  そのような状況を総合的に勘案しまして、今般地元理解を一層深めてもらうためにも何をなすべきか私として熟慮した結果、調査に直接関係する地元関係者理解の得られた範囲において地元の不安、疑問にこたえるための調査から実施をさせてはいかがかと、こう決断をいたした次第でございます。  もちろん御指摘のような不測事態のないように、極力そこは配慮して穏やかな調査ができるよう心から私は希望いたしております。
  21. 対馬孝且

    対馬孝且君 少し先ほど基本的な態度お答え願ったことと、今の答弁とは違うんじゃないですか。それはなぜかといいますと、大臣、それではさっきの、政治的に国民に公約をしたということについて、GNP一%という公言と同じであると私申し上げた。全く考え方は同じでありますと、こういった答弁とは——住民理解と得られる協力範囲内で混乱を避けてやりたい、地下水だなんてこう今言ったけれども、それ自体がやっぱり問題だと言っているんですよ。これは大臣も御存じでしょう、事前調査といえどもやらないと。これは動燃理事長答えているし、事前調査といってもこれはやらないと、明確なんですよ、この点は。現に記者会見内容まで載っているんですよ。横路知事にお会いしたときの記者会見内容がここに載っていますけれども吉田理事長も、事前調査といえどもやらないと。これはどういうことなんです。大臣だって見切り発車はしないと言っておいて、今は調査じゃないんですか、今やられたことは調査でないと言うんですか。これは単なる住民理解を得るためのPRだということなんですか。この点は納得できないんだ、私は。
  22. 竹内黎一

    国務大臣竹内黎一君) ただいまお願いをいたしている調査はまさに地元理解協力を得るために必要な調査であるという立場考えておるわけでございまして、そういう意味では私の国会で申し上げた基本姿勢と著しく逸脱しているものとは私は考えません。
  23. 対馬孝且

    対馬孝且君 矛盾はしてないと言ったって、あんた、しかし現実幌延に一歩入るわけでしょう。具体的に言うとそういうことじゃないですか。いわゆる調査とは何ぞやといったらどういうことなんですか、これ。幌延に入るんでしょう。幌延に入るといったらこれは調査じゃないですか。あれは踏査調査だとか、これまであんたに言わせれば。動燃が言っていることは、踏査調査とは何だといったら測量みたいなものであると、こう言う。あるいは航空調査もあるんだ、あるいはボーリングも考えていますと。これが調査でなくて何が調査なんですか。これは調査と言わないんですか。この点ははっきりしてください。これは住民理解を得るための調査ですなんて、あんた、そんな理屈はどこに通るんですか。  現地住民は、そのこと自体がもはやこれは立地目的とした調査であるということを、はっきり危機感をもう持っていますよ。危機感を持っているから、あんた、酪農農民は、くい打たれても、体を張っても阻止すると、こう言っているのはそれで言っているんだから、そんな詭弁言ったってだめですよ、それは。はっきりしてもらわなきゃならぬ。
  24. 竹内黎一

    国務大臣竹内黎一君) 私どもが今お願いしたいと考えておる調査、それはいわばかなり限定的に考えておるわけでございます。  まず第一には、地元町村理解の得られる範囲、第二には先ほど来お話しの出ております地下水であるとか活断層であるとか、かねて地元方々からいわばその点についての心配がある、不安があるという、こういう御指摘をいただいている事項について調査をいたし、その調査データを公表して、さらに立地の適否についても御議論をいただきたいという、こういう極めて限定した範囲内での調査であるということで御理解を賜りたいと思います。
  25. 対馬孝且

    対馬孝且君 長官、そういう詭弁を言ったってだめなんです。  具体的に挙げますよ、九月二日、道議会エネルギー問題特別委員会議事録があるんです。これ、後でそちらへやりますよ。中川委員質問動燃植松筆頭理事がこれに対して答えている。どう答えているかというと、こういうことですよ。北海道環境影響評価条例関係例規集の四十一ページから始まって、つまりいわゆる開発のための環境アセス調査を行うべきであるという、質問です。開発のための環境アセスを行って、その調査動燃が主体でやるべきものであると。開発ですよ、開発立地ということですよ、ここで言っていることは。ここではっきりこう触れられていますけれども。それに対して植松理事はこういうことを言っているじゃないですか。「中川(義)先生から御指摘いただきましたように、私が多少言葉をたくさん使いましたので、また、もやもやとしたかもしれませんが、我々が企画しておる中身というのは、中川(義)先生の御指摘のとおりでございます。」と明快に答えているんですよ、これちょっと見ておいてください。(資料を手渡す)  こういうものはこれは立地前提にした調査ですよ。環境衛生条例の中にはっきりうたっているんだよ、これ。道条例、ここに持っていますけれども目的。明快な答弁になっているじゃないですか。そういう動燃のはっきりした態度じゃないですか。  大臣は、言葉をかえて言うと住民理解に必要な範囲調査ですと、こう言ったって、はっきりと目的環境衛生条例に基づく調査であると、すべきであると。そのとおりでございますと動燃筆頭植松理事が言っている限り、大臣の言うその調査とは、まあ恐らく開発立地目的のために行っている調査じゃないですか。そういうことではやっぱり問題が残る。というよりも、それは詭弁だと。だからみんな住民は不安で、けしからぬとこう言っているんだよ。だから、あなたの言う前提をため押ししたのは、住民理解協力を得られると、しかも見切り発車をしないということは、そういう調査が単なる調査じゃないでしょう、はっきり条例からいって。開発ですよ、開発、この条例からいうと。開発のための目的とした調査は、そのとおりでございますという動燃答えはあんたの言う立地じゃないですか。ごまかしたってだめだよそんなこと、あんた、はっきりと言ってもらわなければ。
  26. 中村守孝

    政府委員中村守孝君) 先生指摘動燃事業団植松理事道議会における答弁でございますが、これは動燃事業団道知事理事長からお願いいたしました立地環境調査について、御高配を煩わすということで申し出ました立地環境調査についての内容答えたものでございます。  それで、今大臣の方からお答えいたしましたのは、この立地環境調査を全面的にこれからやっていくということではございませんで、地元理解を今後とも一層深めていく上で、やはり地元方々からいろいろ提起されている不安がございますし、そういう不安というのはやはり具体的なデータをもって早い段階から解消していく、こういうことが絶対的に理解を深めていく手だてとなるという意味でそういう調査からやらしていただきたいと、こういうことでございまして、その立地環境調査そのものをもう全面的にやっていくんだと、こういう趣旨ではございません。
  27. 対馬孝且

    対馬孝且君 局長、そんなごまかしのこと言ったってだめだよ、君。これはあんた、国の最高機関である国会答弁を、先ほど長官が約束したけれども原子力基本法の第二条に何書いてあるか。原子力基本法第二条の「原子力の研究、開発及び利用は、平和の目的に限り、安全の確保を旨として、民主的な運営の下に、自主的にこれを行うものとし、その成果を公開し、進んで国際協力に資するものとする。」この基本方針を真っ向からほごにするような発言をしておるんだよ、今中村局長の言っていることは、大臣の言っていることも。民主的な手続じゃないじゃないか、あんた。  先ほど言ったけれども道民合意が形成されていないとあんた方認めたでしょう、今大臣も、そのとおりでございますと。その前での踏査といったって、現実にあんた、歩行調査をやって実態調査をやるということでしょう、しかも北海道環境衛生条例に従って。そのとおりでございますと。北海道条例大臣の言ったことは違いますなんて、どこからそんなことが出るんだ、あんた。動燃はそのとおりだと言っているでしょう、主体になっている動燃が。動燃はそのとおり、開発立地目的とした事前調査でありますと言っているんだよ。これは議会答弁です、議会答弁。そのとおりだと言っているのに、いや我々科技庁としては、我々の行うのは住民理解を行う調査であって、それは違いますと。どこが違うんですか、それをはっきりしてください。
  28. 竹内黎一

    国務大臣竹内黎一君) 先ほど来申し上げましておりますように、今回私どもお願いしたい調査というものはあくまでも地元理解協力を得るための一つの手段と。したがって、それに見合いましたかなり限定的な調査というものを私ども考えているわけでございまして、先生指摘のように民主の原則に私は決して反したものではないと理解をいたします。
  29. 対馬孝且

    対馬孝且君 いや、現地理解というと何を調査するんですか。調査の中身を言ってくださいよ、何を調査するのか。
  30. 中村守孝

    政府委員中村守孝君) 具体的にいろいろ地元から今まで説明の過程とかあるいはいろいろこれに反対される方々がお申し出になってくるときに提起されている問題点といたしまして、そこは地盤が軟弱なのではないか、あるいは近くに活断層があって危険じゃないかとか、地下水を介しまして、あそこに酪農の工場がございますが、その地下水等を介して牛乳が汚染されてそういう製品が売れなくなるのではないか、こういうような疑問を提起されておられますので、こういったことを現実調査をしまして、サイトの地盤につきましてはボーリング等で調べて、それで地盤が軟弱ではないということも具体的なデータで御説明する必要がございますし、活断層あるいは地下水等につきましても現地調査をする、あるいはわき水を採取して、そういう水の流れがそういった状況にないというようなこと等々につきまして、具体的にデータをとってお示しするというのが、何よりも理解を進める上でいいことではないか、こういうぐあいに考えて、地元方々から提起をされている問題点を解明するということを第一に、進めてまいりたい、こういうことでございます。
  31. 対馬孝且

    対馬孝且君 調査といえども見切り発車はしないということと矛盾しませんか。地元理解を得ると局長言うけれども、何を理解を得るんですか。  これは、四月三日の科技特委員会でも、昨年八月一日にも、私は、アメリカの政策法の内容を詳しく、九つの歯どめがかかっているという質問をやったけれども、はっきりしているじゃないですか。東大出版会で、日本の活断層、日本の岩盤、地下水、こんなもの全部文献で出ているじゃないですか。なのに今さら現地へ入って、そんなことをやらなきゃならぬという問題ではない。これ現に東大の出版会の、地質学者が全部そろって、日本の権威ある方々が全部そろって、活断層の状況はこうであり、地下水の状況はこうで、岩盤の状況はこうだというのがあるでしょう。そういう文献の調査というならわかるけれども現地へ行って乗り出して地下水を調べ、今話聞くとボーリングやるということでしょう、それが調査でなくて何が調査なんだ。その調査というのは、やっぱり開発立地のために調査をするんでしょう。こんなものは子供でもわかることでしょう。それが、いや住民理解を得るためにと。住民理解を得るためにと局長言うけれども、十五日に竹内長官と安井代議士が会った、その次の日に市町村に全部電話しているじゃないか。どういう電話をしたんだ。これ北海道新聞にも出ているよ。この電話はどういう電話をしているんだ、これはっきり申し上げるけれども。安井、竹内長官との間で話し合いをいたしましたが、これをもって調査をすることにいたしましたと、とりあえず御連絡申し上げますと、これ電話連絡だ。北海道新聞が事実を挙げているんだ。住民理解を得ると言葉では言っておいて、片っ方では近隣市町村にお断りの通告をして、何がこれが民主的で、何が住民理解なんだ。言っていることと行為が全然違うじゃないか。私、これ客観的に言っているんだよ。何も私、野党だから言っているんじゃないんだ。少なくとも住民理解協力を得るというなら、近隣市町村にこういう調査を行いますからという通告をどうしてやるんだと私言いたいんだけれども。むしろ住民理解を得たいというなら、これからも十分に近隣市町村住民理解を求める行動に努めるとか、あるいは理解を求めるためのあれもするというならまだわかるよ。調査をいたしますという通告なんだ、地元調査をいたしますという。これが何で住民理解協力を得られる民主的な行為なんだ。これが何で住民理解を得られるんだ、通告しておって。全くわからぬね、こんなことは。これ皆さんが納得できますか、こんなこと。  もう一つ申し上げなきゃならぬことは、事前のための調査といえども見切り発車はしない。大臣見切り発車はしないということは調査をしないということですよ、我々が理解し、住民理解しているのは。代表が何回も来て、あなたの答弁を聞いて帰ったのは。しかも通告までしているんだ。天塩町から始まって近隣市町村に通告した。びっくりしているんだ。近隣市町村は戸惑っているんだ。戸惑いを感じたというんだ、今ごろ何で通告してくるのかなと。住民理解を得るということを動燃が言っておって、また大臣もそう言っておきながら、いやこれから調査することになりましたと、調査は近日中に行いたいと思いますと。これはまたおかしな話であって、こういうやり方自体に——私が先ほどなぜ原子力基本法第一条の目的をしゃべったかということです。自主、民主、公開でしょう、原子力基本法というのは。科技庁なんだから間違ってもらっちゃ困るよ。自主、民主、公開の基本法に基づいてやるんだ。その民主、公開、自主がないじゃないか、私に言わしたら。どこに民主、自主、公開があるんだ。片方で通告しておいてそして住民理解をいただきますと、これ納得できませんね、こういうこと。大臣からひとつお伺いしたいと思うんです。
  32. 竹内黎一

    国務大臣竹内黎一君) 先ほど来申し上げているわけでございますけれども、確かに周辺町村でもまだ積極的賛成をちょうだいしがたい情勢にあるわけでございまして、というのは、恐らく基本に幾つかの点について不安をお持ちであるからまだ積極的な賛成というお答えをちょうだいできない情勢にあるんじゃないか、こう私は判断をいたします。それだけに地元の皆さんが抱いている疑問あるいは不安、そういうものにお答えするためにも正確なデータをお示しするということがまさしく地元理解協力を得る一つの方法であろうか、こういうことで極めて限定的に町村の理解の得られた範囲で、なおかつ今申し上げたとりあえず提起されている地元の皆様の疑問に答え範囲内での調査をやりたいということでございまして、私はこれはそのまますぐ見切り発車につながるものではないと、やはり地元理解協力を得るための一つの努力であるとひとつ御理解をいただきたいのでございます。
  33. 対馬孝且

    対馬孝且君 いや大臣、それは理解をしてくれといったって理解できない。片方では通告しているんだ、現実に。通告しているんでしょう、動燃は。何が理解なんだ、大臣。何が理解なんですか。わからないというのです、みんな。とんでもない話だと怒り狂っているんだ、現実住民は。  それからこの前、私は四月三日に申し上げましたけれども、法律的に判断をしてみてもこれは問題がある。私は去年の八月一日の岩動長官時代から申し上げたが、少なくともこの種の高レベル廃棄物調査を開始する場合には、問題処理、事に当たる場合については、アメリカは一九八二年にレーガンが署名をした、その後さらに二年半かかって今ようやく環境基準というのができたんだよ。これは最近できたんだ、最近。十一月だ。科学という岩波の本に出てますけれども、歯どめができたんだよ。問題は、一つの枠組みがあって、どういう環境の基準でもってどういうふうに進めていくかという法律整備もなされていない、はっきり申し上げて。  それからもう一つはっきり言いますけれども、この前三月の衆議院の委員会でも、同僚の小澤議員の質問に対して、敷地外のこの問題について、高レベル廃棄物のガラス固化体、こういうものを敷地外に廃棄をする、そういうことについては現行法で認められていない。これは辻政府委員が明確に答えている。会議録もありますよ。読み上げますか、これ。こういう明確なことになっているのに、どうしてこれがそういうことになるんだ、事前調査だなんて。これははっきり申し上げますよ。これは質問はこういう質問なんです。動燃が計画している貯蔵工学センターのように放射性廃棄物を原子力施設の敷地外に設置した施設に保管廃棄する場合、原子炉等規制法第五十八条二にいう事業所外廃棄に当たるとするが科技庁の見解はいかがかと。これに対してこう言ってるんだ。他方、同条を受けた外廃棄規則、核燃料物資等の工場又は事業所の外における廃棄に関する規則第一条二項、原子力施設から独立した陸地上の廃棄施設を認めてはいない、したがってこのような考え方はございません、現行法ではできませんと明確にお答えになっているんです。このことから言ってもおかしいじゃないですか、今その調査を行うということ自体が。これはどうなんです、この点。
  34. 辻栄一

    政府委員(辻栄一君) 安全規制の問題についての私の三月の国会答弁趣旨を御説明申し上げますと、小澤先生からの御質問は、低レベルの放射性廃棄物の陸地処分という問題に関する議論のやりとりでございまして、これは電気事業連合会が下北に計画しておりまする低レベル廃棄物の処分場に関する安全規制の問題についての議論のやりとりであったかと承知しておるわけでございます。私の答弁は、この規制は、先生指摘のように原子力規制法の事業所外廃棄という規定に該当する。しかしながら、この規定に基づいてつくりました総理府令においては、現段階では海洋投棄に関する規定等が整備されておるだけで、低レベルの陸地処分の問題についてはまだ規定が整備されていない。したがいまして、これにつきましては規定の整備をすることが今後必要であるということを申し上げたわけでございます。この問題につきましては既に原子力安全委員会におきまして、低レベル廃棄物の安全規制のあり方についての答申がなされておりますので、それに基づきまするところの法令の整備という問題を今後作業をしていけばよろしいかと考えておるわけでございます。  ところで、高レベルの問題、すなわち動燃事業団の今問題になっておりまする貯蔵工学センターの問題は、低レベルとは違いまして高レベルの廃棄物の問題でございます。で、これにつきましても現行の法令でどうかということでございますと、やはり同様に現行の原子炉等規制法のもとでは事業所外廃棄の規定が適用されるということになると思いますので、この規定に基づく総理府令を整備するということによって安全規制を行うということに相なろうかと思います。  申すまでもなく、原子力の安全確保につきましては、私ども常日ごろより慎重に取り組んでまいったところでございますけれども、先般原子力委員会及び原子力安全委員会におきまして、放射性廃棄物の処理、処分方策等についての検討が進められました。報告書として取りまとめたところでございます。また、別途高レベルの廃棄物の問題につきましては、同じく原子力安全委員会におきまして、高レベルの放射性廃棄物の貯蔵の安全性についてのやり方、これについての検討が進められているところでございます。私ども、この報告は来年春ごろまでにはまとまるのではないかというふうに期待しておるところでございますけれども、現行法でいけば、先ほど申し上げたような法律が適用になると思いますけれども、先ほどの南委員会の報告等も踏まえまして、さらによりよい規制のあり方を求めるということで、法令の整備を含めまして所要の検討を進めているというのが現状でございます。  いずれにいたしましても、当庁といたしましては、この貯蔵工学センターの計画の具体化につきましても、安全上万一にも遺漏がございませんように所要の安全規制を講じてまいりたいとかように考えているところでございます。
  35. 対馬孝且

    対馬孝且君 大臣、今聞いてわかるでしょう、あなた。低レベルであっても現行法では問題がある。したがって、今総理府令とこう言ったけれども、総理府令に従って鋭意改正の問題について検討を進めていると言いましたね。まして、高レベルもってのほかでしょう、これ。これは十月八日の、高レベル、全部読ましてもらったよ。このことを言っているんだ、今。これを読ましてもらったけれども、これでいったって総理府令だけではこれはできませんよ。これは動力炉・核燃料開発事業団というのは組織法、組織法ですから、やっぱり行為法が伴わなければ法律はできないんだから、行動はできないんだから、行為的な行為が伴わないでどうしてこれ実際行為ができるんですか。そういうところから考えてみても、今やろうとしていることは準備行為なんだよ。大臣、ここを間違ったらだめだよ。たとえあなたが今説明した幌延に、あるいは踏査、ボーリング、あるいは地下水とこう言ったけれども、これ自体が準備行為だと、私に言わせると。今、法律改正しようとすると言ったでしょう。近く法案、法令を出すと、こう言っているんだ、今。そういうやさきに準備行為に伴う調査が何でやられなければいけないのか。そこに問題点がある。全く私わからぬね、この点は。これははっきり申し上げるけれども、準備行為であっても法的根拠は必要である。外廃棄規則、総理府令改正によることが、今も説明ありましたけれども、高レベル廃棄物については、忘れもしない八月一日、当時岩動長官も現行法では問題がある、したがって、当然法案の整備をしなければならない。これ私の質問答えているんです。私の昨年の八月一日だ、この質問。近くできるだけ早い機会に法案の整備を事務局に指示をいたしております。これなぜこういうふうになったかというと、私、アメリカの政策法、これ約三十分ぐらいやったんです。アメリカじゃ環境庁の歯どめがある、あるいは知事の拒否権もあるし、まずアメリカは選定する場合には複数を選定するんだよ。三カ所だ、アメリカの場合は。これ間違ったら指摘してもらいたい。私、政策法全部持っている、去年もやったけれども。このアメリカの一九八二年の政策法からいけば、環境庁の歯どめがかかっている。歯どめといえばどういうことかというと、事前調査をして客観的にこれが高レベルの適地であるかどうかということで敷地三カ所を選定して、これをまず大統領に一応提出をする。そこから始まるんだよ、手順がずっと。そして州によっては知事が拒否権を発動し、事前調査をやり、公聴会をやり、最後には裁判所の告発権まで持っている。これをつくるには二十五年かかっているんですよ、二十五年間。アメリカの政策を決定するまでに二十五年。その後さらに三年間かかってことしの十月に初めてこの環境保護庁でようやくこの高レベルに対する基準というものが初めて出された、初めて。二十八年かかっているんだ、これはっきり言うと。こういうものを全く拙速的に、放射性廃棄物一キュリー吸ったら即死する、こういうものをあえて、何でそういうことを急がなければならぬか。しかも、今、来年の通常国会に向けて近く法案を整備すると、こういうわけだ。そのための準備行為だと、これ今やっていること。それ自体が問題だと言っているんだ、私は。今やることは違法ですよ、私に言わせれば。この点について、まず大臣考え方をお伺いしたいと思う。
  36. 中村守孝

    政府委員中村守孝君) 先生指摘の点は二つあるわけでございます。一つは、今御指摘ありましたアメリカの政策法に基づく最終処分地決定の手続、それからもう一つは、サイト外、いわゆる敷地外廃棄について法的に違反するんじゃないか、こういう二点であろうかと思います。  米国の政策法はいわゆる高レベル廃棄物、それから使用済み燃料、これをそのまま地中に埋設してしまおうということを考えておるわけでございまして、その最終的な処分地を決定するに当たっての手続を決めているものでございます。それで、この手続は、米国はこういうことをやっておりますが、ほかの国とこもこういうことをやっているということではないわけでございますし、それぞれの国情に応じてこの手続等をどうやっていくかということを検討していくべきだろうと思います。現在私ども幌延にいろいろ、もしできたら立地ということも考えたいとしておりますものは、決していわゆる高レベル廃棄物の最終処分地としてそこを決定しようということではございませんで、あくまでも高レベルの廃棄物について言うならば、東海村にございます再処理工場から出る高レベル廃棄物を一時貯蔵、三十年ないし五十年の間一時的な貯蔵をしようということでございます。これはこの施設を東海村の再処理工場の中につくるということも一つの考えでございますが、土地が十分ないということでやはりどうしても新しい場所を探さなければいけないという事情に一つあるわけでございます。  それから、現行法に違反しないかということにつきましては、現行法でサイト外廃棄はまかりならぬと、こういうことになっているわけじゃございませんで、総理府令に従った基準によってやるということになっておるわけでございまして、動燃としてはこの東海村から出ますがラス固化体を安全に貯蔵するということのためにまず場所をどこに選ぼうかと、こういうことでやっているわけでございまして、実態としての法律違反とかそういうことではもとよりないと考えております。
  37. 対馬孝且

    対馬孝且君 長官、この前お会いしたときにね、一応法律の整備は通常国会に出したいと思いますと言っておりましたね。これはどうなんですか。これはあなたははっきり、私は昨年の八月一日岩動長官の、法律準備をいたしてまいりますと、できるだけ早い機会に法律の改正をいたしましょうと、こういう構想がございますと言いましたね。それから、今の三月六日の指定地域外の廃棄物の問題、この二つを私申し上げたときに、我々ここら辺におりましたけれども、通常国会に法案整備を出したいと思いますと、鋭意検討しておりますと、こう言いましたね。これはそれまでしないんですか。どうなんですか。
  38. 辻栄一

    政府委員(辻栄一君) 先ほど私御説明申し上げましたように、事務的には先般の原子力委員会並びに安全委員会の報告書を踏まえまして法令の整備について検討しているところでございます。諸般の検討が済みますれば、できるだけ早い機会に国会の御審査もお願いしたいというふうに考えております。
  39. 対馬孝且

  40. 竹内黎一

    国務大臣竹内黎一君) ただいま辻局長から申し上げたとおりでございます。
  41. 対馬孝且

    対馬孝且君 そしたらなおさらそこでわからなくなるんだ。法律を今鋭意検討をしてだよ、それじゃ、はっきり申し上げるけれども、このガラス固化体のプラントが、この間、吉田動燃理事長に確認したことは、六十一年からガラス固化体の試験研究に入りますと、六十六年までですと。これははっきり言っているんですよ、確認して私もこれ持っているけれども。放射性廃棄物諸対策の中にも出ています。そして六十六年までプラント試験をやって、信頼性向上試験を三年間やりますと、六十七、六十八、六十九、大体二年から三年やりますと、七十年にガラス固化体のプラントの完成をして、それから着手したいと思っていますと、こういうことがこれは出ているわけだ。これは動燃吉田理事長も言った。だから十年間という歳月があって何で急ぐのかということが一つと、今一方では法律が提案をされて整備をしなきゃならぬ、それ自体が準備行為だというのだ、私が言っているのは。これは法令上そうです。これははっきりあんた、外廃棄規則、総理府令の改正が必要だと今言っているんだから。どういう内容になるかは別だ。これは我々は対案を出して闘うから、徹底的に闘いますけれども、それは別にして、まず法令改正が明年出る、いいですか。それからもう一つの問題は何かと言えば、今ガラス固化体のプラントのスケジュール年次計画をこれで見ますと、六十一年から六十六年までですと、第一次のプランとの試験は。それから信頼性向上試験をやって七十年度を目途にと、こうなっている。これは間違いなら間違いと指摘してもらって結構だ。こういう十年間の歳月の中でこれから検討するときに、法律的には明年整備をしなきゃならぬ、プラントのスケジュールは十年間だと、なぜ今あえてこれをやらなきゃならぬというのは何ですか、この根拠というのは。今やらなきゃならぬ根拠はどこにある。私に言わしたら外圧以外ないでしょう。外圧じゃないか、私に言わせれば。何の根拠があるんだ、はっきりしてくださいよ。
  42. 中村守孝

    政府委員中村守孝君) 先生指摘のように、幌延で今……
  43. 対馬孝且

    対馬孝且君 いや、法律改正すると言っているんだから、この二つに答えろよ、君。
  44. 中村守孝

    政府委員中村守孝君) 工学センターにおきます貯蔵プラントというのは、東海再処理工場につくります固化プラントでできたガラス固化体を納めるわけでございますので、その意味におきまして、東海村の固化ブラントとの工程上の平仄を合わせるということは当然のことながら必要なわけでございます。  ガラス固化プラントにつきましては、現在昭和六十二年度を建設の着手を予定しておりまして、これに対応しまして貯蔵プラントの計画を考えておるわけでございます。先生今御指摘の信頼性向上試験等いろいろございますが、こういうものは技術の開発でございますので、常に新しい技術進歩、向上発展を目指しましていろいろな試験をやっていくわけでございまして、固化プラントそのものは六十五年には試運転に入りまして、六十六年ぐらいから運転に入ると、こういうことを予定しております。したがいまして、こういったものをにらみつつ、今この固化体の貯蔵プラントの土地を探しておるということでございます。  立地の問題は、今問題になっておりますように、なかなか皆様方の御理解を得るということに時間がかかります。そういう意味で、私どもは単純に計算してこれだけの期間があるではないかということでなく、早い機会からいろいろな準備を進めていかなければならないと思いまして、土地を探す等のことを行っておるわけでございます。  それから法律との関係でございますが、あくまでも私どもはいかような法律になろうとその法律のもとでこの施設の安全を確保しつつ行うわけでございますが、何分にも東海村の再処理工場から出てまいりますガラス固化体の貯蔵する場所をまず探すということでございますので、これはもう法律と直接リンクするというぐあいには私ども考えておりませんし、少なくとも現行法律によりますれば、法律としては何らこれを禁止しているわけではございませんし、今法律改正ということでいろいろ検討をされておりますものは、一つは下北に予定されております低レベル廃棄物がこれは集中管理をすると、そういうことになりました場合には、その集中管理する者とその廃棄物を委託した者との間の責任関係がどうあるのか、それは現行法律に基づいて電気事業者にだけ責任を負わせるということで済むのかどうか、そういった問題とか、あるいは外国から返ってまいります——これ今再処理を外国に依頼しておりますが、そういったものが日本に返ってくるときの廃棄物の取り扱いとか、そういったいろいろな問題がございますので、検討さしていただいておると、こういうことでございます。
  45. 対馬孝且

    対馬孝且君 その今法律改正のことについて触れたけれども、これはガラス固化体のキャニスターが完成をして天塩町なら天塩町に持っていく場合には、現行法でできるんですか。輸送経路、輸送の安全保障、そんなことはできないだろう、現行法では。
  46. 辻栄一

    政府委員(辻栄一君) 法律で禁止されているかどうかの問題につきましては、ただいま原子力局長答弁したとおりでございまして、現行法では必ずしも禁止しているわけではございません、法律といたしましては。先ほど私御答弁申し上げましたように、現行法でいくとすれば、現行法の事業所外廃棄の規定が適用される。それに関連して総理府令を整備すれば安全規制としてはできると、違法性の問題ではないというふうに思っております。私どもの法律改正につきましても、これは原子力委員会の報告によってよりよい安全規制という観点から改正した方がいいんではないかという意見が出されている、そういう観点からの法律改正でございまして、現行では法律的にできないという話ではございません。  なお、輸送等の問題につきましては、これは既にこういった高レベルの廃棄物につきましての輸送についての規則は完備しております。これは、IAEA、国際原子力機関がつくりました放射性物質の国際安全輸送規則というのがございまして、これに基づきまして私ども原子炉等規制法などで国内規定を整備いたしましてやっておりますので、輸送についての安全規制は現行で十分いけるというふうに考えております。
  47. 対馬孝且

    対馬孝且君 今幾つか挙がったけれども、問題点は現行法でできるかできないかという前に、客観的に見てそういう基準は一つもないではないかと、アメリカの政策法から比較検討するとね。手を上げたから行くというだけでしょう、何回も言っているけれども。あんた、科学的根拠はどこにある。手を上げたから、成松町長が手を上げたから行きますと、誘致があったから行きますというだけで根拠は一つもないんだよ。私に言わせれば、いつも聞くけれども、根拠は全くありませんと、むしろ誘致をするから行くんですと、広大な地域が必要ですと、これだけのことなんだ。何の科学的根拠があるんだ。私は、科技庁というのは政治工作庁だと、こう言っているんだ。そんなもの科技庁でないよ、あんた。非科学的なことばかりやって、そんな住民が不安持っているのにあえて強行するんだから、私は科技庁ではないと、これは。住民工作調整庁だと、こう言っているんだよ、これ。そういう疑問を持たざるを得ないんだよ、はっきり言って。だから、手を挙げたから行くんでなくて、アメリカのように、さっき言ったでしょう、アメリカの政策法からいけばどんな地域が客観的に必要かと、複数の三カ所の候補を選定することになっている。そういうシステムをどうしてとらないのかと、そういう科学的根拠がないではないかというのが北海道道民の今一番頭にきているところなんだよ。これが一つ。  それほど安全なことなら東京のど真ん中でやれと言うんだ、私はいつも。やっぱりこれから非常に問題だ。物件があるわけじゃないんだから、ないものをこれから五年間やって、さらに三年間信頼性向上試験やるというんだから、今問題あるか、ないんだよ。安全か不安全かという物件がこれ今ないんだから、ただ学問上のことだけやっているだけで何もないんだ、物件は。それだからなぜ急ぐんだと、それだけ安全なら自民党本部の地下千メートル掘ってやったらどうだと北海道道民の声だよ。自民党さんがそれだけ安全だと言うんなら自民党本部の地下に千メートル掘って、で安全だというところから出直してきたらどうだと、それから幌延に、千海里のところへ持ってこいと。これは率直に、私が言っているんじゃない、道民の皆さんがそう言っているよ。そういう極めて危険なものだから千海里果ての北海道の酪農の最果ての町に、しかも下には石炭が二億トンも眠っている。天塩町は天然ガスの基地だと。これじゃ北海道開発はだめになる、こういう住民の本当の声が知事代表して、これではとてもこれを受け入れられませんという北海道知事の表明になったわけだ。そういう根拠をやっぱり持ってもらいたい。これひとつはっきりもう一回回答もらいます。  時間もありませんから、これは一つだけ確認します。それからもう一つ、今最後の答弁長官からもらいます、今言ったことを。  それからもう一つは、原子力委員会は、昭和五十一年七月三十日、有沢座長のもとで、今までは原子力委員会一本の運営をしてまいりました。ところがこれは原子力委員会と、それからここにございますようにいわゆる安全委員会と二つに分かれましたね。これは間違いありませんね。  そして、二つに分かれて、二つに分かれたというのはやっぱりどうもつくる側と安全をチェックする側とは一緒くたに委員会を構成することは、真の安全を守ることにはならない。これが有沢委員会答えです。これは私持っています。ここに有沢委員会答えが出ています。これは間違いありませんね。その点どうですか。簡単でいいから、長々要らないから。
  48. 辻栄一

    政府委員(辻栄一君) 先ほど安全基準の話が出たわけでございますが……
  49. 対馬孝且

    対馬孝且君 いや、つくる側と処分側の委員会の二つあるかないかということを聞いているんだ、それを聞いているんだ。
  50. 辻栄一

    政府委員(辻栄一君) 両委員会に分かれてやりましたのは、原子力委員会は廃棄物政策全体としての考え方を検討する。安全委員会の方は安全規制そのものについての検討をするという趣旨で両委員会で並行してやっているわけでございまして、高レベル廃棄物の安全基準につきましても安全委員会の方の専門部会におきまして、先ほど申し上げましたように、現在鋭意検討を進めて、ほぼその基本的な骨子はまとまってきつつあるという現状でございます。
  51. 対馬孝且

    対馬孝且君 そんなこと聞いているんじゃない。委員会二つあるんだろうと聞いているんだよ。委員会二つあるのね。
  52. 辻栄一

    政府委員(辻栄一君) ございます。
  53. 対馬孝且

    対馬孝且君 それでは聞くけれども、放射性廃棄物対策専門部会の中に動燃植松筆頭理事が入っているんだ、これ。処分をどうやって進めるかという方に入っているんだ。ところが安全を規制する委員会、安全を規制する委員会の方にも植松筆頭理事が入っているんだ。これはどういうことなんだ。これは当時の、私はここに持っている。昭和五十一年七月三十日、原子力行政懇談会の有沢座長の答申によれば、住民誤解がある、国民誤解を解く意味原子力をつくる方と、安全規制とは別個にすべきだと、そういうことで、これ答申をされたんです。それで二つに分割された。その中に、つくる側にも、安全をチェックする規制側にも、動燃の一番筆頭理事である、今これを盛んにやっている、幌延促進して工学センターをやっている筆頭理事が両方に入っているということはどういうことなんだ、これ。こんなもの安全チェックすることにならぬだろう、これ。はっきり言っておくけれども。どうですか、この点。
  54. 辻栄一

    政府委員(辻栄一君) 安全を独立してチェックするという趣旨で安全委員会ができましたのは、先生指摘のとおりでございます。  現在、安全委員会委員の人選についてどういう基準でやっているかと申しますと……
  55. 対馬孝且

    対馬孝且君 答え、簡単でいいから。
  56. 辻栄一

    政府委員(辻栄一君) 安全委員会の下には原子炉安全審査会、あるいは核燃料安全審査会といいまして、個々に具体的な施設について安全をチェックをする、こういう審査会があるわけでございますが、これにつきましては委員を峻別しておりまして、推進側の委員は一人も入れておらない。学識経験者、あるいは研究所の職員で構成してやっておるわけでございます。  しかし、別途安全委員会の中には、こういった審査をするに当たっての基準を整備するという委員会がございます。安全基準専門部会というのがございます。ここにはそういった学識者のほかに、実際に基準をつくります際にはどういうものができるのかというようなものがはっきりしておりませんと基準もできないということから、基準部会の方にはその実施部門の委員も……
  57. 対馬孝且

    対馬孝且君 答え簡単にやってくれよ、そんなことわかっている。
  58. 辻栄一

    政府委員(辻栄一君) 含めてやっているというやり方をとっておるわけでございます。
  59. 対馬孝且

    対馬孝且君 それはあなた、へ理屈と言うんだよ。それこそこの有沢座長見解からいくと、国民誤解を招くからむしろ委員会をきちっと二本建てにし、その意味での住民にこたえる委員会の推進を求めなければならない。そのためにあえてこれができ上がった。それを今辻局長の説明では、基準を定めるためにつくる側も入ってなきゃならないと。そんな理屈が通るかい、あなた。私に言わせれば泥棒に警察の権限を与えたと同じだと、こんなもの。そういう両方の権限を与えて——片方は動燃の、どんどんつくる側に立って、その急先鋒になってやって、片方で安全委員会に出てきてやるなんというのは、こんなもの、ちょうど泥棒に警察官の権限を与えたと同じだ、こんなもの。こんな性格ではあなた国民が安心して安全を守ることはできないよ、これは。そういうことで私言っているんだ。これはやっぱり当然見直すべきですよ。もう一回、こういう検討について、これが一つ。  それからもう一つは、さっき大臣に言ったけれども、法案を整備をするということで、法案を整備するについて、こういう基本的な、アメリカの一九八二年の高レベル廃棄物という、どういう基準、手順あるいは方法で着手、立地、こういうやっぱり基本的な法案の整備をされるべきである。これが八月一日に私は岩動長官に言った。前長官は、そういう立場で検討いたしてまいりますと言っているんですよ。だからそういう趣旨を踏まえて長官、そのことを二つだけ最後に答えてください。
  60. 竹内黎一

    国務大臣竹内黎一君) まず法令整備のことでございますけれども、先ほど来答弁申し上げてるように、私ども貯蔵工学センターにつきましての根拠法が全くないとは考えてないわけでございまして、原子炉規制法等の適用でやれると。しかしながら、より安全を十分に確保するために法令の整備というものを考えてまいりたいと、こう申し上げているわけでございます。したがいまして、先生恐らく言いたいのは、そういう法令の整備まで調査を待ってはいかがかと、こういうこともあるいは先生頭の中に置かれての御質問かと推察いたすわけでございまして、私どもとしては法令の整備も一生懸命にやりますけれども、先ほど来申し上げておりますように、何とかして今限定的な調査お願いしておるものですから、これについて設置元の御理解を得たいと、こういうのが私の気持ちでございます。
  61. 対馬孝且

    対馬孝且君 それから二つ目、今の原子力委員会と安全委員会の、そういうあり方について。
  62. 竹内黎一

    国務大臣竹内黎一君) 失礼いたしました。いわば検察官と裁判官が同じ人間じゃないかというような御趣旨にも承りましたので……
  63. 対馬孝且

    対馬孝且君 裁判官じゃない、泥棒だよ、泥棒。
  64. 竹内黎一

    国務大臣竹内黎一君) ひとつ検討さしていただきます。
  65. 対馬孝且

    対馬孝且君 時間が参りましたので、いずれにしても、裁判官じゃないよ、警察官に泥棒の権限を与えたと同じだと、こう言っているんだから、大臣、そこ間違わないように。検討さしてまいりますということで、じゃ慎重に検討してください。  法案問題については、そんな延ばせばいいんだというみみっちいことを言っているんじゃないんだ、私は。アメリカが、やっぱり基本的な——高レベルの放射能だから、一本のキャニスターから出るのは四十万キュリーでしょう。四十万キュリーの、もし亀裂が生じた場合は、五・三メートル以内に立っておったら全員死亡するというんだ。これはあんた、はっきり東大の教授が言っている。七・一メートル以内に立っておっても半分死亡するというんだ。一キュリー吸ったら即死でしょう。そういう放射性の問題だけに、私が言っているのは慎重の上にも慎重を期し、住民理解協力——見切り発車をしない、こう言っておきながら、一部住民理解だけというのは、これ納得できません。これは明確に申し上げておきます。いかなることがあっても見切り発車をしない、これは国会答弁で約束した限り、これはやっぱりきちっと守ってこれからも努力してもらいたい、これだけはひとつ最後に申し上げておきます。
  66. 竹内黎一

    国務大臣竹内黎一君) 繰り返し申し上げているわけでございますが、地元理解協力を得るためのいわば一つの手段として限界を設けました、一定範囲内の調査をできるだけ穏やかにやりたいということを私は今念願しているわけでございまして、今後、これからも地元関係者理解協力を得るために、さらにまた私なりに努力をしてまいりたいと考えております。
  67. 対馬孝且

    対馬孝且君 努力をしてまいりたいということは結構ですが、これが、もしこれを実行、強行するというようなことがあれば完全に国民に対する裏切りである。かかってそれによって起こる事態は政府の責任であるということもこの機会に——混乱あるいは不測事態が生じて、そういう状態になったとするならば、かかって政府の責任であり、もし強行するような事態になれば、私は竹内長官に対する態度を改めて国会の場で明らかにしてまいりたい、これだけ申し上げておきます。
  68. 工藤万砂美

    ○工藤万砂美君 私は、我が国の原子力政策についてお伺いをするわけでございますけれども原子力の平和利用という問題は、今や世界各国が真剣に取り組んでいる事実は何人といえども否定することはできないわけであります。しかしながら、世界で唯一の被爆国でありまする日本国民といたしましては、原子力アレルギーになるなど申しましてもしょせんは無理があると思うわけでありまするし、それだけに政府の原子力政策は、慎重にも慎重を重ねてその安全に全力を尽くしてきた事実も理解ができるわけであります。  そこで伺いたい第一点は、昭和五十四年の東京サミットにおいて合意されたいわゆるエネルギー対策については、石油消費量を五〇%に将来抑えて、石油代替エネルギーとして原子力の平和利用や石炭利用を増大するという方針は現在いささかも変わっていないのかどうか、まずお伺いしておきます。
  69. 田沢智治

    政府委員(田沢智治君) 先生も御承知のとおりかと存じますが、昭和五十四年の東京サミット後、我が国のエネルギーの需給は、省エネルギー対策や石油代替エネルギーの推進などによって石油の需給が減少する変化が起こったのでございます。そういう意味におきまして、昭和五十八年十一月に、現状の実態を踏まえつつ、エネルギーの需給の見通しを改定いたしたところでございます。その結果、現在の我が国の総合エネルギー対策は、昭和五十八年の十一月の「長期エネルギー需給見通し」を指針として進められているのが現状でございます。  同見通しにおきましては、中長期的には第一に国際石油需給が再び逼迫化する可能性が高いということの認識、第二は、我が国のエネルギー供給構造は他の先進諸国に比して依然として脆弱であることなどから、今後ともエネルギーの安定供給を図っていくために、一つには石油の安定供給の確保、二つには省エネルギーの推進並びに石油代替エネルギーの計画的かつ着実な開発導入が重要視されるのでございます。  具体的には、引き続き石炭、原子力、LNG等の石油代替エネルギーの積極的な開発導入を図り、今後の我が国のエネルギー需給の増加分をほぼ石油代替エネルギーで賄うこととしており、これより我が国の石油依存度は、現在昭和五十九年度の五九・六%から昭和七十年度には四八%まで低下する見込みを考えておるのが実情でございます。
  70. 工藤万砂美

    ○工藤万砂美君 そこで、現状から想定いたしまして、十年後になりますけれども昭和七十年、一九九五年には全世界の原子力エネルギーというものは、電力に換算してどのくらいのキロワットになるのか伺いたいと思いまするし、そしてまたこの際、その中で日本の現状と十年後についてもお伺いをしておきたいと思います。
  71. 山本幸助

    政府委員(山本幸助君) お答え申し上げます。  まず、世界の状況でございますけれども、IAEAという国際原子力機関の報告によりますと、一九八四年末現在で、世界二十五カ国で今原子力やっておりますけれども、運転中の原子力発電の設備規模で申しまして二億一千九百七十一万キロワット、三百四十五基ございます。  原子力による発電電力量、発電しました電力量で見ますと、一兆一千七百五十億キロワットアワーということで、全体の一三%に当たる量でございます。  十年後でございますが、これにつきましてはことしの九月にOECDの作業で予測をいたしております。これによりますと、設備規模で四億一千九百万キロワットから四億六千八百万キロワットぐらいだろうというふうに見込まれておりまして、現在の設備規模の大体七〇%から九〇%ぐらいアップになるだろうという見通しを立てております。  次に日本の状況でございますけれども、現在我が国で運転中の原子力発電の設備は三十一基、二千三百六十三万キロワットでございます。これは全体の一四%に当たります。また、五十九年度の原子力発電による発電電力量は千三百三十二億キロワットアワーということで、これは全発電電力量の二三%に当たります。  今後でございますが、これにつきましては電気事業審議会の需給部会で報告いたしておりますが、これによりますと、昭和七十年末において、発電設備につきましては四千八百万キロワット、これは全体の二三%、発電電力量では二千八百五十億キロワットアワー、これは全体の三五%ということで目標といたしております。  当省としましても、我が国のエネルギーの安定供給を図るために、その達成に最大限の努力を傾ける所存でございます。
  72. 工藤万砂美

    ○工藤万砂美君 そこで、その中での問題は、やはり使用済み核燃料、すなわち低レベル、高レベルの廃棄物は全世界で発生量にして大体どのぐらいなのか、現状と将来について伺いたいし、また我が国においても想定される発生量と貯蔵量について伺いたいと思います。
  73. 中村守孝

    政府委員中村守孝君) 先生指摘の、全世界における廃棄物の量はどのくらいあり、またどのくらいになるんだろうか、こういう御質問でございますが、例えば低レベル放射性廃棄物につきましては、原子力発電所だけじゃなくて核燃料サイクル関係の諸施設あるいは放射性同位元素使用施設などからも発生されるわけでございますし、また国によりまして除染とか廃棄物の減容、こういった処理技術の状況も異なりますし、それから原子力施設の規模、運転状況も異なりますし、それから使用済み燃料そのものをいきなり廃棄物として処理してしまうことを考えているところもございます。そういったことで非常に複雑でございまして、現在この廃棄物についての統計がないわけでございます。それと我が国の状況から例えば類推して何か試算してみろということにいたしましても、ちょっと先ほど申し上げましたようなもろもろの要因がございまして、とても一筋縄で推定できるという数字ではございません。こういうことで残念ながら世界的な数字ということはお示しできる状況にはございません。申しわけございませんが、そういう状況にあるわけでございます。  それから、高レベルの放射性廃棄物につきまして現在フランスのマルクールにキャニスターの数にいたしまして約千二百本程度のガラス固化体が貯蔵されておりまして、これが非常に大きいところでございますが、そのほかは少量でございまして、ベルギーのパメラプラントにおいても若干量ガラス固化体が製作されている。それからフランス、西独、英国等では今こういうものを建設中という段階でございます。そういうことでちょっと将来の数字等を今的確にお示しすることができないわけでございます。  一方、日本の状況でございますが、我が国におきます低レベル放射性廃棄物は昭和五十九年度一年間で全原子力施設で約六万本発生いたしております。六十年の三月末現在で累積貯蔵量は約五十八万本ということになっております。原子力委員会の放射性廃棄物対策専門部会が昨年の八月に取りまとめました中間報告では今後の原子力発電の推移等も勘案いたしまして試算いたしておりまして、昭和七十五年において年間発生量は約七万本、累計では約百五十五万本になると見込んでおります。  一方、高レベル放射性廃棄物につきましては国内では当面動燃事業団の東海再処理工場で出てまいるわけでございますが、現在これはガラス固化をいたしません廃液の状態で厳重な管理のもとにタンクの中に保管してございます。現在、百九十九立米、約二百立米ございまして、今後この工場を順調に運転を続けるといたしまして昭和六十一年度末で約三百十立米になるというぐあいに考えられております。  日本からフランス等に再処理をお願いしておりますこういうものの発生量につきましては今後フランスの方の再処理工場の運転計画との関連でどのくらいになってくるか、変わってくるわけでございますが、現在そういう意味での確定した数字は持ち合わせておりません。
  74. 工藤万砂美

    ○工藤万砂美君 そこで、核エネルギーというものは今世紀においては人類に対して最大の脅威を与えている。しかも一方この核エネルギーを平和利用に供することによってこれまた最大のいわゆる福音をもたらしているわけでありますけれども、その核エネルギーの廃棄物を最も安全に処理をする技術を完成をして二十一世紀を迎えることが次の世代に対しての我々の責任であると考えなければなりませんし、かつまた自分の国で発生をした廃棄物は他の国にその処分を依頼するということは国際信義上できないことであり、日本としても廃棄物処理の研究は避けて通れない問題であると考えますけれども、この点はいかがですか。
  75. 中村守孝

    政府委員中村守孝君) 廃棄物の処理処分対策につきましての考え方、まさに先生のおっしゃるとおりでございまして、私どもそういうことでこの問題に取り組んでございます。  低レベルの廃棄物の処理処分につきましてはかなり技術も進んでおりまして、これは国が技術開発する段階よりも民間が積極的にいろいろ取り組んでくれている状況でございます。  それから、高レベルの方につきましてはこれは技術的にも現在民間でというわけにまいりません。そういうことで動燃事業団原子力研究所の両者が協力してこの問題に取り組んでおるわけでございまして、動燃事業団がこの高レベルの廃棄物のガラス固化についての製作についてのいろいろな研究をいたしておりまして、安全規制上必要な研究につきましては原子力研究所が行うというような分担もいたしております。  それから、その処分のやり方等につきましても動燃事業団を中心にして今後強力に進めてまいりたいと考えておる次第でございます。
  76. 工藤万砂美

    ○工藤万砂美君 局長からそういう答弁いただきましたけれども、私どもは廃棄物の調査、研究というものはもう本当に避けて通れない問題であると思いまして、先般アメリカのワシントン州のハンフォード研究所、あるいはまたフランスのマルクール研究所、シェルブールにあるラアーグ研究所及びベルギーのモル研究所等へ参りましてその研究の実態と成果というものを直接見聞をしてまいりましたけれども、低レベルの廃棄物については既に研究を終えて実施をされておりまして、高レベルのウエースト、すなわち廃棄物についてもその処分方法について完成に近づいている現状でありますけれども、我が国のウエースト処理研究は私は大幅におくれているなという印象を持ってきたわけでございますが、その研究を急がなければならない、かように思いますけれども、いかがですか。
  77. 中村守孝

    政府委員中村守孝君) 先生指摘の高レベル廃棄物の処理処分についての研究でございまして、ガラス固化体の問題について考えますれば、フランスでは一九七八年から工学的規模でのガラス固化体についての操業が既に行われているという状況でございまして、我が国ではいわゆる放射能を含まない形での実験というものは、これはもう工学的規模で完了いたしておりますが、いわゆる放射能の入った実際の廃液を使いました研究では、現在動燃事業団におきまして、実物よりは小さい形でございますが、実廃液を使った研究開発を打っておりまして、実物についての十分な技術的な見通しを得ておるわけでございます。いずれにいたしましてもこれのガラス固化体を実際に工学的規模で製作をするということが必要でございますので、その実証プラントを東海村の再処理工場に併設して建設するということで、できれば六十二年度には着工したいということで進めております。こういうぐあいにフランス等と比べますと残念ながら我が国はおくれておりますので、こういった計画は今後一刻も早く、できるだけ早く進めてまいりたいと考えておるわけでございます。  さらに、処分につきましては、いわゆる地層処分を最終的に行うわけでございますが、この処分につきましても、現在高レベル廃棄物から出ます熱、貯蔵している間に熱が出ますので、その熱が周辺の岩石にどのような影響を与えるか、あるいは水とのかかわりがどうなるか、そういったようなことについての基礎的な研究をいろいろやっております。日本国内におきましても廃坑等を使いましてそういう研究も前々から進めておるわけでございますが、外国のいろいろな国際的な研究プロジェクトにも参加をいたしまして必要なデータを集めておりますが、さらに大規模ないろいろな実験もしていかなきゃいけないということを考えております。その一環として先ほど来問題になりました幌延貯蔵工学センターにおきましても、深層の、深い縦穴を掘りましてその中での深い地下でのいろいろな実験もやりたい。もちろん、これは放射能を使うということではございませんが、そういうようなことでのデータをいろいろ取得していくことが今後最終処分地を決定するに当たっての重要な役割を果たしていく。そういう意味でそういう研究はできるだけ早く我々としても着手したいと考えておる次第でございます。
  78. 工藤万砂美

    ○工藤万砂美君 そこで、今お話がありましたような高レベル核廃棄物の貯蔵工学センターの誘致という問題については、局長からお話がありました北海道幌延町が名のりを上げているわけでありますけれども、この問題は、私が実は道会議員の時代でございますから、昭和五十四年に誘致要請を受けて以来足かけ七年ぐらいになるわけであります。この間町自体があらゆる角度から事前調査を行っておるわけであります。すなわち、乏しい財政の中から、開進地域を中心とした地点に十本もボーリングを打つなどという慎重な調査を行った上で町議会決議をいたしまして、それから道知事に要請をし、さらに北海道議会にも持ち込まれたわけでありますけれども、既に御案内のように五十九年、去年の北海道の予算の中で横路知事みずからが調査費を実は計上されておるわけであります。しかも調査もせずに道議会で拒否回答を行ったことからこの問題が取り上げられて、御承知のように二十数日間の空転議会を経て道議会調査促進決議がなされたところであります。したがいまして、手続の上から申しますると民意を得たというふうに我々は理解をしているわけでございますけれども、これは国の責任において今年度七千二百万円のいわゆる調査費をつけたわけでありますから、調査実施して不適当な地域であるという結論が出れば、当然これは立地を取りやめるとかということになると思うわけでありますけれども、その調査をするための事前調査さえさせないという反対派の理由というのはどこにあるのか。また、政府がその責任において行う事業の調査実施を逡巡する理由というのは本当にどこにあるのか。その辺をまず伺っておきたいと思います。
  79. 中村守孝

    政府委員中村守孝君) 御指摘幌延貯蔵工学センター計画に関しましては、これまで地元の御理解を得るべくいろいろ努力してきたわけでございます。地元方々の中には高レベル廃棄物の貯蔵の安全性に対しての不安、それから貯蔵工学センターがそのまま最終的な処分場になるのではないか、こういうようなことの心配からいろいろ御反対なされておるわけでございます。そういう意味で、私どもはそういうことについてはいろいろ御説明も申し上げるし、それから具体的な立地、本当にここに立地しますよというときには改めてお願いをするわけでございますし、その段階でまたいろいろ御議論をいただく。その御議論をいただくためにも、調査してデータをお示しするということが何よりも必要じゃないか。また、それ以前にも御理解を高めていくためにも調査が必要だと、こういうことで申し上げておりますが、反対派の方々は、いわば調査に入ったらそのまま今までの例からいったら立地につながってしまうんじゃないか、したがって立地につながるおそれのある調査反対である、こういうことが大ざっぱな反対方々の御意見ではないかと思うわけでございます。  それで、私どもといたしましては、何分にも立地の円滑化を図っていくという上では、今だけでなく先々、立地、それから実際の運転、そういった段階におきましても、やはり原子力施設につきましては、地元方々の御理解協力を得て進めていくというのが基本でございますので、その基本的な立場に立ってできる限り地元の御理解調査につきましても得られた上で進めていきたい、そういうことでいろいろ手だてを尽くしてきたところでございます。  そういう中で、何分にもその調査自体につきましても、立地につながるから困るという話とか、いろいろ地元から提起されている不安等もございまして、全体として周辺市町村が積極的に賛成し得ないというような状況にもあるわけでございますので、そういう意味では先ほど大臣からも申し上げましたように、地元の不安、疑問、こういったものにこたえるための調査は当面進めて、そういったことでの住民の御理解地元関係者の御理解を得ていくということが必要ではないかということを現在考えて、その方向で進めているわけでございます。
  80. 工藤万砂美

    ○工藤万砂美君 そこで、御努力はわかるといたしましても、反対派の方々も同じ道民でありまするし、また賛成派の、推進派の方々道民でありますから、その点竹内長官を初め動燃理事長や幹部の方々現地へ出向いて、数十度の説明会や要請を重ねてきている努力というものに対しては私も敬意を表するわけでありますけれども、いわゆるはっきりした反対派の方々との説明会なり懇談会なりを開催したことがございましょうか。
  81. 中村守孝

    政府委員中村守孝君) 貯蔵工学センターについての地元方々とのお話し合いにつきましては、実施主体である動燃を中心にいたしまして昨年以来幌延町とか周辺町村等の議会、商工会、婦人会等が主催する説明会、懇談会、こういったものに積極的に参っておりますし、私どもの科技庁の職員もそういったところに、求めに応じまして派遣をしておるわけでございます。約五十回ほどこういった会合が持たれておると承知しております。こういうような中で安全性等についても御説明して、国の放射性廃棄物政策等につきましても御説明をしてまいってきておるわけでございます。こういうような市町村議会あるいは商工会等が主催する説明会の中には、当然そういう貯蔵工学センター立地反対立場の方も参加しておられたかと存じますが、また特に私どものあるいは動燃の方で、反対派の方々だけとの懇談あるいは説明というようなことは今まではやってございません。  ただ、反対派の方々とはいろいろな場合、抗議等でおみえになったときにはできる限りこれにお会いいたしまして、時間を割きまして貯蔵工学センターの必要性、安全性等については私ども考えを説明してまいったところでございます。
  82. 工藤万砂美

    ○工藤万砂美君 説明会や懇談会の中で、反対派の方もいらっしゃったかもしれないといったような想定でのお話でございますけれども、たまたまきのうも私は札幌で成松町長とも会っていろいろ聞きました。ぜひ会いたいということで反対派の酪農民の方々とお会いしたそうでございますけれども地元幌延町の方は一人もいらっしゃらない。みんな他市町村からお出かけをいただいた酪農民の方々ばかりらしゅうございましたけれども、説明をしようと思ってもがんがんどなりたてるばかりでもって話を聞いてくれない。どうしてもっと私にじっくり話をさせてくれないのですかというような話までしたそうですけれども、一方的に話をされて、反対反対だということで終わってしまった。そういうようなお話し合いあるいは説明会というものが今まで私はあったような気がするわけでございますけれども、そういうことではなしに、できるだけ親切、丁寧に反対派の方々とあくまでもひざを交えてお話しをする、そして理解を深めていただくということについての努力を私はしていくべきだなと思うわけでございます。  そこで、私は横路知事調査の拒否回答というものを見ますと、まことに微妙な内容であります。特に文面の中で地域のコンセンサスも得ていないのでといったようなことがやはり理由の一つになっておるわけでございますけれども、これは逆に反対派の方々をいろいろ説得をしまして御理解を得た場合には、逆に地域のコンセンサスを得たことになるわけでございますから、そういう場合はやむを得ないといったような受けとめ方も逆にできるわけでありますから、私は政府も動燃も最大の努力をしてきたと理解はしている次第でございます。  ただ私は、諸外国の研究の実態を見て、現地住民のこの問題に対する受けとめ方に大きな違いがあると実は思っておるわけでございます。私は、調査に参りましたときには本当にこの核廃棄物というものの処置について非常に危険なものであるし、北海道で例えばそういう工学センターをつくるとか、あるいはまた調査をするということ自体にも危険なものであれば、私自身が反対しようという白紙の状態で実は行ったわけでございますけれども、一般に流布されている、知事さんが言うなれば外国を視察して帰って後のPRの仕方とかあるいはマスコミがとらまえている報道についてはかなり差異があるように実は受けとめたわけでございます。と申しますことは、ワシントン州に参りましたらば、ワシントン州の知事が、これは連邦政府に対して反対であるという訴訟を起こしているといったようなPRが一時なされました。で、受けとめる側といたしましては、科学技術の進歩をした、しかもその原子力利用の問題については、先端を行くアメリカでさえワシントン州で連邦政府に対して訴訟を起こしているではないか、反対だと、こういうようなニュアンスで流布されているわけでございますけれども、実態は全く違いまして、ワシントン州の知事と直接会っての話でございますからこれは間違いございませんが、私どもワシントン州といたしましてはこれに対しましては訴訟を起こした事実は全くありませんと、はっきりとそういう回答をしております。ただ問題は、危険なものであるということの事実は事実でありますから、連邦政府に対しまして言うなれば提議をしておりますと。その内容というのは、まず第一に安全確保を主体とすること。これは当然であります。第二番目は、この核廃棄物を処理をしようというハンフォード地域は、全米の中で最も適切であるといったような証左をいただきたい。それから三点目は、地域の住民のコンセンサスを得てやってもらいたい。この三つであります。  これは当然のことでありまするし、日本においても当然これが中心になるわけでございますけれども、そういうことが、ややもすれば日本へ来ますると、反対であるから訴訟を起こしているんだと、こういうようなふうに受けとめられている節がありますので、それはひとつ、やはり政府の方としても考えてPRしなければならぬと思いますのと、それから日本では、三十年ないし五十年間貯蔵をして、その有効利用とかあるいは調査とかあるいは研究をするという計画でありますけれども、アメリカは様式が違いますね、御案内のように。日本では、再処理をして、しかも三十年、五十年貯蔵するわけでございますけれども、アメリカは使用済み燃料というものを再処理もしないでいきなり深地層の中に埋めてしまう、そういう方式でございます。でありますから、その方式をそのまま聞いてまいりますと、いわゆる環境調査も十分やるんでしょうけれども、いきなり例えば日本においても土中に埋めてしまう、こういうような認識を持たれているということも、実は私は違いがあるなというふうにも受けとめてきたわけでございます。  さらにまた、ペンシルバニア大学のロイ教授に会いましていろんな話を聞いたわけでございますけれども、日本でも、あるいは北海道でもガラス固化という問題については完全なものではないといったような、そういう報道がなされているわけであります。したがいまして、ロイ教授に直接会ってお話を聞きまして、あなたはそういうことをおっしゃいましたかという話をしたら、私はそんな話をしたことはありませんと。ただ、要望はしたことがございます。それはどういうことかというと、このガラス固化という問題と、それからセメント固化という問題とセラミック固化という問題と、三つの方法を実は研究をいたしましたと。この三つの方法はいずれも安全であるということの確認をされました。しかし、セラミック固化とかあるいはまたセメント固化というものは非常に安くつくというんですね、製作原価が。まあしかし、硼珪酸ガラスに閉じ込めるということは非常に高くつくので、これは国家的に不経済ではないか。なぜ政府はこのガラス固化ということに決めたのかということについて不満を漏らしたと、そういうことであります。  したがいまして、アメリカの私はエネルギー庁に行きまして聞きましたが、アメリカでは、そういう大事な廃棄物の固化という問題については、安くやるということになると企業的なベースで採算がとれない。まあしかし、ガラス固化であるならば製作自体に、企業として成り立つ、それから扱い方も非常にたやすいという、そういう問題でガラス固化に決めたんです、こうエネルギー相も言っておりましたけれども、ロイさんも、そういうことで不満であるということは申したけれども、安全については全く問題がない、こういうようなことも言われたわけでございます。しかしそれが一たん日本へ帰ってまいりますと、ガラス固化もどうも完全ではないといったような、そういうPRがなされる、そういうようなことであります。その辺の違い。  それからまた、フランスのカスタン委員会でいろんな話を聞きましたけれども、これは横路さんがお伺いをして、いろんなことで調査をしていきました。熱心に質問も受けました。我々もこれに対しまして熱心に説明をいたしましたけれども、非常に横路知事さんも、ああこれで十分わかったと、安心しましたといって感謝をして帰られた。そんなフランスでのことが全く日本には伝えられてないといったようなことも違いの一つでありまするし、また私は、ラアーグの研究所のすぐそばの海岸、これは御案内のように戦時中、大戦でノルマンジー作戦が行われたあの海岸でございますけれども、海岸のすぐそばに実はこのラアーグの研究所があるわけでございます。そのラアーグの研究所で言っておりましたけれども、日本から実はカキの稚貝を大変たくさん輸入をしておるというんですよ。その研究所のすぐそばの海岸でこれを養殖をしておる。私もその海岸から出ました生カキを腹いっぱいたくさんごちそうになってきましたけれども、漁民の方々はもっともっと日本から稚貝をたくさん輸出するように帰ったら話をしてくださいと、こういうような話を私もされてまいったわけでございまして、漁民の方々も全くもって政府の施策については安心をして何のトラブルもないと、こういうようなことを実はおっしゃっておりました。これはそういう問題も漁民の方々にはお知らせする必要あるなというふうにも感ずるわけでございます。  さらにまた、ベルギーのモル研究所へ参りまして、モル研究所の施設の数百メートルのところに大酪農地帯がございます。まあ酪農民の方々も国の方針というものを信頼して一度も実は問題を起こしたことない。問題があったとするならば、御承知のようなグリーンピースが来まして、三日ですか、四日ですか、マイクでもってぎゃんぎゃんがなり立てていった程度である。そんなようなことで、ベルギーは御案内のように北海道の面積の三分の一ぐらいで、人口も大体一千二百万程度でございますから北海道とちょっと似ている感じがするわけでございますけれども、いずれにいたしましても酪農民の方々もこれに対しましては非常に協力的であるし、何の不安もないということであるわけでございます。  そこで、各施設の研究所の結論は、放射能そのものは三十年間の貯蔵で十分の一に減ってしまうんだと、ましてや日本のように五十年間も三十年間も貯蔵するということになれば、最終的には放射能というものはほとんどなくなってしまうんで一番いい方法であるな、こういうような意見を実は申し述べておりましたし、それから深地層に埋める超元素、これらについても、我々は千年後、そしてまた二千年後を心配をしているわけでございますけれども、この超元素にいたしましても、いろんな、地球が崩壊するということになれば別であるけれども、五千年単位で、五千年で大体最大限動いても、動いても五センチだというんですよね、五センチ。だから五十万年にその計算でいきますと最大限動いても五メートルだと、こういうような研究ができておるんですと、こういうようなことを実は申しておったわけでございます。  したがいまして、これらの研究の成果というものを十分理解をしてもらう作業を積極的に行わなければならないと思うわけでございます。  そこで、これらのPRをいたしますと必ず出てくる反応は、貯蔵工学センターを設置した場合、高レベル廃棄物の最終処分地になるというような受けとめ方をされて反対運動に拍車をかけることになるわけでありまするし、また核のごみ捨て場なんというようなイメージを与えますので、最終処分地との関係というものは一体どうなるのか、それからまた、今私が申し上げたような諸外国の例というものをもっともっと地域住民方々にPRをしていただく必要があると、かように申し上げたいわけでございますけれども、その最終処分地の関係は一体どうなるんですか、その辺をお答え願いたいと思います。
  83. 中村守孝

    政府委員中村守孝君) 貯蔵工学センターと最終処分地との関係についての御質問でございますが、貯蔵工学センターはあくまでも高レベル廃棄物などの貯蔵と、それから高レベル廃棄物から出ます放射線、熱、こういったものを有効利用できないかという研究、それと並びまして最終処分の処分地を決定するためにいろいろなデータが必要でございますので、そのデータを得るための深地層試験、それから環境工学試験、こういったようなものが研究できるような設備なり体制を整えたい、こういうものでございまして、貯蔵工学センターを高レベル廃棄物の最終処分地とする計画を持っているものではございません。最終処分地につきましては、今後十年程度をかけまして、全国的視野に立って予定地を選定していくという立場にあるわけでございます。
  84. 工藤万砂美

    ○工藤万砂美君 さらに伺いたいわけでございますけれども、地質上活断層が近いとかあるいはまた地下資源があるとかいうことが言われて、その資源開発と地震等の地殻変動が想定されるというようなことでの反対の声があるわけでございますけれども、ここに図面がありまして、これは前回対馬委員も御指摘をされたことでございますけれども、この活断層の問題につきましては、これは「日本の活断層」の中にはっきりと明示してございますけれども、ちょっと読んでみますると、「開進地区を取りまく活断層について」、開進地区というのは幌延の今調査をしようという地域でございます。「一九八〇年に活断層研究会が全国的に活断層を検討した報告によれば、開進地区の北方約三十キロ位の所に存在する断層延長約二十三キロの幌延断層と、東方十五キロに断層延長十四キロの間寒別東方断層があるとされている。  両方の断層とも確実度2、活動度Cという認定で、その根拠を地理的な要素等から求めており、確実な活断層ともいえないようにも記載されており今後十分調査すべき項目でもある。」こういうふうに書いておるわけでございます。  さらにまた一方、野外調査が必要であるとか、「最近の数十万年間変位していなければ将来活動する可能性はきわめて小さく、活断層から除外した方がよいかもしれない。」、こんなようなことも実は「日本の活断層」の中に書かれているわけでありますけれども、石炭資源とかガス資源というのは、これは私も石炭の専門屋でありますから十分承知をしておりますけれども、この地域には石炭層がない、かように私は判断をしておるわけでありまするし、天北炭田と申しましても豊富町から以北でありますから、そんなような論議で、適切な場所でないという論議について、どのように考えておるかまずお伺いしたいと思います。
  85. 中村守孝

    政府委員中村守孝君) 先生指摘のように、幌延町の現在調査をしたいという地域は開進地区というところでございますが、この周辺地域におきます活断層の存在につきまして既存の資料で申しますと、この問題を取り上げておりますのは先生指摘の東大出版会の「日本の活断層」ということでございまして、御指摘のような活断層が存在しているかもしれないということでござして、これは、この活断層の中でも確実なものと、それからあるのではないかというものとの確度の違いを示しておりますが、こういったものは先生指摘のようにその近くにあるという断層は、あるかもしれないというもの、確度の低いもので活動度も低いという性格のものでございます。  当該地区におきましては、活断層があって問題になりますのは、これが活動して地震が発生して、その近くにある施設が破壊されるのではないかということでございますが、地震という面で見ますと、過去は大きな地震の発生記録はございませんで、北海道の中でも地震は少ない地帯であるとされているわけでございます。日本の二つのあるかもしれないと言われる断層というものがございますけれども、これらについて私どもとしては立地に支障を与えることはないと考えているわけでございますが、具体的に立地をするとなれば、やはりそこら辺につきましても明らかにして地元方々の不安を除いていく必要があろうと思いますので、そういったものについても調査をしたいと考えておる次第でございます。  それから、幌延町周辺の地下資源につきましては、施設の北約十キロ、豊富町の中に入るわけでございますが、そういったところとか、南方二十五キロも離れた遠別の方に天然ガスの鉱床があるということでございますが、幌延町においてはそういった過去において天然ガスの試掘井というのは掘られたことはあるようでございますが、開発に値するような兆候はないというようなことでございます。  特に地下資源の問題につきましては、これが具体的に問題になりますのは、高レベル廃棄物の最終処分場ということにいたします場合は、その資源と処分場との競合というような形で処分場にその資源を探り当てて人が近づいてくるということからいって問題になるわけでございませんが、この幌延の現在調査をしようとしている貯蔵工学センターはそういう最終処分地でもございませんので、地下資源との関係ということはそういう意味では問題がないかと思っております。
  86. 工藤万砂美

    ○工藤万砂美君 さてそこで、この幌延の工学センターを設立するという前提ではなくて調査をするということが今回の目的でありますけれども、仮にこの工学センターを設立した場合酪農民の間に風評被害が生ずるのではないかという不安が農家の反対を駆り立てているわけでございます。  例えば、ここに実物がございますけれども反対派の農民の方々がアンケートを実は出しているわけですね。これを見ますと、アンケート調査で皆さんからひとつアンケートの返事をいただきたいということで出したものですけれども、これを読みますとこう書いてあるんです。  私たちは天塩町の東部地域で酪農を経営している酪農民です。今、新聞、テレビ等で報道されている高レベル放射性廃棄物貯蔵施設を誘致しようとしている幌延町とは、天塩川一本へだてて向い合っている地域です。私たちの地域より約二キロメートル程の地点が廃棄物貯蔵施設建設予定地であります。  原子力問題資料室発行の資料によりますと幌延町に持ち込まれる高レベル放射性廃棄物とは、放射能を大量に含んだ廃液をガラスで固化したものをキャニスターと呼ばれるステンレスの容器に密封したもので、その中に入っている放射能は一本当り四十万キュリーと言われ、広島に投下された原爆の四十発分です。  放射能は、一時的に密封されたとしても、おびただしい放射線はキャニスターの外に放出され続けるものです。  仮にキャニスターのそば、五・三メートルの所に人間が一時間立っているとしたら全員死亡すると言われています。  このように危険なものが、二千本も貯蔵されようとしているのです。 と表書きに書きまして、そしてそういう地域で生産をされた酪農品、牛肉といたしましても牛乳といたしましても、あなたはそういうところから生産されるところの牛乳を飲みますかというアンケート、それから、そういうところにあなたはお嫁さんとして来ますか、こういうようなアンケートを出したんですね。  これは事実このとおりであれば私だって当然あの地域には立ち寄らないし、嫁にだって出したくないですよ。しかしこういうふうに——これは間違ってはいないと思うんですよ。ただし、これに対する安全施策というのを十分やれるということを我々は信用しておりまするし、当然これはコンクリートで遮へいするわけでございますから。現実の問題として、私どもは外国へ行ってキャニスターあるいはまた廃棄物の置いてあるところに立ってきたけれども、一時間たったって二時間たったって死にもしないでこうやって元気できておりますから、全く私は心配ないと思うんですけれども、こういう面での言うなれば反対派の方々のちょっと行き過ぎたようなPRがなされていると。  これは不安であるからこういう問題が出るんでしょうけれども、こういう問題が言うなれば風評被害というものを増大しているということはこれは間違いない事実です。したがいまして、これはよしあしは別にして、そういうものが道民全体に大体アピールされてきた段階の中で仮にそういう風評被害というものが現実に出た場合これはひとつどういうふうに対処されますか。
  87. 竹内黎一

    国務大臣竹内黎一君) 高レベル廃棄物つまりガラス固化体の貯蔵につきましては、先ほど来先生のお話にもありましたように、フランスにおける実績もございます、またこれまでの我が国の研究開発の成果等から考えましても、安全性は確保し得ると考えておりますし、またその安全を確保するのが国の責任だとこう心得ます。したがって、風評被害の発生は考えられないと思うのでありますが、もし万が一風評被害が生じた場合には、実施主体である動燃が誠意を持ってこれに対応するよう指導してまいる所存であります。
  88. 工藤万砂美

    ○工藤万砂美君 そこで仮に、貯蔵工学センターの誘致を仮にした場合ですよ、要するに地元メリットということでは、やはり近隣市町村方々も現段階では納得できないということをおっしゃるのは無理もないと思うんです。何のメリットもないということをおっしゃっているわけですから。ですから私は地元メリットということでは、言うなれば電源三法を当てはめてやるとか、あるいはまたちまたではたった十年間で六億ぐらいしか交付金がないんだというようなこともいろいろ言われているわけでございますけれども、私はこの交付金の問題についてももっともっとプラスアルファしてもらいたいということと同時に、この問題については地元メリットということについては、単に科技庁や動燃のみではおのずと限界がありますので、北海道のいわゆる公共事業を担当する開発庁にもやはりしかるべく協力していただく必要があると思うんですけれども、この工学センタープロジェクトを周辺市町村を含めた当該地域の今後の開発に積極的に役立てていくことについての開発庁側の見解を伺いたい。たたし、あくまでもこれは仮にですよ、仮に立地をした場合のことでございますから、その辺を含めて、開発庁、来ていますか。
  89. 三浦琢右

    説明員(三浦琢右君) お答えいたします。  この貯蔵工学センターは、原子力に関する試験研究施設でございますので、多数の研究員等の地元への就業といったものが見込めますし、また地域技術のレベルアップという点からも大変私ども関心がございます。  また、発生いたします熱や放射線を利用いたしまして農水産業等、地元産業の振興への寄与といった点も考えられまして、大きな開発効果が期待されております。  また建設投資によりまして、地元経済の活性化といった点も見込まれますので、立地が決定いたしますれば、当庁といたしましてもこのプロジェクトを含めまして地域開発の推進についての検討を進めてまいりたいと考えております。
  90. 竹内黎一

    国務大臣竹内黎一君) 私ども貯蔵工学センターを電源三法の対象とし得ると、こう考えております。したがいまして立地交付金等を交付することにつきましては、私としても先生指摘趣旨を踏まえて関係省庁との協議をできるだけ早く詰めてそれを明らかにしてまいるよう今後努力いたします。
  91. 工藤万砂美

    ○工藤万砂美君 最後に一点だけ伺っておきますけれども、いずれにしましても国の責任において進められる貯蔵工学センターでございまするし、先ほど来見切り発車の問題だとか準備行為だとかいうようなお話がございましたけれども大臣がおっしゃるように、地元のいわゆる住民理解を得られる範囲というお答えがあったわけでございますけれども、まことに私は慎重な御答弁をなさったと思うわけでございます。  ただし、いろんな法律を整備するにいたしましても、現実の問題として調査をしてそれからどういう法律をつくるとかなんとかいう問題はその後に来る問題でしょう。しかも幌延の問題については調査をするけれども、実質的にそれがよろしいということになった場合に昭和六十四年ですか、六十四年以降実施をするというその間に随分時間があるわけでございますから、その時間内にこれは当然法律というものを準備していかれると思うわけでございますけれども、とにもかくにも今年度の予算に七千二百万円も計上されているわけでありますので、予算の執行の責任者である政府側といたしましても、やはり私は毅然たる態度でこの問題を進めていく必要があると思うわけであります。  そこで、ひとつ最後に大臣の決意のほどをちょっと伺っておきたいと思います。
  92. 竹内黎一

    国務大臣竹内黎一君) 先ほどの先生お尋ねても政府はなぜ逡巡しておるのかという、こういうお話がございましたが、私どもは慎重の上にも慎重を期しておる、こういうことでございまして、あるいはそれが先生の目には逡巡と映ったのかなと、こう思っております。  改めて申し上げるまでもなく、私どもはこの貯蔵工学センターというのは日本の原子力のいわば開発利用を進める上で非常に重要かつ不可欠な施設であるとまず認識をしております。  それから先生御案内のように、およそ原子力関係施設立地には大変に長い時間を要するわけでありますが、何としても地元の方の理解協力を得るということはできるだけ早く進めるべきものだと、こう理解をしておりますので、これからもまたそういう方向で一生懸命の努力をしてまいりたいと思います。
  93. 沢田一精

    委員長沢田一精君) 都合によりまして小笠原君の質疑を行います。小笠原君。
  94. 小笠原貞子

    小笠原貞子君 高レベルの放射性廃棄物の地層処分に関する研究開発は五十九年で第一段階の有効な地層の選定を終了いたしました。そして今年度から第二段階の処分予定地の選定に入ることになっておりますが、そこでまず第二段階とはどういうものなのか、どういうことをするのか。時間がわずかでございますので、簡潔にお答えをいただきたいと思います。
  95. 中村守孝

    政府委員中村守孝君) 地層処分技術開発の第二段階、これは六十年度から約十年間ということにしておりますが、これは処分予定地の選定を目標に進めるものでございます。  具体的には、第一に複数地点において地表踏査を中心とする広域調査を行いますとともに、順次候補地点を選定してボーリングを含む精密調査を行うということでございまして、これは全国を対象に進めるわけでございます。  それからこれと並行いたしまして、これらの候補地点の選定等のデータの取得に資するため、深地層試験場を設けて深地層での天然バリア及び人工バリアの試験などを行うことを考えております。  それから第三に、同じく先ほどの最終処分地の決定に資するため、これは地上に施設する施設でございますが、環境工学試験施設を設けまして、深い地点から取り出した岩石のサンプルなどの放射能を用いました試験を行う。  それから四番目といたしまして、これは特に第二段階ということでございませんで、第一段階から引き続き行われていることでございますが、横断的に必要となるもろもろの研究がございます。人工バリア、天然バリアの研究、地層処分システムの研究開発、こういった研究を並行して進めることにいたしております。
  96. 小笠原貞子

    小笠原貞子君 第二段階とは、つまり広域調査、二番目に精密調査、そして三番目に深地層試験、四番目に環境工学試験を行うというふうに今御説明いただきました。それでは、幌延は第二段階の対象地になっておりますでしょうか。
  97. 中村守孝

    政府委員中村守孝君) 幌延は、第二段階という意味で申しますると、深地層試験場とそれから環境工学試験施設をあわせて、いわゆる何といいますか、高レベルの廃棄物の貯蔵とあわせてそういったものを行います。したがいまして第二段階での役割は深地層試験場及び環境工学試験施設ということになります。
  98. 小笠原貞子

    小笠原貞子君 そうしますと、ちょっとおかしいと思います。つまり幌延が第二段階の中で深地層試験とそして環境工学試験の試験をやるということをおっしゃったわけですよね。そうすると、これは文字どおり第二段階の研究開発の根本をなす深地層試験、環境工学試験を行う、つまり第二段階そのものとして幌延を位置づけしていらっしゃるということになるわけですね。どうなんでしょうか。
  99. 中村守孝

    政府委員中村守孝君) 先生指摘のように第二段階でやるべきこととして先ほど四つの点を申し上げたわけでございまして、幌延においては深地層試験場とそれから環境工学試験、これを幌延においてできれば行いたいということを考えておるわけでございます。
  100. 小笠原貞子

    小笠原貞子君 できれば行いたいというのではなくて、その工学センターというのが貯蔵だけではなくて、第二段階の深地層の調査、環境工学センターそのものもやる、こういうことになるわけですね。
  101. 中村守孝

    政府委員中村守孝君) 私がしたいと申し上げましたのは、まだ立地地点として決めているわけではございませんで、私どもはあくまでも候補地であるということでございますので、こういうことを幌延でできるならばさせていただきたい、こう申し上げたわけでございます。
  102. 小笠原貞子

    小笠原貞子君 まだ幌延で決まったわけではないと、第二段階調査の対象地というふうにはっきり決まったわけではないと、そうおっしゃっているわけですよね、はっきり決まったわけではないと。決まっていないのであったら、幌延でこのような第二段階そのものである深地層試験と環境工学試験を行うのは大きな矛盾があるというふうに思うんですが、いかがですか。
  103. 中村守孝

    政府委員中村守孝君) 御質問趣旨がつかみかねますが、この十年間で地層処分技術開発を国全体としてどういうことをやるべきかということを考えたときに、計画としては先ほど申しましたように、いわゆる最終処分地を順次決めていくため、複数地点においての広域調査、それから順次候補地点を選定して、精密調査も行いたい、こういうことが一つと、それから深地層試験場あるいは環境工学試験施設を設けて処分場決定のためのいろいろなデータも取得していきたい。それから、第一段階から引き続き横断的な、基礎的な研究もやっていきたい、こういうことを申し上げまして、それを具体的に全国全体としてそういう計画を持っているわけでございまして、これを具体的にどこで行ったらいいかという具体的な計画という点では、これを幌延でやるとかなんかはまだ決めているわけではありませんで、あくまでも幌延は一つの候補地、これを行う候補地。ですから、地元がお許しいただけるなら、あそこには既存資料では広い岩体もございますのでやらしていただきたいなと。しかし、これも調査の結果、既存資料とは違った事実が出てくれば、これはまた別でございます。  そういうことでございまして、最初に申しました複数地点の調査も、これから全国のどの地点を調査対象にしていくかということを今いろいろ検討しておるという段階でございます。
  104. 小笠原貞子

    小笠原貞子君 そうしたら、また別の角度から聞きますけれども、そうしたら幌延は広域調査というそのものの対象になっていますか。
  105. 中村守孝

    政府委員中村守孝君) 現在の広域調査の複数地点の対象につきましては、現在いろいろ検討をしておる段階でございまして、具体的に全国のどの地点とどの地点、どの地点というような形での絞りに入っているわけではございません。そういう状況にはございません。
  106. 小笠原貞子

    小笠原貞子君 原子力委員会放射性廃棄物対策専門部会というのが五十九年八月七日に「放射性廃棄物処理処分方策について」の中間報告というものを出されております。  その中で三十三ページに、「第二段階における調査・研究開発項目」というところで「処分技術開発」というのが述べられております。で、「広域調査 第一段階の終了に伴い有効な地層の選定が行われたが、第二段階はこの有効な地層のうちから複数地点を取り上げ、経済的・社会的要因調査、地表踏査、必要によって」ボーリング等を行う。「これにより岩体規模等を調査し、精密調査地点の選定と深地層試験の場所選定を行う。」、こういうふうに書かれておりますよね。  そうすると、先ほど言われましたように、深地層試験というようなものも、ここで言われているところから見ると、まず広域調査をして、そしてその後に精密調査地点の選定と深地層試験の場所選定を行うということの順序になるわけでございますね。  ところが、幌延では広域調査というのは終わっていないわけですよね、もちろん。それどころか対象地として決めているわけでもない、こういうふうにおっしゃったわけです。それなのに既に、ここで言われている深地層試験の場所選定をされることになるわけですね、工学センターをつくって、そこでそれをやるということになると。こういうことになりますと、選定し終わって、具体的立地に向けて調査までやるということになるわけですよね。そうすると、これは非常に重要な問題ということにならざるを得ないと思うんです。明らかにこの報告に書かれているように、広域調査をやって、そしてその後、深地層試験を行うというような順序、手続、全くなされないでいきなりやられてしまう。地層試験の場所も選定されるという結果になってしまうわけなんです。  そこで長官伺いたいんだけれども長官原子力委員会委員長でいらっしゃるわけだから、ここは長官に伺わなければならない。  あなたの原子力委員会の報告で書かれていることを今私は申し上げたわけなんです。そうすると、ここに報告に書かれているような立場に立って行われていないわけだから、これは計画というものをそういうところまでいくのは行き過ぎだと。ストップせざるを得ない、ストップさせるべきだと思うんですけれども、いかがですか。——ちょっと、あなた原子力委員じゃないでしょう。
  107. 中村守孝

    政府委員中村守孝君) 事務局でございます。
  108. 小笠原貞子

    小笠原貞子君 事務局ね。私、今事務局には聞いていない。原子力委員長としての長官に伺っているんだから、恐れ入ります、長官お願いします。
  109. 竹内黎一

    国務大臣竹内黎一君) お答えいたします。  今、先生御提起の深地層試験の場所選定に当たりましては、試みのボーリング等によりまして深地層に試験に適した岩体が存在することをあらかじめ調査して確認する必要があります。中間報告では、この調査もまた広域調査と呼んでいる次第でございまして、先生指摘のような手順混乱ではないと理解をいたします。
  110. 小笠原貞子

    小笠原貞子君 今そうおっしゃったけれども、やっぱり私は納得できないんです。広域調査をまずやる。そしてきちっとここに書かれているわけですよね、日本語として正確に読めば。第二段階は「有効な地層のうちから複数地点を取り上げ」、複数地点、幌延以外にどこかありますか。複数地点と書いてあるけれども、どこかあるんですか。
  111. 中村守孝

    政府委員中村守孝君) 現在、具体的に決まっているところはございません。
  112. 小笠原貞子

    小笠原貞子君 幌延たった一カ所しかないということはここではっきりいたしましたね。広域、有効な地層というのは日本じゅうに、あの第一段階の終了でいっぱいあるわけなんです。幌延しか取り上げていないわけです。そして、まず「複数地点を取り上げ、経済的・社会的要因調査、地表踏査、必要によって」ボーリングなどを行うと。これ、まだやられていない段階ですね、みんなの反対に遭って。これによって地層試験というようなこともやっていくのに、工学センターというものの役割の中に、これもやるというふうにきちっと書かれているわけでしょう、深地層試験というようなのも、そうすると工学センターというのは貯蔵だけじゃないんだということですよね。これは前のにはなかったんだけれども、新しく八月に出されたのに工学センターは貯蔵だけではなくて、深地層試験、環境工学試験施設というものも加えられましたね。ここがやっぱり一つの問題だと思うんですよね。長官原子力委員会の責任者として私は伺いたいんだけれども、今事務局で書かれたものをお読みになりましたけれども原子力委員あと四人いらっしゃいますね。あと四人も今おっしゃったような考え方なんですか。ここに書かれているような、具体的なきちっとした手順は踏んでいないし、考え方も私は違うと思うんです。だから、その四人も含めた原子力委員会としての見解ではないと思うんだけれども、どうですか。
  113. 竹内黎一

    国務大臣竹内黎一君) お答えいたしますが、四人の原子力委員を含めた全体の見解と御理解をください。
  114. 小笠原貞子

    小笠原貞子君 それ本当ですか、危ないね。
  115. 中村守孝

    政府委員中村守孝君) この中間報告につきましては、専門部会から上がりまして、専門部会長から原子力委員会に報告され了承されたものでございますので、原子力委員の皆さんがそういう考えであるということに理解してよろしいかと思います。
  116. 小笠原貞子

    小笠原貞子君 そこが怪しいんだわ。ここに、原子力委員会の報告書に書かれているということは、原子力委員の承認があって書かれていると思う。だけどそのとおり具体的には実施ではなくて、進み過ぎているじゃない、一歩進んでいるじゃない、手続も抜かしているじゃないということで、この書かれていることと実際とは違いますよと。その実際の問題について四人の委員が承認されたかどうかということを私は聞いている。今言ったように、広域調査もしないで、それでどんどん進めて、深地層試験の場所選定まで行うような準備をしているということは、私は原子力委員全体の意見だとは思わない。だから、それが本当かどうかもう一度原子力委員会にかけていただきたい、それが本当に大丈夫かどうかというのを私は再度検討していただきたい、そう思うわけです。
  117. 中村守孝

    政府委員中村守孝君) これは原子力委員会の専門部会で精緻にわたる検討をいたしまして、原子力委員会としてはこの基本的な行き方としてこういうものをお認めいただいたものでございます。実際のこういう具体的な実施行為というものは、この基本的な考え方の線に沿って実際の衝に当たる者がやっていくということでございまして、この文面から何か特段変わった解釈ができるというぐあいには考えておりません。
  118. 小笠原貞子

    小笠原貞子君 時間がたつから、平行だけれども、次に進みます。  先ほど長官、今やろうとしている調査について地元の不安や疑問に答える必要がある、だから地元理解を深める調査をすると、こうおっしゃいました。その地元理解を深めるための調査とおっしゃいましたけれども立地をしたいからおやりになるんですね。立地をしたいから地元調査を深めたいということですね。
  119. 竹内黎一

    国務大臣竹内黎一君) 私どもがかねて頭に置いておりました調査というのは、立地の適否を判断するための調査でございます。そして、私がけさほど来答弁申し上げておりますのは、そういう適否調査というとかなり広範囲なものが考えられますが、特に当面倒協力を得たいとお願いしているものは、まさしく地元の不安あるいは批判に対する正確なデータを提出いたしたい、そういう調査をさしていただきたいということでございます。
  120. 小笠原貞子

    小笠原貞子君 適否の調査とおっしゃるけれども、先ほど申し上げましたように、幌延しかやっていないんです。幌延しか頭にないですよね。ほかにはどこも具体的にはないわけよね。そこで理解を深めたいということは、幌延で進めたいということ以外にないでしょう。それでいろいろ言葉をごまかしていらっしゃるにすぎないじゃないですか、全く広く有効な地域というのがあるんだから、全く広くやればできるわけでしょう。やればできるのにやらないで、幌延だけに、そこに固執していらっしゃるというのは、そこでやりたいからそういうふうに考えていらっしゃる。動燃吉田さん、どうなんですか。調査するだけとおっしゃるけれども調査幌延だけではないですよね。ここにどうしてもつくりたいということがあっての御調査でございましょう、今進めたいというのは。
  121. 吉田登

    参考人吉田登君) 私の方も、先ほど長官が言われましたように、我々が予定している調査をやりたいというふうに思って出発いたしましたけれども知事さんとの折衝の結果いろんな問題も出てまいりました。我々も広報活動やりました上でいろいろな疑問点なんかも提出されました。そういう関係で、我々が皆さんの理解協力を深めるためにもどうしても我々自体データを欲しいというものがあります。そういうものは、例えばそこの地盤はどうだとか、断層はどうだとか、地下水はどうだとかというようなことの全部でなくても、その一部を我々も調査をしてデータをとらないと、皆さんの理解協力を深めていくことができないということで、そういう範囲に限って我々は当面の調査としてやりたい、こういうことを言っているわけでございます。
  122. 小笠原貞子

    小笠原貞子君 理解協力を深めたいとおっしゃりながら、やっていることは地元を分裂させて混乱を起こしているというのが事実ですよね。地元理解協力を得たいと言ったら、地元はもう調査そのものに反対だと、こう言っているわけですよね。だからますます協力できないような確執を大きく生んでいくということになるのではないかと私は言いたいわけなんです。  そこで長官とお二人に伺いますけれども地元協力理解をいただくというその地元の中に、知事は含まれるのですか、知事はもう要らないんですか。
  123. 竹内黎一

    国務大臣竹内黎一君) 私どもは、何としても知事さんの理解協力もぜひ得たいと思って今日まで努力をしてきたつもりでございます。
  124. 吉田登

    参考人吉田登君) 私の方もそういう努力をしてまいりましたけれども現実の問題といたしまして幌延町からは調査促進決議していただいておりますし、また道議会からも調査促進決議をやっていただいております。知事さんからは調査についてはまだコンセンサスを十分に得られていない段階だというように私は受け取っております。しかし、その席で私も、そういうコンセンサスを得られていない方々に対して、特に隣接町村に対して理解協力を得るためにこういう一部の調査がどうしても必要なんですということで、これはやらしてくださいと、こういう形でそういう意味調査だけはやりたい、こういうふうに申し上げているわけでございます。
  125. 小笠原貞子

    小笠原貞子君 もう時間がないので終わりますけれども、やっぱり平行線ですよね、今のところ。どこまで行っても平行線だといった場合に、このままで行って、いろいろ努力されたけれども、そしたらそのときにはどうなさるかということなんですよね。  私が非常に恐れるのは、さっき長官も穏やかに進めたいとおっしゃった、私もそうあってほしいと思うけれども知事同意というのはなかなかできない、幌延賛成だと言ったけれども、さっき同僚議員も言ったように反対のところもたくさんあるということでは、これは強行するということは大変なことだと思うんですよね。これを私はこの段階で強行すべきではないと思うんです。ましてや警官を導入するというようなことになったら大変だと思うんですよ。その辺のところ、一生懸命努力しましたよと、努力したけれども知事はもう言うことを聞いてくれませんといって強行するのか、強行して警察なんかも導入するということになったら大変なことになる。もう協力ところでない問題になりますからね。その辺まで考え長官は、今この幌延を中止と、ちょっと今のところ強行するということは抑えるというふうに考えられませんか。
  126. 竹内黎一

    国務大臣竹内黎一君) 横路知事さんに理解を求める、協力を求める努力はこれからも私また精力的にやってまいりたいと考えております。  それからまた、先生御心配の地元にいわば不測事態が起こるような危険はないかということでございますが、私先ほど申し上げましたように、そういうような、何と申しますか、激しい衝突というそういう状況の中でもあくまでも調査を強行するというようなことは、私どもは念頭に置いておりません。穏やかな調査と申し上げた表現の中には、そういう意味が含まれているというぐあいにひとつ御理解を賜りたいと思います。
  127. 小笠原貞子

    小笠原貞子君 吉田さんどうですか。そこまで踏み越えてやりますか。
  128. 吉田登

    参考人吉田登君) 私の方も地元混乱を起こさないようにそういう範囲で、理解の得られた地域の範囲内での調査をやらしていただきますと、こういうふうに言っております。
  129. 小笠原貞子

    小笠原貞子君 それで反対ということになって混乱が起きるというようなことも考えられるでしょう。それでもやりますかというの、私の質問意味は。
  130. 吉田登

    参考人吉田登君) 私の方はそういう混乱を起こさないようにいろんな手だてを尽くしてやりたいと、こういうふうに思っておりますので……。
  131. 沢田一精

    委員長沢田一精君) 時間です。
  132. 小笠原貞子

    小笠原貞子君 はい。
  133. 太田淳夫

    ○太田淳夫君 それでは最初に、石油製品の輸入の問題について質問したいと思うんです。これは私、前回の予算委員会あるいはこの当委員会におきましても大臣にそのときの御見解を承ってきたわけでございますけれども、どうでしょうか、大臣、いよいよ今暫定措置法というのが審議されておりますけれども、これで大臣がお考えになっておりましたような石油製品の輸入の自由化ということが促進をされると、こういうふうにお考えになっていらっしゃいますでしょうか。
  134. 村田敬次郎

    国務大臣村田敬次郎君) この石油製品輸入化の問題は非常に従来からの大きな懸案でございまして、実は七月のIEA閣僚会議において、関係各国から日本に対して強く要望のあったことでございます。その後、石油審議会でこの問題についての方針を討議をしていただき、答申を得ましたので、政府案として今回お願いをしたわけでございまして、現在の国際的な石油の需給事情の中から、ぜひ石油製品を輸入しなければならないということで、石油業法の特例法として今回の暫定措置法を提案した次第でございます。これによって石油製品の輸入化というものは進んでいくものと考えております。
  135. 太田淳夫

    ○太田淳夫君 今の大臣の御答弁の中にありましたように、石油製品の輸入は自由化がこれから進んでいくだろうと、こういうことでございましたが、この第一条を見ますと、確かに「石油製品の輸入を円滑に進めるため」という趣旨がございますし、それに関連しまして「必要な暫定措置を定める」と、こうあるんですけれども、この暫定措置というのは、暫定というのはこれは恒久的な措置じゃなくて、いろいろな状況の変化によっては今後変更もあり得るぞと、こういうことでございますね。そういうふうに認識してよろしいんでしょうか。
  136. 畠山襄

    政府委員(畠山襄君) この暫定的な措置にしております理由でございますけれども、そもそも国際的な製品貿易市場にこの法案の対象になっております特定石油製品でありますガソリンとか灯油とか軽油とかいうものが豊富に存在するということがあって、初めて輸入とかいう問題が生ずるわけでございますので、そういった市場の状況になくてはいけない。そういった市場の状況にあるためには、石油の需給が一般的に緩和している状況じゃなくてはいけない。そして、石油の需給が緩和している時期というのは無限ではなくて、ある期間少なくとも緩和しているというふうに考えられますので、その期間少なくともそういった輸入の問題ということが現実的な問題として起こるという考え方のもとに暫定的な措置としてお願いしているわけでございまして、したがいまして、暫定的な措置の期間が一応到来いたしましても、その後の状況によって、いろんな対応が考えられるという性格のものでございます。
  137. 太田淳夫

    ○太田淳夫君 法案の審議は当委員会ではございませんで、また商工委員会等でいろいろと論議がされてくると思います。今お話がありました、円滑あるいは自由化ということでございますが、いろいろなところでいろんな批判をされることも今あるわけですね。この法案の中身を見まして、いろんな制限が加わっているじゃないかとか、あるいはむしろ輸入が円滑に行われないのじゃないかという、そういう意見も今あるわけでございますけれども、その点についてはどのようにお考えでございますか。
  138. 畠山襄

    政府委員(畠山襄君) まず、この法案に関しますいろんな制限があるじゃないかという点の御指摘に関してでございますけれども、確かに今まで、届け出と石油業法で書いてありました石油の輸入につきまして、一部登録にかかわらしめますことが規制の強化というふうに形式的に見えないでもないということは事実でございますけれども、ただ、これまで私どもは、その石油業法に基づきまして、必ずその届け出の規定、及びそれを受けた通産大臣の勧告の規定、そういうものを背景といたしました行政指導によりまして、全面的にこの当該石油製品の輸入を抑制してきたという事実があるわけでございますので、それを今回、こういう適格な輸入主体による輸入ということを初めて認めていくということでございますので、実質的には大幅な規則の緩和であるというふうに考えているところでございます。  それから第二の、これによっては製品の輸入が行われないのではないかという御指摘に関してでございますけれども、適格な輸入主体による輸入ということに限定をいたしましても、季節的な変動要因でございますとか、それから定期修理でございますとか、それから生産構造と販売構造の企業ごとの違いでございますとか、そういうことがございますので、特定石油製品の輸入をこの輸入主体が実行することはまず間違いないものというふうに考えておりますし、現に、この法律の成立を待って輸入するべく各社とも努力をしているように聞いております。
  139. 太田淳夫

    ○太田淳夫君 これから法案審議がされ、法案が成立をしてからいろいろな手だてということになろうかと思いますけれども、やはりこれは国際的ないろんな環境の変化等によりまして、自由化というものが推進をされてきた一面もありまするけれども、この輸入の自由化の実施の時期とか、あるいは輸入数量のいかんによりましては、アメリカあるいはECからさらに批判をされるおそれもあるんじゃないかと思うんですけれども、こう考えましても、アメリカあるいはECから批判されないためにも、具体的にその実施の時期というのは、開始の時期はどのぐらいになるのか、あるいは数量についてどのぐらいの数量というものが、そういういろんな海外の批判をかわす——かわすと言っちゃおかしいですけれども、批判を浴びないような適正な量あるいは適正な時期と、このようにお考えになっていらっしゃいますか。
  140. 畠山襄

    政府委員(畠山襄君) まず、輸入の時期の点に関連してでございますが、本法案を策定いたしまして、そして臨時国会にこういう内容のものとして提案いたしましたことにつきまして、諸外国は大変高い評価をしているわけでございます。したがいまして、できるだけ早期にお認め願いまして、早期な製品輸入が実現できますよう私どもとしては期待をいたしておるわけでございます。  それから第二に、輸入量の点についてでございますけれども、これは私どもとしては、各社の輸入の見通し、輸入の計画というものをできるだけ尊重していくということで考えておりまして、あらかじめ幾らの数量を輸入しないといけないというような数量的なめどをアプリオリに設定するということは避けてまいりたいと考えておるところでございます。  そうなった場合に、諸外国から逆に批判があるかという点でございますが、先般のIEAの閣僚理事会の共同コミュニケにおきましても、市場の需給の状況に応じて国際的な輸入を拡大していくという趣旨合意が行われているところでございまして、したがいまして数量が市場機構にマッチしないために入らないということがありましても、国際的な批判はないものというふうに考えてございます。
  141. 太田淳夫

    ○太田淳夫君 今、お話の中に、諸外国では非常に高い評価を受けているとかいろんな御答弁ございましたけれども、実際にヨーロッパとかアメリカにおきましては、こういうような法案があるんでしょうか。例えば今回の場合でも、登録の資格を有するような者というのは、ほとんどこれは特定の者に絞られてきている感じがしますね。先ほどお話がありましたように、こういう石油製品の輸入につきましては、届けを出して、それが通産大臣の許可によって行政指導という立場で抑えられてきたのが今まででございましたが、いろんな立場の人たち、消費者団体であるとか、あるいは精製業者なり石油販売業者の方でも自由に輸入の届けは出すことは一応できた。今度は、はっきりと登録の要件というのはこうですよということで、品目別に検査されて、きちっと法律的に定められてしまう。こうなりますと、今まで一応は行政指導で抑えられていたとしましても、届け出制しょって認められておりましたそういう消費者の立場方々あるいは販売業者、そういう方々の輸入というのは完全にこれは法案から締め出されてしまう、こういうような法案というものは海外にはないんではないでしょうか。  先ほどお話がありましたように、こういう石油精製業者に限ったこの法案が高い評価を受けているというお話もありましたけれども、実際にだんだんと実態というものがわかってくるならば、今度それが批判に変わってくるおそれもあるんじゃないでしょうか。今までも通産省の行政指導というものは海外において余り高い評価を受けてないように思います。そういう批判をかわすためにも、今回のこの法案というものが利用されてきているんではないか、こういうような私は考えもするんですが、その点はどのようにお考えですか。
  142. 畠山襄

    政府委員(畠山襄君) まず、海外にどういう製品輸入あるいは石油の輸入に関する法制があるかという点でございますが、フランスでございますとかスイスあるいはスペイン、そういった諸国、ほかにもございますけれども、そういった諸国では石油の輸入は許可制ということになっておりますので、特定の者に限定をした輸入許可を行っているということでございます。  また、御指摘のこの法案の内容が海外に知れるにつれ海外の批判が出てくるんじゃないかという点でございますけれども、たまたまこの法案の概要が固まってまいりました時期に、IEA、国際エネルギー機関の理事会もございまして、向こうから質問もございまして、概要についてこの登録制の内容を含めまして説明をしたところでございますが、その点も含めて大変に海外から高く評価をされているわけでございます。
  143. 太田淳夫

    ○太田淳夫君 これがむしろ消費者のためにいろいろな点でプラスにならないようなことにならぬように私たちとしては懸念をしておるわけでございますが、その点はどうでしょうか。
  144. 畠山襄

    政府委員(畠山襄君) 登録の要件といたしまして、三つの要件を定めております。  一つは、代替供給能力及び得率調整能力でございます。それから、第二は貯油能力でございまして、第三が品質調整能力でございます。  第一のまず代替供給能力と申しますのは、特定石油製品、この場合例えばガソリンでございますが、の輸入が途絶をしてしまいました場合に、それにかえて原油を海外から買ってまいりまして、そして国内で精製する能力ということでございまして、途絶をしっ放してございますと、消費者への安定供給も害されるというためにとられた措置でございますので、基本的に消費者の利益を損なわないことを目的とした措置でございます。  また、得率調整能力につきましても、ガソリンの輸入がございますと、ガソリンの国内生産が減ってしまうわけでございますが、太田委員お詳しいように、石油は連産品でございまして、したがってガソリンの国内生産が減るのみならず、灯油の国内生産もその場合は減る、あるいは軽油の国内生産も減ってしまうということになるわけでございます。ガソリンにつきましては、輸入がございますので需給のバランスが合うわけでございますが、ところが灯油と軽油の場合は、そのとき輸入があるかどうかははっきりいたしませんものですから、その場合に国内の灯油の生産あるいは軽油の生産が減らないように、そういった得率の調整能力を求めているわけでございまして、これも消費者に対して灯油なり軽油をガソリンの輸入があった場合にも安定的に供給が確保できるようにということも含めた意味でつくらしていただいている規定でございます。  また、第三に申し上げました品質調整能力と申しますものも、これを無秩序な輸入を認めますと、海外から粗悪な例えばガソリンが入る可能性がある。日本は世界に先駆けて、例えばガソリンの無鉛化ということを進めておりますが、そうではない有鉛のガソリンも入ってくるという可能性が無秩序な輸入を認めますとあるわけでございまして、こちらの法律案では、それに対しまして品質調整能力というのを具備した適格な輸入主体による輸入ということをお願いいたしているものですから、今申し上げたようなことにもならなくて、消費者の利益が確保されるというふうに考えているところでございます。
  145. 太田淳夫

    ○太田淳夫君 一方では業界は、現在の精製能力そのものが約百万バレル程度も過剰になっているわけですけれども、今後、計画的にどのような設備廃棄を進めていくのか、これは今回のこの石油製品輸入との関連というのはどのように考えたらいいのか、その点どうでしょうか。
  146. 畠山襄

    政府委員(畠山襄君) まず、御指摘のように、現在過剰な精製能力といいますのは、先般出されました石油審議会委員会報告によりますと、おおむね七十万バレルから百万バレルであろうというふうに指摘されているわけでございます。したがいまして、これを迅速に処理していくことが石油業界の全体の構造改善に寄与いたしますし、また、その体質改善にプラスになるわけでございますので、これを処理してまいる必要があるわけでございますが、私どもとしましては、一応それを三カ年計画で処理をしていこうという計画で今諸般の施策を進めているところでございます。  また、設備過剰と輸入自由化との関連でございますけれども、確かにガソリンの例えば輸入がございますると、ガソリン製造のための国内の設備の稼働率がその分下がるということは事実でございますが、ただ先ほどもちょっと申し上げましたように、他方この法案では代替供給能力というものを持つことを適格な輸入主体に要請いたしておりますものですから、そのガソリンの輸入の供給が途絶えたときに国内で精製できる予備の能力を持っていなくちゃいけないということでございますので、ガソリンの輸入量自体が直ちに設備の削減につながるということにはならない。前段で申し上げた過剰設備能力というのは、一応この輸入を離れた数値から算定されておるというふうに御理解賜りたいと思います。
  147. 太田淳夫

    ○太田淳夫君 昨年の石油審議会の答申の中にガソリンの輸入自由化と同時に輸出のこともたしか触れていると思いますが、提言されていますね。アメリカあたりでは、先ほどおっしゃいました日本の良質のガソリン、確かに技術的にすぐれた、無鉛化も進んでいる、そういうガソリンの日本からの輸出ということも要望が出ているという話もありまして、やはり輸入の自由化ばかりではなくて、今度は日本の良質のガソリンの輸出をしていく、こういうこともやはり考えていかなければならない時期に、答申のとおり実行するとすればなってきていると思うんですが、その点どのようにお考えですか。
  148. 畠山襄

    政府委員(畠山襄君) 太田委員指摘のように、確かに昨年の石油審議会の答申でも、輸出の弾力化という問題が触れられておりますが、ことしの九月の石油審議会の答申におきましても、この輸入自由化の措置と並んで、やはり輸出についての弾力化ということがうたわれているわけでございます。したがいまして、私どもとしましては、輸出の弾力化の問題につきましても、特定石油製品の輸入の定着状況を見きわめながら、迅速に政府としての態度を決めてまいりたいというふうに考えているわけでございます。
  149. 太田淳夫

    ○太田淳夫君 次に、大蔵省見えていますか、時間がないのであれですが。  それではお尋ねしますけれども、最近ちょっと報道の中でございましたんですが、G5以降、円高誘導政策がとられてきましたが、せんだっての予算委員会の日銀総裁等の意見も、ある程度の期間円高のために介入を続けていくんだということでお話がありましたが、このまま円高基調が続いてまいりますと、下半期あるいは来年も続いてまいりますと、エネルギー財源である石油税の税収が目標以下になるんではないかということが懸念されるわけですが、大蔵省としてはどうでしょうか。
  150. 濱本英輔

    説明員(濱本英輔君) 六十年度石油税収の見通しということになりますと、確かに御指摘のように、円高がどのような推移をたどりますか、またそのことに伴いまして石油の輸入数量でございますとか、原油の輸入価格にそれがどのような影響を与えるかということがクリアでございません。現段階におきましては、確たることを申し上げかねる状況にございます。状況の推移をよく見きわめながら情勢把握に努めてまいりたいと、かように今は考えております。
  151. 太田淳夫

    ○太田淳夫君 小さい声で余りよく聞こえませんでした。大体答えは予想されたとおりでございますが、やはり通産省もいろんな業界のお話等につきましては状況を把握されていると思いますが、せんだってもエネ庁長官は、石油税の問題につきましては増税は認めないという旨の雑誌の記事に出ておりましたけれども、やはり石油業界からは過重な税負担の見直しということも今声になって起きておりますけれども財源確保という意味で安易にやはり税率アップ等を考えるべきじゃない、私たちもそう思いますが、その点どうでしょう。
  152. 野々内隆

    政府委員(野々内隆君) 御指摘のとおりに考えております。万一、将来、歳入と申しましょうか、石油税収の不足がありました場合でも、当然歳出の合理化あるいは効率化ということにまず取り組むべきであると考えておりますし、それでも足らない場合には一般会計留保分の取り崩しというような手もございますので、安易に増税というものは考えるべきでないというふうに考えております。
  153. 太田淳夫

    ○太田淳夫君 次に、円高によります被害の救済の問題について一言お話しさしていただきたいと思うんですが、去る十九日に、我が党の調査団が宮城県のある町を訪問いたしました。そこに細倉鉱業所という会社がございますけれども、やはりその鉱業所あるいは町等のいろんなお話を承りますと、最近の円高の進行によりまして非鉄金属、これがその価格が軒並み暴落するということで、町全体の経済、景気にも影響を及ぼしている、企業ばかりじゃなくてですね。そういうことでございました。特にこの細倉鉱業所は、この町にとりましても唯一の産業といってもいいぐらいでございますから、その会社のいろいろな状況というものは町全体の消費あるいは雇用までにいろいろと影響を及ぼしてくる、こういう状況でございました。  この会社のいろんな状況を聞いてみますと、これは亜鉛が主力製品でございますけれども、本年の五月ごろ、トン当たり二十七万五千円であった。それがだんだん下がってまいりまして、十一月一日現在、これ十七万八千円となりまして、わずか数カ月間の間に実に九万七千円ですか、こういう暴落をしているわけです。したがいまして、この会社では亜鉛の地金の生産量が月産千二百トンとなっておりましたけれども、亜鉛だけでもそこから見ますと一億一千六百四十万円、こういう収入減になっているわけでございます。  そこで、いろいろとお話を承ってまいりましたが、このままで推移いたしますと、もう数カ月でこれは閉山しなければならない、あるいはそれに相当するような重大な決意をしなければならないということでございました。まあ合理化もいろいろと進めてまいりました。企業努力ですね。今や残業カットとか手当のカット、あるいは年末の賞与のカット、そういうことまで行われるような状態にもなっているわけでございますけれども、これは一例にしかすぎないと思いますが、現在のこの非鉄金属業界、これは深刻な状況と思われますけれども、通産省ではどのように把握されていますか。
  154. 野々内隆

    政府委員(野々内隆君) 御指摘の非鉄金属業界は、価格あるいは精錬代というのはすべて海外のドル、ポンドに直接的にリンクいたしておりますので、為替の動きがそのまま手取りの収入に響くという、そういう状態になっております。したがいまして、最近の円高によりまして、特に中小鉱山を中心に深刻な影響を受けているというふうに伺っておりまして、先日も鉱業協会の代表、中小鉱山の代表、お見えになりまして、深刻な事情について御説明を伺ったところでございます。その際、今直ちにどういう手を打つべきかということについても御一緒に議論いたしましたが、まだ円高の動向についての定着の問題もございまして、確たる見通しもできません。とりあえずは五十三年の円高のときにつくりました緊急安定融資制度というものの活用をいたしまして、低利融資によってとりあえずの対応策をとるということにいたしまして、現在、融資の手続を始めておりまして、既に何億かの融資実績が出ておりますが、今後、事態の推移を見まして、対応策について御相談をし、検討してまいりたいと思っております。
  155. 太田淳夫

    ○太田淳夫君 通産大臣もお見えになりますので、最後にお聞きしておきますけれども、やはりこの非鉄金属産業、今お話ありました五十三年のときにも相当な被害を受けました。やはりこういう資源というものは日本ではだんだんと少なくなってきておりますけれども、やはり国家安全保障という立場からもこの国産資源の確保ということは非常に重要な問題じゃないかと思うんです。また、御承知のとおり、それぞれの企業そのものがその町、地方の有力なこれは企業ということで今までやってまいりましたし、それぞれの会社、鉱山、精錬、いろんな立場はございますけれども、それぞれが地域の興廃に大きな影響を及ぼしていることもございますので、どうか大いに力を入れてやっていただきたいと思うんですが、今お話ありました中にもありましたが、精錬というのは、非常にこれは電力料金等もかかるわけでございますが、その工場におきましても精錬のために要する電力の使用につきましては、特に夜間を、低廉になっていますから、夜間作業等でやってまいりましたけれども、それでもなおかつコストの中に占める電力料金というのは非常に高いということで、その点の配慮等もお願いできないだろうかということもございました。通産省としてはやはりそういうことにつきましての一つの対策を講じられてしかるべきかなというような感じがするんですが、その点についてどのようにお考えでしょうか。
  156. 野々内隆

    政府委員(野々内隆君) 御指摘の点は一つの対応策としてあり得るかという感じがいたしております。現在の電気事業法では厳格なコスト主義をとっておりますので、限界はあろうかと思っておりますが、夜間電力あるいは休日電力の利用というような形で何とかコスト低減に協力をしていただく形で、需要家の意向も踏まえながら対応したいと思っております。
  157. 村田敬次郎

    国務大臣村田敬次郎君) 全般的に国内鉱山は最も安定した供給源でございますし、また委員がお触れになりました地域社会の中核的な存在でもございます。海外資源開発のための鉱山関連技術の蓄積の場としても非常に重要な役割を果たしているというふうに認識をしております。  こういった視点を踏まえまして、現下の円高等による地金価格低迷のために経営が悪化している鉱業関係の企業に対しましては、金属鉱業経営安定化融資制度を適用することによってその経営の安定化に努めておるところでございます。  先ほど来野々内資源エネルギー庁長官からもお答え申し上げましたが、円高による国内鉱山に対する影響というのは、太田委員指摘のように非常に重要な問題であると思いますので、誠意を持って今後その動向を見守り、そして融資その他の対策を具体的に講じてまいりたいと思います。
  158. 太田淳夫

    ○太田淳夫君 もう時間がないから終わります。次の質問はまた後日にお願いします。
  159. 沢田一精

    委員長沢田一精君) 他に御発言がなければ、本日の調査はこの程度にとどめます。  本日はこれにて散会いたします。    午後一時三十二分散会