○関
委員 私は、青森県内に起こっておる不祥事件の二、三を取り上げて御
答弁をいただきたい、こう思います。
まず第一に、青森県信用組合というのがありまして、この信用組合の業務運営が大変な不手際を起こし、全員の入れかえによる再建方策に取りかかったわけであります。
これまでの事業の状態を見ますと、大変な乱脈経理ということで、内部からも告訴されて検察当局に訴えが出ているわけでありますが、権力者である知事の命を受けたかどうかは知りませんけれ
ども、この問題については取り調べに当たらないことを決めた、こういううわさが流れているわけであります。
これは、調べるべき
行政の側の検査怠慢をいいことにして生じた事件なんですが、そういう側から頼まれて、訴えのあることをも捜査に取りかからない、投げておるというようなことであってはいけないんじゃないか。これは青森地検に出されている
一つの事件であります。このことについては今後とも手をつけないつもりでおられるのか、どういう指導をされておるのか、お答えをいただきたいと思います。
二つ目は、五十九年の一月三日に六ケ所村の高梨酉藏という方が滝口初太郎という方から大変な暴力
行為を受け、入院二週間に及ぶような大けがをしたのですが、これも青森の地検は暴力
行為をした者を処分することもなく不起訴のままに至っていると聞くわけです。こういう明々白々な暴力
行為があっても構わないというのは一体どういうことなのか、これが二つ目の
質問であります。
三つ目の
質問は、きょうの本題なんですが、ことしの七月十四日に青森県の六ケ所村の泊の漁業協同組合が総会を開きました。この総会は何のために開かれたかといいますと、核燃料サイクル基地を六ケ所村に置く、そのための
調査をしたいのだが、海域の
調査について何とか漁業協同組合の了解を取りつけたい。漁業協同組合としては、特定の買収されている幹部
たちが
調査を了承されても困るので、定時総会ではこういうよしあし、受け入れるかどうかについては総会において決めるようにという決議をいたしたわけであります。その決議を尊重してことしの七月十四日に総会が開かれた。
開かれたのはいいけれ
ども、この総会を開くに当たって大
部分書面議決書というものを買い集めて買収して、組合の過
半数に至るほどの数をとって総会に臨んだわけであります。これを知った反対の組合員
たちは、金で議決権が行使されるというのはもってのほかだ、その金はどこから出して、だれが集めたんだ、集める方々は相当な金をもらって買収の作業に入ったというのだが、そういうことをしていいのか、こういうことで総会は騒然となりました。悪いことをしているものですから、それらの諸君
たちも何も答えない。答えることができないままに逃げてしまった。そして逃げる途中に階段から足を踏み外して一人がけがをした。一人は、机、腰かけ等を持ち上げたりする者もあったものだから、それで転んで胃部をけがした。いずれのけがもささいなけがであって、診断書を取りつけられたのをそれぞれ見ると二週間とあるが、どれだけ病院に行っているかというと二日しか行っておりません。診断書が診療の一番大きい経費であったのではないか、こう
考えられます。
警察に被害届けを出した。この二人の被害届けを中心にして、警察並びに検察陣は暴力
行為の有無ということに力点を置きながら、この組合の総会運営について相当な干渉をしておる。そして、密議、謀議があってそういう暴力
行為があったんだろうということを中心にして責め立てているわけであります。善良な組合員はそういう暴力
行為を働くような密議や謀議は少しもしておりませんけれ
ども、したことにしない限りは留置場からなかなか出してくれない。イカが盛んに泳いできておる。ここはイカの町であります。イカをとって暮らしを立てている地域であります。特にことしはイカの不漁のために、せっかく待っていたイカが、ちょうど捕えられたころにやってきておる。みすみすイカを見逃すわけにもいかないから、それぞれの調べは何とかほどほどにしておいて、とにかく漁業に行かなければならない、こういうことで、泊められること十六日間であります。第一次勾留でも足りなくて、さらに第二次勾留までして、とにかく今はやりのいじめ、司法のいじめではないかと私は思うわけであります。それよりは被害を受けた者から、どの程度の被害であって、だれが加害者であるか。だれが加害者であるかもわからない、直接たたいた人は一人もいない。それをやたらに暴力事件と打って、そして言うなれば核燃サイクル基地の
調査海域を了承させようという権力側の要求、これに検察陣が加担しているんじゃないでしようか。私は暴力
行為を認めるものでは断じてありません。しかし、それをいいことにして、ささたるけがであるのにもかかわらず、言うなれば核燃サイクル基地に反対する善良な漁民をいかにして痛めつけ征伐するか、こういう
考えのもとに検察陣や警察陣が働いているなんといことを見ますと、納得できない。青森県の六ケ所村と言えば青森県の中でも一番の僻地であります。人も猿も区別ないところだろうと検察陣は容赦なく逮捕し、いじめておる姿を見るときに、私はふんまんにたえないのであります。
一体、検察陣の
行為の行き過ぎをしかるところはどこか。県
議会では何の力もない。
国会のこの法務
委員会で検察陣をしかる以外にしかる手だてはない。それほど遠くなっております。民主警察だとか民主検察だとかと言うけれ
ども、少しも民主じゃない、権力べったりではないか、こういうことを私はつくづく感ずるわけであります。今、幾ばくもなくして
法務大臣はおやめになるわけでありますが、さきに私は暴力
行為の問題で、浜幸さんが住
法務大臣をたたいたのはどうかと尋ねた際に、よくない、しかし、これは不起訴になっているというお話をここでお答えとしていただいたわけですが、暴力
行為があったなら容赦なく厳しく当たる。権力側の者がいいかげんなことをしておるのでは、何のあれもない。そして、善良な諸君は何の手も加えないのだ、勝手に転んでいる自損
行為みたいなものに、しかも組合の運営上の重大な問題です、内部干渉もいいところではないだろうか、こう思うのです。そういう
意味において、私は、検察庁だとか警察だとかが、この書面議決書を買収して平気で議決権をかち取ろうとした者についてはどのような捜査なり対策をとられたのか、あわせてお聞きしたいと思います。
時間がわずかしかありませんので、まとめて簡単に、その三点だけ先に聞いておきます。