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田中(恒)
委員 住田さんの発言については、今、真意ではない、二者択一ではない、こんなことをおっしゃられたが、そういうふうにはどうしても思えないのだ。
住田さんはこの日だけじゃないんだ。この前に、十一月五日に高松で、四国の、国鉄監理
委員会主催の国鉄改革に関する地方懇談会というのが開かれている。これは四国の各県知事、議会の代表、経済界、労働界、農業団体、それから交通
機関関係者、ほとんど四国の関係者が全部集まっておる。ここでの質疑の中でも、やはり同じようなことを言っていらっしゃるのですよ。四国は将来高速道路の一番
影響を受けると心配しておる、鉄道と高速道路のどちらを選択するか
検討してほしい、こういうことをおっしゃられておるのです、この十一月七日の前に。同じような
意味の発言になっておるわけです。ここでは言葉が非常に激しくなっておる。同じ国鉄の幹部だからハッパをかけたと言われるつもりなんだろうけれ
ども、それにしても少しどぎつい。
それから、その後住田さんはこの問題について、これほど騒がせておるのに御本人が正式に記者会見をして釈明をするとか、こういうところへ呼ばれたら出てきて御自分で堂々と自分の所信を述べるとか、そんなことされてないんだ。そして監理
委員会の主としてあなたがそういう
意味のことを言われておる。これではなかなか納得いかない。
私
どもはこの問題について今後ともいろいろな立場で、御本人の所信を明らかにしていただくためにも、あるいは監理
委員会がこんなことを言っておることをこのまま認めておくというわけにはいかない。監理
委員会というのは大体こんなことをやるためにつくられたのではないのです。あなたのところは、
検討したものを総理
大臣に答申すればそれでいいので、それから後のことは——あちこち飛び回って勝手にこんな途方もないことを言い回ってもらって大変な不信と不安を関係者に与えていく、私
ども、特に四国から出てきた者の立場からいっても、あるいはこれは四国だけにとどまらずに、九州、北海道を含めた国鉄の地方線廃止と絡んで関係者に大きな
影響を与えておる。このことを特にこの際
指摘をして、これは
委員長において今後、きょうは住田さん来ておりませんから、私はこれ以上監理
委員会の方と
議論してもしようがないわけでありますから、
理事会でこの問題の取り扱いについては御
検討いただきたい、このことを要望しておきたいと思います。
それで、まだ少し時間がありますから、四国の鉄道の問題について特に国鉄
当局、運輸省に関係いたしましたら運輸省の方からも御意見をいただきたいと思います。
率直に申し上げまして、四国は鉄道に関する限り全国で一番おくれていると私は思っておるのです。まだ鉄道の体制がとれていない地区であります。これは国鉄の皆さんが一番御
承知のとおりだ。四国は島であるけれ
ども、循環鉄道は依然として今日できていないですね。四国の鉄道の複線率というのはわずかに二十七・二キロ、営業キロ数の三%にすぎないわけです。これは北海道が一二%、九州が一八%、本州が三四%、全国平均二七%の中で四国の複線化率は三%である。それから、電化率は全国平均が四一%でありますが、四国は電化がゼロである。複線三%、電化ゼロ、こういう
状態が四国の今日の鉄道の
状態です。しかも四国は関西一の災害地区である。台風なりあるいは土壌の
状態からいって非常に危ないところであります。そういう
状態であるし、車両などはいつも問題になるわけでありますが、四国の鉄道の車両の七割は、急行列車、特急列車、大体二十年の耐用年数を経たおんぼろの車が本州から払い下げられて走っておるのです。そういう
状態なんです。これだけ輸送
機関というものが競合ができて、そして近代化をして、スピードアップをして車が走らなければいけない時代にこんな
状態なんだ。
私は素人だから簡単なことしか申し上げられぬが、私
どもの愛媛県に初めて特急が走ったのは昭和四十七年だ。松山−高松間百九十四キロ、二時間四十五分で走っておるのです。今、特急は走っておりますが、今の特急はどれだけかかっておるかといったら、三時間二分かかっておるのですよ。四十七年から六十年、十三年の間にスピードアップどころか、スピードはもっとおくれておるのです。それぞれとまる時間が多くなっておる。列車の本数は大分多くなっておる、だから駅々でとまらなければいけない、単線だから。そういうこともあるのでしょうが、それにしても、二時間四十五分で高松まで行っておった特急が、今は三時間二分かかる。こういう
状態が四国の今日の鉄道の装備の
状態なんですよ。だから、これを近代化してくれ、こういうことを大分前から言っておるわけです。ところが、なかなか思うようにいかない。そこへもってきて今度は逆に切っていく。こういう形が先ほどの貨物の問題にも出てきておるし、地方線の問題でも出てきておるわけであります。
四国の電化それから複線化、この問題について国鉄
当局はどういうようにお
考えになっておるか、まずこの点をお示しいただきたい。