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島田委員 私だけではなくて、ここでしばしばこういう議論も行われてきた経緯がございます。例えば
国有林材の売り方なんでありますが、一般競争入札と随契と二つありますね。私は少し前にも議論したことがありましたので、ここ十五年ほどの随契と一般競争入札の間に開きがあるのではないかという感じを持ちましてちょっと調べてみたのでありますが、案の定私が
考えていたような値開きがあります。それは本質的にそこのところに意味合いが違うものがありますから、それをすべてかくかくだからだめだと断定することは無理があると私は思うのであります。
ただ、単純にわかりやすく言いますと、一般競争入札でやりますと、四十五年なんかの例をとりますと大体一一九%ぐらいの値段になっているわけですね。ところが随契でやりますとそれが一〇〇%ちょっと、一〇四ぐらいで、こういう
傾向はずうっとほとんど変わることがない、つまり逆転することがない。随契と一般競争入札というのはそういうものだと言ってしまえばそういうものであります。しかし、かなり開きがありまして、最近は特に、競争入札ですと一三九%に対して随契だと一〇八、これは立木の場合でありますが、製品の場合もやはり値開きがある。これは売り方を工夫しませんとこういう
傾向は直っていかないだろう。そのためにやはり一般競争入札を
中心にして丸太、製材ともに売っていくという基本姿勢を貫くべきだと私は主張してまいりました。
しかし今日、全体の
状況は、
大臣もう御存じのとおり、木材の需要停滞、景気がさっぱりよくない、こういうものが木材のところに来ますから、売る方も汗かいて売っている、その御苦労のほどは私も現場でよく承知しております。そんな簡単に値を開いて売っているものではない、もう売れなくて困るときもある、その御苦労はわかるにしろ、この辺にもう少し工夫があってしかるべきではないか。これはそのままの数字で単純計算ですから、数字的にはかなり正確性を欠くと言われるかもしれませんが、そういう計算でずっとやってみましたら、一般競争入札で売っていったのに比べて、大体二兆六千億ぐらい損じちゃったという勘定になるのです。これは単純計算だから、事務方からはそんな単純計算で物事は決まるものじゃないよというお
考えがあるかもしれませんが、単純に申し上げますとそういうことなんです。
それから、立木で売った場合、製品で売った場合、いろいろ売り方に問題があり、長い間積み重なって、
国有林の今日の
財政の
危機を招いたその一因もここにあるという
指摘をきょうはしておきたい。特にお答えは要りません。私は売り方の苦労をよく知りながら、なおこう
指摘をせざるを得ない。だって左うちわの
国有林じゃないのですから。売り方
一つにも、あるいは金をもらうときのもらい方
一つにもやはり厳しさがないとこれは
再建できませんね。材価がこのような
状況のもとでは大変御苦労なことだと思っていますが、ぜひ頑張ってもらいたい。そういう点で、
一つの例として挙げておきたいと思います。
大臣そろそろよろしゅうございます。あと長官とやりますから。
さて、次の質問に移りたいと思いますが、時間が随分迫ってきましたから、少しはしょらせてもらいます。
ところで、
国有林の公益的機能を積算するとどれくらいになるかという話をよくするのでありますが、長官の手元でも、過般二十五、六兆円というようなことをこの席でもお話しになったことがあります。大変な財産であります。そして、ひところは本当に、左うちわと言ったら言い過ぎですが、かなり運営がうまくいっていた時代があります。そんなときには国庫にも召し上げられるというか取り上げられるというか納めたというか、何百億かこれを納めてきた。そして、間断なく
国民の大事な生活を守る機能を果たしてきた。つまり、公益的な機能をずっと持ってきた。
それに対しまして、私は、
財政当局の
国有林に対する
理解がいま
一つどうも足りないように思う。足りないことはないと言うかもしれぬが、こんなに苦しんでいるときでも
一般会計から九十億足らずの繰り入れしかない。ところが、現実には二千三百億も今借り込んでいます、単年度で借りて。そして千三、四百億返していく。そのうち一千億は金利なんですね。これでは、幾ら
田中長官が有能でも
国有林の
再建はできない、どんな立派な人がこの仕事に当たっても、私は
国有林の
財政的な
再建は不可能だと思うのです。もっと
国有林の過去の実績を
評価してもらって、この苦しいなべ底の
状態のときだけでいいから、また十七、八年たってきて経済の
活性化がよみがえってきたときには金利をつけて払ってもいい、この一番苦しいときに何とか面倒を見てもらうことにはならぬか。きょうは大蔵省から私の議論を聞いていただくために来てもらっておりますが、どうも冷たい、もっと
一般会計に繰り入れしてもらいたい。
そして、それには
林野庁自身も及び腰ではなくて、今日
国有林の置かれている
状況はるる今まで述べてきたとおりですし、これから先も、決して
国有林の持つ責任と任務は小さいものではありません、また
国民の期待も大きい、胸を張って
財政当局に今日の
状況打開のために要求したっていいではないか。どうもその辺いささか意気地がなさ過ぎるような姿勢に終始しているように思えてなりません。長官、いかがですか。