○松尾
政府委員 ただいまお尋ねのございました、金属製バットを特定製品から外しましたのは五十八年でございますけれ
ども、その結果、
輸入の
状況を見ますと、
輸入が顕著にふえたという数字にはなっておりません。
ちなみに五十五、六年度には金属バットの
輸入が四千数百本あるいは二千数百本のオーダーでございましたが、五十七、八年度は一本も実績がございませんでしたけれ
ども、五十九年度は千六百五十本の
輸入が行われております。本数がこのように低位の水準にとどまっておりますのは、実は
アメリカ製の金属バットが
日本の消費者のニーズに必ずしも合わないような品質のものである。例えば、バットにボールが当たりましたときに音が出ないように、
アメリカの製品には消音材が多く入っているのでございますけれ
ども、
日本人の場合はどちらかというと金属音がした方が好まれるというようなこと、あるいは太さが必ずしも
日本人の好みに合っていないというようなこともあるのではないかと存じます。そのようなわけで、
輸入は現在さほどふえてはおりませんけれ
ども、一応
アメリカの
三つのメーカーにつきましては、登録を受けまして、手続的には円滑に入るような仕組みにはなっておるわけでございます。
それから、第二のお尋ねの点は、この夏の
事故と特定製品から外したこととの関係についてでございます。先般の七月の参議院決算
委員会におきましては、仰せのとおりまだ
検討中ということでございましたけれ
ども、私
ども、折損
事故がこの夏相次いだために、直ちに関係企業から事情を聴取すると同時に、当該企業に早期回収等の指導もいたしました。あわせて、製品安全協会に対しまして立入
検査の実施、
テストの実施等、原因究明を行うよう指示いたしたわけでございます。
これを受けまして、協会の中に設置されました金属製バット基礎調査
委員会におきまして
事故の原因について
検討が行われましたところ、これまでの結果によりますと、原因といたしましては
三つあったというふうになっております。
一つは、バットの手で握る部分と球が当たる部分との間の部分、だんだんに口径が細くなってくるその中間部分でございますけれ
ども、その部分の強度が十分でなく弱かった。それから、調べてみますと材料に腐食が見られた。第三に、その折損
事故のありましたバットの伸び率が低下していた、つまり弾性が弱まっておったということの
三つの要因がふくそうしたものとして出てきたものという一応の結論が得られたわけでございます。
そういうことにかんがみて、本件を特定製品から外したこととの
関連について見ますと、安全
基準そのものの問題というよりも、そのこととは直接関係はございませんけれ
ども、
設計面あるいは製造工程面等において至らない点があるいはあったからこういうことになったのではないかというふうに考えまして、私
ども早速、
事故を起こしたメーカーはもとよりでございますけれ
ども、金属製バットを製造しておりますすべてのメーカーに所要の指導をいたしたところでございまして、私
どもといたしましては、このようなことから考えまして、今後は、この
検査の結果にも基づきまして、試験方法のあり方とかいろいろさらなる原因の追及を行った上、早急に
安全性に関する現在の
基準の見直しを行わねばならないと考えているわけでございまして、この点については鋭意進めたいと思っておりますが、特定製品を外したことと直に関係はないものと
理解しております。