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伊藤(茂)
委員 まあ今の段階では
大蔵省としてはそういうことだろうと思いますが、当
委員会にしてもまさにこれは超党派の声になっているわけでありまして、何も
大蔵委員会だから
大蔵省関連のところを応援をするというけちな根性ではないことも重々御承知のとおりだと思います。
国民に
信頼の得られるような
税関行政あるいは税
関係の行政が行われるようにという
視点から、さまざまの意見も繰り返し当
委員会でも
議論をされてきたわけでございまして、
予算編成の最終段階の取り扱いになると思いますが、とにかく一歩二歩、あるいはできれば数歩改善だという
結論ができますように、これは超党派の世論としてひとつ要望をしておきたいと思います。
次に、
予算編成の作業がいよいよ大詰めになっていくわけでありますが、G5以降の
経済情勢の大きな変化な
ども踏まえてさまざまな
議論が起きているわけであります。時間がございませんから二、三だけ伺いたいと思うのですが、まず第一は、全体
認識の問題であります。
二つ
大臣に伺いたいのですが、二百円から二百五円という円レートでほぼ自律的に動いているというふうな
状況と言えるだろうと思いますが、しかし、そう油断していいのかということもあるようであります。いずれにいたしましても、為替相場コントロールという
意味からは、限界というものは構造的に当然あるわけでありまして、さまざまな
運営からはまだ目が離せないと思います。しかし、日銀総裁の言われていることも
竹下大蔵大臣の言われていることも、新聞で拝見をしますと、定着というところにポイントを置かれて言われているようであります。大体いろいろな経済評論もそんなことであるようでありますけれ
ども、いろいろなものを読んでおりましたら、一、一気になることがありまして、米欧からさらに一段の
円高の声が生まれる可能性があるんじゃないか、例えばG5の直前に、ボルドリッジ商務長官が二五%ということを言われていた。二五%だと百八十円になりますか、何かそのようなことを一、二論文で見まして、ちょっと気になるわけであります。しかし、いずれにしろ、あのG5の合意にいたしましても、それぞれの国のとるべき経済政策ということが自主的な
姿勢から述べられている、政策的背景を持ちながらあれがまとめられている、G5の声明もそういうふうに拝見をいたしておるわけでありまして、その辺をどうお
考えになるか、二百円から二百五円、現状で定着というのがおおむね適切な
判断ということになりますでしょうかというのが
一つであります。
もう
一つは、具体的なことをお聞きする暇はございませんから、六十一年度
予算への
姿勢の問題であります。
確かに、摩擦、
円高デフレ、景気、
財政再建、幾つかの難しい課題があるわけでありまして、それらをそれぞれ十分に満足をさせるというのは極めて難しいということでもあろうと思いますが、私
ども考えますと、具体的に建設国債をどうするのかとか、財投の幅をどうするのかとか、あるいは地方
財政の
関連、起債の枠をどうするのかとか、いろいろな具体的な問題が出てまいりますし、財投の運用の問題もあるわけでありますけれ
ども、そういう具体論は別にいたしまして、
重点を
財政再建あるいは経済活性化といいますか景気対策というのか、調和ということを当然
大臣は言われるのでしょうが、現実的にここまで参りますと、この問題の処理あるいは政策選択というものを
考えなければならないのではないだろうか。それをどうお
考えになっておりますか。私見を申し上げますと、ひとつもう割り切った中期展望か何か言われる時期じゃないだろうか。
いずれにいたしましても、国債の一兆円、一兆円では本当は足りないんですね、今の六十五年だけの計画では。一兆以上になるわけですけれ
ども、一兆減債が可能かといえば、これも極めて困難というふうな現実だろうと思いますね。ですから、確かに六十五年赤字国債脱却が
一つの
姿勢として、あるいは理念として存在するということはあり得るだろうと思いますけれ
ども、こういう段階になってくると、やや中期的な
姿勢に立って、そうして当面必要な経済対策もできるだけの範囲で行いながら、そして
財政の見通しについても確実な、また手がたく安心して言える、
信頼感の持たれるプログラムというものをつくっていく。緩めるということを
大蔵省としては非常に気にされることは当然だと思いますが、そういう方向を出すべき段階、出さなければまた
説明のつかない段階ですね。それを出さないと、場当たりの
説明だけになってしまうというようなことにもなるのじゃないだろうかというふうな気もするわけであります。
今まで、ややもしますと、私
どもの党の方からも、その脱却目標に政治責任を持つかどうか、何がどうなんという
質問が多かったわけであります。何もニュー社会党の宣伝をするわけではありませんけれ
ども、やはり現実により可能な、しかも鮮明な目標をどうしていくのかという
立場から、当然党派の意見の違いは明確にございますけれ
ども、
議論していかなければならぬ
時代だというふうに思うわけでありまして、その辺、全体的な御
認識をまず伺っておきたい。