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1985-12-06 第103回国会 衆議院 大蔵委員会 第10号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和六十年十二月六日(金曜日)     午前九時三十一分開議  出席委員   委員長 越智 伊平君    理事 熊谷  弘君 理事 熊川 次男君    理事 中川 秀直君 理事 堀之内久男君    理事 上田 卓三君 理事 沢田  広君    理事 坂口  力君 理事 米沢  隆君       伊吹 文明君    大島 理森君       金子原二郎君    瓦   力君       笹山 登生君    田中 秀征君       中川 昭一君    野呂 昭彦君       林  大幹君    東   力君       平沼 赳夫君    藤井 勝志君       宮下 創平君    山岡 謙蔵君       山崎武三郎君    山中 貞則君       山本 幸雄君    若林 正俊君       伊藤  茂君    川崎 寛治君       渋沢 利久君    戸田 菊雄君       浜西 鉄雄君    藤田 高敏君       武藤 山治君    石田幸四郎君       古川 雅司君    宮地 正介君       矢追 秀彦君    安倍 基雄君       玉置 一弥君    正森 成二君       簑輪 幸代君  出席国務大臣         大 蔵 大 臣 竹下  登君  出席政府委員         大蔵政務次官  中村正三郎君         大蔵大臣官房総         務審議官    北村 恭二君         大蔵大臣官房審         議官      山崎 高司君         大蔵省主計局次         長       小粥 正巳君         大蔵省主税局長 水野  勝君         大蔵省関税局長 佐藤 光夫君         大蔵省理財局長 窪田  弘君         大蔵省銀行局長 吉田 正輝君         大蔵省国際金融         局長      行天 豊雄君         国税庁次長   塚越 則男君         国税庁間税部長 村本 久夫君  委員外出席者         通商産業省貿易         局輸入課長   石黒 正大君         通商産業省産業         政策局商政課長 山下 弘文君         通商産業省生活         産業局通商課長 熊澤 正光君         中小企業庁計画         部計画課長   長田 英機君         大蔵委員会調査         室長      矢島錦一郎君     ――――――――――――― 委員の異動 十二月四日  辞任          補欠選任   額賀福志郎君      東   力君 同月六日  辞任          補欠選任   加藤六月君       林  大幹君   自見庄三郎君      伊吹 文明君   中川 昭一君      野呂 昭彦君   宮下 創平君      若林 正俊君   野口 幸一君      浜西 鉄雄君 同日  辞任          補欠選任   伊吹 文明君      自見庄三郎君   野呂 昭彦君      中川 昭一君   林  大幹君      加藤 六月君   若林 正俊君      宮下 創平君   浜西 鉄雄君      野口 幸一君     ――――――――――――― 十二月四日  国鉄共済年金改善に関する請願木間章紹介  )(第八〇一号)  同(兒玉末男紹介)(第八〇二号)  同(八木昇紹介)(第八〇三号)  同(渡辺嘉藏紹介)(第八〇四号)  同(川俣健二郎紹介)(第八二八号)  同(河野正紹介)(第八二九号)  同(小林恒人紹介)(第八三〇号)  同(八木昇紹介)(第八三一二号)  同(石橋政嗣君紹介)(第八七九号)  同(上野建一紹介)(第八八〇号)  同(小澤克介紹介)(第八八一号)  同(中村正男紹介)(第八八二号)  同(村山喜一紹介)(第八八三号)  国民本位税制改革に関する請願藤田高敏君  紹介)(第八〇五号)  同(沢田広紹介)(第八八五号)  同(中川利三郎紹介)(第八八六号)  国家公務員等共済組合法等の一部を改正する法  律案反対等に関する請願小沢和秋紹介)(  第八七四号)  同(工藤晃紹介)(第八七五号)  同(柴田睦夫紹介)(第八七六号)  同(林百郎君紹介)(第八七七号)  同(正森成二君紹介)(第八七八号)  所得税課税最低限度額引き上げ等に関する請  願(沢田広紹介)(第八八四号) 同月五日  国鉄共済年金改善に関する請願河野正紹介  )(第九九八号)  同(鈴木強紹介)(第九九九号)  同外一件(池端清一紹介)(第一〇八八号)  同(上野建一紹介)(第一〇八九号)  同(河上民雄紹介)(第一〇九〇号)  同(田並胤明君紹介)(第一〇九一号)  同(野口幸一紹介)(第一〇九二号)  同(五十嵐広三紹介)(第一〇九三号)  国民本位税制改革に関する請願外一作(沢田  広君紹介)(第一〇〇〇号)  同(田中美智子紹介)(第一〇〇一号)  同外一件(三浦久紹介)(第一〇〇二号)  同外一件(沢田広紹介)(第一〇五七号)  大型間接税導入に関する請願串原義直紹介  )(第一〇二一号)  同(清水勇紹介)(第一〇二二号)  同(中村茂紹介)(第一〇二三号)  北陸財務局存続に関する請願外一件(嶋崎譲君  紹介)(第一〇五八号)  同(辻一彦紹介)(第一〇五九号)  同(田中美智子紹介)(第一〇九四号)  同(津川武一紹介)(第一〇九五号)  同(辻一彦紹介)(第一〇九六号)  同(林百郎君紹介)(第一〇九七号)  同(正森成二君紹介)(第一〇九八号)  同(簑輪幸代紹介)(第一〇九九号)  国家公務員等共済組合法等の一部を改正する法  律案反対等に関する請願工藤晃紹介)(第  一〇八六号)  同(不破哲三紹介)(第一〇八七号) 同月六日  所得税課税最低限度額引き上げ等に関する請  願(沢田広紹介)(第一一九五号)  同(田中美智子紹介)(第一二四七号)  国民本位税制改革に関する請願沢田広君紹  介)(第一一九六号)  同(梅田勝紹介)(第一二四八号)  同(沢田広紹介)(第一二四九号) 同外一件(田中美智子紹介)(第一二五〇号) 同外四件(戸田菊雄紹介)(第一二五一号) 北陸財務局存続に関する請願外二件(嶋崎譲紹介)(第一一九七号)  同(辻一彦紹介)(第一一九八号)  同(横手文雄紹介)(第一一九九号)  同(辻一彦紹介)(第一二五二号)  同外四件(安田修三紹介)(第一二五三号) は本委員会に付託された。     ――――――――――――― 十二月六日  不公平税制等税制の見直しに関する陳情書  (第二八号)  昭和六十一年度税制改正に関する陳情書外二件  (第二九号)  大型間接税導入反対に関する陳情書外十四件  (  第三〇号)  単身赴任者税負担軽減に関する陳情書  (第三一号)  公共事業用地取得に伴う税制等改正に関する  陳情書  (第三二号)  身体障害者に対する自動車重量税減免措置に  関する陳情書外三件  (第三三号)  日本たばこ産業株式会社経営に関する陳情書外  五件  (第三四号)  日本電信電話共済組合にかかる年金受給者の処  遇等に関する陳情書  (第三五号)  北陸財務局存続に関する陳情書  (第三六号) は本委員会に参考送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  関税暫定措置法の一部を改正する法律案内閣  提出第五号)      ――――◇―――――
  2. 越智伊平

    越智委員長 これより会議を開きます。  内閣提出関税暫定措置法の一部を改正する法律案議題といたします。  趣旨説明を求めます。竹下大蔵大臣。     —————————————  関税暫定措置法の一部を改正する法律案     〔本号末尾に掲載〕     —————————————
  3. 竹下登

    竹下国務大臣 ただいま議題となりました関税暫定措置法の一部を改正する法律案につきまして、提案理由及びその内容を御説明申し上げます。  政府は、最近における内外の経済情勢の変化に対応し、我が国の市場の一層の開放を図る等の見地から、関税率等について所要改正を行い、昭和六十一年一月一日から実施することとし、本法律案提出した次第であります。  以下、この法律案内容につきまして、御説明申し上げます。  第一は、個別品目関税率撤廃または引き下げであります。  諸外国関心の高い骨なし鶏肉、パーム油電子式交換機等六十九品目関税率撤廃または引き下げることといたしております。  第二は、その他の品目関税率原則二〇%引き下げであります。  カニの調製品新聞用紙医療用機器等を含む千七百九十二に上る品目関税率原則として二〇%引き下げることといたしております。  なお、本措置の実施後、特定の品目輸入が急増する等の事情により国内産業相当損害を生ずる場合には、当該品目につき本措置適用を停止することができることといたしております。第三は、コンピューター本体等関税率撤廃であります。  ハイテク製品関税撤廃交渉推進の一環として、コンピューター本体部品等品目について、前述の第二の措置に加えて、我が国とアメリカ合衆国との間の合意に従い、政令で定める日から関税率撤廃することといたしております。  以上のほか、所要規定の整備を図ることといたしております。  以上が、この法律案提案理由及びその内容であります。  何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
  4. 越智伊平

    越智委員長 これにて趣旨説明は終わりました。     —————————————
  5. 越智伊平

    越智委員長 これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。伊藤茂君。
  6. 伊藤茂

    伊藤(茂)委員 今年の長い議論もきょうが終わりのようでございますが、若干質問させていただきます。  一年に二回関税関連法案審議というのも十何年ぶりかだそうでありまして、それだけ今日の事態緊急性あるいは激しい動きを示しているということだと思います。六月、七月のアクションプログラム以来の話の具体化ということでありますが、全体的な議論は今までもなされておりますので、若干具体的な点だけ伺っておきたいと思います。  その一つは、関税率審議会の答申の中に、第二項でございましたか、別表二の品目については、輸入が急増して国内産業相当損害を与えた場合には、適用を停止するというふうなことがございます。激動する時代への対応みたいな印象を深くするわけでありますけれども、これも特異な取り扱いであろうと思います。その別表を見てみ寺すと、相当品目に上っているわけであります。私どもは、こういう貿易構造あるいは関税などの激動の状況の中で、国内産業、特に農業、中小企業などなどへの影響を心配をいたしておるわけでありますけれども、この別表二に関する取り扱い、これについて特にどのような分野に注目をして運用なさるのか。  それから、これも全部大蔵省状況判断をされるというわけにもいかぬだろうと思いますし、関係省庁との連絡協議というものも必要であろうと思います。そういうことをどんなシステムで判断をされるのか、またどこでどのように決めていくのか、どのようにそれをお考えになっておりますか。
  7. 佐藤光夫

    佐藤(光)政府委員 お答え申し上げます。  伊藤先生指摘のとおり、この別表二と申しますか、一律二割カットの対象になっております千七百九十二品日につきましては、輸入急増等によりまして国内産業相当な困難が生ずる場合には改正前の税率に戻ることができるという、いわば復元規定がついているわけでございます。  特にどの分野についてこの復元規定考えているかという御質問が第一点かと思いますけれども、私どもといたしましては、この千七百九十二品目につきましては、特にどの分野、どの品目ということではなくて、どの品目につきましても、今申し上げましたような、輸入急増等によりまして「国内産業相当損害が生ずる場合には、」の規定を発動いたしまして、改正前の税率に戻るということを考えておるわけでございます。  次に、どういうような仕組みでそれが発動されるかという御質問でございますけれども、私どもといたしましては、そういう事態が生じた場合には緊急に措置する必要があろうかと思いますので、政令を制定いたしましてこの規定を発動する、こういうことを考えて緊急に対処をしたい、こう思っております。  もう一つは、私どももちろん物資所管庁ではございませんので、そういった個別の産業事情に必ずしも通暁していないところもございますので、関係省庁とは十分に協議をいたしましてその政令をつくってまいりたい、かように考えているわけでございます。三番目に、相当な困難というのはどういう場合かという御質問もあったかと思いますけれども、その産業企業が合理的な経営のもとにおきましても正常な運営とかあるいは適正な利潤の確保が困難になる、こういうような事情相当数企業に生じているというような場合には、やはりこの「相当損害」があるというふうに一般的に考えております。しかしながら、その損害の生じ方というのは個別具体的にいろいろ違うかと思いますので、その辺のところは個別の事情に即しながら、物資所管庁とも十分に協議をし、関税率審議会にも御相談をいたしましてこの規定を発動してまいりたい、かように考えている次第でございます。
  8. 伊藤茂

    伊藤(茂)委員 アクションプログラムもそうでありますが、当面大きな貿易摩擦とか関税問題、主として日米あるいは日欧というようなことが重点になるわけでありますが、先般大臣が行かれましたソウルの会議なんかを見ましても、日米日欧と違った途上国との関連を含めた視点がやはり大事であろうと思います。また、先進国同士のそういうさまざまな動きに対して、別にまたいろいろと要望も高まるし、不満も生まれるというような状況も生じているわけであります。累積債務あるいは南北問題、いろいろ今までも議論されてまいりましたし、一時小康状態があったりまた新しい危機が生まれたりということを繰り返しているわけでありますが、今後を考えていく場合に、そういう視点も非常に大事なことであって、常に大きな関心を払っていく必要があるであろうというふうに思います。  累積債務の問題、あるいはIMFを含めた、南北に関連をする新たな国際金融協力をどうしていくのかというさまざまな提案もなされているようであります。また、来年度予算関係をして、円高に伴うODA予算決め方ども外務省とも協議をなさっているようでありますが、そういう意味で、日米日欧とは違った途上国との関連などについての対応というものをどうお考えになっておりますか。
  9. 行天豊雄

    行天政府委員 御指摘のとおり、途上国問題は非常にさまざまな形で私どもに対しましても大きな影響を持っておるわけでございます。この累積債務問題というのがやはり当面の一つの大きな課題であろうかと思います。この問題につきましては、いろいろな場で各国の間の話し合いが行われておりまして、何と申しましても、まずは債務国自身自助努力が大事であることはもちろんでございますけれども、それを支援する意味で、先進国を含めた国際機関であるとかあるいは先進国の民間の金融機関が応分の協力をしていく必要があろうというような議論が行われておるわけでございます。私どももそういった議論の中に積極的に参加をいたしまして、この問題ができるだけ早期に解決が図られるよう努力をしてまいりたいと思っておるわけでございます。  日本もいろいろな意味途上国に対します貿易関係、あるいは金融関係が大きくなっているものでございますから、この点への関心はこれからも一層高めていかなければならないと感じておるわけでございます。
  10. 伊藤茂

    伊藤(茂)委員 今の問題でもう一つ伺いたいのですが、専ら来年度予算関連ODA金額をどう決めるのか、また、円高二百円時代というものに対応して外務省との議論があるようでありますが、私は、財政も楽ではありませんから、いろんな議論も当然起きるだろうと思います。しかし、この問題は対内の予算編成関係する国内の問題でもあると同時に、対外関係する諸外国の方々にどういう目で日本が見られるのか、そういうことと関連すると思います。  また、バックグラウンドには、世界経済全体における日本の変化した大きなポジションというものを踏まえて考えていかなければならない、そういう配慮も大事なことだろう、単なる国内予算編成数字だけではない対応が大事であろうと思います。  それから、いろんな雑誌なんかに載った報告を見ますと、金額、量の問題もありますけれども、ベーシックな意味を含めたさまざまなあり方の問題もいろんな議論がずっとあるわけでございまして、果たして途上国の発展に役に立っているのかどうかという現状のレポートとかそういうものを拝見をするわけであります。  そういう意味で、新しい工夫、新しい発想というものもぜひ予算編成の中でも知恵を出してやっていく。国内財政上の見地ももちろんございますけれども対外的なそういう視野を持った決め方というものを大きく持って日本はやっていかなければならない時代ではないだろうかと思うわけでありますが、一言御答弁を願います。
  11. 竹下登

    竹下国務大臣 いわゆる円ベースODA予算ということが最近新聞紙上でもよく取りざたされておりますのは、安倍外務大臣と私ども相談して四百億ドル以上とかというのを決めましたのが九月十八日で、二十二日にG5があって、それで二十三日から円高基調、こういうことでございますので、若干マスコミの方でおもしろおかしくそういうことを知っておって、それで四百億ドル以上なんという大変なものを出したのじゃないか、こんな議論がなされておりますが、別に我々はそのことを承知しておってやったわけでもございません。いずれにせよ、ODAの問題についてはきちんとした姿勢を示さなければなりませんが、しかしまた、財政厳しい折、抑制的な対応をしなければならぬことは、これまた避けて通れないところであります。予算編成過程において、適切な対応の仕方を考えていこうと思っております。  それから、今御意見の中にありましたいわゆる質的な問題、それが本当にちゃんと効果を発揮しているのかどうなのか、いろんなことでフォローアップを外務省等でもおやりいただいておる、それの結果に基づいていろいろな工夫外務省当局もなすっておるというふうに私は理解をいたしておるところであります。  ただ私見を申し述べますと、いわゆる質というものが、確かにODA計算の仕方では無償の方が大変高い計算が出ますけれども、本当は我が国もああして世界銀行から金を借りて新幹線をつくったり、東名高速道路をつくったり、発電所をつくったりしてきた経験からいうと、やはり返す金の方が自助自立の精神を支えるにはいいんじゃないかという気が私自身ないわけでもございません。よく外務省とも質的な問題、本当に効果的にいっているかの問題等も十分に詰めながら、この予算編成過程できちんとした結論を得なければいかぬと思っております。
  12. 伊藤茂

    伊藤(茂)委員 この問題は、私ども例年法案審議の場合には、対外経済援助協力、これらについては肯定的姿勢で長年対応してきたわけでありますが、今の時代にどういう新たな発想に基づいた仕事内容が必要なのか、求められているのか、どう対応するのか、それから世界経済における日本ポジションがはるかに変わったということについての鮮明な認識の上にどういう戦略を立てるのか、さらに、私ども指摘してまいりましたが、どうしてもアメリカの政治戦略に追随した形での支出というものが多いのではないかなどなどの疑問があるわけであります。  きょうはそんなことを細かく議論する時間はございませんけれども、一般的に肯定的姿勢で長年対応してまいりましたが、これはもうちょっとまじめに突っ込んで検討してみなければならぬというふうにも思っておりますので、ぜひ対外的にも信頼感の高まるような結論が出されるように大蔵省としても御努力をお願いしたいと思います。特に外務省も大きな責任を担っておると思いますが……。  次に、税関職員の問題で見解を伺いたいと思います。  いろいろと関係方面のお話を伺いますと、人員はしばらくふえていないようでありますが、先般の規制緩和とかワインとかなんかいろいろなことに関係しましてさまざまの、また、覚せい割とかけん銃とか麻薬とかそういうものの取り締まりなどのことも社会的な話題になっております。それらを考えますと、純減が続いているという状況仕事がもつのだろうかという気持ちが非常にするわけでありまして、これは職員立場からも相当厳しい状況だという認識が高まっているというふうなことだと思います。  また、通常国会審議の中でも例年続いておりますけれども国税職員のことについても例年議論が私どもからございまして、徴税強化というよりも不公平を是正する、あるいはクロヨンその他問題が起きないような税執行面での努力がきちんとできるように、ぜひ国税職員対応がなされるべきであろうということも私ども主張をしてまいりましたし、毎年少しずつ強目の附帯決議もなされている。たしか六十年度は純増十一でございましたか、二けたというにはちょっとお恥ずかしい数字ではあるがということで御答弁がございましたけれども、これらにつきましても今の概算その他、うっかりするとプラス十一というささやかな数字がさらに減ってしまうとかいうふうな危険性もあるような状態のようであります。これは大蔵省みずからのことだから一番最後にということであれになるようでありますが、この際、大臣もやはり後藤田さんとよく御相談をして、こういう認識は私は社会的にあると思いますから、適切かつ十分な措置努力しておられるということが必要ではないだろうかと思いますが、税関職員あわせて国税職員のことについて御見解を承りたいと思います。
  13. 竹下登

    竹下国務大臣 税関の問題から申し上げますと、今御指摘なさいましたとおり、貿易は伸びますし、お客さんはふえますし、その上にいわゆる覚せい割とか銃砲等の社会悪物資密輸取り締まり強化、確かに年々この仕事は増大をいたしております。したがって、従来から事務重点化ということで機械化をやりましたり、業務運営効率化に努めたり、こういうことをしておりますが、御指摘のとおり、今の定員事情というのは非常に厳しい状況にございます。したがって、なお事務重点化効率化努力して、定員確保につきましては税関業務の実情を踏まえて対処していかなければならぬと思っております。  それから、国税職員の問題につきましては、毎年本委員会においても、税制審議が行われる際、附帯決議等、あるいは質疑過程においてこれの増員の問題ということが、我々の方から言えば、いわば大変サポートしていただいている、こういうことでございます。したがって、歳入官庁という立場にありますので、いつもまず隗より始めよとかいうような雰囲気の中で対応していかなければならぬという難しさはございますけれども、実態に即した努力は、今のような御声援を受けながら、これは本気でやらなきゃいかぬぞよ、こんな気持ちを自分にも言い聞かせておるところであります。
  14. 伊藤茂

    伊藤(茂)委員 まあ今の段階では大蔵省としてはそういうことだろうと思いますが、当委員会にしてもまさにこれは超党派の声になっているわけでありまして、何も大蔵委員会だから大蔵省関連のところを応援をするというけちな根性ではないことも重々御承知のとおりだと思います。国民信頼の得られるような税関行政あるいは税関係の行政が行われるようにという視点から、さまざまの意見も繰り返し当委員会でも議論をされてきたわけでございまして、予算編成の最終段階の取り扱いになると思いますが、とにかく一歩二歩、あるいはできれば数歩改善だという結論ができますように、これは超党派の世論としてひとつ要望をしておきたいと思います。  次に、予算編成の作業がいよいよ大詰めになっていくわけでありますが、G5以降の経済情勢の大きな変化なども踏まえてさまざまな議論が起きているわけであります。時間がございませんから二、三だけ伺いたいと思うのですが、まず第一は、全体認識の問題であります。  二つ大臣に伺いたいのですが、二百円から二百五円という円レートでほぼ自律的に動いているというふうな状況と言えるだろうと思いますが、しかし、そう油断していいのかということもあるようであります。いずれにいたしましても、為替相場コントロールという意味からは、限界というものは構造的に当然あるわけでありまして、さまざまな運営からはまだ目が離せないと思います。しかし、日銀総裁の言われていることも竹下大蔵大臣の言われていることも、新聞で拝見をしますと、定着というところにポイントを置かれて言われているようであります。大体いろいろな経済評論もそんなことであるようでありますけれども、いろいろなものを読んでおりましたら、一、一気になることがありまして、米欧からさらに一段の円高の声が生まれる可能性があるんじゃないか、例えばG5の直前に、ボルドリッジ商務長官が二五%ということを言われていた。二五%だと百八十円になりますか、何かそのようなことを一、二論文で見まして、ちょっと気になるわけであります。しかし、いずれにしろ、あのG5の合意にいたしましても、それぞれの国のとるべき経済政策ということが自主的な姿勢から述べられている、政策的背景を持ちながらあれがまとめられている、G5の声明もそういうふうに拝見をいたしておるわけでありまして、その辺をどうお考えになるか、二百円から二百五円、現状で定着というのがおおむね適切な判断ということになりますでしょうかというのが一つであります。  もう一つは、具体的なことをお聞きする暇はございませんから、六十一年度予算への姿勢の問題であります。  確かに、摩擦、円高デフレ、景気、財政再建、幾つかの難しい課題があるわけでありまして、それらをそれぞれ十分に満足をさせるというのは極めて難しいということでもあろうと思いますが、私ども考えますと、具体的に建設国債をどうするのかとか、財投の幅をどうするのかとか、あるいは地方財政関連、起債の枠をどうするのかとか、いろいろな具体的な問題が出てまいりますし、財投の運用の問題もあるわけでありますけれども、そういう具体論は別にいたしまして、重点財政再建あるいは経済活性化といいますか景気対策というのか、調和ということを当然大臣は言われるのでしょうが、現実的にここまで参りますと、この問題の処理あるいは政策選択というものを考えなければならないのではないだろうか。それをどうお考えになっておりますか。私見を申し上げますと、ひとつもう割り切った中期展望か何か言われる時期じゃないだろうか。  いずれにいたしましても、国債の一兆円、一兆円では本当は足りないんですね、今の六十五年だけの計画では。一兆以上になるわけですけれども、一兆減債が可能かといえば、これも極めて困難というふうな現実だろうと思いますね。ですから、確かに六十五年赤字国債脱却が一つ姿勢として、あるいは理念として存在するということはあり得るだろうと思いますけれども、こういう段階になってくると、やや中期的な姿勢に立って、そうして当面必要な経済対策もできるだけの範囲で行いながら、そして財政の見通しについても確実な、また手がたく安心して言える、信頼感の持たれるプログラムというものをつくっていく。緩めるということを大蔵省としては非常に気にされることは当然だと思いますが、そういう方向を出すべき段階、出さなければまた説明のつかない段階ですね。それを出さないと、場当たりの説明だけになってしまうというようなことにもなるのじゃないだろうかというふうな気もするわけであります。  今まで、ややもしますと、私どもの党の方からも、その脱却目標に政治責任を持つかどうか、何がどうなんという質問が多かったわけであります。何もニュー社会党の宣伝をするわけではありませんけれども、やはり現実により可能な、しかも鮮明な目標をどうしていくのかという立場から、当然党派の意見の違いは明確にございますけれども議論していかなければならぬ時代だというふうに思うわけでありまして、その辺、全体的な御認識をまず伺っておきたい。
  15. 竹下登

    竹下国務大臣 まず最初は、為替の問題でございます。  きょうの寄りつきが二百三円三十銭ということでございます。確かにG5以後、かなりのドル高是正が進みまして、各国のファンダメンタルズが為替相場によりよく反映されるようになってきたという評価は等しくしております。私どもがいつも申し上げておりますのは、一層の円高基調が市場で定着して、そしていわば乱高下というのが一番いけないわけでございますから、秩序のある定着とでも申しますか、そういうものを期待しておるということでございます。  ただ、この円高影響ということになりますと、それがかなり浸透するのには期間がかかりますので、直ちに国内経済全体に大きな影響を及ぼすものではない。円高には、輸出の減少等の効果もございますが、交易条件の改善に伴って国全体の実質所得の増加というプラスの効果もあるわけであります。円高は経済摩擦の解消、それを通じた世界経済の拡大に資するというふうに期待されまして、中長期的には我が国にとっても有益であるという基本認識は持っております。  そこで、今申し上げましたようないわば経済摩擦とかあるいは具外的に言えば輸入の増加とかいうようなことからの内需拡大対策ということを今日考えてきて、先般もそれを決定をした。そしてさらに、円高によって直接影響を受けて、契約が途絶えたとかあるいはまだ成約できないとかこういうようなのがふえてきたということに対しては、十二月二日からの特別融資制度という措置を講じたということになるわけですが、最近の議論は、それ以上に、貿易摩擦解消のための内需拡大とは別に、景気対策としての内需拡大、こういう議論が盛んに出てきておることは事実でございます。  これにつきましては、基本的には財政再建路線というのはきちんとしていかなければならぬと思います。三年間マイナス、対前年比一般歳出三角、こういうことを貫いてきまして、それが一遍崩れますと、それこそ今までの努力が水泡に帰するという感じが私にもございます。したがって、非常に困難なことでございますが、六十五年赤字公債依存体質からの脱却という努力目標は、現段階でこれを捨てるわけにはいかぬ。  そして、これまた非常に困難な問題でございますが、来年度予算に際しても、公債の減額、今伊藤さんおっしゃいましたように一兆一千五百という、これは非常に難しい話でございますけれども、平均すればそうなるわけでございますが、これの可能な限りの減額ということを念頭に置いて対応しなければならぬということであります。その中でいろいろな知恵を出さなければいかぬということになりますのが、言葉が少し陳腐になったような嫌いもありますけれども、民活であり、先ほども指摘なさっておった財投の活用であり、そうして地方債の活用を図って対応していかなければならぬではないかと思います。  それからいま一つ、もう再建プランのようなものをもう少しはっきりさせる時期じゃないかという御意見でございますが、私も今までは、およそ平均的伸びにしたならばこの程度の要調整額が要ります、さあ、これは増税で埋めましょうか、赤字公債ふやしましょうか、あるいは歳出の削減でやりましょうか、国民の皆様方に問いかけております、こういう姿勢で今日までやってきて、その裏に幾らか透かし彫りみたいに出てきたのが、電電株が売れるようになったとか、税制改正が抜本的に議論されるようになったとかいうこと。こういう状態が生じできますと、来年の秋ごろに税制改正の問題が出て、そして電電株なんかが、第一回の決算総会は来年の五月ごろになりましょうか、そういうものが出てきたり、そういうことから幾らか先の見通しが、その透かしのようなものが少し浮き上がってくる状態にまでは行くのではないか。そうすると、国民の皆さん方の理解と協力を求め問いかけるにしても、なお手ぐさがそれだけふえるようになるのじゃないか、そういうことを期待しながら、当面は大変厳しい対応で六十一年度予算対応していかなければならぬという基本認識を持っております。     〔委員長退席、堀之内委員長代理着席〕
  16. 伊藤茂

    伊藤(茂)委員 内需と財政再建、難しい制約の中での問題であると思いますし、その中でも最善のプログラムをどうするのか考えなければならぬと思います。また、日本の確実な内需拡大のプランと、それからなるべく早い時期にアメリカの財政状況の改善の計画、相伴って進んでいけば、一挙に解決とはなりませんけれども、好ましい条件が日米間にも生まれてくるということではないだろうか。いずれにいたしましても、アメリカは別にして、日本国内で手がたいそれに向けてのプランが求められている。  ただ私は、そう厳しく批評するわけじゃありませんけれども、今新聞で読むような対応を見ますと、何か場当たりが多いんじゃないだろうかという気がいたします。例えば民活ということにいたしましても、ナショナルプロジェクト、大きなプロジェクトがいろいろ構想される。あるいは国有地の問題とか、私は、何か大きな企業が特に潤うような、あるいは公的な、パブリックなコントロールに心配が出るような形より、むしろ重点を地方におろして、国、地方、民間の活力、もう一つは、私どもから言うならば市民参加、市民活力を組み合わせた新しい方程式を考えていくという新しい知恵が今求められているのじゃないかということを非常に思います。  地方財政でも、今の方程式では、さらに一括削減します、起債の枠を緩めます、それは運用部で面倒見ましょうというようなことになりそうですが、それも構造的な対応じゃありませんで、当面対応というような性格のものじゃないだろうかと思います。そういう場当たりが多いような気がするわけでありまして、その中の特徴的な一つが無税国債、免税債という問題ではなかろうかと思うわけであります。  新聞を見ますと、財界からの要望もあり、それから私も地元で関係がありますから関心があるのですが、東京湾横断道路の関係でのさまざまな要望があり、あるいは党三役で最終決着というような話も聞くわけでありますが、私はこういうのは筋違いだろうと思います。確かに無税国債というのは一つの政策手段として一般的にはある方法であります。しかし、アメリカの場合、その他いろいろな実例がございますけれども日本の現状は違うと思います。これだけ膨大な国債が発行され、しかも、財政の危機は続いており、しかも、国債の運用についてはしょっちゅう冷や汗をかいて、難しい運用をしなければならぬというふうな時代になるわけでありまして、そういう日本の今日の状況の中では、ちょっとルールを変えたものを出して、しかも、はい東京湾横断道路でございます、例えば、国鉄の無税国債なんかでございますとか、そのほかの要望が民間からも次々と出かねない危険性もあると思います。今の日本の国債、公債をめぐる状況の中でそういう方法はとるべきではないと思います。ましてや党三役とか、そういう政治判断で決めるという代物ではない。あくまでも今日の国債を含めた経済財政運営のきちんとしたルール、手がたい確実なルールの中でこういう問題は処理されなければならぬ。言うならば、税金をまけるのではなくて、歳出の方でどう対応できるかという性格のものであろう。大蔵省もそういうふうにお考えになっているようでありますが、こういうことはやはりきちんとした政策のルールというもの、あるいはきちんとした政策のあり方というものを貫くようにしていただきたいと思いますが、いかがでございますか。
  17. 竹下登

    竹下国務大臣 まず一番最初に起こった議論というのは、無税国債から起こった議論じゃないかと思っております。無税国債といえどもあくまでも借金であります。真の財源ではなく、基本的には後世代へツケを回す借金であるということは間違いありません。  それと、相続税免除という議論がありました。我が国の相続税というのは、西郷南洲の「児孫のために美田を買わず」、こんな哲学が一つございますので、相続税を免税にするということを念頭に置いた議論は、税理論の方から問題があるではないか。  それから、国債消化のキャパシティーは一応ございますから、その中へ従来の国債があり、また変形した国債がありということになれば、金融市場に対する影響も大変問題があるということで、今日までそのような反論をしながら来ておるわけであります。  最近出てきたのは、特に今具体例としてお出しになりました東京湾の大型プロジェクトについての免税債と俗にそれが議論されております。この問題、免税債を認めるということになりますと、免税債議論が出ますと、それは本当に、今マル優がいろいろ問題になっておりますさなかに、まさに高額所得者用青天井マル優というようなところへ法人も加えていく、そういうことでございますので、私は、その議論は問題が多いと考えております。そうしてアメリカの産業債がかつて免税であったということについては、大きな反省から今度はあのことはやめようと言っておるときでございますので、参考にするに足るものであったかどうかということにも疑問を持っておるわけであります。  そういう考え方でもってこれに対応していくということになりますと、さあ大型プロジェクトのどのようなものに工夫をしていくか、こういうことになろうかと思います。それは、財政が出動可能の状態にあれば、これは大きな利子補給ということもあり得るのでございましょうけれども、これとて、今日の財政で利子補給というものは、累積すればするほど大きな負担をこれまた長い間後世代に残すことにもなりますので、したがって、どういうふうな工夫をしながらあの大規模公共事業とでも申しましょうか、公共的民活事業をどういうふうな形でやっていくかというのが、ここのところ十日ぐらい一生懸命にない知恵を絞らなきゃならぬことではなかろうかな、こういうふうに考えておるところでございます。
  18. 伊藤茂

    伊藤(茂)委員 趣旨は、物の考え方は大臣の言われたことに私も同意をいたします。やはり、アメリカの例、それからさまざまの現実日本にある要望、その他ありますし、確かに経済にどう活性化をもたらすのかということについて知恵も凝らさなければなりません。そういう状況でありますけれども、今の日本財政運営あるいは税制のプリンシプルからいってルールを壊すようなことは絶対避けなければならない。ここで一歩何かあったら、変化がございましたら、次々とまた困った状況が拡大をするではないかということを懸念をするわけでありまして、毅然として御主張をなさっていただきたいと思います。  それから、もう一つ、来年度の税外収入で話題となっていることを伺いたいのですが、一つは、けさ新聞見ましたら、いよいよNTT来年度株の売却というふうな記事がまた載っておりました。もうこの段階ですから、どの程度そういうことについての判断が進んできておりますでしょうかということが一つ。  それからもう一つ、金貨のことであります。天皇御在位六十年という喜ばしいことを記念をいたしまして金貨を発行する。九日ですか、審議会か懇談会が持たれるというふうなスケジュールになっておるようでありまして、イラストレーターとかデザイナーとか作曲家とか、いろんな方々が懇談会の委員に委嘱をされているようであります。デザインとかその他いろいろなユニークな議論ございますでしょうし、我が党は憲法擁護の立場でございますから、天皇御在位六十年でそういうものを出されるということについて、私も特別反対とか、そういうことはございません。ただ、気持ちからするならば、ことしは戦後四十年あるいは広島、長崎から四十年、今日の中曽根政権が平和、非核への声を改めて日本から、広島、長崎から平和を訴えるみたいな意味での記念のコインでも出しましたら、世界じゅうにこれは売れて、金貨を出しても一段と輝きを増すのではないか、私ども党からしますとそういう気持ちがいたしますけれども、計画自体はそれなりに結構なことだと思います。  ただ、天皇陛下のことでまことに恐縮な話なんでありますけれども、事柄が金からコインをつくって幾らで売ってどうするかという話でありますから、これは恐れ多いとかそういうことは別にいたしまして、また、新聞を見ましたら慶長大判か竹下小判かという話も出ておりましたけれども、そういうことを抜きにいたしまして、純財政的に議論をしたいと思うのでありますが、五万円の額面か十万円の額面か、いろいろな話もあるようであります。懇談会で決めていただくわけでありましょう。私なんかは両方つくったらいいんじゃないかという気もいたしますし、今日の金の値段あるいはまた日銀が——あれは政府はないのですか。アメリカに預けたのですか、持っている金。何か日銀で七百トンとか、今日の為替状況を見ましても二百トンから三百トンは使ってもいいであろうとか、いろいろなあれが出るわけでありまして、また、三千八百万世帯のうちどれだけ買ってくれるかというふうな見込みの問題もあるでありましょう。しかも、こういうものは国際的に大きな反響もあるわけであります。また、南ア制裁もあってクルーガーランドの方もストップになっておる。これはいつまで続きますか、そういう問題もあるわけであります。  いろいろなことを考えますと、言われているようなことよりもちょっと多目にやったらどうだろうかという気がするわけであります。五万円のを一つつくるごとに二万五千円利益が出るとか、二万八千円出るだろうとか、いろいろな計算がありますが、それは別にいたしまして、これを例えば全世帯の皆様に、買わない人もたくさんお買い求めになる人ももちろんいらっしゃるでしょうが、例えば四千万世帯の半分以上ぐらいの計算、その中には国外も含む、というようなことになれば、一千億か二千億というような話ではなくて、場合によっては八千数百億なんという計算も新聞に載っておりました。それは別にいたしまして、とにかく五千億を超える税外収入をお喜びの年に当たって実現できるのではないだろうかというふうな気もいたします。  来年度の税外収入を考えますと、その二つが目玉じゃないかというふうにちょっと思いますが、いかがでございましょう。
  19. 竹下登

    竹下国務大臣 まず、NTT株の問題でございますが、いつも本委員会でも慎重にお答えしておるのは、いわばまだ決算総会、一遍も決算したことのないものに値段がつくのかどうか。だから、これは私も、いつかもお答えしましたように、国会の皆様方ともあるいは相談してみようかなという気がしないわけでもございません。今、それこそ専門家に寄ってもらいましていろいろ議論をしていただいておる最中でございますので、今日もう決めましたという段階ではございません。  それから、次の問題が金貨の発行計画でございますが、御賛同いただいたことを心からお礼を申し上げます。森英恵さんでございますとか、あるいは総評の真柄さんでございますとかに私頼みました。どういう資格がと言うから、あんたら学識経験者ですと言ったら、全然学識も経験もないとおっしゃっておりましたが、今度九日でございますか、第一回の会合を開いて、いろいろな意見を聞いてみようというのが今日の段階のお答えになろうかと思っております。  したがって、枚数をどうするかというようなこともやはり大きな問題であります。今までは、記念の五百円とかあるいは百円とかいう場合は、一世帯に二枚というので七千万枚というのがよく使っておった数字でございますけれども、七千万枚も十万円が出たらこれまた大変なことにもなるでございましょう。ただ、人によっては、それは流通するものでございますけれども、現実は流通しないからインフレにはならない、こんなことも言われております。  もう一つ問題がありますのは、通常の補助貨幣と比べてはるかに手間暇がかかるので、いわゆる造幣局の製造能力というものと、それから所要期間、すなわち法律、予算が成立いたしました後、昭和六十一年秋に予定しております引きかえまでの期間内に本当に何ぼできるかということになりますと、おのずと限界があるではないかというふうに思います。したがって、金貨だけでなく、記念銀貨及び白銅貨幣もあわせて発行したらいいじゃないかな、こういうことも念頭にあることは事実でございます。  それから今度は、それで税外収入ということになりますと、私も伊藤さんと同じぐらいの年配でございますので、不敬罪とは申しませんけれども、どうもこの記念すべき行事を余り歳入を中心に考えてもいかがかなと思いながらも、あれこれ今後いわゆる学識経験者、経験者はおらぬわけでございますから、いろんな知恵者とでも申しますか、各界のそういう方々の意見を聞きながら決めていかなければならぬなというふうに考えておるところでございます。
  20. 伊藤茂

    伊藤(茂)委員 来年度の税収見込みも大変ですから、また歳出の方も概算からそう大きく削れるかどうか。二千億程度の増税かとかいろいろ言われているわけであります。法人税の一・三は当然でございますけれども、そういう中からいったら、こういう種類のことについていきなり銭目で何ぼという議論はしにくい面もありますけれども予算に何ぼ計上するのかという作業は間もなく詰めなければならぬわけでして、私は一千億とか二千億という程度よりも五千億以上ぐらい見込んで、しかも大丈夫じゃないだろうかというふうな気がするわけであります。  もう一つは、式典はたしか来年四月でございましたね。そういたしますと、来年の今ごろ発行というわけにまいりませんで、九日に第一回の懇談会というのも一定のスケジュールをにらんでということだろうと思います。常識で言えば、来年四月二十九日かわかりませんが、そのときにということでスケジュールは組まれているということかと思いますが、その辺のめどはそれでよろしゅうございますか。
  21. 竹下登

    竹下国務大臣 これは予算が通過し、法律が通過するという必要がございますので、現実問題として四月二十九日というのはできないことじゃなかろうかな。ですから、製造能力からすると秋というふうなことになるのではないかというふうに、これも今のところ私見でございますけれども、そんな感じがしております。
  22. 伊藤茂

    伊藤(茂)委員 残り時間は、もう一つの話題でお伺いしたいと思います。  相互銀行、特に平和相互の問題がここのところ大きな社会問題となりました。時間もございませんから、その経過その他考え方は申し上げません。いずれにいたしましても前々から内部抗争、乱脈経営経営危機ということが言われてきたわけであります。主要投資先の太平洋クラブその他のことも前々から大きな社会問題にもなっていたところであります。顧問団、社長交代、九月期の中間配当見送り、徹底的な検査、そしてなるべく早い時期にと申しましても来年一月か三月か知りませんが内容を精査した上で案をつくるというようなことになっておるようでありまして、私はやり方も社会的責任を忘れてきた経過だと思いますし、それから中心的な貸し付けを受けたところもいろいろ金額内容その他も聞いたり読んだりするわけでございますけれども、非常に不良な内容、ほとんどのところがそういう状態というようなことを聞くわけであります。しかも何か二百万口座、約百店舗というようなことでございます。  多くの町の利用者の方々は非常な心配で、私のところにも、二カ月ほど前でしたか、太平洋クラブが新聞に出たあたりに、平和相互に数千万円預金をしております、それでまたさらに取引をふやして商売をふやしたいと思っておりますけれども、もうこれじゃ心配だからあした行って全部おろした方がいいでしょうかというような電話がかがってきたり、いろいろと利用者も心配の方もいらっしゃるということになっているわけです。  一つ伺いたいのは、これもいろいろ世間でも言われておりますけれども大蔵省は二年ごとに銀行定期検査をなさる。日本銀行もなさる。言うならば相互に検査をなさっているわけであります。そんなやぼな話は別にいたしまして、この営業状況のチェックをするまでもなくさまざまな内容というのは前々からわかっていたことだろうと思います。非常に手をつけにくいほど訴訟問題も含めて内部抗争が深刻だ。何でも内輪もめはよくないですね。とにかく手がつけにくいということも事実であったろうと思います。しかしこういう段になってきますと、チャンスは幾らもあったのに形式的な対応、形式的な処分をやって、本質的に病根をどう処理をするのかということは先送りしてきたというのが状況ではないだろうか。言うならば、行政あるいは監督官庁としての長年にわたる対応の仕方がいいかげんだったのではないだろうかというふうなことも言われているわけでありますが、私もそうじゃないかなというふうな気もするわけであります。  手のつけ方、行政指導、今の制度のもとでの、あるいは今の金融制度調査会などの新しい金融制度の発想のもとでのやり方というもの、これも金融の大変革期の中でのテストケースじゃないかというようなことを言っておりますが、難しさがあると思います。しかし、長年の手抜かりあるいは先送りということも私は否定できないのだと思いますが、まずそれについていかがでございますが。
  23. 吉田正輝

    ○吉田(正)政府委員 お答えいたします。  平和相銀につきましては、先生御指摘のとおり、その検査についても、今までの実績を見ますと二年程度の間隔を置いてやっているところでございます。  銀行検査そのものでございますけれども、銀行法に基づいて、いわばその目的でございます信用秩序の維持とか預金者保護のために検査しているということでございますので、私どもとしては全力を挙げてやっているところでございます。  でございますが、この検査自体は、これは検査の権限もあるわけでございますけれども、一言で申せば銀行との信頼関係に基づきながら検査をしているところでございます。そこいら辺の限界もあるのかもしれませんけれども、平和相互銀行に対しましては、検査実施の都度十分全力を挙げてやっているところでございまして、その都度経営姿勢、特に与信姿勢の厳正化とか、融資体制の健全強化とか、与信構造の是正、大口信用集中の排除等について厳正な指導を行ってきたということでございます。  この検査の実施に当たりましては今申し上げたようなことでございますが、そのときどきの状況のもと、そのときに利用可能な材料等を駆使いたしまして最善を尽くしてきたところであり、今申し上げましたように、問題点は十分指摘してその対応方について善処を強く求めてきたということでございます。
  24. 伊藤茂

    伊藤(茂)委員 最善を尽くしてきたとは言われますが、あなたではなくてあなたの前任者、前々任者の時代からの話ですけれども、やはりこういう状態になってくると、もうマスコミの話題にも社会問題にも長年いろいろとあったわけでありまして、もうちょっと何かできなかったのか。手をつけるにしても、あれだけ内輪もめがありますとなかなか難しいことは事実だ、それもわかります。しかし、わかっているのに問題の根源のところをどうするのかが先送りされてきたというのが事実経過ではないだろうかと私は思います。しかし、ここまで来ましたから、どういう姿勢対応するのかということが大きな問題だと思います。  私ども委員会でも金融関係議論がいろいろなされてまいりました。言うまでもありませんが、そういう新しい金融自由化時代の言うならばテストケースみたいな問題、ここでどういう処理をするのかによって、金融業界、金融システム全体にこの時代に求められている厳しさと社会的姿勢をもってやることになるのか、あるいはまた、在来どおりに、いや銀行はつぶさないでやってくれるのだという護送船団発想のイージーゴーイングに陥っていくのかということも、この問題の処理に大きくかかっているということではないかと思います。  また、私の知る範囲でいろいろな今日時点での実情その他を聞いてみましても、反省して内部抗争がおさまりましたなんという簡単な状態ではないようであります。○○実権派とか○○役員がどうとかということがいろいろと依然として強いようであります。そういう病根を本来は自律的にこれはどう断ち切っていくのかというものになってもらわなければならぬ。これも私は非常に難しい状況だろうと思います。  それから、いつごろになりますか、一月になるのか三月ごろになるのか、これから全体の検査、内容の把握もしなければならぬ。そういう上に立って、大手術で抜本的な再建を図るということに、普通はなるのでしょうけれども、実際に再建ができるかどうかということは関係者あるいは皆さん方にとってもそう簡単に判断のできるような代物ではないというのが現実であろうと私は思うわけであります。来国会になるのでしょうか、金融制度調査会の報告に基づいた預金保険法とか、その中での大臣権限をどの程度にするのか、そんな法案を議論することにもなってくるのだろうと思いますが、それの是非は別にいたしまして、今の時代にふさわしい、イージーゴーイングでない、内外ともに食うか食われるかという状態にあるわけでありますから、銀行はつぶされないのだという安易な気持ちでやるようなことがないような厳しい対応が求められているということだと思います。先のプログラムはもちろん今決まっていないし、言えないと思いますけれども、その辺の姿勢だけはきちんとしておかないと、今日の時代対応ができないと私は思いますが、いかがでしょうか。
  25. 吉田正輝

    ○吉田(正)政府委員 まず、この再建の手法いかんという御質問であると思いますけれども金融機関経営のあり方あるいは再建のあり方とか改善のあり方については、それぞれのケース・バイ・ケースでやっていくことであろうと思います。大切なことは、あくまでも銀行自体の健全性の確保と預金者の保護ということが、私企業ではありながら公共的性格を持っている銀行の使命であると考えておるわけでございます。したがって、そういう考え方であるならば平和相銀の再建はどうやって持っていくかということでございましょうけれども、ただいま現在検査を継続中でございまして、資産内容を初めといたしまして各面の解明に努めておるところでございます。  そこで、先生も既に御承知のとおりでございますけれども、検査の途中で不確定要因がございますから、銀行の健全性確保見地から、とりあえず中間決算でもございますので社外流出を見送って健全性を確保する。それから、まだ検査中でございますから最終を迎えているわけではございませんけれども、中間決算に際しまして、このような事態に至った責任を痛感して稲井田社長が辞任して、とりあえず会長が社長を兼務して事態の収拾に当たる。今後の再建計画につきましては、銀行自体の全般の運営とか今後の経営再建計画の抜本策の策定等について指導を受けるために顧問を招聘したということになっておりますので、いつごろか、どういう方向かということにつきましては、同行自身が検査結果を踏まえましてこの顧問の指導のもとに今後検討し作成していく。大蔵省としては、今後始まりますこの作業を見守っていくことにしたいと思いますけれども、いずれにしましてもこれが有効かつ現実的なものであることを期待しておるわけでございます。  もう一つ、いろいろな問題を指摘された中で、この金融機関事態を救済するだけで済むのかというお話でございます。救済という言葉が適当かどうか、今後、銀行自身経営改善の抜本策を模索することになると思いますけれども、これは銀行の健全性確保とか預金者保護という観点から行われるべきでございまして、経営の責任というものについては、先生がおっしゃいましたとおり、今後自由化が進行し、自由競争の中で金融機関の格差も厳しくなり、経営環境の悪くなる金融機関もあると思いますが、その中で、経営者の自己責任の感覚は一層大切になるものであると考えておるわけでございます。したがいまして、同行自身経営責任の点につきましても痛感しているということを表明しておるところでございますので、今後の推移にまちたい。  いずれにいたしましても、大蔵省といたしましては預金者保護と信用秩序維持の本旨にのっとりまして、同行の経営再建の努力を見守りつつかつ指導していく所存である、また、指導する努力を惜しまないつもりでございます。
  26. 伊藤茂

    伊藤(茂)委員 もう時間もありませんからそう詳しくやりませんが、五十四年でございましたか、大光相互の問題がやはりございました。しかし、いずれにいたしましても、あの当時と現在と、金融機関全体が置かれている状態もあるべき行政対応も当然大きく違う。そういう姿勢をこの際鮮明に出していくということが非常に大事なことではないだろうか。それが局長の言われた預金者に対する保護という責任からいっても大事なことではないだろうか。甘く守るというのではなくて、今日の時代、これからの時代にきちんと対応できるような姿勢を鮮明にして世間にわかってもらう、そういう姿勢を毅然としてとるべきではないだろうかと思うわけであります。一般的な姿勢局長は言われましたが、その点はさらに強く要望をいたしておきたいと思います。  同時に、具体的なさまざまのケースについて、監督行政機関大蔵省が、銀行局の皆さんかどう対応するのか。また、それ以上に、監督行政機関としてやるべきことは、業界の指導と申しましょうか、業界の自覚、努力を高めると申しましょうか、こういうことは相互銀行協会の関係——平和相互の問題でも、相互銀行だけではございませんで幾つかの都市銀行の関係とかいろいろ出てくるわけでありますけれども、主としてやはり相互銀行協会、こういう業界がどのように自律的に自主的に今日の時代にこたえる努力をしていくのか、そういう努力が進むように協力あるいは指導していくことが大事ではないだろうかと思うわけであります。  約七十行近くの相互銀行業界、それぞれ非常にまじめに考えている方も当然たくさんいらっしゃるわけでありますし、無尽から始まった古い歴史的経過はありますけれども、庶民の銀行、庶民の金融機関という体質を大事にしながら、また総合力を持った大手の銀行と小回りのきく中小零細の地域の金融機関とのはざまで将来をどう模索していくのか、さまざまな議論があるわけでございますが、全体として、今日のようなさまざまな問題が続いているようでは、希望している普通銀行への扱いというのはとても望めないということになるわけだろうと思います。  ですから、望ましい一つの点は、平和相互自体のきちんとした処理の問題があると思います。もう一つは、業界全体が自律的に、自己改革の一つのガイドラインか基準か規範か、綱領と言うと大げさですけれども、そういうものを持って、金融界の中でも、あるいはお客さんに向けても姿勢を示していく。その中には、私ども前々から言ってまいりましたディスクロージャーの強化拡大というようなことも当然あるわけでありますが、指針を組むように働きかける、そういう努力は大いになされていいのではないだろうかと思うわけであります。  私が懸念をするのは、平和相互の問題が終わればそれはそれなりという気もいたしますけれども、そうではない気が非常にいたします。この数カ月間いろいろな報道を見ておりましても、ある大手新聞に出ておりましたが、固有名詞は余り言いたくありません、ある相互銀行が投機的に土地を買い占める、いろいろなブローカーを使って何かやる、地域社会も非常に迷惑を受けているというふうな大きな報道もございましたし、そういうことが幾つか目につくわけであります。二、三日前もある雑誌をぱらぱらと見ておりましたら、またある相互銀行のことが出ておりました。これは内容がちょっとけしからぬと思いました。第一相互銀行ですか、運営がどうとか、このままでは大きな矛盾が出るのじゃないかとか。個別の問題は別にいたしまして、そういうのをずっと見ておりますと、今のままでは、こういう不祥事が今後起こらないという保証はないという残念な状況。まじめな銀行、相互銀行の方々もいらっしゃいます、これも事実です。また、こういう業界が町のお店屋さんにとって地域でも一定の社会的役割があるのもこれは大切な事実であるわけでありまして、私は、大蔵省としては、そういう業界への強力なアドバイスかあるいは指導なども含めまして、鮮明に世間に向かって業界としての自己努力が位置づけられるような、あるいは今日の金融自由化あるいは金融革命と言われる情勢を鮮明に認識をして努力の方向を明らかにするとかというようなことは、この際大いにやられるべきではないだろうかと思いますが、いかがでございましょう。
  27. 吉田正輝

    ○吉田(正)政府委員 業界全体、業界それぞれがやはりいろいろ考えていくべきではないかという御指摘だと思います。この金融自由化、あるいは金融革命という言葉が適切かどうかわかりませんけれども、金融自由化が急速に進展する中で金融機関経営環境が厳しくなっていくことは疑いを入れないところでございます。したがいまして、まず、相銀界に限らず私どもあるいは金融界挙げて努力するべきことは、自己責任原則に基づきました健全経営確保ということでございますから、私どもといたしましては、やはり健全性確保ということで経営諸比率の指導、例えば自己資本比率の指導あるいは流動性比率の指導、先ほどちょっと申し上げました大口与信規制の再検討というようなことなどを考えると同時に、一方、金融機関におきましても、自主的に、例えば先生御指摘のようなディスクロージャーにつきましても、健全性の見地から考えていくというようなことも必要になってきている時代、かつ、それを私どもといたしましては認識いたしまして今後進めてまいりたい、こういうふうに考えているのが一般的な姿勢でございます。  相互銀行について申しますならば、一般的に申し上げまして、先生が先ほどおっしゃいましたように、全体としてはまじめにやっているというふうに考えるべきでございましょうけれども、やはり相銀界といたしましては、今後の自由化に備えて相銀界としても今後いろいろ自己努力を重ねていくべき部門もあるというふうに考えられるわけでございます。したがいまして、ただいま申しましたように、私どもといたしましては、経営諸比率指導とか検査の充実等さらに努めてまいりたいと思いますけれども、やはり業界自体で業界の信用を維持するためにみずからを再点検することも必要であり、将来の方向を模索することが必要であろうかと考えております。  このような認識もございまして、相互銀行協会におきましても今後のあり方等を自主的に検討するということで、基本問題小委員会のようなものを中に設けまして、経営にかかわる基本問題、また、先生が御指摘になりました制度問題あるいは自由化対策あるいはディスクロージャー対策等につきまして検討しているというふうに聞いているわけでございます。私どもといたしましては、このような動き、このような考え方等につきまして見守りつつ、ただいま申し上げました方向に沿えるように見守ってまいりたいというふうに考えておるところでございます。
  28. 伊藤茂

    伊藤(茂)委員 終わります。
  29. 堀之内久男

    ○堀之内委員長代理 矢追秀彦君。
  30. 矢追秀彦

    ○矢追委員 最初に、大蔵大臣円高問題について少しお伺いをいたします。  九月二十二日の先進五カ国の蔵相会議で話し合いが行われましたその後、円相場は上昇を続けておりまして、二百四十円台であったのがもうこの二カ月で二百円台と、二〇%強も急激に上昇したわけです。政府円高誘導は一応成功をしたわけでございますが、これに対するいろいろなリアクションが出てきておりまして、早くも円高デフレあるいは不況というようなことも言われておるわけです。この円高をどうごらんになっておりますか。あくまでも人為的であると私は言いたいですが、いかがですか。
  31. 竹下登

    竹下国務大臣 G5以降かなりのドル高是正が進んで、各国のファンダメンタルズが為替相場によりよく反映されるようになってきたというふうに私は評価しております。我が国としては、やはりいわゆる秩序ある円高基調というものが定着することを期待しておるところでございます。  今の、人為的という評価でございますが、実際非常に難しい問題だと思いますのは、私がちょうど昭和四十六年に内閣官房長官でありましたときに、いわゆるドルの兌族制停止が行われて、それで、ああでもない、こうでもないという議論をしながら一時フロートして、それからまたスミソニアン・レートができて、それからまたフロートして、結局変動相場制、こういうものができたわけであります。その後十年間にわたってそれなりにその制度は、二度にわたる石油危機の中にも巧みに機能してきたではないか、したがって、本当に経済の実勢を反映さえすればまことにいいことでございますが、結局、ウィリアムズバーグ・サミットのときに我々が申し合わせしましたのは、要するに政策の調和をとって、そして絶えず相互監視を行って同じような政策をとって、それによってファンダメンタルズが適正に反映されることが最も好ましいが、有益と認める場合には協調して介入しようというふうな申し合わせがウィリアムズバーグ・サミット以来続いておるわけであります。そこへやはりアメリカの高金利とかいうような問題からして、みんなが、これでは実勢が必ずしも働いていないじゃないか、それには今が有用な時期とこれを認めてもいいじゃないかというので協調介入が始まった。したがって、今の動きを見ておりますと、私は、自律的に定着化の方向には行っておるのではないかというふうに見ております。  ただ、御指摘の背景にあると思われますように、それだけで定着するものじゃないんだぞ、やはりそれぞれの国があの際附属文書で声明したように、アメリカは財政赤字、高金利、あるいは日本は内需拡大とかそういうもの、お互いのそういう基本的な問題の解決をネダっておいてやれるものではないという問題意識は私も十分持っておるつもりでございます。
  32. 矢追秀彦

    ○矢追委員 今、きのうは二百三円ですか、なっておりますけれども、これも難しい議論だと思いますが、果たしてどの辺が適正なのか。百八十円と言う方もありますし、また、米国の調査機関の試算では、日米製造業の生産コストの差から一ドルが百六十八円が均衡レートである、こういうふうな意見もあるわけです。一時百七十円台まで過去にいったことがございますけれども、まあどの辺が適当なのか、大体二百円前後で、今言われた協調介入も含めてやっておくのがとにかくとりあえず無難なのか、その点はどういうお考えですか。
  33. 竹下登

    竹下国務大臣 どの辺が適正かということになりますと、見方が、いわゆる輸出品目ごとにその製造コストが違いますので、業界あるいは大小の企業間それぞれで、おれの方はこの辺が妥当だという水準はあろうかと思いますが、通貨当局としてどの辺が適正な相場かということを示すのは、これは大変困難な問題でございますので、結局は具体的水準というのは市場の合理的判断にゆだねざるを得ない。しかし、だれが見ても各国のファンダメンタルズがまあいい形で反映しておるなというような姿が好ましいというふうにも思います。  それから、通貨当局者でございますと、特に今世界通貨の中で大きな比重を占める日本の通貨当局者が仮にこの辺が底だとか言いますと、やっぱり大きな投機の対象にもなって、むしろファンダメンタルズの適正な反映を阻害する要因にもなるということになりますと、私も国際会議等で、余り褒めた言い方ではございませんが、最終的にはというと神のみぞ知るというようなことしか言えないというのが限界でございます。
  34. 矢追秀彦

    ○矢追委員 アメリカがこれからどう出てくるのか、これはわかりませんけれども大臣、できたら予測をお伺いしたいんですが、アメリカというのはドルの威信ということを非常に考えておりますし、特にレーガン政権というのは強いアメリカということでここまで引っ張ってきたわけですから、そういう意味では二百円で果たして黙っておるのかな。また戻す可能性というのは出てこないのか。金利の問題もございますけれども、その辺はどう見られておりますか。
  35. 竹下登

    竹下国務大臣 確かにレーガン政権から受ける一般的な印象としては、強いアメリカ、強いドル、そういうふうな感じであったことは私もそういう認識を持っております。今日は、やっぱり適正なレートということに対する関心もアメリカ全体で非常に高まってきておるんじゃないか。よく話していますと、アメリカ人は、直接関係の商社の方等は別としまして一般的にはドルさえ持っていればどこでも通用するということから、日本人ほどレートに対して敏感でないという点もあったかと思いますが、今は私どもの一応の話し合いの中で、通貨に対してはやっぱりファンダメンタルズを市場が反映するというのが適切である、それこそ人為的に強いドルをもう一遍再現しようというような環境にはないじゃないかというふうに見ております。  ただ、御心配いただいております日米で見ますと、金利差でございますが、これがまだございますから、その辺はやっぱりアメリカにも、財政赤字にゆえんするところの金利高であるわけでありますから、絶えずそれに対する監視はしてもらわなきゃならぬというふうに主張をしておるところであります。
  36. 矢追秀彦

    ○矢追委員 次に円高影響でございますけれども、大変急激な円高で戸惑っている国内企業も多いわけですが、その中で市場金利がこの一カ月ほどで一・五%強上昇したわけです。都市銀行は採算の悪化をとめようとして一斉に貸出金利の引き上げに動いた、こういうふうに言われておるわけですが、事実一%近い利上げを通告された企業もあるというように私も聞いておるわけです。  今回の円高は、やはり経済摩擦解消もねらったわけですけれども、輸出にブレーキがかかる、それから金利が上がる、そういうデフレ効果というのはこれから出てくるのではないかと思うわけです。ある都市銀行の試算によりますと、一ドル二百円の水準が続くと、六十一年度の実質成長率は、二百三十円水準に比べまして、円高によって一・八%、金利高によって〇・四%、合わせて二・二%実質成長率が低下する、こういう試算が出ておるわけでございます。  この円高、金利上昇という二つのデフレ要因がこれから効いてくるわけでして、輸出の方に非常にシェアの高い企業というのは大変厳しいわけですが、これから来年度予算編成また来年の経済予測等を含めまして、この円高によるデフレ要因をどう除いていくか、またどういうようにこれからやっていかれるのか、見通しも含めてお答えをいただきたい。     〔堀之内委員長代理退席、熊谷委員長代理着席〕
  37. 北村恭二

    ○北村(恭)政府委員 円高がかなりの程度で現在定着しつつあるわけでございまして、これが日本経済にどういう影響を及ぼすかという点でございますけれども、この円高影響あるいはそれに伴う金利等の影響ということが日本経済に今直ちに大きな影響を及ぼすということは、マクロ的にはすぐには出てこない。要するにタイムラグがある問題だということが一点あろうかと思います。  それで、こういった影響がどういう形で我が国経済に出てくるかと申しますと、今お触れいただきましたように、はっきり言って輸出関係あるいは輸入関係ということに大きな影響が出てくるわけでございまして、そういったことで、いずれは輸出の数量減あるいは輸入の数量増といったような形で我が国影響が出てくるわけでございまして、これはいわゆるGNPの減少の方につながる効果でございます。ただ一方、円高ということをマクロで見ますと、いわゆる交易条件の改善というようなことが言われますが、物価の安定に伴いまして個人消費が拡大するといったような効果も一方出てくるわけでございまして、これはむしろGNPをふやす方、プラスの方の影響でございます。  ですから、私どもがこの効果を考えます場合に、双方の効果というのがどの程度のものになるだろうかという比較の上で判断をしなければいけないわけでございますが、どちらが強く出るかということにつきましてはいろいろな前提の置き方等によって変わってまいります。  先ほど触れられました民間の金融機関等の試算でも、そういったことが成長率にどういう影響を及ぼすかということをモデルで計算するわけでございます。大体一般的に申しますと、当初一年目くらいはむしろ逆にプラスの効果が出、二年目くらいになりますとそれが若干マイナスに出るといったような試算結果が多いかと思います。  そういったことで、マクロで見た場合の効果というのはいろいろな計算があろうかと思いますが、いずれにいたしましても、こういったマクロの話だけではなくて、ミクロの影響ということも当然あるわけでございまして、そういった中小企業等に及ぼす影響というようなことにつきましては十分配意してまいらなくてはいけないと思いますし、また先般、全体として内需拡大に対する対策といったようなことも決めまして、そういった点についても十分配慮を払いながら政策運営をやっていかなくちゃいけないのではないかというふうに考えておるところでございます。
  38. 矢追秀彦

    ○矢追委員 大臣、六十一年度予算編成の経済見通し、それから予算編成考え方というのは、やはり今の二百円というものが定着というふうな基調でやられるおつもりですか。これが一点。  それからもう一つ。先ほどもニクソン・ショックの話が出ましたが、昭和四十七年の補正予算、これが大変な大型補正予算。たしか植木大蔵大臣田中総理だったと思います。大変な不況になる、だから内需拡大をしなければいけないということで相当思い切った大型補正予算。さらにその明くる年でしたか、二兆円減税ですか、大型減税があった。それが、あのとき列島改造等がありまして、結局狂乱物価——オイルショックの後になるのですけれども。その前の土地の値上がりを初めとした大変な物価上昇につながって、それで輸出はある程度影響がありましたけれども、じゃあ日本経済がどうなったかというと、私はあのときの補正予算というのはちょっとまずかったのじゃないかと今見ておるわけです。  だから、今度の円高による対策はやらなければなりません。また、内需拡大もやらなければならぬと思いますが、やはり財政の節度もあるし、その辺大変悩んでおられると思うのですけれども、今度の予算編成というのは非常にうまいかじ取りをしないとまた変なことになるのじゃないか、こう思うのですが、そのときの反省も含めていかがですか。
  39. 竹下登

    竹下国務大臣 まず、四十六年のいわゆるニクソン・ショックの後、四十七年度予算を組みます際には、一応ベースになったのは三百八円のスミソニアンレートであったわけでございますけれども、それにしても為替差損、為替差益の議論が随分出て、それでどうやら組めた予算であった。それからその後、今度は補正でつながないことにはかなわぬというのが四十七年の補正予算であって、それから四十八年は、もう一つございましたのは福祉元年というようなこともございまして、したがっていろいろなことを考えられておる予算が執行になる。そして、第一次石油ショックに今度は入っていくわけでございます。  したがって、結局ドルショックも第一次石油ショックも第二次石油ショックもそう言われるかもしれません。というのは、日本人の貯蓄率が高かったから公債が発行できたという、対応力があったためにほかの国に比べれば一番先にドルショックも第一次石油ショックも抜け切ることができたじゃないか、物価は大変な高騰をして、いわば高値安定はしたわけでございますけれども。したがって、いつも思うのには、財政対応力を持っておることは必要だ。だから、公債政策が一概に悪だというふうには私も思っておりません。  しかしあの後の、今度は第二次石油ショック後、五十六年、五十七年にわたっての大蔵入欠陥というものがあったわけでありますから、そういうことを考えてみますと、ことしの予算というのはその辺今御指摘なすったとおり、円高から来るところのあるいまデフレ効果、それで内需振興というものは当然呼ばれできますが、それがいささかでも便乗的なものであってはならぬ。その辺の節度を守るというのはまた大変大事なことじゃないかなというふうに考えております。と同時に、予算審議が始まったころ、例えば暦年の貿易収支なんかが皆発表になって、その辺審議の途中でまたいろいろな議論が出てくるのじゃないかなというようなことを、先々のことでございますが心配しながら、やはり現実的な対応をしていかなければならぬなというふうに考えております。
  40. 矢追秀彦

    ○矢追委員 政府開発援助、ODAについてでございますが、報道によりますと、円高理由に増額計画を縮小するというふうなことも言われておりますし、ドルでなくて円でやるとか、いろいろなことを言われておるわけでございますが、発展途上国円高によってまたこれは非常に厳しい状況になるわけですから、この辺はきちんとしなければいかぬと思うのですけれども、これはいかがですか。
  41. 竹下登

    竹下国務大臣 ODAの計画を九月十八日に決めまして、それで二十二日に今度はG5、こういうことになったものですから、あのときのレートのとり方は近い将来円高になることを見込んでおったじゃないか、こういうようなこともおもしろおかしくも言われておるところでございますけれども、いずれにせよODA予算というのは、確かに過去の五カ年計画の場合はまた大変円高のときの基調で計算して、そして五カ年間の中ではかなり円安にふれて結果として終わったというようなことになるわけでございますので、もとより関係があることは事実でございますが、今矢追さんおっしゃっているのは、しかし円借款とかそういうようなものに対しては、開発途上国はそれなりの円ベースの期待感もあるというような御指摘でございましょう。それらを総合勘案しまして、これからまさに予算折衝の段階で、適切に、どこから見ても立派と言われますかどうかは別として、元来我が国の国会はODAに対しては与野党を通じて非常に御賛同をいただく、そういう国会でございますだけに、適切な対応をしなければならぬ課題だという問題意識を持っております。
  42. 矢追秀彦

    ○矢追委員 ひとつ減額だけはないようにお願いしたいと思います。  それからもう一つこの際、ちょっとODAとは違いますが、国連に対しても日本は随分お金を出してきているわけですが、きょうの新聞を見ますと、またイギリスがユネスコ脱退というようなことを言い出して、だんだんアメリカを初めとして国連から逃げよう逃げようという、そのしわ寄せが全部また日本にかかりそうな気配もあるわけです。もちろん国連に対していろいろな増額はずっとされてきておりまして結構なことだとは思っておりますが、反面アメリカあるいはイギリス等が、自分の言うことを聞いてくれぬ国連になりつつあるから、けしからぬからやめたと、人口問題でも今回レーガンさんは引いてきているわけです。そういう非常に困った状況が出ておりますので、大蔵大臣でございますから外務大臣とは違いますが、国連にこれからどういうふうに対処していくのか、これは一言お答えいただきたいと思います。  それから、時間の関係で続いて質問させていただきますが、アクションプログラムの一環として今回の関税引き下げということになっているわけですが、過去の経験からいって、これが行われて、ではどれだけ国民生活が、消費が伸び、輸入品をどんどん買い、豊かになってきたのかどうか。総理はそういうことを所信表明演説でも大変強調されておるわけでございますけれども、いいことというのは余り残らなくて悪いことが記憶には残るからかもわかりませんが、果たしてどれだけの効果が過去にあったのか。今回のこれでどれだけ効果を期待されておるのか。  それからもう一つは、問題は非関税障壁ですね。これをかなりきちんとして、特にアメリカに理解をさせていかないとまずいことになるんじゃないかと思います。例えば流通コスト。この間国税庁の調査でも、一本七百円のウイスキーが一万円。こういうことは米国側から見たら、外国から見たら余りいい話ではないと思うのですね。この辺がどのようになっておるのか、お伺いしたいと思います。
  43. 竹下登

    竹下国務大臣 まず国連に対する基本認識でございますが、いろいろ問題がありますのは、よく言われるように一億人も一票、十万人も一票、随分前でございましたが、田舎の信用組合の総会と同じような表決権だということを吐いたばかりに国務大臣をやめられた方が十年ほど前にありましたけれども、確かにいろいろな問題点はあろうかと思います。私、今大蔵大臣という立場でありますものの、国連というものが今日まで果たしてきた役割というものは大事にしなければならぬものだ、しかしその運営の中でいろいろな行政改革をやらなければいかぬこともあろうかと思いますので、そういう点は積極的な提言をしていくべき問題ではなかろうかというふうに思っております。  それからアクションプログラムによる経済摩擦。いずれにしても市場開放をすれば消費者の選択の幅は広がるわけでございますから、それはまことに結構でございますが、いささか国内のいわゆる輸入品の流通コスト等についての問題の御指摘もございましたので、これは総務審議官の方からお答えさすことにいたします。
  44. 北村恭二

    ○北村(恭)政府委員 アクションプログラム関係について御答弁させていただきますが、去る七月三十日に政府として決めましたアクションプログラム、御承知のとおり関税、基準・認証、輸入プロセス、政府調達、輸入制限、金融・資本市場、サービス・輸入促進等といった非常に多岐の分野にわたっておりますが、これは我が国がその経済力にふさわしい役割を果たすということで、我が国の市場が国際水準を上回る開放度を達成することを目標にして策定されたものでございまして、政府としてはこれらの項目につきまして着実に実施を図っているところでございます。  先ほどお触れいただきましたように、市場開放ということが進みますと、輸入の拡大を通じまして消費者は選択の幅が非常に広がるわけでございますから、こういったことが我が国市場のより一層の活性化ということにつながるのではないかと思っております。いずれにいたしましても、アクションプログラムは経済摩擦の解消ということを通じまして日本経済の発展に資するということでございますので、全体として見た場合に国民生活の向上にもつながるということを期待しているわけでございます。
  45. 村本久夫

    ○村本政府委員 輸入ウイスキーの流通実態調査の部分につきましてお答えをさせていただきたいと思います。  ただいま先生お話しのとおり、新聞等で七百円のものが一万円、こういうような話が出てきております。輸入ウイスキーの状況を見てみますと、いわゆる一万円クラスのものというのは全体の二〇%。残りの約八〇%というのは小売価格が四千円クラスのスタンダードもので、そういった部分につきましては、輸入業者分のマージンあるいは流通マージン、そうしたものもいわゆるプレミアムのものに比べたら低いということになっている御事情をひとつ御理解いただきたいと思うわけでございます。  この流通マージンが、新聞等の取り上げ方で見てみますと、卵もうけであるかのように受け取られる部分もあるわけでございますが、この中には輸入業者が海外のメーカーにかわってマーケティングとか広告宣伝とか販売促進活動、そういうものを行っている経費的なものが含まれているということは御承知のとおりでございます。またさらに、このマージンにつきましては、取引ロットが小さい、商品の回転率が低い、そういうことから販売コストが割高になるとか、そういう要素もあるわけでございますが、一部のものにつきましては、商品の差別化あるいはブランドイメージの維持向上、そういうような観点から高価格政策をとっているというような事情がある、そういうことが私どもの調査ではいろいろ業界等で言われているわけでございます。  いずれにいたしましても、この輸入酒類の問題、非常に内外の関心が強い物資でございます。今回の調査はアクションプログラムに基づいて行ったものでございますが、調査結果につきましては、物価安定政策会議政策部会の方でもうけられました専門委員会で検討が行われ、本年度内を目途に政策部会の意見または報告が出される、そういうことになっております。私どもといたしましてもそれを踏まえまして、必要に応じ適切な指導をしてまいりたい、このように考えておるところでございます。
  46. 矢追秀彦

    ○矢追委員 幾ら多様化とか安い物が入ってくるにしても買う方の購買力がないとだめでございますから、結局は基本的な経済の成長率をきちんとすることをひとつ来年度予算編成ではしっかりやってもらいたいと思います。  あと八分しかございませんので、法案の中身について一点申し上げたいのは、関税税率はどうやって決められておるのか、基準というのはないように思います。私はかつて、物品税の税率を決めるのも基準があいまいであって、とにかく一つ一つ適当に決めておるという感じ、ある程度のルールが必要だということを再三言ってきたわけですが、今回、この千八百五十三品目を見ておりますと、とにかくこれだけでも大変ですし、もとの資料を見ますと、膨大過ぎて一々チェックはできなかったのですけれども、どうも非常にばらつきが多い。一つ一つについてそれなりの意味はあると思いますが、やはり一つのルールというのが必要ではないか。例えば繊維製品の中でネクタイが一六・八、これを一三・四に下げるわけですが、もちろんネクタイがこれだけ高い理由というのはあると思います。しかし、ほかの繊維製品だって、景気のよい産業ではなくて悪い産業もあるわけでございますから、そういった点でネクタイだけがどうして高いのかなという素朴な疑問が出るわけでありますので、まず税率を決める基本的な基準、ルール。  それから今回の改正後、国内産業に重大な損害をこうむった場合には引き下げ前の税率に戻す、こういうようにありますが、この判断の基準。どれだけどんな打撃を受けたのかというのは、果たしてすぐわかるのかどうか。関税を下げてもなおかつだめだった、もともとだめなんだったら、関税を上げようが下げようが関係ないわけですから、そういうような点の基準がもう一つあいまいである。この点はいかがですか。
  47. 佐藤光夫

    佐藤(光)政府委員 お答えいたします。  まず第一点は、関税率の設定の基準、クライテリアのお話であったかと思います。  申し上げるまでもございませんが、関税の基本的な機能は国内産業の保護でございますから、私たち個別の物品の関税率を決めるに当たりましては、国内産業事情、国際的な競争力、もっと端的に言えば、内外の価格差みたいなものを考えまして決めている、こういうことでございます。  第二点目として、今回のアクションプログラムに基づく関税率の設定でございますが、御承知のとおり六十九品目につきましては、個別に十分チェックをいたしまして関税引き下げないしは撤廃をお願いいたしているところでございますし、千七百九十二品目につきましては、原則的に二割カットということでお願いをいたしているわけでございます。  御質問は、そういう多くの品物について、本当に個別にこういう一律二割カットでいいのかということにもかかわっておられるのだろうと思いますけれども、私どもの方といたしましては、六十九品目にとどまらず、一律二割カットの品物につきましても、産業事情等を十分に考慮いたしまして、これは一律二割カットしても大丈夫だという判断をしてお願いをいたしているような次第でございます。しかし、率直に申し上げまして、六十九品目につきましては諸外国からの関心が非常に高い品目でございまして、従来から私どももいろいろ関心をとがらしている品目でございますので、特に復元規定というようなものは要らないのではないかなという感じがいたしておるのに比べまして、千七百九十二品目の一般的な一律の二割カットの分につきましては、御指摘のように、今後輸入が急増するというようなことで相当損害が生ずるときには前の税率に戻すという、いわば復元規定をつけさせていただいている、こういうことでございます。  三番目の御質問は、では、そのときどういう具体的な判断基準でその復元規定を発動するのか、こういう御質問であろうかと思いますが、この相当損害というのは、合理的な経営をやっているにもかかわらず正常な運営とか適正な利潤が確保しにくくなっている企業相当数当該産業において生じているような場合には、それは相当損害があったと考える。その相当数生じているというのは一体どういうことかということでございますが、ざっと申し上げまして大体半分くらいの企業がそういう事態に陥っているというのが相当数というふうに私ども考えまして、先ほど申し上げましたように我々が個別の品物を常時監視しているわけではございませんので、それぞれ所管省がその任を負っているわけでございますので、緊密な連絡をとり、かつ協議を遂げ、しかも機動的に発動できるように政令によって指定をいたしまして復元規定を発動する、こういう仕組みでやらせていただきたい、かように考えている次第でございます。
  48. 矢追秀彦

    ○矢追委員 最後に、大臣、今の関税税率の基準というのはやはりはっきりしないですよね。やはりもう少しルールが必要だと思うのです。これに対する御意見をひとつ聞きたいと思います。  それからもう一つ、最後に関税職員の問題でございますが、昭和五十二年に八千七十八名であったのが、五十七年では八十七名減り、五十九年は九十九名減り、六十年では七十九名減って、七千八百十三と大変減ってきているわけです。片や業務はどんどんふえておる。輸出輸入は国際化に伴ってどんどん伸びてきておる。人数だけの問題ではありません。いろいろな問題があるわけですが、この関税職員の処遇あるいは人員の問題、どうお考えになるか、これをお伺いして終わりたいと思います。
  49. 竹下登

    竹下国務大臣 関税率設定の基準、これは今関税局長からお答え申し上げましたが、私もいつも思いますけれども、時には「為替レートに比ふれば関税率などアクセサリー」という川柳を私は詠んだことがございますが、しかし、よってもって立つ歴史的な経過から見ると、言ってみれば関税というのは関所の税ということ。したがって、プロはよく議論するときに、関税関税(せきぜいせきぜい)と言って議論しております。確かに、自前のものは普通のもので輸入のものはぜいたくなものだという観念から、国内産業保護、それで個別品目ごとその産業界の国際競争力というようなもので自然に決まっていったものだと思うのです。したがって、その率を個別的になかなかいじられないから一律何ぼカットというふうになりがちでございます。しかし、今回もこの六十九品目については個別的にそれなりにやはり考えたなという措置であろうというふうに思うわけでありますが、この関税率設定、なかんずく数字的裏づけを持った理論的根拠というのはいつの時代でも難しい問題だなという感じがしております。  それから税関職員の問題は、御激励をいただいてありがたいと思っておりますが、極力機械化しますとかあるいはそういう業務を集約化しますとかいうことで対応をしておりますが、基本的には私は、本院における与野党共通した鞭撻に本当はもっとこたえる努力を私自身もしなきゃいかぬ課題だという問題意識を持っております。     〔熊谷委員長代理退席、熊川委員長代理着席〕
  50. 矢追秀彦

    ○矢追委員 終わります。
  51. 熊川次男

    ○熊川委員長代理 玉置一弥君。
  52. 玉置一弥

    ○玉置(一)委員 何となく久しぶりに質問させていただきますが、ほとんどの分は先ほど矢追先生の方からお話がございましたので、それをさらに詰めていくような形でお聞きをしていきたいと思います。  今回の法改正、四月九日の対外経済問題諮問委員会を受けて政府が決定した対外経済政策の一環でございますけれどもアクションプログラムとしては、今回の関税引き下げのほかに、残存輸入制限の見直しでありますとか、あるいは基準・認証、輸入手続の改善、政府調達または入札の開放、こういうものがいろいろあるわけです。従来から日本輸入拡大の要望というのは、各EC諸国あるいはアメリカ、ずっと前からあったわけでございますが、それをわかりながらなかなか輸入拡大ができないというのが実態である、こういうふうに思います。そういう意味で、言葉だけで逃げるという従来の中曽根政権の一番の柱といいますか、これではもはや対応できなくなっているのではないかというふうに我々も心配をいたしておりまして、与野党を問わず、日本の国としての問題でございますから何とか具体的な輸入拡大を進めていっていただきたい、かように思うわけでございまして、まず冒頭にお願いとしてそれを申し上げておきたいと思います。  また、具体的ないろいろな問題点というのはそれぞれいろいろな分野であるわけでございますけれども、先ほどお話がございましたように、輸入品に対しての流通経路あるいは流通マージン、これが従来から非常に幅が広い、幅が広いというか高過ぎるのではないかというようなこともございますし、そういう面で考えていきますと、流通も見直していかなければならない。  それから品質、価格、これについては、従来から自動車で例を挙げてお話を申し上げておりますように、より高度なものあるいはより複雑なもの、こういうものについての価格差が日本輸入品について非常に拡大をされてきているという意味で、それも日本が見直すというよりも、我々の方からいろいろな技術提供なりあるいは価格について努力をしてもらうような一つの指標といいますか指針といいますか、こういうものも出していかなければならないのではないかというふうに思うわけでございます。ぜひそういうそれぞれの分野について十分な対応をしていっていただきたい、かように思います。  そこで、まず通産省にお聞きをしたいと思いますけれども、ことしの四月に通産大臣が、具体的な輸入拡大ということでメーカー三十三社、そして商社二十七社、合計六十社に対して輸入拡大の要請をされました。これについて、もう半年たっているわけでございますから、ぼつぼつ具体的な内容が上がってきていると思いますし、それがどういうふうに進展をしていくのかということについてもやはり我々として最も知りたいところでございますので、現時点で各メーカーからの対応がどうなっているのか、そして既に実績としてあるものについては、まだ一年たっておりませんから、それを平年度に置きかえた場合にこれからどうなっていくのか、その辺についてもお聞きしたいと思います。
  53. 石黒正大

    ○石黒説明員 お答え申し上げます。  現下の対外経済情勢にかんがみまして、官民挙げて国民運動としての輸入拡大推進ということでやっておるわけでございます。いろいろな輸入拡大策をやっておりますけれども、先生御質問のございました日本の主要企業に対する輸入拡大協力要請についてお答え申し上げますが、本年四月と八月、二度にわたりまして、百三十四社に対しまして輸入拡大要請を行ったところでございますが、九月にそれを集計いたしましたところ、前年度に比べまして七十三億ドルの増加になるという計画が集計をされております。その計画につきまして、先月末からつい最近時点にかけまして総点検を実施いたしましたところ、各社の総輸入計画の増加額、七十三億ドルでございますが、その部分につきましては七十四億ドルという形で一億ドルの上方修正という集計結果になりました。  実績はどうであったかという上期の実績の部分でございますが、その部分につきましては、百三十四社の平均でまいりまして大体五〇%の進捗率という形でございました。  私どもといたしましては、来年五月の東京サミットも控えておる関係もございますから、今後とも各社の輸入計画のフォローを続けてまいりたいというふうに考えております。
  54. 玉置一弥

    ○玉置(一)委員 今まで経済ミッションとかがアメリカあるいはEC、いろいろな国々に出かけてまいりまして、私たちがその後行きましても、経済ミッションはいいことを言って帰るけれども実が実らないといいますか、そういう批判を必ず聞かされてきまして、今回もちょっと心配したわけでございますけれども、今お聞きをしますと具体的な効果があらわれてきているということで、これはやはり来年以降も今度は継続してつなげていけるようなそういう確認をぜひお願いしたいと思います。  政務次官がおられますので、先ほどの話に続いてお聞きをしたいと思いますけれども、今回の関税引き下げが一律でいくと二〇%だ、そして先ほどの話題に出ておりました洋酒、この中でもブランデーでございますけれども、このブランデーだとリッター当たり八十円くらい。ですから、実質的には一本当たり六十円くらいしか下がらないというふうに思います。  先ほどの中で、一万円の洋酒というのはそんなにたくさんないよということでございますけれども、少なくともブランデーになりますとほとんどが一万円以上ということでございまして、一万円という値段からすると、六十円とか七十円になりますと端数のような感じがするわけですね。それで、先ほどのお話にもございましたように、全体の価格を一〇〇にすると六〇%くらいが輸入マージンである、要するに流通マージンであるというようなお話を聞きますと、本当にこれが小売価格に反映できるのかなという心配でございますが、この辺について大蔵当局としてどういうふうな管理をしあるいは価格に反映させるのかどうか、この辺について確約があればお願いしたいと思います。
  55. 中村正三郎

    ○中村(正三郎)政府委員 ただいま玉置委員から御指摘ございましたとおり、今度の関税、今御審議ちょうだいしております関税引き下げが行われますと、ブランデーで六十円程度、ウィスキーで四十円から六十五円という値下げになると思いますが、ウィスキーのプレミアムクラスとか、ブランデーの一万円を超えるものということになりますと、従価税がかかっておりますから、従価税に対するはね返りということで百四十円から百五十円程度のものになってくると思います。  ただ、こうした軽減額を小売価格に反映させるのか、またこういったものを原資として販売拡張とかそういうことに使うかというのは、業者の経営戦略上の問題であると基本的には思うわけでございます。  しかしながら、今回の関税率引き下げというのは、諸外国からの強い貿易上の要請を受けて輸入拡大の一環として行われようとしているわけでございますから、当庁といたしましては、関税率引き下げのメリットの輸入拡大という目的に最大限生かされていくように輸入業者等を適切に指導してまいりたいと考えております。
  56. 玉置一弥

    ○玉置(一)委員 非常にいい答弁をいただきまして意を強くするわけでございます。  大蔵大臣にお伺いいたしますけれども、先ほどからの流通マージンで、輸入品、国産品の比較をして、調査結果を四省庁から出されておりますけれども、自由経済あるいは自由貿易の建前からいきますと、政府介入というのは非常に難しいのではないかというふうに思います。しかし、輸入拡大をやっていこうということになれば、やはり価格面でのメリットを出してこないと日本国内市場でその商品が拡大されるということは非常に難しいというふうに思うわけでございまして、やはりこういう結果が出ている。いろいろなことがありますけれども、むしろそれだけの幅があるということ自体が問題でございますから、マージン幅の圧縮といいますか価格低減のために、やはり多少の政府介入があるべきではないかというふうに思うわけでございます。  介入の方法はいろいろあると思いますけれども、これについて、特に大蔵大臣としては洋酒だけになりますけれども、全般を眺めていただいて、その中でどういうふうにやっていくべきだとお考えになっているのか、お聞きしたいと思います。
  57. 竹下登

    竹下国務大臣 私どもの方からすれば酒類ということになるわけでありますが、原則としては自由経済、今おっしゃったとおり、したがって価格介入はしない、こういうこととしておるわけであります。いろいろな事情がございます。したがって、いわゆる輸入量拡大、こういうことから適正マージンの幅を決めてはどうか、こういう御提言でありますが、コスト事情に差異があって適正マージンというのを技術的に決めることはなかなか困難ではないか。そして、仮に決めることができるとしたら、今度は価格カルテルじゃないか、こういうことで、独禁法上の問題が発生するという厄介な問題があるなということを、私も御指摘を受けて勉強しながらそういうことを感じております。  そこで、輸入洋酒を取り扱います輸入業者、それから流通業者のそれぞれの判断にゆだねるべき事柄でありますので、適正マージンの幅を決めて、いわば業者を行政指導するということはとれないのかな、したがって、新聞世論等でいろいろ出てまいりますし、また国会の議論等でも出てまいりますし、そういう環境が自然にその業界の自主性の中に反映していくべきものではなかろうかと考えております。したがって、権限を持ってどうするという考えはございませんが、そういう世論の中で自主的に判断が出ていくことを期待しておるというような、ここでの問答自身も幾ばくかの影響があれば幸いだというふうに考えております。
  58. 玉置一弥

    ○玉置(一)委員 こういうことに興味を持っていただければ、その業界がもっと早くそれを察知して下げていただいていると思うわけでございますが、ごく最近の調査で貿易摩擦輸入拡大をやらなければいけないということがわかりながら、まだマージンが下がってないということは、やはりもっと強く指導していかなければ価格は下がらない、私はそういうふうに思うわけでございます。大臣もその辺をもう一度考えていただいて、ぜひ価格を下げて、そして輸入拡大につなげていくような業界の努力をぜひ促していただきたい、こういうぐあいに思います。  通産の方もおられるわけでございますが、通産省としても、今大臣のお答えがありましたように具体的な決め手というのは非常に難しいと思いますけれども、一言、どういうふうにしていくのだということだけお答えいただきたいと思います。
  59. 山下弘文

    ○山下説明員 お答え申し上げます。  私どもといたしましても、今大蔵大臣から申し上げましたような基本的な考え方でやっておるわけでございますが、マージン自身に直接介入していく、影響を及ぼしていくということをいたしませんでも、例えば先般私どもの調査の中でもヒアリングで出てまいりましたけれども、スーパーマーケットなどの場合の実用品のような世界でございますと、そういう関税引き下げということに対して非常に敏感に考えております。どちらの国産品を選ぶか、輸入品を選ぶかというようなことに当たって、その〇・何ポイントということですら彼らの利益率という面から見ますと大変大きな影響を持っておるわけでございまして、大変強く関心を持っております。そういう意味では、輸入拡大ということには大いに貢献する数字だなというふうに考えております。
  60. 玉置一弥

    ○玉置(一)委員 先ほどお話ございましたように、日本も経済が一応安定成長ということで、そんなに振れがない中で伸びてきているわけでございますが、通関の量を調べてみますとここ数年非常に大きく伸びておりまして、輸入でいきますと昭和四十七年、輸出の総額が八兆八千億円、それから輸入が七兆二千億円、昭和五十九年で見ますと輸出が四十兆、輸入が三十二兆というふうに非常にふえてきている。  ここで税関の体制の話になるわけでございますが、先ほど矢追委員の方からお話がございましたように、昭和四十七年ぐらいから人員を比較をいたしますと横ばいというよりもむしろ減少というような形になっておりまして、特に輸入の方の手続が単品でやるわけでございますからいろいろ大変だと思うので、輸入の量だけを見てみますと、大体この十年ちょっとで四・四倍というふうになっております。四・四倍になっている輸入量に対して人員の方が横ばいということでございますから、普通考えてみたら、考え方は二通りありまして、最初は人が余っていたのかというような見方もあります。そして今がちょうどいい。私はそんなことないと思います。まさに、そんな四・四倍になった業務量を今までのままで本当にやっていけるのかという心配が非常に強いわけでございます。一・五倍を超えたらちょっと手がつけられないというのが普通ではないかと思うわけです。  それで、この間ちょっと税関の方にお願いをして、どんな仕事をされているのですかと、従来から知っているのですけれども一応念のためにということでお聞きをいたしましたら、関税定率法関係、それからいわゆる内国税、これの関係あるいは食品衛生の関係あるいは各条約、こういうものをすべてチェックしながら輸入品に対しての税率を決めていくのだということが一つあります。それから、最近新聞紙上をにぎわしておりますいわゆる密輸、これがヘロインでありますとかけん銃、特に最近はけん銃が多い、山口組の抗争以来けん銃が非常に増大をしているということで大変手間がかかるような状況でございまして、特に密輸につきものの航空機による出入りの方の人数も大体三倍になっている、こういう状況でございます。今までの大体七千九百数十名から今七千八百数十名ということでございまして、とてもじゃないけれどもこういう人たちで、金額だけで四・四倍になっている、そして出入国の人員でも大体三倍になっているという状況の中で今の人員でやっていくというのはまさに大変な手落ちがあるのではないかというような心配をするわけです。逆に言えば、今の職員の方々にそれだけ重労働といいますか、時間外も含めた大変な努力をしていただいているということにもなるわけでございまして、当大蔵委員会でもここ数年来、職員の体制の強化というか人数をふやしてもっと緻密な通関業務をやっていただこうとお願いしているわけでございますが、一向にそれが反映されないということでございます。  そういう意味で大蔵大臣関税局長の方に、一つは現状どうなっているか、この認識をもう一回していただく、それから、将来輸入拡大も当然行われると思いますからもっと仕事が忙しくなってくる、その中でどういうふうに対応されていくのか、これについてお聞きをしたいと思います。
  61. 佐藤光夫

    佐藤(光)政府委員 御指摘のとおり、税関が処理すべき業務は大変増加いたしております。輸出入の申告の件数にいたしましても先生御指摘のような増加でございます。  ただ、ちょっと申し上げますと、先生おっしゃいましたのは金額でございまして、例えば申告の件数で見ますと、御指摘の四十七年から五十九年の十二年間に、輸出の場合には一・七倍、輸入の場合には一・八倍、それにいたしましても大変な増加でございますし、これまた御指摘のとおり、社会悪物品の防圧に対する社会的な要請というのも大変強くなってまいっておりますので、それもやらなければいけない、こういうことでございます。  片や、これまた御指摘のとおり、率直に申し上げまして、昭和五十五年度から定員はふえておりません、むしろ減っているわけでございます。そういう状況に対しましての私ども対応でございますけれども、大きく分けて三つのグループの対応で私ども苦心しております。  一つコンピューター利用による機械化でございます。例えば、こういう税番については何%の税率で税額は幾らになるかというふうなことを従来人手でやっておりましたのを、機械によって申告書をチェックして、正しい税率、税額になっているかどうかということをコンピューターでやらせる、そのことによって人手を省く。あるいは旅行客が帰ってこられましたときのお土産品の税額の計算などでもコンピューターでやらせて人手を省く。こういうジャンルが一つ機械化でございます。  二番目は、簡単に申し上げますと事務重点化効率化という話でございまして、検査、審査を平板にやらないで、できるだけ必要なところに重点的に行う。あるいは包括審査制と申しまして、継続して同じようなものが輸入されるというケースがあるのでございますね、そういうものにつきましては、最初の輸入のときに問題がないというふうにチェックをした場合には、同じものを続いて輸入する場合には簡易なチェックで済まそうというような措置も講じておるわけでございます。  三番目は、人員の機動的な配置ということでございまして、先ほど申し上げましたように全体として業務量は生じておるのでございますけれども、個々の税関あるいはその業務分野の違いによりまして増加が非常に激しいところと必ずしもそうではないところとがあるわけでございますから、やはり業務量の増加の多いところに人をより多く配置がえをしてバランスのとれた業務運営を行う、こういうようなことを過去数年来、努力をしてまいったわけでございます。  今後もその努力を続けたいと思いますが、これまた先生御指摘のとおり、これからも輸入、輸出がふえるではないかという御指摘はまことにそのとおりだと思います。従来のような努力を一層強化していく必要があるということが一つ。  もう一つ率直に申し上げまして、民間の協力という言葉は語弊があるかもわかりませんが、ささいな間違いは申告者あるいは通関士の段階でなくしていただく、税関の方はやはり税関職員でなければできない仕事をやるという意味での自主的な申告レベルを上げていただくということにも関心を払ってまいりたいと思いますし、もちろん定員確保につきましても、私、関税局長といたしましては、関係方面にその必要性についての理解を深めていただくために最大限の努力を今後とも払ってまいりたい、かように考えておる次第でございます。
  62. 竹下登

    竹下国務大臣 結局、こういう国会で御議論をいただくというのが我々が問題意識をより固めることになるだろう、結論から言うとそういうふうに私はいつも思っております。大蔵省といいますとすぐ、まず隗より始めよ、こういうようなことになりがちな性格を持っておるということを自覚しつつも、こういう国会の議論等に対応するだけの工夫はいろいろやっていかなければいかぬなという問題意識はひとしくいたしております。
  63. 玉置一弥

    ○玉置(一)委員 どうもありがとうございました。
  64. 熊川次男

    ○熊川委員長代理 箕輪幸代君。
  65. 簑輪幸代

    簑輪委員 今回の関税暫定措置法の一部改正案は、貿易摩擦解消のためのアクションプログラム、これが盛り込まれた関税に関する部分ですけれども、私どもは、既にこれまでも我が国がアメリカからのさまざまな要求に譲歩を重ねて一連の市場開放措置をとってきており、関税については毎年引き下げ措置をとってきた上に、さらに今回このようにコンピューター関税撤廃や工業品の部分品関税の無税化など前例のない大幅な譲歩、関税の一方的引き下げを行うというのはまことに重大な問題であるというふうに考えております。  特に、アクションプログラム決定後に起こった急激で大幅な円高によって、中小企業はダブルパンチを受けているという状況にあります。政府は先ごろ中小企業に対する円高対策を行ったわけですけれども、新聞報道によりますと、エレクトロニクス分野のMOSSに出席するためさきに来日したスミス米通商代表部次席代表が、我が国円高対策として政府系機関の低利融資などによる輸出関連中小企業への助成措置を行っているわけですけれども、これに対して、対米輸出にブレーキがかかる円高効果を小さくすると指摘をして、通産、外務首脳に懸念を伝えたというふうに報道されているわけです。これは非常に問題であり、とんでもないことだというふうに思いますけれども、果たしてこのようなアメリカ政府の意向が我が国に伝えられたという事実はあるのかどうか。そしてもしそうなら、我が国はこれにどのように対処していくつもりなのか。お答えをいただきたいと思います。
  66. 長田英機

    ○長田説明員 先生御指摘のとおり、円高によりまして中小企業相当影響が出つつあるというふうなことで、今月初めに特別の金融対策等の措置を講じたわけでございますが、新聞報道によりますと、これに対しまして中小企業の輸出競争力を後押しするのじゃないか、アメリカ政府がこういうような懸念をされているということでございます。  確かに、私どももアメリカ政府と接触しておりまして、輸出競争力を強めるのじゃないかという点からアメリカ政府が非常に関心を持っていることは事実でございます。しかしながら、私たちといたしましては、この措置は非常に急速な円高による緊急避難的な対策である、さらにまた政策的に見て、円高を定着させ貿易摩擦を解消していくために寄与する対策であるという点から、国際的な理解は得られるものというふうに考えている次第でございます。
  67. 簑輪幸代

    簑輪委員 実際にこのような被害を受けている中小企業立場に立ってみますと、アメリカの言い分というのはまことにとんでもないことで、決定的なダメージを受けながら頑張っている中小企業は憤りを禁じ得ないところだと思います。緊急にとられた円高対策、これでも決して十分ではないと思いますけれども、これにアメリカが勝手な文句をつけるということはまことに許しがたいことだという対応を厳しく政府はとるべきだということを重ねて強く申しておきたいと思います。  そこで、大蔵大臣にお伺いしたいのですけれども、実は大蔵大臣がこの円高を決めてきたといういきさつもございまして、年末を控えて、中小企業は果たして本当に年を越せるのかどうかと大変な心配をしているわけです。政府円高対策をいたしましたけれども、私ども地元の岐阜県で、この円高関連した輸出関連中小企業への影響というものを調査した結果がございます。  これによりますと、成約状況は、前の年と比較して、十一月期で八五%の企業が減少したというふうに言っております。そのうち、二一%から四〇%減少した企業は二八%、次いで四一%から六〇%減少した企業が二四%、二一%以上減少した企業は五二%を占めるという状況でございます。今後の成約状況を見てみましても、八五%の企業が大幅に減少するということで、先行きの不安を示しているわけでございます。  そこで県当局も、円高影響を受ける中小企業救済のための緊急対策に関する要望書というものを出してきているわけですけれども、全国有数の輸出型産地を形成しております我が岐阜県の陶磁器、タイル、金属洋食器、刃物等の業界においては、このような新規成約の停止、既契約の解消、さらに実質値下げ等厳しい状況に直面して、経営は極めて困難な状態に陥っている現状にあります。安定した為替相場の予測が立たず、円高・ドル安が引き続き進展すれば関係業界は操業短縮、倒産といった壊滅的な打撃を受けて、本県経済に重大な影響を及ぼすことを懸念しておりますということを指摘しております。これは大変な事態だということで、岐阜県当局といたしましても実は、これに対する特別の手だてをとらなければならないということで早速融資制度を設け、県単で金利五%の特別融資制度を既に実施しているわけでございます。     〔熊川委員長代理退席、委員長着席〕  ところが、国が十二月二日から実施しております円高の特別融資制度は金利が六・八%ということで、考えてみますと、円高について直接責任を持つ政府の方は、円高に責任のない岐阜県が一生懸命こういう対策をとっているわけでございますので、自治体のこの努力というものにおんぶにだっこというわけではなしに積極的に金利を引き下げていくという努力を行うべきではないかと思うのです。大蔵大臣におかれましても、いろいろ自民党の中でもさらに金利を引き下げるべきではないかという意見もあるようですし、責任者の一人としてぜひ金利の引き下げということで主導的立場を発揮されるように求めたいと思いますが、その点いかがでしょうか。
  68. 竹下登

    竹下国務大臣 まず最初に、たしかG5が一つの契機となって円高になっておるわけでありますが、今GNPの一〇%以上を持つ我が国として、我が国だけの考え方で経済運営をすることは不可能だ、言ってみれば世界全体の中に位置づけして行わなければならぬという立場に今日置かれておることも事実であります。  それから次の、先ほど通産省からお答えがございましたが、確かに私どもも時々感じますのは、かつて開発途上国であった時代ではなく、まだ今ほど競争力のない時代にいろいろな保護政策を行って、そしてさあ来いと門戸を開放したときには物すごい競争力がついておる、それに対する幾らかの脅威みたいなのは世界のいろいろな国の人にあるのじゃないかな。だから、やはりフェアですという姿だけは持っていなければならぬと思います。しかし、今回とった措置が諸外国からいわば円高対策としての輸出促進策であるというふうにとられるようなことはないと私も考えております。まさに中小企業者の方々等の事業転換とかあるいは内需転換とか、そういう点でございますだけに、そういうことには受けとめられないだろうというふうに確信をいたしておるところであります。  それから、今の金利の問題でございますが、地方自治のあり方、なるほどなあ、岐阜県ではいわば産地を持っていらっしゃいますからきめの細かい配慮がやはり行われるのだなと思って、私も感心をしております。政府といたしましては、今後の状況の推移によって改めて判断をしようということに今日置かれておるということでございます。税制の問題、それから金利問題、すなわち財政の出動を伴うわけでございますから、これは今後のいわば予算編成過程において改めて議論をしよう、こういうことになっておるわけでございます。
  69. 簑輪幸代

    簑輪委員 今後の状況を見ながら検討を進めようという御回答をいただきましたが、おくれて対策がとられるということではならないわけで、今日の緊急事態対応する機敏な対策を強く要求しておきたいと思います。  それから、我が国の繊維業界は、発展途上国の追い上げを受けて大変厳しい状況に置かれておりますけれども、今回の関税引き下げについては、綿糸、綿布、ニット製品は対象から除外されております。ニット製品の輸入状況というのは、今日異常に伸びているというふうに言われておりますけれども、どうなっているのか簡単に、通産省、お答えいただきたいと思います。
  70. 熊澤正光

    ○熊澤説明員 お答えいたします。  ニット下着の輸入につきましては、昨年来、中国からの輸入を中心にいたしまして増加しておりまして、五十九年の場合、三三%増加、ことしの一−十月につきましては一八%の増加でございます。
  71. 簑輪幸代

    簑輪委員 下着だけではなくて、ニット全体が非常に伸びているというふうに聞いているのですけれども、その辺の傾向はどうなのでしょうか。
  72. 熊澤正光

    ○熊澤説明員 昨年につきましては、合計で四八%増加いたしております。
  73. 簑輪幸代

    簑輪委員 異常な伸びというのは、中国とか韓国とか個別に見てみますと、もっともっとびっくりするほど伸びている。何倍という伸びを示しているところもあるようですけれども、報道によりますと、グンゼの技術供与によって、男性肌着の場合、日本市場向けに生産している中国では生産規模を非常に大幅に拡大しているということが報じられております。こういうふうになってまいりますと、今後我が国産業等にどういう影響を及ぼすかということが大変心配されるわけですけれども、通産省としては、こうしたニット製品の輸入急増について一体どう見ているのか、どう対処しなければならないというふうに考えているのか、お聞かせください。
  74. 熊澤正光

    ○熊澤説明員 輸入は確かに急増いたしますけれども国内の生産につきましても、昨年、ことし、微増でございますけれども増加傾向にございます。  ただ、急増しているということで、私ども関係の、特に中国が中心でございますけれども、日中繊維雑貨協議という場がございまして、その場におきまして、急激な輸入の増大ということになりますと我が国の業界に非常に不安があるということで、安定的な輸出を行うよう努めてほしいということで、いろいろな情報交換等を行っている次第でございます。
  75. 簑輪幸代

    簑輪委員 大変異常な伸びということが現実にあるわけですので、そこら辺を傍観していないで厳しく監視をし、そして適切な対策をとらなければならないということを強く申し上げておきたいというふうに思います。  今回、このニット製品等については関税率引き下げの対象に入っておりませんけれども、先ほど申し上げました金属洋食器等については円高による深刻な影響が出て、対策もとられるという事態になっているわけですね。にもかかわらず、この金属洋食器については今回の関税引き下げの対象になっております。二〇%の引き下げということでリストアップされているわけですけれども、私は、アクションプログラムが決定された七月の時点では円高という事態はなかったわけですが、その後の急激な円高によってこういう困難な状況を招いたということを考えてみますと、法案提出に当たって、この異常事態を踏まえ例えば金属洋食器については関税引き下げリストから外すという措置をとられるべきではなかったのかというふうに考えるわけですけれども、この点についてお答えください。
  76. 佐藤光夫

    佐藤(光)政府委員 御指摘のように、アクションプログラム決定後、非常に急速な円高があったことは事実でございます。ただ、御指摘の金属洋食器についてみますと、既に関税率はかなり低い水準になっているわけでございまして、このことは何を意味するかといいますと、かなり輸出競争力があるというか、輸入に追い上げられて、先ほど御指摘のニット製品等の繊維のような状況では必ずしもないということが一つあるのではないかなと私は考えております。  それからまた陶磁器につきましても似たような事情がございまして、むしろ輸出がかなりある、輸入はそんなに大きなものではない、こういう事情で既に関税率がかなり低くなっている、こういう品物ではないかなというふうに思っているわけでございます。  ただ、一般的に申し上げれば、関税率というのはそのときどきの為替レートの変動というような短期的な視野ではなくて、もうちょっと中長期的な視野から産業事情等を考慮して決めているものでございますので、短期的な円レートの変動によってすぐに見直すというようなことになじむものではないのではないかなというのが私ども考えでございますし、先ほど他の先生方の御質問に対して申し上げましたように、万が一輸入急増等によって相当損害が生ずるというような場合には、一定の要件のもとにもとの税率に戻すというようなことも必要に応じて考えてまいりたい、かように考えております。
  77. 簑輪幸代

    簑輪委員 輸入の急増というような異常な事態を招くところまで放置しておきますと、もう壊滅的な打撃を受けるのではないかと大変心配をするわけで、そういう意味からいいましても、私は、今回の関税引き下げ措置の中にこの金属洋食器が上がっているということについてはやはり特に考え直して、リストから外すべきではなかったのかというふうに思います。  そのことを重ねて申し上げますが、時間がありませんので、これで終わりたいと思います。
  78. 越智伊平

    越智委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。     —————————————
  79. 越智伊平

    越智委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。  関税暫定措置法の一部を改正する法律案について採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  80. 越智伊平

    越智委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。     —————————————
  81. 越智伊平

    越智委員長 ただいま議決いたしました本案に対し、熊谷弘君外三名から、自由民主党・新自由国民連合、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議及び民社党・国民連合の共同提案による附帯決議を付すべしとの動機が提出されております。  提出者から趣旨説明を求めます。沢田広君。
  82. 沢田広

    沢田委員 ただいま議題となりました附帯決議案はお手元に配付されておると思います。  提出者を代表して案文を朗読し、提案にかえます。      関税暫定措置法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、左記事項について配慮すべきである。  一 関税率の引下げに当たっては、国内産業への影響を十分考慮し、特に農林水産業中小企業の体質改善を併せ考えつつ、開発途上国等との協調を進めるとともに、国民生活の安定に寄与するよう努めること。  一 最近における開発途上国累積債務の増大にかんがみ、これらの国の経済再建のための国際金融協力への対応に十分配慮すること。  一 貿易の伸展に伴う税関業務の増大に加え、覚せい剤、銃砲等の取締りが大きな社会的問題となっていることにかんがみ、業務処理体制等の一層の見直しを行うことにより、税関業務の効率的、重点的運用に努め、特殊な職務を考慮して税関職員について、要員の確保等その処遇の改善に努めること。 以上であります。  各位の御賛成を賜りますようお願い申し上げます。以上。
  83. 越智伊平

    越智委員長 これにて趣旨説明は終わりました。  採決いたします。  本動議に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  84. 越智伊平

    越智委員長 起立多数。よって、本案に対し、附帯決議を付することに決しました。  本附帯決議に対し、政府から発言を求められておりますので、これを許します。竹下大蔵大臣
  85. 竹下登

    竹下国務大臣 ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましても、御趣旨に沿って配意してまいりたいと存じます。ありがとうございました。     —————————————
  86. 越智伊平

    越智委員長 お諮りいたします。  ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  87. 越智伊平

    越智委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     —————————————     〔報告書は附録に掲載〕     —————————————
  88. 越智伊平

    越智委員長 本日は、これにて散会いたします。     午後零時十分散会      ————◇—————