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奥野(一)
委員 私は、今の
精製設備能力あるいは
貯蔵能力、
品質管理能力、こういう三つの
条件を持った
業者にやらせるということについては、是非は別にしてもわかるのですね。だけれ
ども、今言われておるように
市場メカニズムというものに沿ってくれれば量はそんなに大きな問題にならないのだ、仮にそういう
前提だとすれば、そういうことは
国内の
精製設備がさらに余るということに対する
影響がないということにだってつながっていくことだとも思うのですよ。そうすれば、
業者を絞るということだって矛盾が出てくるのじゃないかという気がするのですね。
私はこういうふうに
理解している。ある
程度国内の
業者の安全も守らなきゃならない、それから
安定供給ということについても
消費者の
立場から守らなきゃならない、そういう
可能性があるからある
程度条件つきの
自由化ということにするのだろうと思うのですね。そうすれば、
可能性としてはそういう
影響があるのだということでしょう。
国内の
精製設備がさらに過剰になるのじゃないかという
可能性がある、それに伴って
雇用している方々にも
影響を及ぼす、そういうものがあるからそれをある
程度抑えるための
措置ということで
業者もある
程度絞っていく、こういうことだろうと思うのですね。
そうすれば、当然その中からは
万が一最悪の場合にはそれはどうしますという
一つの
計画というものは出てきていなければならないのじゃないかと思うのですね。そのときそのときという
対応の仕方もそれはありますけれ
ども、やはりあらかじめこういうことについてはこうやるのだ、そういう
対策だって当然立てておかなければならない。一昨日の
質疑を聞いておりましても、その
対策が必ずしも万全の態勢になっていないのじゃないかなという気がしてならないわけですね。
例えば
精製設備なんかの
関係についても二割くらい過剰で、しかもその中でも今大体六〇%くらいの
稼働率だ、こうなっておる。そうすると、幾らか
輸入をしてくれる、
輸入して、それが直接
精製設備の方に
影響しないというのは、
先ほどお答えもありましたけれ
ども、そんなことはないと思うのですね。自社でもって
精製能力がもう満杯だというところは別だと思いますよ。だけれ
ども、そうでないところだったらさらに
製品を
輸入することによっては
設備が遊ぶということに当然なるわけですから、そうすればそれに対する
影響も出てくる。これが五年で済めばいいけれ
ども、あるいは十年くらいも先まで延びるということになりますと、これは
設備というものについても遊ばせておくわけにはいかないということになりますから、そうすれば何らかの手だてを講じなければならない。
そういう場合にはどうしてやるのか。それからそれに伴って
雇用関係についてはどうしてやるのか。こういうことをあらかじめ
想定をして
対策を立てておくということをやらなければ、万が一大変なことになったときに手おくれだということでは困るのではないかという
感じがするわけです。
雇用対策なんかについても随分議論をされてきておりますけれ
ども、国の
都合だということじゃないかもしれませんけれ
ども、我々から見ればそういうことのように映るわけですね。国の
都合だ。それは国際的な圧力があるにしても何にしても。そういうものでやるときに、今までの例では、
企業ということについては大変全面的に考えてもらえるのだけれ
ども、そこに働く
人たちの
状態ということになるとどうも二の次になってしまっているという
感じがしてならないわけですね。
今まで
政府が手をかけたもので
雇用対策に
相当力を入れているなと思うのは、
効果があるかどうかは別にして、今の国鉄の再建問題。これは
政府の方にも
対策本部をつくる。これはまあ
人間が多いということもあると思います、対象になるのが十二万人くらいですから。しかし、
人間が多かろうが少なかろうが
影響を受ける
労働者にしてみれば同じことなんです。
私の地元のすぐ隣の町でも、
前回設備廃棄ということでやられまして、そこに働いておった人々はみんなどこかへ行ってしまった、こういう
状態なんかがあるわけですから、そういうものもある
程度想定をしながら、それじゃどう
対応していくか。これは
企業だけで考えればいいとかということにはならないと思うんですよ。そういうような
対策ということだって考えなければだめだ。そうすればある限界というものはどうしても
想定しておかなければならないと思うんですよ。
数量的にどのくらい入れたらいいのか。これ以上入れたらもう
日本の
石油業界が大分危なくなる、そういう数値というものがある
程度あるんじゃないかと思うんですね。発表できないなら発表できなくてもいいのだけれ
ども、例えばそういうものを
想定して考えておられるということであれば私はそれで
理解はするわけですが、そういうものが全くないんだということになると何となく危なっかしいような
感じがするものですから、その辺のところはどうなんでしょう。