○角屋
委員 今後の
定数是正を考える場合にこういう
考え方をとるかどうかということは別にいたしまして、私は地方の
行政機関のかなめである県の
定数というものは、
憲法上の許容の範囲においてどうすべきものであるかということは、抜本
改正を今後考えるに当たっての重要な検討課題であるというふうに認識をいたしております。
そういった立場から、御承知の大正十四年にこの中
選挙区制が当初発足するときに、森
委員は御専門家でありますけれども、三ないし五で
定数を
配分をしてつくったわけでありますが、そのときの
定数が四百六十六でスタートしたわけであります。今日これが五百十一、本法で規定されておるものと、それから、それと関連をして暫定、「当分の間こということで規定されるのを含めて五百十一ということになっておりますが、私、参考までに
自治省の方にお願いをいたしまして、大正十四年の
定数配分の手法に基づいて五十五年の国調の
人口に基づくもし仮に
定数配分をするとすればどういう府県別の数字になるかということで数字をいただきました。これは
一つの参考資料ということでありまして、それによりますと、そういう手法でいけばいわゆる府県
単位で三という数字の出てくるところというのは、まあ県名を挙げさしてもらうことをお許し願えれば福井とか山梨とか鳥取とか島根というのが計算上は挙がってくるということがございます。何も与野党で合意してこういう方式でやろうということではございませんけれども、大正十四年にとった手法で今日のいわゆる各
都道府県別の
人口、そして現
定数というものを前提に考えました場合にはそういった三名というふうな県が出てくる。そうでなくても五十五年国調による一対二というところでも数県が俎上に上ることは御
案内のとおりでありまして、抜本
改正を考えるに当たってはそういった
全国的にとられる手法の段階の中で府県の
行政単位の段階をどう考えるか、それが立法上、
憲法上どの
程度許容される問題であるかという検討の上に立ってそういうことを考えるべきだろうというふうに思うのであります。
それによりますと、やはり今日でも続いておりますけれども、首都圏というのは、私のいただいた参考資料からいけば相当の
定数がふえる、そして他のところはほとんど軒並みに
定数が減るという状態が計算上出てまいります。冒頭の私の
質問のときに返るわけでありますけれども、いわゆる国権の
最高機関としての
衆議院の
構成というものは本来基本的にどうあるべきかという場合に、
人口を基本にしてその他の諸条件をどう入れてやることが国政の全体的な面から見て合理的な手法であるのかということが非常に検討されなければならぬ問題だというふうに思っておるわけでありますが、これはいわゆる都市型選出の
議員とある
意味における農村型選出の
議員との
見解の違いということもあり得るかもしれません。しかし、冒頭でも申し上げましたように、我々が減員区の各県を訪れたときに切々として訴えておるそれぞれの
地域の
代表の言葉は、いわゆる過疎を何とかして地方自治体の長としては食いとめなければならぬ、また石川の場合でいけば半島振興法が制定された、ここを起点にしてひとつ大きく
人口の減少の食いとめをやろうということで、歯を食いしばってそういう過疎地帯になろうというところではやっておるわけでありまして、そういう場合にその地帯から出る
国会議員が一人でも少なくなるということは、その地帯の人々からすれば大変な問題だろうと思うのです。だから、一票の価値によってやるのが国民全体の合意であるというふうに
一般論としては言われます。しかし、
昭和三十九年の
定数是正、十九名やったのは増員であります、
昭和五十年の二十名の
定数是正をやったのも増員であります。大正十四年以来、身を切るような
定数是正の減をやろうとするのは、対象区は六対六でありますけれども、これはいわば初めてということになる。それから、今日の日本の財政状況やあるいは国民全体の意向からいけば、
定数是正の場合には増員ではなしに現定員の中でさらに
定数是正を進めていかなければならぬということもこれは事実だろうと思います。
そういうことになればなるほど、私は口酸っぱく言っておりますように、共通の土俵のルールというものができ上がればこれからやっていく場合にそれは進めやすい要素になる。ところが、自由民主党の考えておるルールでこれからもいきましょうということになると、それはもう次々詰まってしまう。私は今回のこの
法案に当たって、次の速報値が出たときの一対三の範囲内のとりあえずの措置も含めてやる場合には、ここの共通の
ルールづくりというものがないと、次の問題というのは、あるいは二つを含めてやる場合でもなかなかできがたいというふうに思う。だから、森さんの答弁としての姿勢と、政治論としてお互いが
国会としてどうするかという問題は、ある
意味における別個の問題だというふうに思うのでありまして、そういう
意味からここはやはりスタートが大切ですという
意味で与野党の一致しての
見解というもの、藤波官房長官によれば自民党の案のそれをなるべく早くという趣旨のように承って、これは
政府・与党一体の立場から答弁としてはある
意味では理解できますけれども、ここが重要ではないか、現定員の中でこれからも
定数是正をやらざるを得ないという
制約条件がある、そういうことで進めるに当たっては与野党の共通の
ルールづくりというのが今求められておるというふうに私は思うのでありますが、その点森
先生の方からの御答弁をいただきます。