○森(清)
議員 ただいま近岡
委員御
指摘の、
国勢調査人口、住民
基本台帳
人口、それから有権者、それぞれそごを来しておりますが、これはそれぞれの統計のやり方、
基本になる
考え方が多少食い違っておるというところに原因があるかと思います。ただ、有権者の方は、御存じのとおり、これは
原則として二十歳以上が有権者でありますから、二十歳以上の
人口の割合が多いか少ないかによって
国勢調査人口ないし住民
基本台帳
人口と有権者の差が出るわけであります。現在、
選挙区ごとに見ますと、一番多いのが東京八区で、七六%くらいの割合になっております。一番低いのが沖縄の
選挙区で六十数%、これくらいな差ができております。
それから、
基本論になりますが、
人口をとるのがいいのか有権者をとるのがいいのかということにつきましてはいろいろ問題があろうかと思いますが、
我が国は、先ほど
委員も御
指摘のとおり、明治以来ずっと
人口をとっており、
国勢調査の制度が確立して以来、
国勢調査人口によるということになっておりますし、諸外国の例を見ましても、アメリカ、西ドイツ、フランス、イタリーは
人口をとっております。イギリスは有権者をとっておる。このような
状況でありますので、
人口をとるか有権者をとるかということは、なお今後
抜本的改正の際に十二分に
論議をすべきものである。御
指摘のとおりであろうと思います。
次に、
国勢調査人口と住民
基本台帳
人口は、いわゆる制度的にも違い得ることがありますが、それはさておき、
現実に食い違っておることは事実でございます。制度的に違う面はそう大きく数字が出るわけじゃありませんので、なぜこのように大きく食い違うかということについては、近岡
委員御
指摘のとおり、私も大変疑問に思っております。しかし、結果はそのように出ておるわけでありまして、その出ておる結果をどのように使っていくかという問題になりますと、ただいま御
説明いたしましたとおり、明治以来
人口でやっているということ、それから
法律にもそう書いてあるということ、こういうことを
考えますと、この際は
国勢調査人口によらざるを得ないのじゃないか。
それから、もう一点申し上げておきますと、
人口は後の確認の手段等問題があるのじゃないかという近岡
委員の御
指摘がありました。住民
基本台帳はそれぞれ台帳という制度に登載されておる、こういうことを言われましたが、それはそれなりに
意味があろうかと思います。また一方、住民のとらえ方は、制度面で申し上げましたが、住民
基本台帳の方は住所、これは民法上の住所と恐らく一致するのでありましょうが、経済的、社会的なものと意思も加味して住所が決まるわけであります。それを
現実の運営としては市町村に申告をいたしまして、市町村ではそれをそのまま認めておるようでありまして、必ずしもそのときに実際そこに住んでおるかどうかという実態
調査まではしておらないのが現状であります。
ところが、
国勢調査人口は、先ほど統計局長から
お話がありましたように、十月一日を中心として三カ月間そこに定住している、こういう概念規定でございますが、さらに、それには準公務員として
国勢調査員というものを任命いたしまして、そこで
現実に
調査をいたしまして確認をした上、
調査ができ上がるわけでありますから、そういうことを
考えますと、先ほど近岡
委員の御
指摘のような問題があるにしても、さて、どちらが正確な
人口統計であるかということについても、そういう面からも多少問題があろうかと思います。
しかしながら、そういうことがあったとしても、
基本は、何を使うということは、現在法制上も
国勢調査人口ということになっておりますので、まさしく新潟四区と山形二区を
考えますと
委員の御
指摘のとおりでありまして、我々もその点を
考えまして、六・六案をつくるときは、特に山形は三・〇三というふうな非常に僅差であります。しかも、三というのが、例えば西ドイツのように何分の一以上になったらそれは直さなければいかぬという
法律があるならば、それは厳格に適用してもいいかもわかりませんが、三倍以内ならば今後合憲
判決、いわゆる
違憲判決は下らないであろうという我々の
考え方に基づいてやっておることも事実であります。
しかしながら、一方、先ほど
野党の方も申されましたとおり、一票の
価値をできる限り平等に近づけるというのが
基本精神でありますから、三・○三といえども超えておれば
是正の対象にせざるを得ない。しかしながら、近岡
委員御
指摘の、
人口統計
調査のあり方そのものを含めまして大変な問題がありますので、今後
検討するときはやりたいと思いますが、御
指摘のとおり、我々、
野党を含めて、六十年
人口調査が出れば、それに基づいてさらに追加の、四つか五つになるか知りませんが、やろうということでございますから、そのときにはそういう問題は全部解消して、新潟四区も山形二区も恐らく入るだろうと思います。したがって、今の議論は、
暫定的な何カ月かの議論にすぎないのじゃないか。やはり将来にわたってもあるいは抜本的な改正といたしましても、
人口というのをとるということであるならば、大変、山形二区の
方々あるいは山形県の
方々、そして特にそれを代表されて今
質問されている近岡
委員の立場は十二分にわかりますが、この際はこの案で御賛成をいただきたい、このように思う次第でございます。