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薮仲委員 今
局長の御
答弁のように「住み続けたい」あるいは「どちらかといえば住み続けたい」という方で二九・六、ざっと三割です。
もう
一つは「どちらかといえば住み続けたくない」また「住み続けたくない」という嫌な方ですね。この方の合計は三六・四だと思うのですね。「どちらとも言えない」という方が真ん中にあるわけですが、この方が三四%。この数値はいずれも間違いないと思うのです。
私は何を申し上げたいかというと、現時点の
国民感情の中で、借家に入っている方も、住み続けようかなと思っていらっしゃる、あるいは住み続けたくないという方も三分の一いらっしゃる、でもどうしようかなという方が三分の一いらっしゃる。これは
建設省にとっては重大な政策のターニングポイントであろうかと思うのです。今東京を中心に三
大都市圏で戸建ての家を買おうと思うととてもこれは返済しきれないな、ローンの返済が大変だ、だったら借家にしようかなという
国民の
意向がいみじくも
建設省の資料の中に出ている。
さらに、
建設白書を私もちょっと読んでみました。
建設白書の「良好な
住宅・
宅地の供給 現状と課題」というところで「新設
住宅着工戸数の推移」、そこだけ読みますと、なぜ年間、いわゆる新設の
住宅着工戸数が減っているか、大幅に落ち込んでいるか、この理由は何か。これは、この原因は主として
住宅価格と
国民の
住宅取得能力、その乖離にある。これは
建設白書ですからそのとおりだと思うのです。これはやはり、
国民の間にもう持ち家志向、あるいはこの分譲マンションにしても、大変だなという、気持ちが揺らいできている。ここで今後
建設省がどういう施策をとるか、これは非常に大事な点だと思うのです。
そこで私は、さっき民活という話がありましたけれ
ども、公共と
民間活力というのは一体どういう
役割を分担しなければならないのか。これも私が自分の
考えを言うと反対しますから、皆さん方のさっきの
住宅宅地審議会の答申の中に書いてある、これをちょっと読みます。五ページです。
「公共と
民間の適切な
役割分担」のところで
そもそも市場が成立しない場合や適切な供給が難しい場合に、これを補完したり、市場における供給・配分を望ましい方向に誘導・助長するなど適切な政策介入を行うことにあると
考えられる。
これが公共の
役割。さらには
戸数の絶対的不足が深刻な時代においては、
民間による
住宅供給力が著しく低かったことから、公的
住宅の直接供給が
住宅市場における主導的な
役割を担ってきた。また、戸数面での充足が達成された後においては、
ここからですよ、
住宅の質の向上というより高次の政策目標実現のために、
民間による
住宅供給の適切な誘導・助成、
民間では供給が不完全な分野における的確な公的直接供給等きめ細かな
対策が必要となってきている。
この辺は皆さんの方に出ていることですから御
異議はないと思うのです。ないでしょう。このように公共の
役割というのは、ある
意味では先導的、あるいは
民間がとても介入しない、市場が成立しないところに入っていきなさい、こう言っているのです。
もう少し
局長、
局長がどういうことをやっているか調べてみた。これは
住宅局長がハウジング・アドバイザー・グループに諮問している、私的諮問があるのです。その中に、
住宅局表が諮問したハウジング・アドバイザー・グループの「高齢化社会の到来に。対応する
住宅政策のあり方」、これはそのハウジング・グループの答申でございますが、全部読むと長くなります。この中でどういうことを言っているか、私はポイントだけ申し上げますと、何点か非常にいいことを言っているのです。
高齢化社会における
住宅政策は、高齢者の方が異なった年代の人たちとともに暮らし、生き生きと生活していけることが望ましい。お年寄りばかり集めるんじゃない、異なった年代の人と混住している、そういう社会。
また、高齢期においては、現役労働からの離脱によって一般的に所得が低下する。だから住居費を高齢者の
負担し得る限度内に安定的に保ちなさい。これがこれからの
住宅政策で大事ですよ。
それから、高齢化社会というのは、そもそも社会に高齢者のいる世帯が多数あることなんだ、だからそれを
前提として高齢化社会の
住宅政策を行わなければこれからの
住宅政策というのは対応し切れませんよ。こういう指摘がある。
さらに、ここでも同居のことを言っています。
高齢者の住まい方はスペースの確保と経済的援助という
二つの側面が大事だ。居住の空間ですね、それと経済的な援助である。具体的には、三世代同居用の公共用の
住宅、公的
住宅金融の充実、いわゆる公共用によってスペース、それから公的
資金によって金融の確保をして同居に適した設備を備えた
住宅を供給すべきである。これがこのハウジング・グループの指摘でもあるわけです。
こうなってまいりますと、やはりいずれの提言も高齢化社会の到来に対して避けて通れない重大な課題が数多くございますけれ
ども、言わんとすることは大体
局長おわかりいただいたと思うのです。
私は今まで幾つかのファクターを挙げました。
整理しますと、高齢化社会というのは急速に来るんだ、もう避けて通れない。高齢化というのは、もう社会の中にお年寄りの世帯というものを
考えた
住宅政策をやらなければだめだ。それからそのお年寄りは、同居もしくは隣近所に住みたいという希望を大半が持っていますよ、所得は低くなりますよ、持ち家か賃貸かの分かれ目ですよ。
先ほど申し上げた公共の
役割分担という、いろいろなことを申し上げました。
建設省がこの五期五計の中で高齢化社会にやらなければならない課題、トータルで私申し上げた。この五期五計の中でどういうことをおやりになろうとしているか、もう少し具体的に
お話しいただきたいのですが……。