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岡本委員 長官、よく聞いていただきたいのです。ひとつ強力にこの問題は推進していただきたい。
なぜかと申しますと、東京にこういう行革に逆行したような振興センターをつくっている。それで各地方でいろいろなことがあることに対しては、そんなものは全然わからない。靴の裏から足をかいているみたいなものですね。だからその運用に当たって、申し込んでも、これはだめです、これはだめです、みんなはねてしまう。要するに、
地元のその
地域の環境保全あるいはまた住民のためにつくったものですけれ
ども、全然
地元のことがわからないものですから、これはだめ、これはだめ。私
どもの
調査を見ますと、六件の申し込みがあって一件だけ何とか採用されるようだというのです。
その
一つの例を見ますと、例えば制度の中身を見ますと、建築
面積が千平米以上、間口が二十メートル以上。ずっと並んでいる家ですから、しかも隣とプロジェクトをつくってやるというのは、なかなかこんなところはしないのです。ですから、
一つつくって、こういうものですよと。そうすると皆さんが、これならば利用さしてもらいましょう。市の方へ申し込んだりして、これに使えるわけです。例えば四十三号線の
関係で
地元から一件相談があった、その返事は否定的だ。その
理由は何か、
面積が九百平米で百平米少ない、これはだめだ。しかも前に景観のオープンスペースがない。四十三号線は、せっかくここに緑化したグリーンベルトをつくって、それで歩道がある。その間にも
一つあって歩道がある。その歩道の後ろにこういう建物を建てよう。そのところにもう
一つ景観のオープンスペースをとれ、そんなことをしたら建てる者がなくなりますよ、土地が高いのに。
こんな道路開発振興センターなるものはだれがつくったか知らぬけれ
ども、全然
地元のことをわからなくて、ただ机の上で、これはだめ、これはだめ、これはだめというけしからぬ制度なんです。これならば、阪神道路公団が金を出すのですから、そこを通っておる加害者ですから、それならば阪神道路公団で、これは必要だこれは必要ない、
地元とよくすぐに打ち合わせをしてできるわけです。わざわざ東京まで持ってきて、全然わからない人が規則だけで査定するのですから。これはせっかく五年前に沿道
整備法をつくって、何かこっちで言うと、こういう対策もやっております、こういう対策もやっております、口では言うけれ
ども、
現実には全然適しないものをつくって、いつまでたってもできませんよ。ただ対策をやっただけのことです。こんなことでは
お話にならない。
しかもこの前、長官おいでいただいたときに、その沿道
整備法の対象は三階まで、あとの上は対象にならない。その上の方にバイパスがあって阪神道路公団が走っておるのです。そこのは野放し。こういう何というか、だれが考えたのか知らぬけれ
ども、予算をつけて、これは恐らく二百億ぐらいの予算が出ておるのと違いますか、全然使わずにそのままずっといってしまうのではないか。二百億というのはちょっと間違ったかもわかりませんけれ
ども。したがって、こんなことでは全然絵にかいた
もち。
そこで長官に申し上げたいのですけれ
ども、各省からこういうような何かの相談があったときには検討いたしますというような御答弁を先ほどされておりました。環境庁としてさらに進んでそれを
調査して、これはこうしなければならない、ここはこうしなければならぬという意見を各省に言って、そしてまとめていくのが環境庁じゃなかろうか。それが環境庁ができたところの大きな
一つのお仕事だと私は思うのです。昔はよく環境庁から例えば大気保全
局長がわざわざ
調査に来たり、わざわざ出向いて現地
調査された。今はもう環境行政が後ろに後退したと言わざるを得ない。中曽根さんになってから特に軍備だけに力を入れて環境はほったらかしておる。これは話にならぬと私は思う。そんなこと言ったら悪いけれ
ども、言わざるを得ないと思うのです。
時間がありませんが、長官、
現実はこういうことなんです。ごらんになっていただいたと思うのですが、これについて、ほかのお役所から答弁されますとまた検討しますで終わりますから、長官の決意をひとつ伺っておきたいと思うのですが、いかがでしょう。