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福島委員 今の
長官の
お答えをぜひ実行
段階でひとつどしどしと
環境庁打ち出していただきまして――県も大変苦労をいたしております。その県の気持ちに立って、格別、
熊本、
鹿児島両県の担当者の
方々の意見というものを十分にひとつくみ上げていただきまして、先ほど来取り上げましたいろいろな面で適切な
対策というものをひとつ早急にとっていただくということを最後に
お願いを申し上げておきます。
水俣の問題に関連して、最後に国土庁に。地方振興局の杉原総務
課長においでをいただいております、この
水俣病をめぐる深刻な打撃というものを緩和するために、水俣・芦北地区に対する振興を図ることが
水俣病関係閣僚
会議で決定をいたしておりまして、五十四年から六十年度にわたる第一回のこの計画は本年度をもって終了をいたそうとしております。
実は、けさも
熊本県
当局とこの問題で大
会議が開かれておったわけでありますが、改めてこれを六十一年度から五年間か、場合によっては十年間という新しい水俣・芦北振興計画を立てていきたいということを
考えております。これはまた当然
関係閣僚
会議でも決められたことであります。しかしながら今までの経過を見ておりますと、大変残念ながら、その
関係地区、水俣市、芦北郡になりますが、この
関係地区における事業を網羅的に並べたような計画があるだけで、しかも実行
段階においても、必ずしもその地区にそういう特殊の振興計画があるんだという認識のもとに
関係各省が予算づけをなさっておられるかどうかについてもいささか疑問のところがございます。私は、この問題は大変厄介な問題に発展をしてくると思っております。
と申しますのは、国土庁の方では御承知ないかもしれませんが、しかし
関係閣僚
会議にも御出席のメンバーでありますので、いわゆる
水俣病患者に対する
補償金の支払いの県債の問題というのが、常日ごろ
熊本県議会でその都度大変大きな問題になっておりまして、県議会にこの問題が付議されるたびに、もう少し国は何かその地区のために具体的に
考えてもらってもいいではないか、場合によってはまた株式会社
チッソの支援策というものを通産
当局ももっと真剣に取り上げてくれてもいいではないかという問題が常に提起をされております。そしてこの問題は、必ず来年、場合によっては再来年、そう遠からぬ時点で、県借問題を継続する
一つの条件として、この水俣・芦北振興
対策をもう少し具体的に実のあるようなものにしてほしいという要望が具体的に提起をされて、それに対して明確な、目新しい、立派な御返答がいただけぬときには県債問題も返上する、それは即
チッソの不慮の事態につながってまいりますし、この
水俣病問題を大変混乱に陥れ、
救済すべき
水俣病の皆様方に対しても大変な御不安を与える事態になりかねないと思っております。
そういう
意味であえて最後に、この水俣・芦北振興
対策について、国土庁においでをいただいたわけでありますが、私は、今までのような総花的な振興
対策というのは県自身にも余り
意味がない、もっとはっきり、その地区にとって本当に必要であり、そしてほかの地区と違って、やはりこの地区のために国に面倒を見てもらったんだなというような印象が明確に地区住民にもわかるような、そういう具体的な振興
対策をつくらなければならないということをけさも申し上げてきたところでございます。そういう
意味で私は、この地区のために何らかの形で、今のこの
水俣病という非常に不幸な事態を前提といたしまして、国も十分に配慮をしておるんだということについての明確な意思が伝わるような、そういう何かの
対策をひとつお
考えいただきたいと
考えております。
いろいろなことが
考えられるだろうと思いますが、その
一つは今、九州縦貫道が福岡から八代に来ておりまして、八代から山の中に入って、人吉まであと数年で完成をしようといたしております。大変残念ながら、海岸線を通じての
鹿児島へ行く路線、現在は三号線でありますが、これは非常に狭い、どうにもならぬ幹線道路であります。水俣では場合によっては緑に
関係する博覧会を開きたいとか、あるいは今現に進めておりますヘドロ、堆積汚泥の除去事業、これが完成をいたしますとかなり大きな面積が水俣湾に出現いたします。その跡地利用とか、いろいろな問題が今討議をされておりますが、私はこの水俣に至る交通網を
整備することがすべての先決だと思っております。
そういう
意味で今私ども、
鹿児島県下の国
会議員と一緒になりまして、南九州西回り高速道路というものをぜひ実現したいというような動きがあり、場合によっては九州新幹線という問題も早期着工を
お願いいたしております。こういう大構想も浮上いたしております。できればその高速道あたりも水俣まで、今のような特殊事情というものを
考えていただいて、お取り上げいただくことが大変望ましいわけでございますが、今国土庁の
立場で、そのことについて前向きなお返事がいただけるものとは思っておりません。しかし国土庁が国土開発計画を組まれるとき、あるいはこの水俣
芦北振興
対策についての
関係各省との
協議をなさるときに、そのような気持ちを持って取り組んでいただく。私は三号線の改修というものを普通の国道の改修に比べて非常にテンポアップするというのは最小限必要なことと思っております。そういう点をこの際お聞き取りいただきまして、本来
関係各省もおいでいただくと一番よかったのですけれども、たくさんの方に御迷惑をかけるのもと思いまして、あえて国土庁だけおいでいただきましたが、今後
関係各省とも十分な御連絡をいただいた上で、せっかく閣議了解で決められておりますこの水俣・芦北振興
対策を実のあるような形に持っていくために、ひとつお力をかしていただきたいと思っております。御所見を
お答えいただだきたいと思います。