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小林(進)
委員 今の
答弁は、全く無礼、インチキです。
委員長は、立法府においてこんな
答弁をさしておいて、あなた黙って聞かれるならば
委員長の資格はありませんよ。理由が理由であろうともやっていることが、君
たちのやったのが
靖国神社の中心になっているのだよ。
祭神のもとになっている。君
たちのやったことがもとになっているんだよ。君
たちがだめだと言えば、
宮司の方はそれはだめにして祭らないのだ。君
たちが出した
資料が、これは
祭神の資格ありと言えば、それは
祭神に祭っている。それを年金がどうの何がどうだの、年金を教えてくれと言ったからその年金の資格者だけを教えたなどという三百代言的な主張で、黙って聞いていられるか、そんなことは。君
たちの出したものが
靖国神社のもとをなしている、その影響力を君は否定するのか。そんなインチキなことを
答弁したってだめだ。
了承できないが、何しろ残念ながらもう五分しかないというから、いま
一つ申し上げて、これはまた次の機会に譲ります。これは連続してやるのです。これは、国の
基本と
国際情勢に関する
日本の重大な問題ですからやるのだ。
いま
一つ申し上げますけれ
ども、一番悪いのは
日本が
戦争の負け方に対して、
日本とドイツやイタリーと大きな
基本的な違いがある。これが今日、問題がここまで来ている。
日本は、
戦争に対する加害者だ、
侵略国家だという反省がないのだ。ドイツ、イタリーなどは、御承知のとおりもはや
敗戦に近づいたときに、あのファッショ、ムソリーニをイタリーの
国民はレジスタンスで立ち上がって、
戦争を暴発したムソリーニの首を切って、そしてファッショの追撃をやって、イタリー
国民自身がこの
戦争、いわゆる誤れる
戦争を、人民の側からその主謀者を処刑していくことによって反省を促した。
ドイツはどうですか。あのナチスの横暴なる
戦争政策をドイツ
国民は、連合国にドイツを占領されながらも、この
戦争を挑発し、ドイツ
国民を痛めつけ、世界に惨禍を及ぼしたナチスだけは断じて許し得ないといってドイツ
国民は立ち上がって、今でもなおナチスの巨頭を、
戦争の主謀者を追及している。
日本にはそれがないんだ。
政府みずからがそれがない。だから、今でもまだ第二次
世界大戦を誤れる
戦争だ、
侵略戦争だという反省が
一つもなくて、まだこの
戦争はもっとこれをやれば勝っていたんだけれ
ども、どうもソ連なんかが参加したから間違って謝ったんだから、いま一遍やらなくちゃならぬ、そういうような誤った戦後の
戦争観念が今でも
日本に残っている。
それを根本的に否定された人が、
日本に一人いるんですよ。
日本にも偉い人がいるんだ。それをちょっと私申し上げて、きょうの
質問をまた後日に譲りますが、あなた方、石橋湛山先生というのを御存じだろう。これは我々よりは、かえって自民党の先生方の方がよく御存じだろう。石橋湛山先生が、
戦争に負けた後、「東洋経済新報」の中に自分の署名を入れて社説を述べられた。そのときに述べられた意見は何だ。石橋湛山先生は「
靖国神社廃止の議」だ。
靖国神社をやめてしまえ。「難きを忍んで敢て提言す」、こういう表記で論陣を張っておられる。
その
言い分は、概略して言うと、「
靖国神社は存続すべきものなりや否や」とまず自分で問うて、それに答える形で「大東亜
戦争は万代に拭う能わざる汚辱の
戦争として、国家を殆ど亡国の危機に導き、日清、日露の両戦役の戦果も亦全く一物も残さず滅失したのである。遺憾ながら其等の
戦争に身命を捧げた人々に対しても、之れを祭って最早「
靖国」とは称し難きに至った。」こういう国家を亡国に導いたような
戦争に参加したその
戦没者は、国を安んじたという名称をささげて祭るわけにはいかないじゃないか。そうである以上、こういう
神社を残しておいても「ただ屈辱と怨恨との記念として永く陰惨の跡を留むる」のみで、決して歓迎すべきものではない。
廃止は、この
戦争がどうしてこうなったかを検討し、この経験を生かし、「真に無武装の平和
日本を実現すると共に、引いては、その功徳を世界に及ぼすの大悲願をたてる」そのためにこの
靖国神社を廃止することが必要である。また、戦死者が「国家を殆ど亡国の危機に導いた者である以上、満州事変以来、軍官民の指導的地位に居った者」は、その罪人としての責任をとれという論旨である。これは明らかですね。満州事変以来第二次
世界大戦を指導した軍と官の
首脳部は、罪人としてこれは処置すべきであるという石橋湛山先生の主張です。
自民党の総理・総裁であったこういう立派な人が、我が
日本の歴史の中にいられたということを拳々服膺するんだが、こういうような石橋先生のこの
戦争責任論、こんな国家を滅亡に陥れた戦死者を祭るということは間違いだから
靖国神社はやめてしまえ、それを指導した軍官民の指導者は罪人として罰する、そして無武装平和の旗を掲げて、世界にそのおわびのしるしをひとつ明らかにしなさいと言われておる。どうですか。時間が来ましたからきょうのところはこれでやめますが、安倍
外務大臣、この石橋先生の御主張に対して、
外務大臣の所見を承っておきたいと思うのであります。