○加藤参考人 今御質問のございました点でございますけれ
ども、まず最初の方の出だしのところで私ちょっと残念だと思いますのは、
分割・民営化ということに対する何か私の執念みたいなものがあるというふうにお読みいただいたわけでございますが、これは私の書き方が悪かったためで大変申しわけないと思います。しかし、私は何度も実はいろいろなところで申し上げているのですけれ
ども、
分割・民営化ということに対して、そこまでやらなくても何とか
国鉄をよくできないかというのが私の当初からの考え方だったのです。しかし、やっていくにつれてだんだんとこれではどうにもならぬということが次第に表に出てまいりまして、私自身、そういう意味では、これはやはり
分割・民営化をせざるを得ないんだというふうに考えたのでございまして、決して私はそれを執念として申し上げているのではないし、またそれを考えるよりは、むしろ
国鉄を鉄道として再生させるためにはどうしたらいいのかということがむしろ私の執念でございまして、
分割・民営というのは
一つの手段でございます。私はそういうふうに考えておりますので、私自身がレトリックであるとおっしゃられると、大変私も困るのですけれ
ども、しかし私は決してレトリックで申し上げているのではなくて、何とか私の考えていることを伝えたい、そしてわかっていただきたいというような
気持ちがございまして、それがあるいはレトリックというふうに映るということになれば、これは私の責任でございますので、お許しをいただきますが、私自身の考えはそういうふうに考えております。
ところで、今の二つの点でございますが、世論
調査でございますね。それについて私ちょっと手元に持っておりませんので、どういう世論
調査かわかりませんが、恐らく国民世論協会か何かの
調査だと思いますが、実は私、それを読みまして、ちょっと意外な気がいたしましたのは、
分割に反対している人とそれから条件づきで
分割反対と一緒にしてしまいまして、
分割に異論、こういうふうに出てしまっているのですが、私の方から見ますと逆でございまして、
分割に賛成している人がたしか二一%ぐらいいると思う。二七%でしたか、おりますね。そこに今度は条件づきで
分割に異論を持っておる方を合わせるとむしろ逆になる。つまり世論
調査というのは、御
承知のとおり解釈の仕方によって違ってまいります。したがって、私は異論を持っている方々に御納得のいただけるようなことを考えていくのが
監理委員会の仕事だと思って、今日までそのいろいろな異論があることに対して、どうこれにこたえたらいいか、あるいはどういうふうにその困難を乗り越えたらいいかということでもって進めてきたつもりでございます。
それから、二番目の問題は、これは大変難しい問題、いや難しいんじゃないです。私自身の今考えております心境から申し上げれば、これで鉄道は生き残れると思っております。これ以外の方法でもし生き残れる方法があるならば、私は逆に教えていただきたいというふうに思っているくらいでございまして、もちろん運営のいかん、会社がよくなるかどうかという運営は
経営者の
一つの力でございますから、うまくいく
企業もあるだろうしうまくいかない
企業もございます。しかし私は、少なくとも今我々の計算によってやっている限りにおいては十分これは成り立つはずであり、またそれだけの自信がない人たちが
経営者になっては困るんだというような
気持ちさえ持っておりますが、しかし
経営というものは非常に波がございまして、伸びるはずである産業であっても伸びない場合がございます。そういうときにそれを弾力的に
対応できることこそが民営
企業の最大の力である、私はこういうふうに考えております。