○近江
委員 大臣も厳重に注意をするとおっしゃっております。私もそれば何も嫁いびりじゃない。そんなことはしたくないけれ
ども、要するに、これは安全のかかった問題ですからね。そうでしょう。いざとなったとき、例えば八月十二日のあの事故を見てみなさい。墜落寸前までスチュワーデスが乗客に、いわゆるベルトはどうだとか頭を伏せなさいとか、彼女
たちのけなげな姿を思い浮かべたら、本当に涙が出ますよ。ところが、自分が搭乗するその飛行機に乗って初めて、乗客と同じように、一体ここに何がある、そんな不安なことはだめだ。二度とこういうばかげたことはやめていただきたいと思います。今
大臣も、厳重に注意するとおっしゃったら、それを期待しております。
それで、もう時間がだんだん迫ってきましたので急ぎたいと思いますが、
大臣は運輸省改善勧告、あの
事件以来多くの項目にわたって、日本
航空初め、また共通
事項については、各
航空会社に対して改善勧告をされておるわけでございます。これは非常に結構なのでございますが、この日本
航空に対して特に運輸省の改善勧告、何十項目もございますが、「社内体制の強化」ということにつきましては、「構造点検整備体制の強化について」、これにつきましては、御
承知のように、あの八月十二日の事故につきましては、ああいう修復した隔壁のところから亀裂が入って尾翼を吹っ飛ばしたのじゃないかという大きな
疑惑、これは今事故を究明しておるわけですから一〇〇%そうだとは言い切れませんけれ
ども、そういうことを感じながら、運輸省としては、こういう「構造点検整備体制の強化について」の改善勧告をなさっておる。これが
一つです。それから「総合安全推進体制の強化について」ということで「安全確保のための全社的な体制として総合安全推進本部が設けられており、その下部機構として
航空安全
委員会が設けられ、形式的にはその体制が整っていると認められるが、実態上、この組織の目的に照らし、十分、有効に機能しているとは認め難いので、組織面の
検討を含め、安全推進体制の強化を図る必要がある。」という勧告をなさっておる。これに対して日本
航空は、「構造点検整備体制の強化について」また「総合安全推進体制の強化について」の回答をされているわけです。
こういう回答が出たやさきに、今回のこの迷走
事件が起きているということでございまして、この「総合安全推進体制の強化について」日本
航空さんはこういうふうにおっしゃっている。「総合安全推進体制の強化については、改めて組織面も含め
検討を行った結果、以下のごとき
措置を講じ、安全推進体制の強化を図ることと致します。(i)総合安全推進本部の下部機構として
設置している。
航空安全
委員会にかえ、新たに
航空安全推進
委員会を
設置し、
委員の構成についても変更し、運航および整備に重点をおき全社的立場からより実質的な
審議を行い、機動性をもたせて運営する体制と致します。」云々とずっとあるのですね。ずっとあるのですよ。
航空安全推進
委員会の事務局業務を担当する
航空安全推進
委員会事務局を新たに
設置するだとか、こういう形を整えてもらうのはいいのですけれ
ども、実際に今回の三人の乗員の、これだって本当にもう、さっきから何回も指摘していますから重ねることはやめますけれ
ども、何ら一人一人にまで浸透していないということが問題だと思うのですよ。幾らこういう組織をつくり、何したって、実際は三名なりまた客室乗員の十数名のそういう人々が、何百人の人を輸送して飛ぶわけでしょう。一人一人がこの安全性の徹底ということの自覚、一人一人が自分の胸の中に安全推進
委員会を持ってもらわなければいけない。持っていないのですよ、これは。それであれば、これは事故を絶滅、二度と起こさないと言ったって、我々には大きな不安が残るわけです。
そういう点、ひとつ最後に、もう時間ありませんから、
平沢さんと、またその監督官庁にある
大臣から所感をお伺いし、決意をお伺いして終わりたいと思います。