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寺田熊雄君 どうもよくぴんと来ないけれ
ども、まあいろいろ難しい面もあるし、あなた方のお
立場もあるからきょうはこの程度でおさめておきます。
有馬審議官、どうも御
苦労さまでした。
次は、最近、暴力団、それから右翼、同和と称するえせ同和団体、こういうものの企業恐喝の傾向が非常に顕著になってきたようであります。これは朝日新聞の三月十八日の夕刊に「ルポ85」、これは一九八五年の
意味でしょうが、「「同和」団体・暴力団連合 建設工事にたかる 大阪・京都に実態を見る」というかなり長文のレポート記事があるわけであります。私はこの記事を見る前から、実は岡山市、岡山県におきましてこういう傾向が顕著になっているという情報を聞きまして、いろいろと実は調べておったのであります。
ちっぽけなところは、ある建設会社が道路工事を請け負っておった、そしてU字型のコンクリートの溝ですか、あれをつくるコンクリートの器具を道路に置いておった、それにつまずいてけがをしたという者が一万数千円の治療費であったものを百万円要求したという事実を直接私見聞した。そして結局二十万円で折り合ったということでありますが、これはちっぽけなことでありますが、大規模なものからそういう小規模のものまで、暴力団的なものの猛威というものが盛んに振るわれておるというのであります。
それで、今でもやはりすべての公共事業には談合が実際行われておるようであります。その談合を取り仕切る人間を土建業者はゼネコンゼネコンと言っておるようであります。これはどういう
意味か、ゼネラルコントローラーというような
意味でしょうか。ゼネコンゼネコンと言っておる。ゼネコンには普通三%の足場代を払っておりますというのがよく私
どもが聞くことであります。これは長い慣例になっておって、これはもう初めからあきらめておる。ところが、その三%の足場代、これは今の朝日新聞のルポによりますと、しのぎ料ですか、しのぎ料ということで言われておるということでありますが、私
ども岡山市の場合は足場代というふうに言われておるようであります。このゼネコン以外の暴力団からまた要求があって、出せ出さないというトラブルが起きますとなかなか工事に入れないというのであります。
私が直接訴えを聞きましたものに、岡山市が発注した市内の幼稚園の建設工事、これは昨年十月に着工してことし三月十五日に完工の予定であったというのが、多少おくれたようでありますが、それは有名な暴力団がそこに入りまして、特定の下請を要求した、これを下請にしろということを要求した。やむを得ずそれを下請にしたところが、その下請がまたさらに孫請のものに
基礎工事をやらした。鉄筋くい打ちですか、そういうものが入ったけれ
ども、もちろん技術もない、仕事はしないということで、工事がおくれて困って、結局親がそれをやってやっと工期に追いつくようになったという訴えを受けたわけであります。
それから、岡山市の東部に千町川という川がある。そのしゅんせつ護岸工事に、これは千町川の自然を守る会というのが生まれて、その幹部の者が工事を落札する業者、これは一人じゃない、それから三%をやはり取っておるという、そういう情報であります。全体の工事が百億円でありますから、三%というとかなり大きな金額になる。
それから、富山地区というところに操南中学校という中学校の分離校ができる、これは二十五億円の工事である。その工事の予定地のすぐ隣接の空き地に右翼団体のプレハブ二階建てのバラックができた。やはりこの右翼団体のプレハブは、恐らくその工事が始まったときに何やら騒音その他でほこりが出たとかいろいろな因縁をつけて金をせびるのではないだろうかというふうに恐れられておるわけであります。これはまだこれからの問題のようであります。
それから、岡山市に日本赤十字の新しい建物ができた。ここにはもう有名な暴力団が三組、三社入っておさまりがつかない。今お話ししたゼネコンが往生してしまって、広島のある有名な暴力団に頼んで、そしてそれをおさめてもらった。一般の建設業者に聞いてみますと、いずれもそういううわさは聞いておりますと。それを請け負った大手の会社、それから岡山県内の最大手の会社、いずれも口を貝にして言いませんから正確なところは我々もつかめないのだけれ
ども、三億円も取られておるということを言うわけであります。これは警察の方も、業者もなかなか口が固いので捜査が非常に困難ではあると思いますけれ
ども、そういう事実がある。
これは警察の方ももうよく知っておられると思うけれ
ども、岡山県のゴルフ場協会が暴力団追放の
決議を先般したわけであります。これもやはりゴルフ場に今まで暴力団が入ってみんな困っておったということを証明するわけであります。
最近、岡山県が岡山市内に新しい飛行場を建設しておる。その飛行場にも盛んに右翼団体が騒音をまき散らして示威行動をしておる。いつの間にかその右翼がまた下請に入ったという情報も私
どもは得ておるわけであります。そこで、岡山市議会も、直接自分たちが議決をした建設工事にかかわる問題でありますから、ある程度それを調査したようであります。やはりそういう事実があるということを認めまして、去る三月二十二日に「公共工事等にかかわる企業恐喝等の追放に関する
決議 最近、公共工事を初め、種々の工事をめぐって、暴力団等による企業恐喝等の不正事件が多発している実情にかんがみ、本市議会は、企業の早急な被害届けの勇気を喚起するとともに、断固として、これら不正行為に対処する警察当局の不断の
努力を切望して、公共工事はもちろん、各種工事等から、企業恐喝、暴力行為等の不正事件を排除し、後顧に憂いのないよう、公共工事の遂行に努めることを
決議する。」、こういう市議会の
決議が三月二十二日になされておるわけであります。これはかなりそういう企業恐喝の不正事件が多発しているということを
前提にこういう
決議をしておるわけであります。企業に対しても警察にこのことを言え、警察も断固としてこれを摘発しろという両者に対する希望を述べておる。
私もいろいろ直接建設会社に当たったわけでありますが、いずれも後難を恐れてはっきりは言わない。しかし、例えばあなたのところに名刺を持ってきた者はないか、それはありますよということで、ある企業は私にその名刺を見せたんですが、同和団体でもこれはえせ同和団体ではないかと思いますが全日本同和会というものがそろってその役員なり青年部長とか調査員とかいう肩書きで訪れておる。これは御
承知のように同和団体の中では正統な部落解放同盟という団体が厳としてあるわけですが、それはもちろんそういうことはしない。これは本当の同和団体かどうかわかりませんが、全日本同和会というものが盛んにそういう企業等を訪れておるようであります。
それで私はちょっと
お尋ねするんだけれ
ども、まず最初に、警察はこういうような暴力団、右翼、えせ同和団体の企業恐喝の実態というものを把握していらっしゃるのだろうか、まずこれから先にお伺いしたいと思います。