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木本平八郎君 したがって、厚生省のような御答弁をいただいたわけですけれ
ども、食生活というのは確かに今の御答弁のようにバランスのとれたものの方がいい。したがって、今後ともどんどん米の消費が減っても国民健康上はいいんだということは、当然これ
政府としては考えられると思うんですね。
食糧庁としては米の消費が減ると困るから何とかふやそうということですけれ
ども、私はここで申し上げたいのは、今までの
農政が、どうしても
生産者の生産費補償とか、そういう雑な言葉で言えばもうかることばかり考えていて、米の値段を下げていこうという余裕がなかったのかもしれませんけれ
ども、そういう発想がなかった。したがって、やはりこれはもう
消費者としても高い物からどんどん離れていくのは理の当然なんですね。そういう、いわゆる私なんかから言わせれば経済原則を無視していたということしか考えられないわけです。この辺で少し経済原則を導入して米の値段を安くしていくと。そのために私は先ほどの農地の集約化とかいろいろなことを申し上げているわけですね。
これは私、
補助金が多いとか少ないとかいう議論はもちろんありますけれ
ども、そうじゃなくて、
農政の物の
考え方を、今まで過去ずうっとこうやってきたから来年もこうやるんだということじゃなくて、もう少し基本的にお考えいただかないとあっちこっちに矛盾ができてくると思うんですよ。私、あえてそれを意地悪く言うわけじゃないんですけれ
ども、ついこの間も山形県の
食糧の問題が起こりましたね。ああいうことも、私はそれがけしからぬとか、あの
関係者がどうのこうのというんじゃなくて、
一つの長い間の食管法のあえて言えばゆがみですね、時代の流れに対して食管法がついていってない、いけていない点があると思うんですね。したがって私、実はきょうは
食糧法というものを改めて考えるべきじゃないかということを御提案したかったんですけれ
ども、ちょっと時間がないので次の機会に譲ります。
皆さんが米というのは非常に大事だとおっしゃられる。私、最後にあと少ししか時間がないので申し上げますけれ
ども、これは去年の
予算委員会でも申し上げましたように、今現在、世界的には
食糧の需給
関係は非常に供給過剰の状況にあるわけですね。ところが、
アメリカが一たん異常気候なんかに見舞われた場合、一遍に世界的な
食糧不足が来るんじゃないかと。そのときにたまたまソ連が大豊作だったとか何とかでうまく救われるかもしれません。しかし、現在これはやかましく言われているように、
食糧の自給率、えさも含めると三二%ですね。主食だけで六九%ですか、そういう状況の中にあって、これ
食糧危機が来ると、それは
政府としてはいろいろ
アメリカと友好
関係があるから
日本に優先的に
食糧を送ってもらえるようにという手配はなさっているんだろうと思いますが、余りどうも当てにならないような感じもしますけれ
ども。そこで、そうなると我々
都市サラリーマン、少なくともここにおられる方々は一遍に餓死なんですね、今の
都市サラリーマンというのは生産手段を全然持っていませんから。
そういうことを考えた場合に、今のような
農政のあり方でいいのかと。これは去年の
予算委員会でも申し上げましたけれ
ども、私は、やはり今
日本で一番得意の作物は米なんだから、米のフル生産をやるべきだ、減反なんか全部やめて、休耕田に全部やってフル生産やるべきだと。そうしたら、山村
農林水産大臣が非常にうれしいことをおっしゃっていただきますというような答弁がありましたけれ
ども、決して乱そういう
意味で言っているんじゃなくて、やはりフル生産して、そして余っているものはアフリカなりああいうところに出して、飢餓、難民救済に送り込んでおいて、飢饉が来たときにはそれをストップして、
日本人一億二千万が生き延びるようにしてほしい、したいということを提案申し上げたわけですね。
そのときに
大蔵大臣も嫌な顔をしておられましたけれ
ども、私はこれは細かい計算ありまして、去年の
会議録を見ていただければ全部出ているんですけれ
ども、年間に二千億円ですよ、二千億円十五年間やれば
日本で多収穫米、ハイブリッド、中国九十一号みたいな多収穫米をやれば私の計算では千八百万トンとれるはずなんです。これは大体専門家もそういう
意見なんですね。そうしますと二千四百カロリーぐらい、これは昭和三十年程度のカロリーを何とか保てるわけですね。私は現実に中国九十一号も鴻巣まで行って試食しましたけれ
ども、結構食えるんです。我々が食った黄変光なんかよりよほどうまいわけです。そうなったら生きなきゃいかぬわけですからうまいまずいなんて言っていられない。日ごろは、平時はコシヒカリとかササニシキ、うまい米をわずかつくっておいて、それでこれを千三百万とかぎりぎりにつくっておいて、それでいざとなったらそういう多収穫米に切りかえて
日本人が生き残るということを去年提案申し上げたわけです。
今使っている機業の
補助金が一兆五千億ぐらいですね。それに対してわずか二千億円、一兆五千億円をやめて二千億円やったってそれだけのことが、安全保障ができるわけです。これは農民の経済とか何とかはちょっと別にしてですよ、これだけ、
食糧の安全保障だけを考えて。そしたら、だれが考えたってこんなことはもう当然やるべきじゃないか。今の間にやっておかなければ、農地というのは荒らしちゃうともう生産力ががたっと落ちますから、二、三年かかりますから、地方が回復するまでに。日ごろから一〇〇%に保っておかなければいかぬですね。それを今だったらやれる。しかも二千億円でしょう。一兆五千億円のかわりに二千億円で十五年間でやれるわけです。この辺は去年の
予算委員会で申し上げたのですけれ
ども、農水省として御検討いただいたのかどうか、お聞かせいただきたいのです。