○藤原房雄君 そういうことで、これは大蔵当局との財源の問題でいろんな話があったんだろうと思いますけれ
ども、本当に政策
目的を達成するという
考えの上からこれを進めようとするならば、ほかの公的
年金と同一視するようなことで今回の
改正が進められたということであるならば、これはだんだんだんだん変質したものになってしまうんじゃないかと私は危惧するんですね。
農業構造政策というのは
農業者年金だけじゃございませんで、ほかの政策もいろいろございます。しかしながら、第三次
土地改良事業なんかを見ましても、第二次の進捗状況から第三次を見ましても、公共事業の大幅なカットの中でこの進捗状況が非常に芳しくないのは御存じのと
おりです。
今、対外経済摩擦ということで日本の
農業が大変な危機に直面しておるわけでありますけれ
ども、同じスタートラインに立ってスタートするならいざ知らず、いろんな不利な
条件の中で追いつき追い超せということでどんなにしりをたたかれましても、
基盤を確立するということは非常に大事なことでありますから、そういうことからいうと、私はやはり
大臣が就任になって最初に
お話し申し上げたことですが、どうも最近の
農業を取り巻く諸情勢の厳しさということと、それから
農業に対する国民の関心度というものに対するPR、そしてまた農水省には、
大臣には申し上げて
おりますように、
農林予算というものが一番年々縮小しておる。こんなに
農業を重視しなきゃならぬということが叫ばれておる中で、お金だけがすべてではないのはわかりますけれ
ども、しかし、かつて総予算の一割からありました日本の
農林予算というものがもう七%を切るような状況の中でも、しなきゃならないことがたくさんある。狭い日本の国とは言いながら、耕地の
基盤整備をするということもまだ十分に進んでいない、そういう中で諸外国または他産業と競争しなきゃならぬという状況にある。
そういうことからいいますと、この
農業者年金も財政的にはやむを得ないと言えばそれまでのことかもしれませんが、やはり
大臣のよく言う足腰の強い
農業、そういう
農業の
基盤を確立するためには大事な
制度であり、そのためにはいささか時間をかしてもらって、足腰が強くなるまで公共投資を初めといたしまして諸
制度については見てもらわないと、とてもとても他産業と同じような
条件でどんどんどんどん国庫負担が削られ、あの
制度もこの
制度も縮小されるということの中で、日本の
農業に足腰強く立ち上がっていきなさいと言われましてもなかなかそうはいかないのではないでしょうか。
これは
農業基本法以来、今日までそれぞれの目標を定めて、農水省を中心に進めてきたことはよくわかるんですけれ
ども、しかし他産業の高度成長と
農業の
合理化推進、
機械化、こういうものとの進捗状況というのはそんな同一のパーセントで進むわけはございませんから、今日なおかつ
基盤整備や何かでしなきゃならない諸
制度については、まだまだ手を加えなきゃならないところがたくさんある。皆さん方に言うと、いやことしも厳しい中で随分頑張りましたという返事しか返ってこないんだけれ
ども、
大臣、これは本当に一
農業者年金の問題ではなくして、日本の
農業を守るということの上から見まして、
年金制度ですから公的
年金と
一緒になって横並びで同じように国庫負担が、国庫補助がカットになる、やむを得ないんだということでいいのかどうか。また、公共事業につきましても
基盤整備の大事な柱が、投資がだんだん少なくなって
基盤の確立がおくれておる、そういう中で対外貿易摩擦に打ちかつ足腰の強い
農業といいましても、これはちょっと無理な話ではないでしょうか。
そういうことで、今日までの財政当局との折衝等もあわせて、また農水
大臣の
農業に対する強い決意といいますか、そういうものもあわせて、
農業者年金だけじゃなくて、
農業というものに対してのもっと強力な歯どめというか力強いバックアップをいささかの間これはしなきゃならぬ。合板問題が出まして林産業については別枠でということですが、これは二年や三年ですぐできるかどうかわかりませんけれ
ども、
農業につきましてはやはり競争するには競争するだけの
基盤を築かなければいかぬ。
そういうことからいたしまして、何も
農業者年金のことだけ言っているんじゃないですけれ
ども、諸
制度が他産業並みに全部一律にカットになって一律に縮小されて、そしてそれ立ち上がれと言われても、それで外国に打ちかつ
大臣の言う足腰の強い
農業ができるのかどうか、私はだんだんだんだん迫りくるこういうやり方に対して、非常にふんまんやる方ない気持ちでいるんですけれ
ども、どうでしょう。