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喜屋武眞榮君 この問題につきましては、なお時間をかけて質問したいこともありますけれども、一応
基本的に、だから日本農薬の推移を見た場合に、安易に飽食、飽食と喜んではおれない、どうしても自給向上を根本的に掘り起こして備えなければ大変なことじゃないかと、こういう危惧の念を持つわけでありますが、そういった点から日本
農業の将来というものについてのビジョン、方策を打ち立てるべきであると私は思います。
そこで、農産物の輸入枠の問題が先ほど来のみならずいつも問題になるわけでありますが、この農産物の輸入枠の問題の
一つに、今ここではっきりお聞きしたいことは、沖縄のパイナップルのことについてであります。
承りますと、日本・ASEAN
経済閣僚
会議が六月の二十七日と二十八日の二日間東京で開かれるようでありますね。それに向けて日本側にASEANから、特にタイを
中心とする国から要望が非常に強い。その
一つは、関税を引き下げてくれ、そして輸入枠を広げてくれ、さらにそれだけではなく、その要求の強さは自由化を求めておるという、こういう背景がうかがわれるんですね。そうすると、日本
政府は、そのような姿勢で要望しておる国に対して関税を引き下げることは、輸入枠をふやすことはやむを得ないという、こういう何か姿勢に立って二十六日までには
結論を出して臨むと、こういうことが感ぜられるわけでありますが、非常にこれは重大な問題だと思っておるわけなんです。といいますのは、沖縄の
農業形態が今後どのように変わったとしても、
基幹作目としてのサトウキビ、パイナップルは消すことはできないと私は思っております。そういった守るべき唯一のとりでであるところのパイナップル産業がつぶれるようなことに、あるいは自滅するような、また減退の
方向に行くとするならば、これは重大な問題である、こう思われてならないんです。
そこで、現地沖縄におきましても、このパイン産業を守っていくために従来にない決意をいたしておるということは
大臣もおわかりと思うのでありますが、繰り返すようでありますが、いまだかつてない真剣な
態度を持ち合って、寄せ合って生産者代表とパッカー代表がたびたび集まって、沖縄のパイン産業の将来を希望の持てるものにしていくために増産
体制で危機打開を詰め合っておるんですね、話し合って、理解し合っておる。具体的に申し上げますと、年間国内需要量が二百四十万ケース、これをまず目標
設定しておる。ところが、現状は沖縄側からの生産力はまだそこまではいかないわけなんですが、その二百四十万ケースの内訳として、沖縄側は百万ケース、それから冷凍品が五十万ケース、輸入が九十万ケース、こういう二百四十万ケースという目標を持っておるわけです。その九十万ケースの枠の九〇%はASEAN側から来ておるわけですね。そのASEAN側が今度は輸入を拡大するということになると、これは大変なことになる。しかも、全部取っ払って自由化の
方向へ行ってもらいたいという熾烈な願いを持っておるようでありますね。ここに問題がある。
そこで、パッカーと生産者代表とが結局
結論として、年間の原料生産枠を五万トンと再確認しておるんですね。どんなことがあっても五万トンは生産しようということを
決議し合っておるんです。そのことが今度は再生産意欲それから価格の安定につながる、こういうことで価格安定に対しても一キロ当たり四十九円、今度一円五十銭アップしまして四十九円になりましたね。しかも、決定額を下限として向こう五カ年間保証するということをパッカー側に生産者側が要望して、よしいこうと、こういうことでパッカー側も紳士的な協定に踏み切っておるわけなんです。このように希望の持てる
基幹作目パイン産業を育成していこう、取っ組んでいこうと、こういう矢先に、今言った外国からの枠の拡大とか関税の引き下げとか、こういうことを言われるというと、これはもうまさに冷や水をぶっかけられるようなこういう不安と怒りを持つわけであります。そのことによ
って
農家の再生産意欲を刺激して増産を、そしてパッカーは企業
経営を
計画的に樹立していくということを再確認しておるわけでありますが、このことは、いつも
大臣が
基本方針として
地域農業の振興ということを強調しておられますが、この面からもこれはまさに好ましいことであると思っております。
そこでお尋ねしたいことは、
政府は、このいきさつからも輸入枠を広げていくということは私は考える必要はない、こう思うんですが、
大臣の、また
政府の見解は、沖縄のパイン産業を育成していくというこの
基本姿勢からどのように今の問題を考えておられるか、お聞きしたいと思う。