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1985-05-16 第102回国会 参議院 農林水産委員会 第16号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和六十年五月十六日(木曜日)    午後一時開会     ─────────────    委員の異動  四月二十五日     辞任         補欠選任      初村滝一郎君     亀井 久興君  五月七日     辞任         補欠選任      亀井 久興君     初村滝一郎君  五月十日     辞任         補欠選任      菅野 久光君     秋山 長造君  五月十三日     辞任         補欠選任      秋山 長造君     菅野 久光君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         北  修二君     理 事                 高木 正明君                 谷川 寛三君                 最上  進君                 村沢  牧君                 藤原 房雄君     委 員                 岩崎 純三君                 浦田  勝君                 大城 眞順君                 熊谷太三郎君                 坂元 親男君                 竹山  裕君                 初村滝一郎君                 水谷  力君                 稲村 稔夫君                 菅野 久光君                 山田  譲君                 刈田 貞子君                 下田 京子君    国務大臣        農林水産大臣   佐藤 守良君    政府委員        農林水産大臣官        房審議官     吉國  隆君        農林水産省経済        局長       後藤 康夫君    事務局側        常任委員会専門        員        安達  正君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○農業災害補償法の一部を改正する法律案内閣提出衆議院送付) ○参考人出席要求に関する件 ○蚕糸業緊急対策に関する請願(第二二九号) ○第七次漁港整備計画促進及び漁港関係事業予算確保に関する請願(第二九三号) ○国内農産物自給率向上等に関する請願(第二一五七号外三件) ○畜産物輸入抑制並びに畜産経営改善生産振興対策及び価格安定対策の推進に関する請願(第三〇六七号) ○新潟食糧事務所小千谷支所及び塩沢支所の存置に関する請願(第三五四八号) ○農業・農村の振興食糧自給力向上等に関する請願(第三六六五号) ○森林・林業の振興等対策強化に関する請願(第三六六六号) ○農業者年金制度拡充強化に関する請願(第三九九九号) ○畜産養蚕経営安定強化に関する請願(第五二五六号) ○治山事業拡充強化に関する請願(第五二五七号)     ─────────────
  2. 北修二

    委員長北修二君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。  農業災害補償法の一部を改正する法律案議題といたします。  まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。佐藤農林水産大臣
  3. 佐藤守良

    国務大臣佐藤守良君) 農業災害補償法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び主要な内容を御説明申し上げます。  農業災害補償制度につきましては、制度創設以来既に四十年近くの歳月を経過しておりますが、その間に、この制度災害対策として農業経営の安定のために多大の寄与をしてまいったことは御承知のとおりであります。  しかしながら、近年、農業事情及び農家保険需要が変化してきており、これに即応した制度改善が求められるとともに、厳しい財政事情のもとで制度の一層の合理化を図ることが必要となっております。このような状況にかんがみ、政府におきましては、補償内容の充実と制度合理化を図ることを旨として農業災害補償制度の改正を行うこととし、この法律案を提出した次第であります。  次に、法律案の主要な内容につきまして、御説明申し上げます。  第一に、共済掛金率設定方式改善であります。  現行制度における共済掛金率は、共済目的の種類、農業共済組合等区域等ごとに原則として一律に定められておりますが、近年における被害発生態様にかんがみ、農業共済組合等農家共済事故発生状況等により区分して共済掛金率を設定できるようにすることといたしております。  第二に、農作物共済共済掛金国庫負担方式合理化であります。  現在の農作物共済共済掛金に対する国庫負担は、高被害地域が他の地域に比べ著しく高率であり、しかもその水準は、他の公的保険におけるそれと比べ高率となっておりますが、最近における農業事情等を考慮いたしまして、このような国庫負担方式合理化を図ることといたしております。  第三に、家畜共済改善であります。  現行家畜共済は、出生後第六月以降の牛を共済目的としておりますが、肉牛生産振興重要性等にかんがみ、農業共済組合等肉牛の子牛及び胎児家畜共済共済目的に加えることができることといたしております。  第四に、果樹共済改善であります。  最近における農家保険需要実情等にかんがみ、加入促進を図るため、収穫共済について、共済事故のうち一部を除外しているいわゆる特定危険方式補償水準上限を引き上げ、補てん内容を充実するとともに、収穫共済共済責任期間を短縮できる制度を設けることといたしております。  第五に、園芸施設共済改善であります。  近年における施設園芸経営実態等にかんがみ、農家の選択により、病虫害共済事故としないことができる制度を導入することといたしております。  以上がこの法律案を提出する理由及び主要な内容であります。  何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
  4. 北修二

    委員長北修二君) 以上で趣旨説明は終わりました。  次に、補足説明を聴取いたします。後藤経済局長
  5. 後藤康夫

    政府委員後藤康夫君) 農業災害補償法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由を補足して御説明申し上げます。  本法律案を提出いたしました理由につきましては、既に提案理由において申し述べましたので、以下その内容について若干補足させていただきます。  第一に、共済掛金率設定方式改善についてであります。  近年における被害発生態様を見ますと、農家間における技術格差等により被害発生に著しい差異が認められる地域がありますので、今回、農家共済事故発生状況等により危険段階別に区分して共済掛金率を設定する方式を導入することといたしております。この危険段階別共済掛金率設定方式は、農業共済組合等実態に応じて実施できることといたしております。  第二に、農作物共済共済掛金国庫負担方式合理化についてであります。  現行農作物共済共済掛金国庫負担は、いわゆる超過累進方式をとっており、下限を五〇%とし、上限水稲については七〇%、陸稲及び麦については八〇%とし、その範囲内で共済掛金率が高くなるほど国庫負担率が高くなる方式となっておりますが、今回、この上限をそれぞれ一〇%ずつ引き下げる等の措置を講ずることといたしております。この結果、例えば水稲の場合では、共済掛金率が四%を超える部分の国庫負担率現行の百分の七十が百分の六十となり、これに応じて国庫負担率累進程度は、現行のそれと比較して緩やかなものとなるのであります。  第三に、家畜共済改善についてであります。  現行家畜共済は、出生後第六月以降の牛を共済目的としておりますが、食肉資源に占める肉牛重要性肉牛の子牛の死亡が繁殖農家に与える影響の大きさ等にかんがみ、今回、農業共済組合等肉牛の子牛及び一定の生育の程度に達した胎児家畜共済共済目的に加えることができることといたしております。この場合において、肉牛の子牛及び胎児については、他の牛と一体として共済関係が成立することといたしております。  第四に、果樹共済改善についてであります。  その一は、補償水準の引き上げであります。現在、収穫共済共済金額は、標準収穫金額の七割を限度としておりますが、共済事故のうち一部を除外しているいわゆる特定危険方式については、この限度を八割まで引き上げることといたしております。  その二は、収穫共済共済責任期間の特例の新設であります。現行収穫共済共済責任期間は花芽の形成期から果実の収穫までの一年半ないし二年の期間となっておりますが、被害発生態様等から適当な場合には、これを短縮した期間共済責任期間とすることができることといたしております。  第五に、園芸施設共済改善についてであります。  現行園芸施設共済は、気象上の原因による災害、火災、病虫害等のすべての災害共済事故とし、加入者共済事故を選択することは認めないこととなっておりますが、近年における施設園芸経営実態農家保険需要実情等にかんがみ、施設園芸経営条件一定基準に適合する農家につきましては、病虫害共済事故から除外することができることとし、これにより農家掛金負担の軽減と加入促進を図ることといたしております。  以上をもちまして農業災害補償法の一部を改正する法律案提案理由補足説明を終わります。
  6. 北修二

    委員長北修二君) 以上で説明は終わりました。  本案に対する質疑は後日に譲ります。     ─────────────
  7. 北修二

    委員長北修二君) この際、参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  農業災害補償法の一部を改正する法律案審査のため、参考人出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  8. 北修二

    委員長北修二君) 御異議ないと認めます。  なお、その日時及び人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  9. 北修二

    委員長北修二君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  10. 北修二

    委員長北修二君) 次に、請願審査を行います。  第二二九号蚕糸業緊急対策に関する請願外十二件を議題といたします。  速記をとめてください。    〔速記中止
  11. 北修二

    委員長北修二君) 速記を起こしてください。  本委員会に付託されております十三件の請願につきましては、理事会におきまして協議いたしました結果、第二九三号第七次漁港整備計画促進及び漁港関係事業予算確保に関する請願外三件は議院の会議に付するを要するものにして内閣に送付するを要するものとし、第二二九号蚕糸業緊急対策に関する請願外八件は引き続き審査することに意見が一致いたしました。  つきましては、右のとおり決定することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  12. 北修二

    委員長北修二君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  13. 北修二

    委員長北修二君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後一時九分散会