○藤原房雄君 今いろいろ
事業のことでお話がありましたけれ
ども、我々もその土地その土地のいろいろなものも見てはおるんですが、草地
事業も、着々といいますか、こういう時代ですからそう大きな伸びはないのかもしれませんが、何年かぶりに行きますと、びっくりするような
事業もどんどん進んでおるようですが、放牧林地ですね、特に国有林なんかを活用すべしなんというようなことも言われておるんですけれ
ども、なかなかこういうことについて、現地へ行きますと、これはいつも言っていることですけれ
ども、いろいろな条件がございまして、これはそういう限られた地域のことでありますから、どこでもというわけにはいかないわけですけれ
ども、林野庁さんとの話し合いというのは現場ではなかなか難しいようですね。
そういうようなこと等についてもぜひひとつ借りやすいように、また国土の荒廃、いろいろなことがございますから、どこでもというわけにいかないのかもしれませんけれ
ども、そういう適地がございましたら、やっぱりこういう
畜産業の
振興ということで、放牧林地等についても国としても考えておるわけでありますから、これは十分ひとつ、民有林はもちろんでありますが、国有林の場合にはそれ相応の条件等について借りやすいような方向に進めるようにひとつまた御検討いただきたい、こう思うんです。
それから、午前中もお話し申しましたが、
限度数量とそれから負債整理
資金、ここあたりをしっかり、乳価が上がることは、価格政策、それはある程度限度があるかもしれませんけれ
ども、これは何といったって大きな柱であることは当然のことでありますが、ここまで参りました
畜産の
振興のためには、この二つがまた大きな支えになるだろうと思います。今も同僚
委員からいろいろお話こざいましたが、負債整理でさっきもちょっとお話があったんですが、いつの時点に酪農経営をしたかという、これによりまして随分差があるんですね。立地条件、個人差、地域差、いろいろなことがありますから一概には言えないのかもしれませんが、やはり既存といいますか、長い間やって、そしてだんだん規模を
拡大していった方々と、三十年代入植なさって
努力なさった方々、四十年代前半、後半、五十年代に入って、同僚
委員から今お話がございましたけれ
ども、やっぱり五十年、四十年後半に入られた方は大変な苦しい
状況にある。
皆さん方にお話しすると、いやそんな
畜産も酪農も悪いことばかりじゃない、いいところもありますという話をするんですけれ
ども、それはいつの時点で入ったかという、そこらあたりのことで確かに差のある、それはいい方というのは本当に一握りでありまして、一生懸命やりながら何とか、融資を受けるときも、どういう償還
計画でやるかということは、これは担当の方々とお話をしながらやるわけで、当時、五十年前後というと、物価上昇とかいろいろなものを勘案して伸び率を考えて償還
計画を立てるわけですけれ
ども、時代がそういうふうにいかなかったという、こういう
一つの大きな経済変動の波をかぶる。一たん決めたものを変えるなんということはなかなかしてもらえない、やっぱり決めたものは決めたもので推し進めるということで、これが二十年、二十五年という長期のものになりますと、やっぱりそういうものが非常に大きなおもしになっているというのが
一つあり得ると思うんですね。
それから、技術革新が激しいというこういう中で、当時四十年の後半、五十生前後、近代装備で新しいものがどんどん入りまして、新しい近代的な施設を補助金等で建てたところは、これはもう現在になってみますと別ないろんな方法があって、そんな多額なお金をかけなくてもいいという、こういうことも現実ですね。去年私、根室に参りましたら、二千万も三千万もするスチールサイロを使ってないのが多いと言ったらちょっと語弊があるかもしれませんが、もとの小さいというか、もとのやつで十分間に合うという、しかもビニールの大きいやつでやるような方法とか、いろんなことが最近技術的にできまして、そういう大きな投資をしたものが十分に活用されれば当初の
計画というのはそれは生きてくるのかもしれませんけれ
ども、現実はもうどんどん進歩の中で、相当な投資をしたものが十分に有効に活用されてないという、こういう現実もたくさんあるんですね。負債整理、それはまた大事なことでありますが、長期低利、これは大事なことなんですが、実際使っているものに金を払うならいいんですけれ
ども、有効な当初の効能書きどおりの活用をしていないという、こういうものまで荷を負わされるということでは、これはもうなかなか農家の経営としては大変なことですね。
こういう
一つの時代の推移、これは第一次、第二次オイルショックやなんかありまして、また経済変働、技術革新、いろんなことがありましたから、そういうことがいいとか悪いとかということじゃないんですけれ
ども、やっぱり行政というものは小回りがきかないというか対応力がないというか、現実は現実として見て、それに対する対応力というものを持たなきゃいかぬと私は思うんです。その点、負債の中身としていろんな問題があるんですけれ
ども、設備投資、当時は補助金やなんかで立派なものを建てた。しかし、今は建てたものが十分に有効活用されてない一面もあり、そういうものについては全く棚上げというわけにはいかないかもしれませんけれ
ども、何年間か棚上げするか、ある程度経済の安定するまでは何らか
措置を講ずるような方法も考えないといけないんじゃないかという気がしてならないんですけれ
ども、どうでしょう。