○藤原房雄君
大臣にかわった方がいいという声もありますよ。
この食管法は、逆ざやということに私は固執するわけじゃないんですけれ
ども、これはやっぱり財政上だけのことについていろいろ先ほ
どもお話あったし、そういう観点から逆ざや解消をしなきゃならぬという議論がどうしても中心的な話になるんですが、明治、大正、
昭和の初め、あの飢饉があったときに、いろいろな制度がありながらなかなか安定した米の供給はできなかった。金持ちがたくさんお米を買い占める。しかしそれをどうすることもできない。いろんな経緯があって、
昭和十七年ですか、食管法ができてくる。そして、安定的に供給する道として、そういう中で逆ざやの問題等についても、当時の社会情勢がそうであったと言えばそれまでのことかもしれませんが、今日まで日本の主食である米の取り扱いの過去のいろんな歴史的な経過の中でそういう制度がずっと続けられてきた。
これは社会情勢が変わったんだということで、逆ざやというものを財政のためになくしてしまうということが本当に安定的な米の供給ということ、食管の精神というものを守り得ることになるのかどうか。これは
農家の間でもいろんな議論があり、そしてまた、財政主導でこれが引っ張られていく。これは食管の根本精神と言いながら、この逆ざやが完全になくなったときに米の動きというのは一体どうなってくるのか。また、良質米奨励金云々ということにもつながるわけでありますけれ
ども、こういうこと等をこれは今良質米を奨励しようということで進めてきた。ここでもしこれを削減するようなことになりましたら、
農家の方々はそのことのためにどういう道を選ぶかというと、これは地域とか
規模とか立地条件、それらの
農家の方々のより自分の生活を守るためにいろんな動きが出てくる。これは社会が変わったんだから
当たり前のこと、自由経済の中にほうり投げてしまうんだというような単純な物の
考え方で進めるわけにはいかない非常に重要な問題であるということだけは、私はこれはちょっと提起をしておきたいと思うんです。
与えられた時間がわずかでもう
一言しかしゃべる時間がありませんから、この問題についてはまだ後ほど議論するとしまして、重要な問題で、逆ざや、財政再建、こういうことだけでこの問題を処理することのないように農業全体、
稲作農家全般の諸問題を勘案してひとつ幅広くこれを見ていっていただきたい。
私はもう時間がありませんから最後になりますが、去る六月二十五日関税問題についての決定があったのですが、そのうち中曽根総理が、ナチュラルチーズそれからチョコレート、このナチュラルチーズの各国からの要望が強いので、この品目についても行動計画の期間中に諸外国に
説明のできるように決定してほしいという
発言があったと報じられている。これは諸外国にいい格好をしようという総理の心かもしれませんが、酪農を一生懸命やってまいりました北海道を初めとして大
規模の酪
農家にとりましてはこれは大変な問題であることは重々御存じのことだと思います。今、乳製品は過剰ぎみということで抑制されて、そういう中で今伸びているのはナチュラルチーズだということで、そちらの方にずっと
ウエートがかかっている。そしてまた、そこに活路を見出そうということでいろいろ工夫、考慮されている。単なる思いつきではないだろうと思うのでありますが、外国にいい格好をするために、農民にせっかく
規模拡大そしてまた、安定した酪農経営をということで
努力をしつつある最中に、降ってわいたようにこういう話が出てくるというのは一体どういうわけなのか。
これは総理に言わなければならないのだけれ
ども、農水省に言ってもしょうがないかもしれませんが、一体実態はどうなのか、また皆さん方としてはどういう指示を受けているのか。こんなことは絶対に許し得ないことだと私は思うのでありますけれ
ども、また地元の携わる方々も非常に怒り心頭ということでありますけれ
ども、この問題についてきちっとした態度で臨んでいただきたいし、これは
関係の
局長さんにお話しいただき、政務次官にもぜひひとつ御理解をいただいて毅然たる態度でやっていただきませんと、今ようやく活路を見出しつつある大
規模酪
農家にとりましては致命的な打撃を受けることになるという、この問題についての御答弁をいただきたいと思います。