○
国務大臣(
竹下登君) 確かに、御
意見を交えての御質問でございますが、私も、
国家公務員等共済組合法の
改正が通りました後、組合関係の皆さん方とお会いいたしましたときにも申されました。今戦時中という言葉がございましたが、確かに満鉄等々へ行っておって、そして帰ってきて、
国鉄そのものが雇用の場としての大変な役割を果たし、そしてまた
昭和三十八年までは黒字でございました。三十九年、どうしたことでございますか、
国鉄出身の佐藤内閣ができましたら赤字になりました。私はちょうどそのとき官房副長官でございましたので鮮烈に記憶しております。しかし、これはモータリゼーション等々によってやむを得ざることであると思います。
したがって、
退職者の方が当時、軍手という言葉はもうございませんが、いずれにしてもちゃんと白手袋をして、あごひもをかけて、体でもって乗客を押し込むようにして、そして輸送というものに果たしてきた。その我々が
共済年金に不安を感ずるようになるということが、少なくともあの
改正においてなくなってきたことは自分たちにとって大変うれしいことであった、こういう
お話を聞きまして感打たれるものがありました。そしてその
方々にも今
スライドを当面停止しておりますが、このことはまた横並びで調べてみますと、相対的に他
共済よりは
水準が高い。だから、えらい済みませんが、しばらく我慢をしてください、こう言わざるを得ないというふうに
考えておるところであります。
それから、今おっしゃいました御
意見の中にありましたように、今度は若い
方々と
お話をしますと、基礎
年金だけであとは我々が自主的につくった方がいいじゃないか、だから
年金を卒業したい、こういうような
意見の
方々は確かにございました。そしてまた国際会議に出ますと、ヨーロッパ等、
年金がいわばでき過ぎたと申しますと表現はおかしゅうございますが、成熟し切って、言ってみれば非常に掛金が高い。国民
負担率にすれば、日本が三五、ヨーロッパは大体五〇、高いところは五五だという程度でございますから、その
方々で見れば、掛金が高いから元だけは取らなきゃいかぬというので、早くやめて、それからは老後を楽しむ。これも国全体から見ればいいことかどうかという
感じを持つわけであります。
したがって政府では、たまたま今は厚生大臣でございますが、
年金担当大臣というものを決めまして、とにかく今おっしゃったような
意見に基づいて、何分好むと好まざるとにかかわらずやってまいりますのが高齢化社会でございます。が、そこまで言うといささか差しさわりがございますけれ
ども、逐次いろんなことを進めております。今年度も
制度改正につきまして今
国会へ提出はいたしております。まだ
審議はされておりませんものの、そういうものを含めて、逐次これを整備しながら、
昭和七十年というところを目標にいたしまして一元化を図っていって、本当に二十一世紀、いや二十二世紀ぐらいを通じてみて、これが最も至当な、我が国に適応した
年金制度だということを、まさに中長期的に見て、やっていかなきゃならぬ課題だ。
昭和七十年ということになりますと、それはかなり先のようでございますが、私も七十一歳にそのときはなりますけれ
ども、それでもやっぱり今からその仕組みを本気は
考えていかなきゃならぬなという、政治家としての使命感を持っておるのは、私も
穐山さんとひとしくいたしておるつもりであります。
いささか長くなりましたことをおわびを申し上げます。