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国務大臣(
藤波孝生君) 今
お答えを申し上げてまいりましたように、それぞれ公正な方々のいろんな御
意見を聞くとか、あるいは専門的な知識を持った方に御
意見を伺うとかというようなことで、
総理大臣がいろいろな判断をいたします参考にさせていただくということで懇談会を設けてきたところでございます。もちろん、国会におきます
論議は
内閣として最も尊重すべきものでございまして、また同時に、進んで
内閣総理大臣も各大臣も国会の
論議に参画をさせていただいて、いろいろ
政府の
考え方も申し上げると同時に議員、各党の御
意見も伺う、そこで
論議を深めるという基本的な姿勢というものは最も大事であるというふうに考えておるところでございます。
具体的に今
お話が出ましたので少し
お答えをしますが、例えば文化と教育に関する懇談会、今までも中央教育
審議会を
中心にして文部省としてもいろいろ教育や文化の問題に取り組んできている。しかし、どうも全国の学校の様子を見てみても、あるいは子供たちの児童、生徒、学生のいろんな実態を見てみてもいろいろ問題なしとしない。これは
総理大臣のところでいろいろもう少し考えてくれたらどうか。各方面からそんな御
意見もございまして、総理自身が文化と教育に関していろいろ御
意見を
伺いたいということで懇談会をお願いしてきたところでございます。
平和問題
研究会の場合も、総合的に安全保障の問題を考える、こういうことで、中曽根好みの人たちに集まってもらってという
お話でございますが、これは例えば外交の権威者であるとか、あるいは食糧問題の権威者であるとか、エネルギー問題はどうかというふうに、各界のことを十分頭に置いてそれらを総合的に安全保障としてどう構えたらいいかというようなことをいろいろ御
意見をお述べいただいてきたところでございまして、高度情報社会に関する懇談会につきましても同じことが言えると思うのでございます。
問題は、行政が縦割りになっておるものですから、どうしても各
省庁ごとに問題意識を持って政策課題とどう取り組んでいくかという対応をいたしておりますけれ
ども、社会の動きは非常に複雑になっておるものですから、なかなか縦割りの
省庁のその
部分だけで見ておったのでは解決にならないというような問題が随分ございまして、そういう意味では文化と教育に関する懇談会も、これは文教行政だけでなく、これはもう人間の生涯として、例えば厚生省の
仕事も労働省の
仕事もいろいろ一緒に考えてみなければいかぬということでいろんな御
意見をいただいてきたところでございますし、平和問題
研究会にしても、高度情報社会に関する懇談会にいたしましても、各
省庁にまたがるいろんな問題について実は御
意見を述べていただいた。そんなことで、特に中曽根
内閣になって
総理大臣の私的の懇談会がふえたのではないかということについて
お答えをすれば、そういう
必要性が随分ふえてきておるということを申し上げなければならぬかと思うのでございます。
出されました
意見につきましては、
政府が政策を決定いたしてまいります際に参考にさせていただくという建前を貫いてきておりまして、そこで懇談会が一つの
意見がまとまったからそれを隠れみのにして
政府は方針を決定していくというような誤解のないようにいろいろ考えて取り組んできているところでございますので、どうか深い御理解をいただきまして、これらのいいところを活用さしていただくということにぜひお願いをしたい、こう考えておる次第でございます。
なお、公的な
審議会を大事にしなければならぬということにつきましても、これも御
指摘のとおりでございまして、ただ、一つのテーマをめぐって少し時間をかけていろいろ御
意見を伺うというようなこととか、あるいは今申し上げましたように、
総理大臣や
官房長官の場合には各
省庁にまたがる問題についていろいろ
意見を伺うとかといったような
必要性もございますので、ぜひその点も御理解をいただきたいと、このように考える次第でございます。