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国務大臣(
竹下登君) なお、先ほどの答弁で
一つ落としましたことをまず補足させていただきますが、外務省からも正確に答弁があっておりますが、例の質の問題でございます。
かつて英領何々とか仏領何々とかそういう国は、どうしてもかつての宗主国でございますから、贈与が中心になりがちでございます。アジアの場合は、これは
一つの物の
考え方でございますが、いわゆる自立自助という
意味においては贈与よりも借款の方がより効果的ではないかという
考え方を、基本に我々が持っておるわけであります。グラントエレメントの計算のときにはちょっとぐあいが悪いなという感じは持ちますけれ
ども、基本的にアジアで
かなりそういう国が出ておるということと、そして自立自助というのがやはり本来あるべき姿であるという
考え方がありますということだけ、つけ加えて申し上げておきます。
それから次はアジ銀、この間の総会に行きましたが、最近
米国が国際開発金融
機関に対して消極的であるということ、これは事実であります。本年のアジア
開発銀行の
融資の停滞傾向については、これは別の要因があると考えられます。すなわち、現在アジア
開発銀行事務局はことしの貸し出しは前年に比して減少すると見込んでおりますが、これは借入国側の財政
事情が押しなべて悪化したためにADB
プロジェクト実施に必要ないわゆる自国負担金の捻出が困難だということが
一つの
理由だと思っております。
それから、低所得向けに緩和された条件で
融資を行いますアジア開発
基金につきましては、
米国の払い込み遅延のための
資金繰りが悪化しておることはこれは事実でございます。この遅延相当額は既に補正
予算として議会に提出されておりますので、近々議会を通過する見通しでありますので、その
意味においては最終的には貸し出しの減少につながらないで済む、こういうことになろうかと思っております。しかしながら、
我が国といたしましてはそういう
出資あるいは増資でございますか、それについては積極的な姿勢をとって今日まで来たことも事実でございます。ただ、全体の
出資交渉等を行いますと、やっぱりこれはいろいろな経過がございまして、例えばアメリカを差しおいてその上へ上がっていくとか、
我が国のおよその
シェアというものの客観的な評価というものもございますので、その辺はもちろん配慮に入れますものの、我が方としては積極的に
出資、増
資には取り組んでいくという姿勢をこれからも貫いていかなければならないというふうに考えておるところであります。