○田英夫君 先ほど、ちょっと
委員会を離れまして、表へ出ましたところが、きょうは
国会周辺は大変車が込んでおりました。その原因の一つは、ソ連の副首相が来日をしておられて、これに対する右翼の嫌がらせがあるというのが一つと、もう一つは、例の
外国人登録法の指紋押捺の問題に反対をして、在日朝鮮人の組織の皆さんが大きなデモをやっておられて、交通が渋滞をしている。
東京にこうやっておりましても、国際
社会の中の
日本といいましょうか、そういう
状況が肌で感じられるわけでありまして、いわんや我々の住んでいるこの
日本が生きていくということになれば、資源がない、しかし高度の
技術を持っているという
状況の中で、国際
社会の中にお役に立つ
役割を果たさなければいけないということになるわけでありまして、私は、御
質問というよりも、やや
意見を交えまして、この
法案がつくられている背景といいましょうか、その辺のところで御
意見を伺い、私も
意見を申し上げてみたいと思うわけです。
きょう、ちょうどお昼の時間に
通産大臣もお見えになりまして、日米議員連盟が主催をいたしまして、アメリカの州
政府の駐日代表を呼びまして、
意見交換の場がありました。
通産大臣、外務大臣もおいでいただきました。ちょうど大臣がおいでになったときに、マンスフィールド大使があいさつをして、最近のマンスフィールド大使のあいさつの中でも、最も
内容の濃い、非常に明快ないいあいさつをしてくださったと私は感じたのでありますが、その中で、一つ印象に残りましたのは、話は当然のこととして、日米経済摩擦の問題に大部分を割いておられましたが、つい最近、ワシントンに帰られたときに、ブロック通商代表、今は労働長官でありますが、このブロックさんの話で、これはテレビを通じてアメリカ国民に報道されたそうでありますけれ
ども、その話の中に、今の日米経済摩擦の原因の三分の二ないし四分の三はアメリカ側にあると私は思っていると、こういう話がありました。ということで、
日本ではマスコミを初めいろいろ言われておりますけれ
ども、にもかかわらず、やはりアメリカの側も非常に自分の方の問題だということを考え始めている。一時は議会で相当激しい決議が行われるという
ようなことで心配をいたしましたが、ややアメリカの側にも自分の方を振り返るという空気が出てきたということで、そういうことをマンスフィールドさんも言いたかったんだろうと思います。
しかし、考えてみますと、これはアメリカの方がそうなってくれたことは多とすると同時に、我々の方も大いに
日本の方の原因というものを、この際改めて冷静に考えてみる必要があるんじゃないだろうか。
特に今、
通産、
郵政ときょうおそろいでありますから、あえてこのことを申し上げるわけでありますが、まさに今の四つの問題についても、これは両省にまたがっていることは一あと農水でしょうけれ
ども、そういう
関係の深い両省でございますから、ぜひこのことを取り上げたかったわけでありまして、これは振り返って我が方を考えたときに、こういうところが問題じゃないかということを、きょう実は私の方から申し上げたいわけであります。
最初に、型どおり御
質問という
意味で、今度の
基盤技術研究円滑化法案という名前のこの
法案が今出てきている。これはお互いに、
郵政省も含めまして
通産省がこういうものをつくるということはまことに今の時点で時宜を得たものであり、むしろ遅きに失したんじゃないだろうかというお考えだろうと思います。これは私も理解できるんでありますけれ
ども、そこで、はたと、国際
社会の中の
日本と、今の
日本を取り巻く、今申し上げた
ような
状況ということを考えたときに、アメリカならアメリカの側、ECの側から見たら、こういう法律を
日本がつくるということをどういうふうに受け取るであろうかということが一つの重要な
問題点なんじゃないだろうかという気がいたします。
この点については、実は事前に私は
通産省の
関係者の方に伺いまして、国際的な問題ということも十分配慮したというお言葉をいただいたんでありますけれ
ども、ひとつ大臣あるいは担当の方から、
通産省としてこの
法案をおつくりになるに当たってどういう配慮をされたのかということを一言伺っておきたいと思います。